VBAエディタ(VBE)の画面レイアウトを初期状態に戻す方法 - Office共通

VBAエディタ(VBE)の画面レイアウトを初期状態に戻す方法 - Office共通

Excel(エクセル)やWord(ワード)などでマクロを扱おうと、マクロを編集するための特別な画面(「VBE」または「VBAエディター」と呼ばれます)を開いたとき、「あれ? なんだか表示がおかしい…」「いつも使っていた操作ボタンや情報が表示される部分(ウィンドウ)が消えてしまった!」と、戸惑ってしまった経験はありませんか?

VBAエディタ画面レイアウトが崩れてしまった場合
VBAエディタ画面レイアウトが崩れてしまった場合

まさに上の画像のように画面の配置が崩れてしまうと、どこをどう操作していいか分からず、作業がしにくいですよね。

このマクロ編集画面(VBE)のレイアウトは、パソコンの操作にあまり慣れていない方でも、いくつかの簡単な手順を知っていれば、元の状態(初期状態)に戻すことができます。特別なソフトをインストールや修復インストールする必要などもありません。

この記事では、その「VBEの画面レイアウトがおかしくなってしまった時に、自分で元に戻すための具体的な手順」を、難しい専門用語はできるだけ使わずに、一つ一つ分かりやすく解説していきます。

この方法はOffice共通(Excel、Word、PowerPoint、Outlookなど)で使えますので、ぜひ参考にしてください。

目次

VBAエディタ(VBE)の主要なウィンドウとその役割

VBAエディタ(VBE)画面のレイアウト崩れを直す準備として、まず主要なウィンドウ(画面の構成部品)とその役割を知っておきましょう。

プロジェクト、プロパティ、コードといった基本ウィンドウを理解すれば、後のレイアウト調整が格段にスムーズになります。以下でそれぞれ解説します。

プロジェクト エクスプローラー (Project Explorer)

VBAエディタ(VBE)画面の左上に通常表示される、ファイルやフォルダがツリー状に並んだようなウィンドウです。

ここには、現在開いているファイル(Excelブック、Word文書など)に含まれるVBAプロジェクトの全体像(標準モジュール、クラスモジュール、ユーザーフォーム、各シートやドキュメントに対応するオブジェクトなど)が表示されます。

目的のコードが書かれたモジュールを探して開いたり、新しいモジュールを追加したりする際の起点となる、ナビゲーションの役割を持ちます。

プロジェクト エクスプローラー (Project Explorer)
プロジェクト エクスプローラー (Project Explorer)

プロパティ ウィンドウ (Properties Window)

多くの場合、プロジェクトエクスプローラーの下に配置されています。

プロジェクトエクスプローラーやユーザーフォーム上で選択している要素(オブジェクト)の「プロパティ」(設定可能な属性や情報)が一覧表示されるウィンドウです。

例えば、ユーザーフォーム上のボタンを選択すれば、そのボタンの名前、表示テキスト、大きさ、色などをここで確認・変更できます。

プロパティ ウィンドウ (Properties Window)
プロパティ ウィンドウ (Properties Window)

コード ウィンドウ (Code Window)

VBAエディタ(VBE)の中で最も大きな領域を占める、メインの作業スペースです。

プロジェクトエクスプローラーで特定のモジュールやオブジェクト(例: ThisOutlookSession, Module1)をダブルクリックすると開き、このウィンドウ内に実際にVBAのプログラムコードを記述したり、編集したりします。マクロの心臓部とも言える場所です。

コード ウィンドウ (Code Window)
コード ウィンドウ (Code Window)

VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法

ここからは、プロジェクト エクスプローラーやプロパティウィンドウが誤って非表示になってしまったり、意図しない場所に移動して画面全体の配置(レイアウト)が崩れてしまったりした場合に、VBAエディタ(VBE)の標準機能である「表示」メニューを活用して、初期状態に近い使いやすいレイアウトに戻すための基本的な手順を具体的に解説します。

この方法は、Windowsレジストリの編集といったリスクの高い操作は一切必要ありません。
VBAエディタ(VBE)のメニューから目的のウィンドウを一つずつ再表示させ、マウスを使って画面上の適切な位置にドラッグ&ドロップで再配置(ドッキング)する、という分かりやすい操作が中心となります。

