【Excel】数字に単位を付ける方法|セルの書式設定で計算できるまま「円」や「個」を表示

この記事では、Excelのセルの書式設定を使い、入力した数字に「個」や「円」などの単位を自動で表示する方法を、実際の画面を使いながら、わかりやすく解説します。

「売上表の数字に『円』と付けたいけど、手入力するとSUM関数で合計できない…」
「集計表の見た目を整えたいけど、関数は使いたくない」

そんなお悩みはありませんか?
その悩み、Excelのセルの書式設定(ユーザー定義)を使えば一瞬で解決できます。

この機能を使えば、セルの中身は「計算できる数値」のまま、見た目だけ「1,000円」のように、好きな単位を付け加えることが可能です。

この記事では、基本的な単位の付け方から、応用編まで紹介するので、業務効率化にも役立ちます。

目次

セルの書式設定で数字に「円」「個」などの単位を表示する方法

Excelで数字に単位を付けつつ、その数値を合計(SUM)などの計算式でも使いたい場合、以下の手順でセルの表示形式(セルの書式設定)を「ユーザー定義」に設定するのが一般的です。

  1. 単位を付けたいセルの範囲を選択する
  2. 「セルの書式設定」画面を開く(ショートカット:Ctrl +1
  3. 「ユーザー定義」を選び、「種類」のボックスに書式コード(例:0"個")を入力する
  4. 「OK」をクリックして設定を完了する

「セルの書式設定」を正しく設定しておくと、「100」と入力するだけでセルには自動的に「100個」と表示させることができます。
セルの中身は「数値」のままなので、もちろん計算にも使えます。

STEP
単位を付けたいセルの範囲を選択する

まずは、単位を付けたいセルの範囲を選択してください。

単位を付けたいセルの範囲を選択する
セルの書式設定で数字に「円」「個」などの単位を表示する方法 Step1
STEP
ホームタブにある「表示形式」をクリック

次に、範囲を選択したままの状態で、「ホーム」タブにある「表示形式」記号をクリックしてください。

Excelのリボンが折りたたまれて操作しにくい場合は、「【Excel】リボン(メニューバー)を常に表示する方法|デスクトップ版・Web版対応」をご覧になり、リボンを常に表示に切り替えてください。

ホームタブにある「表示形式」をクリック
セルの書式設定で数字に「円」「個」などの単位を表示する方法 Step2
STEP
「セルの書式設定」で「ユーザー定義」を選ぶ

「表示形式」記号をクリックすると、「セルの書式設定」画面が表示されます。

キーボードのCtrl +1でも「セルの書式設定」画面を開くことができます。
その他ExcelのキーボードショートカットはMicrosoft公式サイトでも紹介されています。ぜひご覧ください。

左側の「分類(C):」の一番下にある「ユーザー定義」を選択してください。

「セルの書式設定」で「ユーザー定義」を選ぶ
セルの書式設定で数字に「円」「個」などの単位を表示する方法 Step3
STEP
「種類」のボックスに書式コード(例:0"個")を入力し、「OK」ボタンをクリック

次に、「種類(T):」のボックスに書式コード(例:0"個")を入力し、右下の「OK」ボタンをクリックしてください。

「種類(T):」のボックスに書式コード(例:0"個")を入力すると、すぐ上の「サンプル」にプレビューが表示されます。
「個」以外の単位の表示方法については、「【応用編】ユーザー定義書式で単位を作る方法」でご紹介します。

「種類」のボックスに書式コード(例:0"個")を入力し、「OK」ボタンをクリック
セルの書式設定で数字に「円」「個」などの単位を表示する方法 Step4
STEP
数字に単位が表示されたことを確認する

「OK」ボタンをクリックすると、「セルの書式設定」画面が閉じられ、Excelの編集画面に戻ります。

最後に数字に単位が表示されたことを確認してください。

数字に単位が表示されたことを確認する
セルの書式設定で数字に「円」「個」などの単位を表示する方法 Step5

【応用編】ユーザー定義書式で単位を作る方法

セルの書式設定「ユーザー定義」は、単に文字列を付け加えるだけでなく、非常に奥が深い機能です。
ここからは、実務で役立つ、より高度で便利な書式設定のパターンをいくつかご紹介します。

数値の「前」に単位を付ける(例:¥1,000)

単位は数値の後ろだけでなく、前にも付けることができます。「種類」のボックスに、単位を先に記述するだけです。

"¥"#,##0

Excelの書式設定で数値の「前」に単位を付ける
Excelの書式設定で数値の「前」に単位を付ける

数値がマイナスの場合の表示を変える・色を付ける(例:赤字で▼100)

ユーザー定義書式は、;(セミコロン)で区切ることで、「正の数の場合;負の数の場合;ゼロの場合」の書式を、それぞれ指定できます。
また、[色]を先頭に付けると、その部分の文字色を変更できます。

#,##0;[赤]"▼"#,##0

Excelの書式設定で数値がマイナスの場合の表示を変える・色を付ける
Excelの書式設定で数値がマイナスの場合の表示を変える・色を付ける

数値を漢数字で表示する(例:金壱萬円也)

請求書などで使う、改ざん防止用の漢数字(大字)も、書式設定で簡単に表示できます。

[DBNum2]G/標準"円也"

Excelの書式設定で数値を漢数字で表示する
Excelの書式設定で数値を漢数字で表示する

日付に曜日を自動で表示する(例:2025/07/04(金))

