【Word】取り消し線(打ち消し線)・二重取り消し線の引き方

この記事では、Wordで文字に取り消し線(打ち消し線)・二重取り消し線を引く方法について、IT担当者の視点から解説します。

契約書や仕様書の修正履歴、あるいは単に文章中の不要な部分を示す際など元の文字を残したまま打ち消したい場面は多くあります。
この「打ち消し線」(取り消し線)は、そうした意図を正確に伝えるためのWordにおける基本的な文字装飾機能です。

この記事を最後まで読めば、リボンのボタンを使った基本的な設定方法から、キーボード操作で素早く設定・解除するためのショートカット、そして「二重取り消し線」を引く手順まで、そのすべてがわかります。

目次

Wordの取り消し線と二重取り消し線とは

Wordの取り消し線には、文字を一本線で消す「取り消し線」と、二本線で消す「二重取り消し線」の2種類があります。

どちらも元の情報を削除せずに「無効」「修正済み」といった状態を示すために使います。特に「二重取り消し線」は、契約書や規約といった公式な文書の改訂において修正履歴の段階を視覚的に区別する目的で利用されることがあります。(例:初版の修正は「取り消し線」、第二版でのさらなる修正は「二重取り消し線」)

Wordの取り消し線と二重取り消し線
Wordの取り消し線と二重取り消し線

取り消し線をWordのリボンから引く方法(一本線)

Wordで取り消し線を引く最も基本的な方法は、「ホーム」タブのリボンにある「取り消し線」アイコンをクリックすることです。マウス操作だけで完結するため直感的ですが、この方法で引けるのは一本線のみで、「二重取り消し線」には対応していません。

STEP
取り消し線を引きたい文字を選択して「取り消し線」アイコンをクリック

まず、Word文書内で取り消し線を引きたい文字を選択してください。
次に、文字を選択した状態で「ホーム」タブにある「取り消し線」アイコンをクリックしてください。

リボンが折りたたまれていて操作しづらい場合は、「【Word】リボン(メニューバー)を常に表示する方法|デスクトップ版・Web版対応」をご覧になり、リボンを常に表示に切り替えてください。

取り消し線をWordのリボンから引く方法(一本線) Step1:取り消し線を引きたい文字を選択して「取り消し線」アイコンをクリック
取り消し線をWordのリボンから引く方法(一本線) Step1
STEP
選択した文字に取り消し線が引かれたことを確認する

「取り消し線」アイコンをクリックすると、選択した文字に取り消し線が引かれます。

取り消し線をWordのリボンから引く方法(一本線) Step2:選択した文字に取り消し線が引かれたことを確認する
取り消し線をWordのリボンから引く方法(一本線) Step2

二重取り消し線を「フォント」ダイアログから引く方法(二本線)

Word特有の機能である「二重取り消し線」や、その他の詳細なフォント設定を行いたい場合は、「フォント」ダイアログボックスを使用します。

  1. 二重取り消し線を引きたい文字列を選択する
  2. 「ホーム」タブの「フォント」グループ右下にある展開記号をクリック
  3. 「文字飾り」で「二重取り消し線」にチェックを入れる
  4. 「OK」ボタンをクリック

ここからは、上記の手順を実際の画面に沿って詳しく解説していきます。

STEP
文字飾りを設定したい文字列を選択して、「フォント」グループにある展開記号をクリック

まず、Word文書内で二重取り消し線を引きたい文字を選択してください。
次に、「ホーム」タブの「フォント」グループ右下にある、小さな四角いアイコン(展開記号)をクリックしてください。

リボンが折りたたまれていて操作しづらい場合は、「【Word】リボン(メニューバー)を常に表示する方法|デスクトップ版・Web版対応」をご覧になり、リボンを常に表示に切り替えてください。

二重取り消し線を「フォント」ダイアログから引く方法(二本線) Step1:文字飾りを設定したい文字列を選択して、「フォント」グループにある展開記号をクリック
二重取り消し線を「フォント」ダイアログから引く方法(二本線) Step1
STEP
「二重取り消し線」にチェックを入れて「OK」ボタンをクリック

小さな四角いアイコン(展開記号)をクリックすると、「フォント」と書かれたウィンドウが表示されます。

「フォント」ダイアログは「ホーム」タブの展開記号をクリックする他、Ctrl+Dのショートカットキーでも開けます。

「文字飾り」の項目にある「二重取り消し線」にチェックを入れてください。
最後に「OK」ボタンをクリックします。

二重取り消し線を「フォント」ダイアログから引く方法(二本線) Step2:「二重取り消し線」にチェックを入れて「OK」ボタンをクリック
二重取り消し線を「フォント」ダイアログから引く方法(二本線) Step2
STEP
二重取り消し線が引かれたことを確認する

