【Excel】画像の背景を透明化・削除する方法|無料・簡単5ステップ

【Excel】画像の背景を透明化・削除する方法|無料・簡単5ステップ

この記事では、Excelの機能だけを使って画像の背景を透明化・削除する具体的な方法とコツを、実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。
特別な画像編集ソフトは必要ありません。Excelの標準機能だけで、背景を透明化・削除することができます

情報システム担当として日々多くのお問い合わせをいただく中で、特に「画像の背景を透明にしたい」「画像の背景を削除したい」というご相談は後を絶ちません。
資料に挿入した画像の背景が意図せずデザインを損ねたり、伝えたい情報が不明瞭になるのは避けたいようです。

この記事では、そのお悩みを解決するため、Excelに搭載されている便利な「背景の削除」機能をたった5つの簡単なステップで使いこなす方法を中心に、単色背景に有効な「透明色を指定」機能、そして美しく仕上げるためのコツまで丁寧に説明します。

さらに、Windows標準ツール(ペイントやフォト)を活用した応用テクニックもご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

目次

Excelで画像の背景を透明化・削除する方法

Excelだけでも、実は画像の背景を透明化したり、不要な部分を削除したりする方法がいくつか備わっています。

ここでは、特別な画像編集ソフトは一切使わずに、Excelの標準機能だけで画像の背景をスッキリさせる2つの方法と、それらを上手に活用するためのコツを分かりやすく解説します。

まずは、複雑な背景にも柔軟に対応できる「背景の削除」機能を使った手順からご紹介します。

「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く

Excelの「背景の削除」機能を使えば、写真やイラストの不要な背景を驚くほど簡単に取り除くことができます。
ここでは、その具体的な手順を5つのステップで見ていきましょう。

STEP
背景を透明化したい画像をクリックし、「図の形式」タブをクリック

まず、シート上にある背景を透明化したい画像をクリックして選択してください。

次に、「図の形式」タブをクリックしてください。

「図の形式」タブは画像をクリックしないと表示されません。

「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step1 背景を透明化したい画像をクリックし、「図の形式」タブをクリック
「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step1 背景を透明化したい画像をクリックし、「図の形式」タブをクリック
STEP
「背景の削除」ボタンをクリック

「図の形式」タブの中にある「背景の削除」ボタンをクリックしてください。

Excelのリボンが折りたたまれて操作しにくい場合は、「【Excel】リボン(メニューバー)を常に表示する方法|デスクトップ版・Web版対応」をご覧になり、リボンを常に表示に切り替えてください。

「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step2 「背景の削除」ボタンをクリック
「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step2 「背景の削除」ボタンをクリック
STEP
「保持する領域としてマーク」ボタンをクリック

「背景の削除」をクリックすると、Excelが自動的に背景と判断した部分が紫色で表示されます。

この時点では、残したい部分まで紫色になっていたり、逆に消したい部分が残っていたりすることが多いため、ここからの調整が重要になります。

紫色になってしまった部分のうち、実際には画像として残したい箇所があれば、「保持する領域としてマーク」ボタンをクリックしてください。

反対に、削除したい箇所がある場合は「削除する領域としてマーク」ボタンをクリックしてください。

「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step3 「保持する領域としてマーク」ボタンをクリック
「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step3 「保持する領域としてマーク」ボタンをクリック
STEP
残したい領域(背景以外)を指定する

「保持する領域としてマーク」ボタンをクリックすると、マウスポインターがペンの形に変わります。

残したい領域(背景以外)をなぞるか、クリックして細かく指定してください。

「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step4 残したい領域(背景以外)を指定する
「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step4 残したい領域(背景以外)を指定する
STEP
「変更を保存」ボタンをクリック

マークによる調整がひと通り完了し、紫色で表示されている調整中の状態で、おおむね背景が除去されたと判断できたら、「変更を保持」ボタンをクリックしてください。

「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step5 「変更を保存」ボタンをクリック
「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step5 「変更を保存」ボタンをクリック
STEP
背景が透明化・削除されたことを確認する

「変更を保持」をクリックすると、初めてワークシート上で背景が透明化・削除された最終的な画像が表示されます。 これで作業完了となります。

背景が残っている場合や、必要な部分まで削除してしまった場合はStep3に戻って何度でも繰り返し調整が可能です。

「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step6 背景が透明化・削除されたことを確認する
「背景の削除」機能で思い通りに画像を切り抜く Step6 背景が透明化・削除されたことを確認する

