この記事では、PowerPointでスライド内の画像を白黒(モノクロ)にする方法を画像付きで詳しく解説します。
PowerPointの図の形式タブでグレースケールを適用した例
プレゼン資料の中で、特定の画像だけを白黒(モノクロ)にしたい場面があります。カラフルな資料の中で一部の画像をモノトーンにして目立たせたり、デザインの統一感を出したり、資料全体の雰囲気を落ち着いた印象にしたいときなどです。PowerPointの「図の形式」タブにある「グレースケール」を使えば、追加ソフトは不要で30秒もあれば完了します。
印刷コスト削減のために資料全体を白黒にしたい場合は、画像だけでなく印刷設定で白黒印刷にする方が効率的です。詳しくは「【Windows11】プリンターの初期設定を白黒で固定する方法」をご覧ください。
この記事では、画像を白黒にする手順だけでなく、元のカラーに戻す方法、画像ファイル自体を白黒化する方法まで順番に解説します。
目次
PowerPointでスライド内の画像を白黒にする方法
PowerPointのスライド内にある画像を白黒(モノクロ)にするには、「図の形式」タブの「色」から「グレースケール」を選択します。複数の画像を一括で白黒にすることも可能です。
PowerPointのスライド内の画像を白黒(モノクロ)にする手順は以下の通りです。
- スライド内で白黒にしたい画像を選択して「図の形式」をクリック
- 「色」をクリック
- 「グレースケール」をクリック
- 画像が白黒になったことを確認
それでは、実際の画面を見ながら詳しく解説していきます。
この手順で白黒にできるのはスライド内の「画像」です。図形やグラフなどは手順が異なります。
STEP
白黒にしたい画像を選択して「図の形式」をクリック
PowerPointでスライド内から白黒(モノクロ)にしたい画像を選択してください。
画像を選択するとPowerPointの上部に「図の形式」タブが表示されます。その「図の形式」タブをクリックしてください。
スライド内の複数の画像を一括で白黒にしたい場合は、この段階で一括で選択してください。うまく選択できない場合は「【PowerPoint】図形・オブジェクトを一括選択する方法|スライド全体・図形指定」を参考にしてください。
PowerPointでスライド内の画像を白黒にする方法 Step1 - 白黒にしたい画像を選択して「図の形式」をクリック
STEP
「色」をクリック
次に、「図の形式」タブにある「色」をクリックしてください。
PowerPoint自体のウィンドウを小さくしている場合、「色」が表示されないことがあります。「色」が見当たらない場合はウィンドウを最大化してみてください。
また、リボンが折りたたまれていたり、自動的に隠れてしまって操作しにくい場合は「【PowerPoint】リボン(メニューバー)を常に表示する方法」を参考にリボンの表示を固定してください。
PowerPointでスライド内の画像を白黒にする方法 Step2 - 「図の形式」タブの「色」をクリック
STEP
「グレースケール」をクリック
「色」をクリックすると、「色の彩度」「色のトーン」「色の変更」と書かれたメニューが表示されます。
「色の変更」の中にある「グレースケール」をクリックしてください。
グレースケールは灰色のグラデーションで階調を保つため、写真や画像の質感が維持されます。白と黒の2色のみで表現したい場合は、右側にある「白黒」を選択できますが、階調がなくなるため写真の場合は通常「グレースケール」を選んでください。
PowerPointでスライド内の画像を白黒にする方法 Step3 - 「色の変更」から「グレースケール」を選択
STEP
選択した画像が白黒(モノクロ)になったことを確認する
「グレースケール」をクリックすると選択した画像が白黒(モノクロ)になります。
PowerPointでスライド内の画像を白黒にする方法 Step4 - 選択した画像が白黒(グレースケール)になったことを確認
PowerPointで白黒にした画像を元のカラーに戻す方法
PowerPointで白黒にした画像を元のカラー(色付き)に戻すには、「図の形式」タブの「色」から「色変更なし」を選択します。または、Ctrl+Zキーや左上の「元に戻す」ボタンで直前の操作を取り消すこともできます。
PowerPoint左上に「元に戻す」ボタンが表示されていない場合は「【PowerPoint】元に戻す(戻る)ボタンが消えた・表示されない場合の対処法」を参考に復活させてください。
具体的な手順は以下の通りです。
- スライド内でカラーに戻したい画像を選択
- 「図の形式」タブをクリック
- 「色」をクリック
- 「色変更なし」を選択
「色変更なし」を選択すると、白黒だった画像が元のカラー(色付き)の状態に戻ります。
PowerPointで白黒にした画像を元のカラーに戻す方法 - 「色変更なし」を選択
画像ファイル自体を白黒に変換したい場合
PowerPointでスライド内の画像を白黒にしても、元の画像ファイルは変わりません。PowerPointの「グレースケール」機能は元の画像ファイルの色情報を保持しているため、PDF化したときや他の用途で使用する際にカラーに戻ってしまうリスクがあります。
他のスライドやプレゼン資料でも同じ白黒画像を使いたい場合や、画像ファイルそのものを白黒に変換したい場合は、Windows11に標準搭載されている「フォト」アプリを使う方法がおすすめです。
追加ソフト不要で、約1分で画像を白黒化できます。
- 白黒にしたい画像を右クリック→「プログラムから開く」→「フォト」
- 画面右上の「画像の編集」をクリック
- 「調整」タブをクリック
- 「フィルター」の一覧から「白黒」を選択
- 「コピーを保存」で保存
詳しい手順は「Windows11のフォトアプリで画像を白黒(モノクロ)にする方法」で解説しています。白黒化した画像をPowerPointのスライドに挿入すれば、元画像を保持したままプレゼン資料を作成できます。
PowerPointで画像を白黒にする方法に関するよくある質問と答え
PowerPointで画像を白黒(モノクロ)にする方法に関するよくある質問と答えをまとめました。
- 画像ファイル自体を白黒に変換したい場合はどうすればいいですか?
