【Word】文字を入力すると後ろの文字が消える原因と対処法

この記事では、Word(ワード)で文字を入力すると「後ろの文字が消える」現象の直し方と、「入力モード」を切り替えて元に戻す手順について解説します。

資料修正などで文字を追記しているときに、「カーソルの後ろにある文字が勝手に消える(上書きされる)」というトラブルは、Word利用者なら一度は経験するものです。これは故障ではなく、キーボードの「Insertキー」の誤操作で「上書きモード」に切り替わったことが原因です。

通常は文字が挿入されますが、「Insertキー」を押すと「上書きモード」になり、既存の文章を消しながら入力する状態になります。

この記事で紹介する確認方法と直し方を覚えておけば、すぐに元の状態(挿入モード)に戻せるようになります。

目次

Wordで文字を入力すると後ろの文字が消えてしまう現象

Wordで文章の途中に文字を追記しようとした際、「入力した文字数分だけ、カーソルの後ろにあった文字が消えてしまう」という現象が起こることがあります。

Wordで文字を入力すると後ろの文字が消える上書きモードの画面
上書きモードでは、新しい文字を入力すると既存の文字が消えてしまいます。

「せっかく打った文章が勝手に消えた!」「Wordが壊れた?」と焦ってしまいますが、これは不具合ではありません。文字入力の設定が「上書きモード」になっていることが原因です。

Wordには2つの入力モードがあります。

  • 挿入モード(通常):新しい文字が間に挿入され、後ろの文字は右にずれます。
  • 上書きモード:新しい文字が既存の文字(後ろの文字)を消しながら入力されます。

キーボード操作のミスなどで、意図せずこの「上書きモード」に切り替わってしまうと、修正作業中に既存の文章がどんどん消えていくトラブルが発生します。

Wordの入力モードを切り替えて後ろの文字が上書きされないようにする

Wordの「上書きモード」を「挿入モード」に戻す方法は2つあります。最も簡単なのはInsertキーを押す方法ですが、キーが見当たらない場合はステータスバーから切り替えることもできます。

Insertキーを使って入力モードを切り替える

誤って切り替わってしまった「上書きモード」を、元の「挿入モード」に戻す一番手軽な方法は、キーボードにあるInsert(またはIns)」キーを押すことです。

このキーは、押すたびにWordの「上書き」モードと「挿入」モードが切り替わるスイッチの役割をしています。

キーボードの配置にもよりますが、DeleteキーやBackspaceキーのすぐ近く、あるいはファンクションキー(F12など)の並びに配置されていることが一般的です。修正作業中に間違えて押してしまいやすいのもこのためです。

  1. キーボードの「Insert」キーを1回押す
  2. 文字を入力してみて、後ろの文字が消えないか確認する

既存の文字が消えずに、新しい文字が割り込んで入力されれば「挿入モード」に戻っています。

キーボードのInsertキー
「上書きモード」を、元の「挿入モード」に戻す一番手軽な方法は、キーボードにある「Insert(またはIns)」キーを押すことです。

キーボードによっては「Insert」キーが単独で存在せず、他のキーと一緒になっていることがあります(例:「Delete」や「PrtSc」と同じキーに小さく書かれているなど)。
その場合は、「Fn(ファンクション)」キーを押しながら「Insert」キーを押さないと反応しないことがあるので注意してください。

Wordのステータスバーを使って入力モードを切り替える

Insertキーが見当たらない」「押しても反応しない」という場合は、Wordの画面下にある「ステータスバー」を使って切り替える方法が確実です。

この方法なら、現在が「上書きモード」なのか「挿入モード」なのかを画面上で常に確認できるため、誤操作の防止にも役立ちます。

  1. Word画面左下のステータスバーの空白箇所を右クリック
  2. 「上書き入力」をクリックする
  3. ステータスバーに表示された「上書きモード」をクリック
  4. 「挿入モード」に切り替わっていることを確認する

それでは、実際の画面を見ながら詳しい手順を見ていきましょう。

STEP
ステータスバーの空白箇所を右クリックし、「上書き入力」を選択

Word画面左下のステータスバーの空白箇所を右クリックし、メニューから「上書き入力(O)」を選択してください。

Wordのステータスバーを右クリックして上書き入力を選択する画面
ステータスバーの空白箇所を右クリックし、「上書き入力」を選択します。
STEP
ステータスバーに表示された「上書きモード」をクリック