以下の画面ではOutlookのVBAエディタ(VBE)を使用して解説していますが、この方法はOffice共通(Excel、Word、PowerPoint、Outlookなど)で使えます。

STEP
VBAエディタ(VBE)の画面を開き「表示(V)」をクリック

VBAエディタ(VBE)の画面を開き、ウィンドウ上部にある「表示(V)」をクリックしてください。

VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step1 VBAエディタ(VBE)の画面を開き「表示(V)」をクリック
VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step1 VBAエディタ(VBE)の画面を開き「表示(V)」をクリック
STEP
「プロジェクト エクスプローラー(P)」をクリック

「表示(V)」をクリックすると下に向かってメニューが展開されます。

その中にある「プロジェクト エクスプローラー(P)」をクリックしてください。

VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step2 「プロジェクト エクスプローラー(P)」をクリック
VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step2 「プロジェクト エクスプローラー(P)」をクリック
STEP
再度「表示(V)」メニューを開き、「プロパティ ウィンドウ(W)」をクリック

「プロジェクト エクスプローラー(P)」をクリックすると、左側にプロジェクト ツリーが表示されます。

続いて、再度「表示(V)」メニューを開き、「プロパティ ウィンドウ(W)」をクリックしてください。

VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step3 再度「表示(V)」メニューを開き、「プロパティ ウィンドウ(W)」をクリック
VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step3 再度「表示(V)」メニューを開き、「プロパティ ウィンドウ(W)」をクリック
STEP
「プロジェクト エクスプローラー」と「プロパティ ウィンドウ」の高さを調整

「プロパティ ウィンドウ(W)」をクリックすると、選択したオブジェクトの詳細設定を編集できるウィンドウが現れます。

次に、「プロジェクト エクスプローラー」と「プロパティ ウィンドウ」の境界線にカーソルを合わせ、上下へドラッグし、両ウィンドウの高さを調整してください。

VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step4 「プロジェクト エクスプローラー」と「プロパティ ウィンドウ」の高さを調整
VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step4 「プロジェクト エクスプローラー」と「プロパティ ウィンドウ」の高さを調整
STEP
浮いている小さなウィンドウをドッキングする

次に、画面の中に浮いている小さなウィンドウ(フローティング ウィンドウ)がないか確認してください。

見つけたら、その最上部にある帯(タイトルバー)をマウスでつかみ、ゆっくりと画面の端へ移動させてください。
端に近づくと、うすい青い枠が現れます。枠が表示された位置でマウスを離すと、ウィンドウが画面の端にピタッとくっついて固定されます。

この操作を「ドッキング」と呼び、作業しやすい配置に整えるときに便利です。

VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step5 浮いている小さなウィンドウをドッキングする
VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step5 浮いている小さなウィンドウをドッキングする
STEP
縮小されているウィンドウを最大化して元のサイズに戻す

最後に、コード ウィンドウなどVBAエディタ(VBE)内のウィンドウが最小化されている場合は、右上の □(最大化) ボタンをクリックして、元のサイズに戻しましょう。

VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step6 縮小されているウィンドウを最大化して元のサイズに戻す
VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step6 縮小されているウィンドウを最大化して元のサイズに戻す
STEP
VBA エディタ(VBE)の画面レイアウトが初期状態に復元されたことを確認する

これでVBA エディタ(VBE)の画面レイアウトは初期状態に復元 されました。

特別な保存操作は要らず、VBA エディタ(VBE)をそのまま閉じても レイアウト設定は自動的に保存 されます。

VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step7 VBA エディタ(VBE)の画面レイアウトが初期状態に復元されたことを確認する
VBAエディタ(VBE)の「表示」メニューで画面レイアウトを初期状態に戻す方法 Step7 VBA エディタ(VBE)の画面レイアウトが初期状態に復元されたことを確認する