日付が入力されているセルに、曜日を自動で付け加えることもできます。 曜日の書式コードは以下の通りです。

  • aaa日~土
  • aaaa日曜日~土曜日
  • dddSun~Sat
  • ddddSunday~Saturday

日付に関する書式設定は、Microsoft公式サイトでも紹介されているのでぜひご覧ください。

Excelの書式設定で日付に曜日を自動で表示する(例:2025/07/04(金))
Excelの書式設定で日付に曜日を自動で表示する(例:2025/07/04(金))

数値に単位を付けても数式が壊れない理由|文字列との違い

なぜ「セルの書式設定」を使うと、単位を付けても計算ができるのでしょうか。
それは、Excelがセルの中身を、計算に使える「数値」として扱うか、計算できない「文字列」として扱うか、明確に区別しているためです。

入力方法Excelの認識(セルの中身)見た目計算
手入力で100個文字列としての100個100個できない
100と入力+書式設定変更数値の 100100個できる
セルの書式設定と手入力での違い

計算できない「文字列」になってしまう例

セルに直接「100個」のように、数字と文字を混ぜて入力すると、そのセルの中身はすべて「文字列」として認識されます。 見た目は「100個」ですが、Excelにとっては、これは「あいうえお」と同じただの文字であり、SUM関数などで計算しようとしても無視されるか、エラーになります。

計算できない「文字列」になってしまう例
計算できない「文字列」になってしまう例

計算できる「数値」のままにする方法(セルの書式設定)

一方、「セルの書式設定」は、セルが記憶している「100」という数値データは一切変更せず、人間が見る画面上だけに、「個」という文字を飾りとして付け加える機能です。
Excelは計算を行う際、飾りの「個」ではなく、セルが記憶している「100」という数値を直接見に行くため、問題なく計算ができるのです。

計算できる「数値」のままにする方法(セルの書式設定)
計算できる「数値」のままにする方法(セルの書式設定)

Excelの単位表示に関するよくある質問と答え

Excelの単位表示に関するよくある質問と答えをまとめました。

Excelで単位を付けても計算できる方法は?

セルに直接単位を入力するのではなく、Excelの「セルの書式設定(ユーザー定義)」機能を使ってください。
セルの値は数値のまま、見た目だけ単位を付けることができます。

セルの中に単位を入力したら、SUM関数で合計が0になったり、エラーになったりします。

それは、セルに「100個」のように直接単位を入力し、Excelが中身を計算できない「文字列」になっていることが原因です。
「セルの書式設定」を使えば、この問題は解決します。

Excelで数字の後ろに「個」や「円」を自動で付けたい。

「セルの書式設定」→「ユーザー定義」を開き、「種類」のボックスに0"個"#,##0"円"のように入力してください。
0#,##0が数値を表し、" "で囲んだ文字が単位として表示されます。

「0"個"」と「#,##0"個"」の違いは何ですか?

#,##0は、数値を3桁区切りのカンマ付きで表示する、という書式です。
金額など、大きな数値を扱う場合は#,##0"円"のように設定すると、より見やすくなります。

なぜ手入力で「100円」と書くと、文字列になるのですか?

Excelでは、セルの中に数字以外の文字(円、個など)が一つでも含まれていると、そのセル全体を計算できない「文字列」として認識するためです。これはExcelの基本ルールです。

数字の前に「¥」マークを付けるには、書式設定をどのように設定すれば良いですか?

「ユーザー定義」の「種類」ボックスで、単位を数値の前に記述します。
具体的には、"¥"#,##0のように設定してください。

Excelの書式設定で、小数点以下の桁数を指定して、単位を付けることは可能ですか?(例:kg)

0の後に.(ピリオド)と、表示したい桁数分の0を入力します。
例えば、小数点第2位まで表示したい場合は0.00"kg"のように設定します。

設定した単位(ユーザー定義書式)を解除して、ただの数値に戻す方法は?

「セルの書式設定」画面を開き、「分類」の中から「標準」または「数値」を選び、「OK」をクリックしてください。見た目の単位だけが消え、元の数字に戻ります。

マイナスの数値に単位を付けると、ハイフンが単位の前(-円 100)に来てしまいます。

これは、"円"#,##0のような設定で起こる現象です。
マイナス記号を数値の直前に表示させたい場合は、#,##0"円";-#,##0"円"のように、;(セミコロン)を使って負の数の書式を個別に指定する必要があります。

セルの書式設定画面は、ショートカットキーで開けますか?

はい、Ctrl+1キーで一瞬で開けます。(Macの場合はcommand+1
Excelをよく使う方は、必ず覚えておきたい便利なショートカットの一つです。

セルの書式設定を使って数値を千円単位、百万円単位で表示することは可能ですか?

可能です。「【Excel】数値を千円単位、百万円単位で表示する方法 - 書式設定で簡単」でその方法を解説しています。ぜひご覧ください。

セルの書式設定を使ってセルの中の数式を表示させることはできますか?

Excel の「セルの書式設定」では、表示形式を数値や文字列、日付などに変えることはできますが、セル内部の数式を直接表示させる機能はありません。
「数式」タブにある「数式の表示」ボタンを使って表示させることが可能です。
他にもセルの中の数式を表示する方法はいくつかあるので、「【Excel】シート全体の数式・関数を簡単に一括表示する方法をご覧ください。

Web版Excelでもセルの書式設定で計算できるまま「円」や「個」を表示することは可能?デスクトップ版と変わらない?

はい、Web版Excel(Excel for the web)でも「ホーム」タブの「表示形式」から「ユーザー定義」を選択することで使えます。
一部の細かい設定はデスクトップ版の方が柔軟です。

最後までご覧いただきありがとうございました。
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