「上書き入力(O)」を選択すると、ステータスバーに「上書きモード」と表示されます。

Wordが「挿入モード」の場合は「挿入モード」と表示されます。

ステータスバーに表示された「上書きモード」をクリックしてください。

Wordのステータスバーに上書きモードと表示されている画面
ステータスバーに「上書きモード」と表示されたら、これをクリックして切り替えます。
STEP
「挿入モード」に切り替わったことを確認する

「上書きモード」をクリックすると「挿入モード」に切り替わり、既存の文字が消えずに、新しい文字が割り込んで入力されるようになります。

Wordのステータスバーの表示が挿入モードに切り替わった画面
「挿入モード」に切り替わり、文字が正常に入力できるようになります。

Insertキーを使った入力モードの切り替えを無効化する方法

Insertキーを間違えて押すことが多い」という場合は、Wordの設定でInsertキーによる切り替え機能を無効化できます。以下の手順で一度設定すれば、誤操作で上書きモードになることを防げます。

  1. Wordの「ファイル」タブをクリック
  2. Wordのホーム画面左下にある「オプション」をクリック
  3. 「Wordのオプション」で「詳細設定」をクリック
  4. 2つのチェックを外して「OK」をクリック

それでは、実際の画面を見ながら詳しい手順を見ていきましょう。

STEP
Wordの「ファイル」タブをクリック

Word画面左上にある「ファイル」タブをクリックしてください。

Insertキーを押しても上書きモードに切替えないように設定する
Insertキーを使った入力モードの切り替えを無効化する方法 Step1 Wordの「ファイル」タブをクリック
STEP
Wordのホーム画面左下にある「オプション」をクリック

「ファイル」タブをクリックするとWordのホーム画面が開きます。

左側のメニューにある「オプション」をクリックしてください。

Wordのウィンドウが縮小されている場合は「オプション」が見当たらないことがあります。
その場合はウィンドウを最大化してみてください。

Insertキーを押しても上書きモードに切替えないように設定する
Insertキーを使った入力モードの切り替えを無効化する方法 Step2 Wordのホーム画面左下にある「オプション」をクリック
STEP
「Wordのオプション」で「詳細設定」をクリック

「オプション」をクリックすると、「Wordのオプション」と書かれたウィンドウが表示されます。

「Wordのオプション」はWordをアクティブウィンドウにした状態で、キーボードのAltTOと順番に押すことでも開くことができます。
※コピー・ペーストなどと異なり、Altを押しっぱなしではなく、AltTOの順番にキーを押してください。

その中にある「詳細設定」をクリックしてください。

Insertキーを押しても上書きモードに切替えないように設定する
Insertキーを使った入力モードの切り替えを無効化する方法 Step3 「Wordのオプション」で「詳細設定」をクリック
STEP
2つのチェックを外して「OK」をクリック

「詳細設定」をクリックすると「Wordの操作に関する詳細オプションを設定します」と書かれた画面に移動します。

その中にある「上書き入力モードの切り替えにInsキーを使用する(O)」と「上書き入力モードで入力する(V)」のチェックを外してください。

両方のチェックを外したら右下の「OK」ボタンをクリックして設定を保存してください。

これで、今後WordでInsertキーを押しても、文字が消えてしまう「上書きモード」に切り替わることはありません。

Insertキーを押しても上書きモードに切替えないように設定する
Insertキーを使った入力モードの切り替えを無効化する方法 Step4 2つのチェックを外して「OK」をクリック

Wordの「上書きモード」と「挿入モード」に関するよくある質問と答え

Wordの「上書きモード」と「挿入モード」に関するよくある質問と答えをまとめました。

Wordで文字を入力すると後ろの文字が消えるのはなぜですか?