VBAエディタ(VBE)の各ウィンドウをキーボードショートカットを使って表示させる

各ウィンドウをキーボードだけで呼び出すための一覧を作成しました。

VBAエディタ(VBE)がアクティブウィンドウ(最前面)になっていることを確認してからショートカットを使いましょう。

ExcelやWordなどの編集画面が手前にある場合は、Alt+F11でVBAエディタ(VBE)に切り替えたうえで、以下のキー操作を実行してください。

ウィンドウ名ショートカットキー備考
プロジェクト エクスプローラーCtrl +Rレイアウト初期化後、まずここを出して
モジュールを選択します。​
Microsoft Learn
プロパティ ウィンドウF4ノート PC ではFn+F4の場合も。
選択オブジェクトの色や名前を即変更。​
Microsoft Learn
イミディエイト ウィンドウCtrl+GDebug.Print の出力確認や
1 行テスト実行に必須。​
Microsoft Learn
ローカル ウィンドウAltVS変数の値を監視。
Altキーを押しながら
VS と“順に”押します。
ウォッチ ウィンドウAltVH重要な変数だけを監視したい時に便利。
呼び出し履歴 (Call Stack)Ctrl+Lデバッグ中に現在のスタックを一覧表示。​
オブジェクト ブラウザーF2クラスやメソッドを横断検索。
コードを書く前の確認に便利。
VBAエディタ(VBE)の各ウィンドウを表示するキーボードショートカット

VBAエディタ(VBE)の画面レイアウトを初期状態に戻す方法に関するよくある質問と答え

VBAエディタ(VBE)の画面レイアウトを初期状態に戻す方法に関するよくある質問と答えをまとめました。

VBAエディタ(VBE)で「プロジェクトエクスプローラー」(左側のツリー表示)が突然消えました。どうすれば再表示できますか?

VBEのメニューバーにある「表示(V)」をクリックし、リストの中から「プロジェクト エクスプローラー(P)」を選択してください。通常はこれで再表示されます。(ショートカットキーは Ctrl+Rです。)

プロジェクトエクスプローラーが消えた場合、ショートカットキー Ctrl+Rだけで解決できますか?

はい、「プロジェクト エクスプローラー」ウィンドウが表示されていないだけであれば、ショートカットキー Ctrl + R を押すのが最も手早く簡単な解決策となることが多いです。
このキーはプロジェクトエクスプローラーの表示・非表示を切り替えます。ただし、これはプロジェクトエクスプローラーに限定された操作です。
「プロパティウィンドウ」など他のウィンドウが表示されない問題や、ウィンドウの配置・ドッキングが崩れた問題は Ctrl+Rでは解決しません。
そのような場合は、記事本文で解説している「表示」メニューからの操作が必要です。

オブジェクトの設定を変えたいのに、「プロパティウィンドウ」が見当たりません。表示させる方法は?

VBAエディタ(VBE)のメニューバー「表示(V)」から「プロパティ ウィンドウ(W)」を選択するか、F4を押すと表示/非表示が切り替わります。

デバッグで使いたい「イミディエイトウィンドウ」はどうやって出すのですか?

メニューバー「表示(V)」から「イミディエイトウィンドウ(I)」を選択するか、ショートカットキーCtrl+Gを押すと表示されます。
これは初期状態では表示されていない補助ウィンドウです。

コードを書きたいのに、文字を入力するメインの「コードウィンドウ」が表示されません。

コードウィンドウは、通常、左側のプロジェクトエクスプローラーで特定のモジュール(例: Module1)やオブジェクト(例: ThisWorkbook, ThisOutlookSession)などをダブルクリックすると、その中身を表示・編集するために自動的に開きます。まずプロジェクトエクスプローラーを表示させてください。

VBAエディタ(VBE)のツールバー(「標準」や「編集」など、アイコンが並んだバー)が消えてしまいました。

VBAエディタ(VBE)メニューの「表示(V)」>「ツール バー(T)」にマウスを合わせると、表示可能なツールバーの一覧が出ます。
必要なツールバー(通常は「標準」や「編集」、「デバッグ」など)にチェックが入っているか確認し、チェックが外れていればクリックして再度表示させてください。

「表示」メニューからウィンドウを選んでも一瞬しか表示されない、または画面の外(オフスクリーン)に出てしまって見えません。

特に複数モニター環境や高DPI設定、ディスプレイの解像度を変更した後などに、ウィンドウの表示位置情報がおかしくなり、画面外に出てしまうことがあります。
対処法として、まずOfficeアプリ自体のウィンドウサイズを変更してみる、またはWindowsの機能で、タスクバー上のアイコンをShift+右クリックし、「移動(M)」を選択してキーボードの矢印キーで画面内に引き戻す、といった方法を試してみてください。

ウィンドウを画面の端(左端や下端など)にきれいに固定(ドッキング)させるにはどうすればいいですか?