単色背景の場合は「透明色を指定」機能が便利

画像の背景が白一色や青一色など、比較的はっきりとした単一の色で構成されている場合には、Excelの「透明色を指定」機能が役立ちます。この機能を使えば、非常に簡単な操作で、指定した一色を透明にすることができます。

ロゴ画像やシンプルなクリップアートなど、条件が合えば「背景の削除」機能よりも手早く、そして綺麗に背景処理を完了できます。

「透明色を指定」機能の注意点

Excelの「透明色を指定」機能は手軽で便利ですが、事前に知っておきたいポイントが2つあります。
まず、この機能は完全に単一の色を透明に変換します。そのため、背景が一見単色に見えても、微妙な色の濃淡やグラデーション、影などが含まれている場合は、透明にならない部分が残ります。
また、指定した色が背景以外の部分にも使われている場合、その部分も透明になるので注意が必要です。

STEP
背景を透明化したい画像をクリックし、「図の形式」タブをクリック

まず、シート上にある背景を透明化したい画像をクリックして選択してください。

次に、「図の形式」タブをクリックしてください。

「図の形式」タブは画像をクリックしないと表示されません。

単色背景の場合は「透明色を指定」機能が便利 Step1 背景を透明化したい画像をクリックし、「図の形式」タブをクリック
単色背景の場合は「透明色を指定」機能が便利 Step1 背景を透明化したい画像をクリックし、「図の形式」タブをクリック
STEP
「色」ボタンをクリックし、メニューの中から「透明色を指定(S)」を選択

「図の形式」タブの「調整」グループの中にある「色」ボタンをクリックしてください。

「色」ボタンをクリックすると、下に向かってメニューが展開されます。

その中にある「透明色を指定(S)」を選択してください。

少しわかりにくい日本語ですが、「透明色を選択」とは「透明に変更したい色を選択」という意味で捉えてください。

単色背景の場合は「透明色を指定」機能が便利 Step2 「色」ボタンをクリックし、メニューの中から「透明色を指定(S)」を選択
単色背景の場合は「透明色を指定」機能が便利 Step2 「色」ボタンをクリックし、メニューの中から「透明色を指定(S)」を選択
STEP
画像内の透明にしたい背景色をクリック

「透明色を指定(S)」を選択するとマウスポインターの形がスポイトのようなアイコンに変わります。

スポイトの形になったマウスポインターで、画像内の透明にしたい背景色をクリックしてください。

単色背景の場合は「透明色を指定」機能が便利 Step3 画像内の透明にしたい背景色をクリック
単色背景の場合は「透明色を指定」機能が便利 Step3 画像内の透明にしたい背景色をクリック
STEP
背景が透明化・削除されたことを確認する

背景色をクリックすると、クリックした箇所と同じ色が画像全体で透明になり、背景がスッキリします。
これで背景の透明化は完了です。

以下の画像の場合、全体はグレーでしたが、りんごの影の部分に濃淡があったためその部分だけ残っています。

単色背景の場合は「透明色を指定」機能が便利 Step4 背景が透明化・削除されたことを確認する
単色背景の場合は「透明色を指定」機能が便利 Step4 背景が透明化・削除されたことを確認する

透明化・削除を上手にするためのコツ

Excelの背景透明化・削除機能を使いこなし、美しい仕上がりを得るためには、いくつかの簡単なポイントを押さえておくと良いでしょう。ここでは、特に重要な2つのコツをご紹介します。

「背景の削除」機能では、拡大表示で丁寧にマークを調整する

「背景の削除」機能を使って、残したい部分と削除したい部分の境界を調整する際には、Excelの表示倍率を上げて画像を拡大表示しながら作業することが非常に重要です。
細部までしっかり確認しながら、「保持する領域としてマーク」や「削除する領域としてマーク」を少しずつ丁寧に追加・削除していくことで、より自然で精密な切り抜きが可能になります。

「背景の削除」機能では、拡大表示で丁寧にマークを調整する
「背景の削除」機能では、拡大表示で丁寧にマークを調整する

元画像と処理後画像を「並べて」比較し、削除の精度を確認する

背景を透明化した後は、その仕上がりが本当に意図通りか、細部まで丁寧に確認することが重要です。
確認方法として、加工する前の「元の画像」と、背景処理を施した「処理後の画像」の2つを、Excelシート上に並べて表示し、じっくりと比較することをオススメめします。