キーボードのInsertキーを誤って押したことで、Wordが「上書きモード」に切り替わったためです。Insertキーをもう一度押すか、ステータスバーから「挿入モード」に戻すことで解決できます。

上書きモードと挿入モードの違いは何ですか?

挿入モード(通常)は、新しい文字を入力すると既存の文字が右にずれて間に挿入されます。上書きモードは、新しい文字を入力すると既存の文字が消えながら上書きされます。通常は挿入モードで使用します。

Insertキーを押しても上書きモードが解除されません。どうすればいいですか?

キーボードによっては、Fnキーを押しながらInsertキーを押す必要があります。それでも解除されない場合は、ステータスバーを右クリックして「上書き入力」を表示させ、ステータスバーから手動で切り替えてください。

Insertキーがキーボードに見当たりません。どうすればいいですか?

ノートPCなど一部のキーボードでは、Insertキーが他のキー(DeletePrtSc)と同じキーに小さく印字されています。その場合はFnキーを押しながら該当のキーを押してください。Insertキーがない場合は、ステータスバーから切り替える方法を使用してください。

ステータスバーに「挿入モード」も「上書きモード」も表示されません。

ステータスバーを右クリックして、「上書き入力」にチェックを入れてください。これで現在のモードがステータスバーに表示されるようになります。

Wordで勝手に上書きモードになるのを防ぐ方法はありますか?

はい、あります。Wordのオプションで「詳細設定」を開き、「上書き入力モードの切り替えにInsキーを使用する(O)」と「上書き入力モードで入力する(V)」のチェックを外してください。これでInsertキーを誤って押しても上書きモードに切り替わらなくなります。

上書きモードを常に有効にすることはできますか?

はい、できます。Wordのオプションで「詳細設定」を開き、「上書き入力モードで入力する」にチェックを入れると、Wordを起動したときに常に上書きモードになります。ただし、通常は挿入モードの使用をおすすめします。

上書きモードで消してしまった文字を復元できますか?

はい、Ctrl+Z(元に戻す)で復元できます。上書きモードで文字を消してしまった場合は、すぐに元に戻す操作を行ってください。複数回の入力を元に戻す場合は、Ctrl+Zを複数回押してください。

Insertキーを無効化しても、ステータスバーから「挿入モード」と「上書きモード」を切り替えることはできますか?

はい、できます。誤操作を防ぎつつ、必要に応じて上書きモードを使いたい場合に便利です。

Wordの上書きモードは何のために使うのですか?

上書きモードは、既存の文字を置き換えながら入力したい場合に使います。例えば、固定長のフォーマット(定型書式)で特定の部分だけを書き換える場合などに便利です。ただし、一般的な文書作成では挿入モードを使用することをおすすめします。

Insertキーを無効化する設定は、すべてのWord文書に適用されますか?

はい、適用されます。Wordのオプションで設定した内容は、そのWindowsユーザーアカウントのWord全体に適用されます。特定の文書だけに適用されるわけではありません。ただし、同じPCでも別のWindowsユーザーアカウントでログインした場合や、他のPCでWordを使用する場合は、それぞれで同じ設定を行う必要があります。

Word Onlineでも上書きモードになりますか?

いいえ、Word for the web(旧称:Word Online)には上書きモード機能がありません。ブラウザ版のWordでは常に挿入モードで動作します。

ステータスバーから切り替える方法と、Insertキーで切り替える方法、どちらがおすすめですか?

誤操作が心配な場合は、Insertキーを無効化してステータスバーから切り替える方法をおすすめします。この方法なら、意図せず上書きモードに切り替わることがありません。一方、頻繁にモードを切り替える必要がある場合は、Insertキーの方が素早く切り替えられます。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
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公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 24H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • Word:Microsoft 365 MSO (バージョン 2511 ビルド 16.0.19426.20186) 64 ビット
  • 最終検証日:2025年12月17日
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この記事を書いた人

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社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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