【PowerPoint】取り消し線(打ち消し線)・二重取り消し線の引き方

この記事では、PowerPointで取り消し線(打ち消し線)と二重取り消し線を引く方法を解説します。

プレゼンテーション資料を作成する際、価格改定の表示や変更前後の比較、完了したタスクの表示など取り消し線を使いたい場面があります。PowerPointの取り消し線は、文字の中央に横線を引いて「訂正された」「変更された」ことを視覚的に表現できる便利な機能です。

PowerPointでは、リボンから1クリックで一本線の取り消し線を引けるほか、フォントダイアログから二重取り消し線を設定することもできます。また、キーボードショートカットを使えばより素早く操作可能です。

情シスとして社内のプレゼン資料作成をサポートしてきた経験から、取り消し線は見やすさが重要です。スライドは遠くから見ることも多いため、文字サイズとのバランスを考えた設定が求められます。

実際の操作画面を使って詳しく解説しますので、初心者の方も安心して設定できます。

目次

PowerPointの取り消し線(打ち消し線)・二重取り消し線とは

PowerPointの取り消し線は、Word・Excel・Outlookと操作方法が異なります。以下はOfficeアプリ別の取り消し線ショートカット比較表です。

アプリ最速ショートカット詳細記事
PowerPointAltH4(アクセスキー)本記事
WordCtrl+DでフォントダイアログWordの取り消し線の引き方
ExcelCtrl+5(最速)Excelの取り消し線の引き方
OutlookCtrl+Shift+PでフォントダイアログOutlookの取り消し線の引き方
Officeアプリ別の取り消し線ショートカット比較表

この記事ではPowerPointに特化した操作方法を解説します。

PowerPointの取り消し線には、文字を一本線で消す「取り消し線」と、二本線で消す「二重取り消し線」の2種類があります。

どちらも元の情報を削除せずに「変更前」「訂正済み」といった状態を示すために使います。プレゼンテーション資料では、価格改定や仕様変更を視覚的に表現する際に効果的です。

特に「二重取り消し線」は、複数回の変更履歴を区別する目的で利用されることがあります(例:第一次修正は「取り消し線」、第二次修正は「二重取り消し線」で表示し、変更の段階を明確にする)。

ビジネスプレゼンでは「旧価格 ¥10,000 → 新価格 ¥8,000」のように値下げをアピールしたり、「従来の課題」を取り消し線で示して「新しい解決策」を強調したりする使い方が一般的です。

PowerPointで取り消し線と二重取り消し線を使った価格表示の例
取り消し線と二重取り消し線の使用例

取り消し線をPowerPointのリボンから引く方法(一本線)

PowerPointで取り消し線を引く最も基本的な方法は、「ホーム」タブのリボンにある「取り消し線」アイコンをクリックすることです。マウス操作だけで完結するため直感的ですが、この方法で引けるのは一本線のみで「二重取り消し線」には対応していません。

取り消し線を引く手順は以下のとおりです。

  1. テキストボックスまたはプレースホルダー内の文字を選択
  2. 「ホーム」タブ→「フォント」グループ→「取り消し線」アイコンをクリック

約5秒で完了します。それでは実際の画面を見ながら詳しい手順を解説していきます。

STEP
取り消し線を引きたい文字を選択して「取り消し線」アイコンをクリック

まず、PowerPointのスライド内で取り消し線を引きたい文字を選択してください。

テキストボックスやプレースホルダー内の文字をドラッグして範囲選択します。

次に、文字を選択した状態で「ホーム」タブにある「取り消し線」アイコンをクリックしてください。

リボンが折りたたまれていて操作しづらい場合は、「【PowerPoint】リボン(メニューバー)を常に表示する方法|デスクトップ版・Web版対応」をご覧になり、リボンを常に表示に切り替えてください。

PowerPointのホームタブにある取り消し線ボタンの位置
取り消し線を引きたい文字を選択して「ホーム」タブの「取り消し線」アイコンをクリック
STEP
選択した文字に取り消し線が引かれたことを確認する

「取り消し線」アイコンをクリックすると、選択した文字に取り消し線が引かれます。

PowerPointで文字に取り消し線が引かれた状態
取り消し線が適用された文字

二重取り消し線を「フォント」ダイアログから引く方法(二本線)

PowerPointで二重取り消し線を引くには、「フォント」ダイアログボックスを使用します。

  1. 二重取り消し線を引きたい文字列を選択する
  2. 「ホーム」タブの「フォント」グループ右下にある展開記号をクリック
  3. 「文字飾り」で「二重取り消し線」にチェックを入れる
  4. 「OK」ボタンをクリック

約10秒で完了します。それでは実際の画面を見ながら詳しい手順を解説していきます。

STEP
二重取り消し線を設定したい文字列を選択して「フォント」グループの展開記号をクリック

まず、PowerPointのスライド内で二重取り消し線を引きたい文字を選択してください。

次に、「ホーム」タブの「フォント」グループ右下にある、小さな四角いアイコン(展開記号)をクリックしてください。

リボンが折りたたまれていて操作しづらい場合は、「【PowerPoint】リボン(メニューバー)を常に表示する方法|デスクトップ版・Web版対応」をご覧になり、リボンを常に表示に切り替えてください。

PowerPointのフォントグループにある展開記号の位置
文字飾りを設定したい文字列を選択して、「フォント」グループにある展開記号をクリック
STEP
「二重取り消し線」にチェックを入れて「OK」ボタンをクリック