元画像と処理後画像を「並べて」比較し、削除の精度を確認する
元画像と処理後画像を「並べて」比較し、削除の精度を確認する

このように並べて見比べることで、単独で処理後の画像を見ているだけでは気づきにくい、削除し忘れた背景のわずかな残りや、逆に、残しておきたかった対象物の一部が意図せず消えてしまっていないか、といった細かな差異を発見しやすくなります。

Windows標準のペイントやフォトを活用して画像の背景を透明化・削除する

Excelの機能でも手軽に画像の背景を透明化できますが、「もう少し細かく調整したい」「特定の色だけを確実に透明にしたい」といった場合や、Excelではうまくいかない複雑なケースでは、Windows標準の「ペイント」や「Microsoft フォト」を使うことをオススメします。

これらのツールには、AI(人工知能)を活用した高度な背景除去機能が備わっているため、より自然な仕上がりが期待できます。

「ペイント」で背景を透明化・削除する

Windowsに長年搭載されている「ペイント」は、シンプルな描画ツールですが、最近ではAIによる背景の自動認識・削除機能が搭載され、以下の手順で簡単に画像の背景を透明化・削除することができます。

  1. 対象の画像をペイントで開く
  2. 「背景の削除」ボタンをクリック
  3. レイヤー機能(画像を複数の層に分けて編集する機能)で不要な背景を非表示にする
  4. PNG形式で保存

「ペイント」を使った具体的な背景透明化の手順については、以下の記事で分かりやすく解説しています。ぜひご覧ください。

「Microsoft フォト」で背景を透明化・削除する

「Microsoft フォト」アプリにもAIによる背景の自動認識・削除機能が搭載され、より手軽に高度な背景処理が可能になっています。こちらもAIが被写体と背景を識別し、以下の手順で背景部分を除去してくれます。

  1. 対象の画像をMicrosoft フォトで開く
  2. Microsoft フォトの編集画面の右上にある「背景」ボタンをクリック
  3. 画面右側に表示される「削除」をクリック
  4. 「保存オプション」から「コピーとして保存」をクリックし、PNG形式で画像を保存

「Microsoft フォト」を使った具体的な背景透明化の手順については、以下の記事で分かりやすく解説しています。ぜひご覧ください。

Excelで画像の背景を透明化(削除)する方法に関するよくある質問と答え

Excelで画像の背景を透明にしたり削除したりする方法について、具体的な手順の違い、うまくいかない場合の対処法、よりキレイに仕上げるコツ、そして関連する知識などをFAQ形式でまとめました。

Excelの「背景の削除」機能と「透明色を指定」機能は、どのように使い分ければ良いですか?

「背景の削除」機能は、複雑な背景や、複数の色を含む背景を部分的に調整しながら削除したい場合に適しています。
一方、「透明色を指定」機能は、ロゴ画像やイラストなど、背景が単一色で構成されている場合に、その特定の色だけを素早く透明にしたい時に便利です。

「背景の削除」機能の基本的な操作の流れを教えてください。

まず画像を選択し「図の形式」タブから「背景の削除」を選びます。
次に、Excelが自動で示した削除範囲(紫色で表示される部分)を確認し、「保持する領域としてマーク」や「削除する領域としてマーク」で微調整した後、「変更を保持」をクリックして完了です。

Excelで画像の背景を透明にする以外に、画像の一部だけを切り抜くことはできますか?

はい、「背景の削除」機能を使えば、背景全体を透明にするだけでなく、画像内の不要な物や人物などだけを選択的に削除し、必要な部分だけを切り抜くような使い方も可能です。
マークする領域を工夫することで、部分的な削除や切り抜きに応用できます。

Excelで画像の背景を透明化するのに、何か特別なアドイン(Excelの拡張機能)をインストールする必要はありますか?

いいえ、特別なアドインは必要ありません。
Excel2010以降であれば、「背景の削除」機能や「透明色を指定」機能は標準で搭載されています。
Excelの基本的な機能として、誰でも利用できます。

「背景の削除」機能で、残したい部分まで勝手に紫色になってしまいます。どうすれば防げますか?

