この記事では、Word文書に配置された図形や画像、テキストボックスなどのオブジェクトを一括選択する方法と、選択できない場合の対処法を実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。
情報システム担当の私にも、「Wordの図形をまとめて移動させたい」「たくさんの画像を一度に削除したい」といったご相談が日々寄せられます。
特に、オブジェクトが他の図形と重なっていたり、文章の裏側に隠れていたりすると、選択作業はさらに困難になります。
Shift
キーを押しながら一つずつクリックしていく方法は、選択したい図形やオブジェクトの数が増えると非常に手間がかかり、選択ミスも起こりやすくなります。
しかし、Wordの「オブジェクトの選択」や「選択ウィンドウ」といった機能を活用すれば、これらの選択作業が劇的に効率化します。手作業と比べて、操作時間の短縮やミスの防止にも繋がります。
この記事を最後までお読みいただければ、Wordでのオブジェクト選択が自由自在になり、報告書や企画書の作成効率が格段に向上するはずです。是非最後までご覧ください。
Wordで複数の図形・オブジェクトを選択する3つの基本操作
Wordで複数の図形やオブジェクトを効率的に選択するには、主に3つの基本操作があります。
- 「
Shift
」キーを押しながら図形やオブジェクトを選択する
選択したいオブジェクトが数個で、それぞれが離れた場所にある場合に最適。 - 「オブジェクトの選択」で範囲をドラッグして図形やオブジェクトを選択する
特定のエリアに集まっている複数の図形やオブジェクトを、マウス操作で一気に選択したい場合に最適。 - 「オブジェクトの選択と表示」ウィンドウから図形やオブジェクトを選択する
図形やオブジェクトが多数ある場合や、他の図形の下に重なっていて直接クリックしづらい場合に最適。
「数個だけ選びたい」「特定の範囲をまとめて選択したい」「重なった図形を正確に選びたい」といった状況に応じて使い分けてみてください。
「Shift」キーを押しながら図形やオブジェクトを選択する
まず、最も基本的な方法が、Shift
キーを使った複数選択です。
選択したいオブジェクトが数個で、それぞれが離れた場所にある場合に特に有効です。
手順は簡単です。まず最初のオブジェクトをクリックして選択し、次にキーボードのShift
キーを押しながら、追加で選択したい2つ目、3つ目のオブジェクトを順番にクリックしていくだけです。
クリックしたオブジェクトが、次々と選択状態に追加されていきます。

「オブジェクトの選択」で範囲をドラッグして図形やオブジェクトを選択する
特定エリアに集まった複数のオブジェクトをまとめて選択したい場合は、「オブジェクトの選択」ツールが便利です。
非常に便利な機能で、以下の手順で簡単に使うことができます。
- 「ホーム」タブにある「編集」ボタンをクリック
- 「選択」→「オブジェクトの選択(O)」をクリック
- マウスをドラッグして範囲を選択
- マウスのボタンを離し、図形やオブジェクトが選択状態になったことを確認する
- キーボードの
Esc
キーを押して通常の入力モードに戻る
ここからは、「オブジェクトの選択」ツールを使って範囲選択する方法を、実際の画面を交えながらわかりやすく解説します。
まず、Word上部の「ホーム」タブをクリックしてください。次に、「編集」ボタンをクリックしてください。

「編集」ボタンをクリックすると下に向かってメニューが展開されます。
その中にある「選択」をクリックしてください。次に、「オブジェクトの選択(O)」をクリックしてください。

「オブジェクトの選択(O)」をクリックするとマウスポインターが白い矢印の形に変わります。
この状態で、選択したいオブジェクトをすべて囲むように、文書上でマウスをドラッグ(クリックしたまま移動)してください。

マウスのボタンを離すと、ドラッグした範囲内に完全に含まれていたすべての図形やオブジェクトが選択状態になります。
図形やオブジェクトの周りにハンドル(サイズ変更や移動のための枠)が表示されていれば成功です。

「オブジェクトの選択と表示」ウィンドウから図形やオブジェクトを選択する
文書内に図形やオブジェクトが多数あり、複雑に重なっている場合に特に便利なのが「選択ウィンドウ」機能です。
- 「ホーム」タブにある「編集」ボタンをクリック
- 「選択」→「オブジェクトの選択と表示(P)」をクリック
- 「選択」ウィンドウで目的のオブジェクトを選択
- 図形やオブジェクトが選択状態になったことを確認する
文書内のすべてのオブジェクトが一覧表示され、リストから名前を選ぶだけで簡単に目的のオブジェクトを選択できます。
まず、Word上部の「ホーム」タブをクリックしてください。次に、「編集」ボタンをクリックしてください。

「編集」ボタンをクリックすると下に向かってメニューが展開されます。
その中にある「選択」をクリックしてください。次に、「オブジェクトの選択と表示(P)」をクリックしてください。

「オブジェクトの選択と表示(P)」をクリックすると、Word文書の右側に「選択」という名前の作業ウィンドウが表示されます。
この一覧から、選択したいオブジェクトの名前をクリックしてください。Ctrl
キーを押しながら名前をクリックすれば、複数のオブジェクトを同時に選択することも可能です。

選択ウィンドウで選んだオブジェクトが、文書上で同時に選択状態になります。
隠れていたオブジェクトも、この方法なら簡単に選択できます。

図形・オブジェクトを選択できない場合の対処法
「Shift
キーを押しても複数選択できない」「『オブジェクトの選択』ツールを使っても、なぜか選択できない図形がある」といった場合の、主な原因とチェックポイントを解説します。
文字列の折り返し(図形やオブジェクトの配置)が「行内」になっている
一括選択できない最も一般的な原因が、図形やオブジェクトの「文字列の折り返し」(配置)設定です。
この設定が「行内」になっていると、図形は巨大な一文字として扱われるため、他の図形やオブジェクトと同時に選択することができません。
対象のオブジェクトをクリックして表示される「レイアウトオプション」から、「四角」や「前面」など、「行内」以外に変更すると、複数選択が可能になります。

図形やオブジェクトがヘッダー/フッター内にある
文書のヘッダーやフッター領域(ページ上下の余白部分)に配置されたロゴやページ番号などの図形やオブジェクトは、本文とは別の層にあるため、通常の状態では選択できません。
ヘッダー部分をダブルクリックして編集モードに入ることで、その領域内のオブジェクトは選択可能になりますが、本文のオブジェクトと同時に選択することはできない点にご注意ください。
Wordの図形・オブジェクト一括選択に関するよくある質問と答え
Wordの図形・オブジェクト一括選択に関するよくある質問と答えをまとめました。
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