移動させたいウィンドウのタイトルバーをマウスでドラッグ(クリックしたまま移動)し、VBAエディタ(VBE)画面の上下左右の端に近づけてみてください。
目的の位置でマウスボタンを離すと、その場所に固定(ドッキング)されます。

各ウィンドウの大きさ(幅や高さ)を調整したいのですが。

ドッキングされているウィンドウ同士の境界線にマウスポインターを合わせ、形が両方向の矢印に変わったら、そのままマウスをドラッグすることでサイズ(幅や高さ)を自由に変更できます。

おすすめの基本的なウィンドウ配置(初期状態に近いレイアウト)はありますか?

一般的には、画面左側に「プロジェクトエクスプローラー」(上)と「プロパティウィンドウ」(下)を縦に並べて配置し、画面右側の広い領域に「コードウィンドウ」を置くレイアウトが多く使われています。
「イミディエイトウィンドウ」は必要に応じて画面下部などに配置すると良いでしょう。
レイアウト調整後は、一度Officeアプリを再起動して、配置が保存されているか確認するのも一つの方法です。

自分で使いやすいように整えたVBAエディタ(VBE)のウィンドウレイアウトを、保存しておくことはできますか?

VBAエディタ(VBE)のウィンドウレイアウトは、通常VBAエディタ(VBE)を(そしてOfficeアプリケーションを)正常に終了する際に自動的に保存され、次回起動時に再現されます。
名前を付けてレイアウト設定を保存・呼び出す標準機能はありません。

なぜVBAエディタ(VBE)のレイアウトは時々勝手に変わったり、初期状態に戻ったりするのですか?

原因特定は難しいですが、OfficeアプリケーションやVBAエディタ(VBE)の予期せぬ終了(クラッシュ)で設定が保存されなかったり、Officeのオンライン修復でユーザー設定がリセットされたり、ディスプレイ設定(解像度やモニター構成)の変更が影響したりすることが考えられます。

PCを変えたらVBAエディタ(VBE)のレイアウトが変わってしまいました。設定をファイルなどで移行できますか?

VBAエディタ(VBE)のレイアウト設定はPC固有の場所に保存されるため、簡単なファイルコピー等で設定を移行する標準的な方法は提供されていません。
基本的には新しいPCで再度レイアウトを調整する必要があります。重要な配置はスクリーンショット等で記録しておくのが現実的な対策です。
(※注:レジストリをエクスポート/インポートする方法も存在しますが、リスクが高く非推奨です。)

ウィンドウレイアウトをリセット(再表示・再配置)すると、作成したVBAコードも消えてしまいますか?

いいえ、VBAコード自体が消えることはありません。
レイアウト操作はウィンドウの表示や配置を変更するだけで、モジュールに書かれたコード内容には影響しませんのでご安心ください。ただし、未保存のコード変更は失われる可能性があります。

このレイアウトの戻し方は、Excel、Word、PowerPoint、Access、Outlook全てで同じですか?

はい、基本的な「表示」メニューからのウィンドウ再表示や、ドラッグ&ドロップによるドッキング操作は、これらの主要なOfficeアプリケーションに搭載されているVBAエディタ(VBE)で共通して利用できます。

Mac版OfficeのVBEでも、同じようにレイアウトを戻せますか?

Mac版Officeに搭載されているVBAエディタ(VBE)は、Windows版とはインターフェースや挙動が大きく異なります。
そのため、この記事で説明しているWindows版VBEの手順がそのまま当てはまるとは限りません。

間違ってVBAエディタ(VBE)のウィンドウを全部閉じてしまいました!どうすればいいですか?

慌てずに、まずはVBAエディタ(VBE)のメニューバーから「表示(V)」をクリックしてください。
そこに「プロジェクト エクスプローラー(P)」や「プロパティ ウィンドウ(W)」などの項目があれば、それらを選択して再表示させ、元のレイアウトに手動で戻していきましょう。

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