-
PowerPointの「グレースケール」機能は見た目を変更するだけで、画像ファイル自体は変わりません。画像ファイルそのものを白黒化したい場合は、Windows11のフォトアプリを使う方法があります。詳しくは「Windows11のフォトアプリで画像を白黒(モノクロ)にする方法」をご覧ください。
- 印刷時のみ白黒(モノクロ)にできますか?
-
はい、できます。PowerPointの印刷設定で「グレースケール」や「純白黒」を選択すれば、スライド上の画像の見た目は変えずに印刷時のみモノクロにできます。また、プリンター側で常に白黒印刷するように設定することも可能です。詳しい手順は「【Windows11】プリンターの初期設定を白黒で固定する方法」をご覧ください。
- PowerPointをPDFにすると白黒が元に戻ってしまうのはなぜですか?
-
PowerPointの「グレースケール」設定は表示上の変更のため、PDF変換時に設定が保持されないことがあります。確実に白黒PDFにしたい場合は、PDF保存時に「グレースケール」オプションを選択するか、あらかじめ白黒化した画像をスライドに挿入してください。
- PowerPointのスライドで写真を白黒にする場合、グレースケールと白黒のどちらを選ぶべきですか?
-
プレゼンスライド内の写真や画像の場合は「グレースケール」がおすすめです。グレースケールは灰色のグラデーションで階調を保つため、写真の質感が維持されます。一方、「白黒」は白と黒の2色のみで表現するため、イラストやロゴなど線画中心の画像に適しています。営業資料やセミナー配布資料などでは、写真の見やすさを重視して「グレースケール」を選ぶケースが多いです。
- 画像を白黒にしてもPowerPointのファイルサイズは変わらないのですか?
-
はい、PowerPointの「グレースケール」機能は画像の表示方法を白黒(モノクロ)に変更するだけなので、ファイルサイズはほとんど変わりません。
- Web版のPowerPointでも同じ方法でできますか?
-
いいえ、PowerPoint for the webでは画像を白黒(モノクロ)にすることはできません。デスクトップ版のPowerPointを使用するか、あらかじめ白黒にした画像を挿入する必要があります。
- 画像じゃなくて図形も白黒にできますか?
-
画像は「グレースケール」や「白黒」を適用できますが、図形(四角形や円など)はこれらの機能の対象外です。図形の色を変更したい場合は、個別に「図形の塗りつぶし」や「図形の枠線」から色を変更する必要があります。
- 透過PNG画像を白黒にすると透過部分はどうなりますか?
-
透過部分はそのまま透過として維持されます。背景が透明なPNG画像を白黒にしても、透明部分は白く塗りつぶされず、そのまま透過状態が保たれます。
- PowerPointの古いバージョン(2016/2019)でも同じ方法でできますか?
-
はい、PowerPoint 2016以降であれば基本的に同じ手順で画像を白黒にできます。
- .ppt(古いPowerPointの形式)でも画像を白黒(モノクロ)にできますか?
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はい、できます。PowerPoint 2007以前の古い形式(.ppt)でも、基本的に同じ手順で画像を白黒にできます。ただし、古い形式のファイルは互換性や機能に制限がある場合があるため、.pptx形式(新しいPowerPoint形式)に変換してから作業することをおすすめします。
- スライドマスターの画像も白黒にできますか?
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はい、できます。スライドマスター表示に切り替えて、マスター内の画像を選択し、同じ手順で「図の形式」→「色」→「グレースケール」を適用すれば、すべてのスライドに反映されます。
- アニメーション設定した画像も白黒にできますか?
-
はい、できます。画像に設定したアニメーション効果は、画像を白黒にしても維持されます。白黒化した後もアニメーションは正常に動作します。
- 発表者ツールでスライドを表示したとき、白黒のままですか?
-
はい、発表者ツールでもスライド上の画像は白黒のまま表示されます。発表者ビューと投影画面の両方で白黒表示が維持されます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
- OS:Windows 11 Home 25H2(64bit)
※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
- ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
- PowerPoint:Microsoft 365 MSO (バージョン 2511 ビルド 16.0.19426.20186) 64 ビット
- 最終検証日:2025年12月26日
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