「OK」ボタンをクリックすると「フォント」ウィンドウが閉じ、選択した文字列に二重取り消し線が適用されたことを確認できます。

二重取り消し線を「フォント」ダイアログから引く方法(二本線) Step3:二重取り消し線が引かれたことを確認する
二重取り消し線を「フォント」ダイアログから引く方法(二本線) Step3

取り消し線をキーボードショートカットで引く方法(一本線)

WordにはExcelのCtrl+5のような取り消し線専用のショートカットキーは標準で用意されていませんが、「アクセスキー」と呼ばれるキーボード操作を使うことで、リボンのボタンを素早く選択し、取り消し線を引くことができます。

  1. 取り消し線を引きたい文字を選択する
  2. キーボードのAltキーを押す
  3. Hキーを押す(ホームタブを選択)
  4. 4キーを押す(取り消し線ボタンを選択)

このAltH4というキーを順番に押す操作が、Wordで取り消し線を引く最速のキーボード操作です。
マウスに持ち替える必要がないため、文章作成中の作業効率が向上します。

取り消し線をキーボードショートカットで引く方法(一本線)
取り消し線をキーボードショートカットで引く方法(一本線)

Wordの取り消し線(打ち消し線)・二重取り消し線に関するよくある質問と答え

最後に、Wordの取り消し線(打ち消し線)・二重取り消し線に関するよくある質問と答えをまとめました。

Wordで取り消し線を引く一番簡単な方法は?

取り消し線を引きたい文字を選択し、「ホーム」タブのリボンにある「ab」と書かれたボタンをクリックするのが最も簡単です。

取り消し線のショートカットキーはありますか?

Wordに専用のショートカットキーは標準でありません。しかし、キーボードのAltH4を順番に押すアクセスキーがショートカットとして機能します。

Excelでもセル内の文字に取り消し線(打ち消し線)を入れることはできますか?

はい、Excelでもセル内の文字に取り消し線(打ち消し線)を引くことは可能です。二重取り消し線は引けません。
関連記事:【Excel】取り消し線を引く方法 - ショートカットですぐ設定

Word文書内の文字に二重取り消し線を引くにはどうすればいいですか?

文字を選択した状態で「フォント」ダイアログボックス(ショートカット:Ctrl+D)を開き、「二重取り消し線」にチェックを入れてください。リボンのボタンからは直接設定できません。

二重取り消し線のショートカット(ボタン)はありますか?

いいえ、標準ではありません。多用する場合は、クイックアクセスツールバーに「二重取り消し線」コマンドを追加してショートカット化するのがおすすめです。さらに、キーボード ショートカットのユーザー設定で「二重取り消し線」コマンドに任意のキーを割り当てる運用も可能です。

打ち消し線と取り消し線の違いは?

呼び方が違うだけで、Wordの機能としては同じ「取り消し線」を指します。「取り消し線」が正式名称です。

Wordでは取り消し線の色や太さは変更できますか?

いいえ、できません。線の色は文字色と同じ色に、太さはフォントサイズに依存します。

変更履歴の取り消し線とは違うのですか?

はい、違います。この記事で解説しているのは手動で設定する「文字書式」です。「変更履歴」機能の取り消し線は、文書の変更点を自動で記録・表示するもので、目的も設定方法も異なります。

Web版のWordでも取り消し線は使えますか?

はい、Web版のWord(Microsoft Word for the Web)でも使えます。リボンの「ホーム」タブに同じ「ab」ボタンがあります。
なお、Web版のWordは「二重取り消し線」に対応していません。二重線が必要なときはデスクトップ版で設定してください。

表の中の文字にも取り消し線は引けますか?

はい、引けます。通常の段落の文字と同じように操作してください。

取り消し線を引いても文字数カウントに影響しますか?

いいえ、影響しません。取り消し線は文字書式の一つであり、文字自体は存在しているため、文字数としてカウントされます。

図形やテキストボックス内の文字にも取り消し線は引けますか?

はい、引けます。図形やテキストボックス内の文字を選択し、リボンや「フォント」ダイアログから同じように設定できます。

IT担当者として、この機能の活用で注意を促す点は何ですか?

変更履歴機能を使わずに安易に取り消し線だけで修正指示を行うと、後から誰がいつ修正したのか追跡できなくなり、文書管理で混乱するリスクがあります。
「正式な改訂」には変更履歴を、「一時的なメモ」には取り消し線をと使い分けるようお願いしています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
環境によって結果が異なる場合がありますので、参考のうえご利用ください。

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※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 24H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • Word: Microsoft® Word for Microsoft 365 MSO (バージョン 2508 ビルド 16.0.19127.20192) 64 ビット
  • 最終検証日:2025年9月18日
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この記事を書いた人

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社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
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【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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