残したい部分が紫色(削除候補)になった場合は、「保持する領域としてマーク」ボタンを使用してください。
このツールで残したい箇所をなぞるかクリックすることで、Excelにその部分を保持するよう指示でき、意図しない削除を防ぐことができます。

「透明色を指定」機能を使っても、背景色が完全には透明にならず、まだらに残ってしまいます。なぜですか?

背景が一見単色に見えても、実際には微妙な色の濃淡や画像のざらつきが含まれている場合、指定した一色と完全には一致しない部分が残りやすくなります。
このような場合は、「背景の削除」機能で調整するか、Windows標準のペイントやフォトを活用してみてください。

背景を透明にしたはずなのに、印刷すると白い四角い背景が表示されてしまいます。

これは、使用しているプリンターやプリンタードライバーが、Excelで設定した透明情報を正しく解釈できていない場合に起こることがあります。
一度ExcelファイルをPDF形式でエクスポートしてからそのPDFを印刷してみることをオススメします。

Excelで画像の背景を透明化すると、元の画像より画質が少し荒れたり、劣化したりすることはありますか?

「背景の削除」機能で複雑な境界を処理した場合や、元画像の解像度(画像のきめ細かさのこと)が低い場合、切り抜き部分の輪郭が若干ぼやけたり、ギザギザに見えたりすることがあります。
「透明色を指定」では画質の劣化はほぼありませんが、画像の保存形式によっては再圧縮による劣化が生じる可能性はあります。

複雑すぎる背景や、被写体と背景の区別がつきにくい画像は、Excelの機能だけではうまく透明化できませんか?

はい、Excelの背景透明化機能は手軽で便利ですが、万能ではありません。
複雑な模様の背景、被写体と背景の色が酷似している、髪の毛のように細かく入り組んだ輪郭などは、Excelの標準機能だけでは無理があるので、Windows標準のペイントやフォトを活用してみてください。

背景を透明にした画像の境界線がギザギザに見えます。少しでも滑らかに見せる方法はありますか?

Excelの機能だけで完全に滑らかにするのは難しいですが、切り抜き後に図の「効果」から「ぼかし」や「光彩」を非常に薄く適用することで、輪郭のギザギザ感を多少和らげることができます。
ただし、やりすぎると不自然になるため微調整が必要です。

Excelで背景を透明にした画像を、PowerPointやWordなど他のOfficeソフトでも透明なまま使えますか?

はい、Excelで背景を透明にした画像をコピーし、PowerPointやWordに貼り付ければ、透明情報を保持したまま使用できます。

背景を透明にした画像をファイルとして保存する場合、どのファイル形式(例:PNG, JPEG, GIF)を選べば透明が維持されますか?

背景の透明情報を正しく保存できるオススメのファイル形式はPNG(ピング)です。
JPEG(ジェイペグ)は透明情報をサポートしていないため背景が白などで塗りつぶされてしまいます。
GIF(ジフ)は透明を扱えますが色数に制限があるため画質が劣化することがあります。
基本的にはPNG形式で保存するのが最も確実です。

図形やテキストボックスの「塗りつぶし」を透明にするのとは、画像の背景透明化は違うのですか?

図形やテキストボックスの「塗りつぶしなし」や「透明度」設定は、それらオブジェクト自体の背景を透明にするものです。
一方、この記事で解説しているのは、Excelに挿入した「画像ファイル」の絵柄の中の特定の部分(背景など)を透明にする処理を指します。

Excelのファイル形式(.xlsと.xlsx)によって、画像の背景透明化の仕上がりに違いはありますか?

はい、ファイル形式によって仕上がりに違いが出ることがあります。
古い.xls形式では、背景透明化の機能が制限されたり、画像の表示が不安定になったりしがちです。
そのため、画像の背景処理を行う際は、新しい.xlsx形式に変換することをオススメします。

Web版のExcel(Excel for the web)でも、この記事で紹介されている背景透明化機能は使えますか?

いいえ、この記事で主に解説している「背景の削除」機能や「透明色を指定」といった背景透明化機能は、現時点(2025年5月現在)のWeb版のExcel(Excel for the web)では提供されていません。
Web版のExcel(Excel for the web)を使用している場合は、ペイントやMicrosoft フォトを使って背景を透明化・削除してから、アップロードしてください。

その他Excelに関する記事

その他Excelに関する記事はこちらです。是非御覧ください。

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