小さな四角いアイコン(展開記号)をクリックすると、「フォント」と書かれたウィンドウが表示されます。

「フォント」ダイアログは「ホーム」タブの展開記号をクリックするほか、Ctrl+Tのショートカットキーでも開けます。

「文字飾り」の項目にある「二重取り消し線」にチェックを入れてください。
最後に「OK」ボタンをクリックします。

PowerPointのフォントダイアログで二重取り消し線にチェックを入れる画面
「二重取り消し線」にチェックを入れて「OK」ボタンをクリック
STEP
二重取り消し線が引かれたことを確認する

「OK」ボタンをクリックすると「フォント」ウィンドウが閉じ、選択した文字列に二重取り消し線が適用されたことを確認できます。

PowerPointで文字に二重取り消し線が引かれた状態
二重取り消し線が引かれたことを確認する

取り消し線をキーボードショートカットで引く方法(一本線)

PowerPointにはExcelのCtrl+5のような取り消し線専用のショートカットキーは標準で用意されていませんが、「アクセスキー」と呼ばれるキーボード操作を使うことでリボンのボタンを素早く選択し、取り消し線を引くことができます。

  1. 取り消し線を引きたい文字を選択する
  2. キーボードのAltキーを押す
  3. Hキーを押す(ホームタブを選択)
  4. 4キーを押す(取り消し線ボタンを選択)

このAltH4というキーを順番に押す操作が、PowerPointで取り消し線を引く最速のキーボード操作です。

マウスに持ち替える必要がないため、プレゼンテーション資料作成中の作業効率が向上します。

PowerPointでAlt+H+4のアクセスキーを使って取り消し線を引く方法
取り消し線をキーボードショートカットで引く方法(一本線)

PowerPointの取り消し線(打ち消し線)・二重取り消し線に関するよくある質問と答え

最後に、PowerPointの取り消し線(打ち消し線)・二重取り消し線に関するよくある質問と答えをまとめました。

PowerPointで取り消し線を引く一番簡単な方法は?

取り消し線を引きたい文字を選択し、「ホーム」タブのリボンにある「ab」と書かれたボタンをクリックするのが最も簡単です。

PowerPointで取り消し線の色を変更することはできますか?

PowerPointでは取り消し線の色を直接変更する機能はありません。取り消し線は文字色と同じ色で表示されます。ただし図形の「線」機能を使って手動で線を引くことで、任意の色の取り消し線を表現することは可能です。

取り消し線と二重取り消し線を同時に設定することはできますか?

いいえ、同じ文字に取り消し線と二重取り消し線を同時に設定することはできません。どちらか一方のみを選択できます。「フォント」ダイアログで「取り消し線」と「二重取り消し線」のチェックボックスを確認すると、どちらか一方しかチェックを入れられない仕様になっています。

PowerPointとWordで取り消し線の操作方法は違いますか?

基本的な操作方法は同じですが、ショートカットキーに違いがあります。「フォント」ダイアログを開くショートカットはWordがCtrl+D、PowerPointがCtrl+Tです。
一方、アクセスキー(AltH4)は共通して使えます。詳しくは「【Word】取り消し線(打ち消し線)・二重取り消し線の引き方」で解説しています。

取り消し線を引いた文字を元に戻す方法は?

取り消し線を引いた文字を選択し、再度「ホーム」タブの「取り消し線」アイコンをクリックすることで解除できます。または、Ctrl+Z(元に戻す)で直前の操作を取り消すことも可能です。

プレゼン時に取り消し線が見やすい設定のコツは?

プレゼンテーションでは遠くから見ることも多いため、以下のポイントを意識してください。①文字サイズを大きめに設定する(最低24pt以上推奨)、②太字と組み合わせて視認性を高める、③背景色とのコントラストを確保する。情シスとしてプレゼン資料をサポートしてきた経験上、小さい文字に取り消し線を引くと後方の席から見えにくくなります。

テキストボックス以外でも取り消し線は使えますか?

いいえ、PowerPointの取り消し線機能はテキストボックスやプレースホルダー内のテキストにのみ適用できます。図形内のテキストには使えますが、SmartArtや表内のテキストでは使用できない場合があります。その場合は図形の線機能で代用してください。

Excelの取り消し線とPowerPointの取り消し線に違いはありますか?

操作方法に違いがあります。ExcelではCtrl+5のショートカットキーで取り消し線を引けますが、PowerPointにはこのショートカットはありません。
PowerPointではAltH4のアクセスキーを使います。詳しくは「【Excel】取り消し線を引く方法 - ショートカットですぐ設定」で解説しています。

取り消し線の太さを変更することはできますか?

PowerPointの標準機能では取り消し線の太さを変更することはできません。文字サイズに応じて自動的に太さが調整されます。太い取り消し線が必要な場合は、図形の「線」機能を使って手動で線を引く方法があります。

PowerPoint Onlineでも取り消し線は使えますか?

はい、PowerPoint Online(Web版)でも取り消し線機能は使用できます。リボンの「ホーム」タブに同じ「ab」ボタンがあります。
なお、Web版のPowerPointは「二重取り消し線」に対応していません。二重線が必要なときはデスクトップ版で設定してください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
環境によって結果が異なる場合がありますので、参考のうえご利用ください。

誤りのご指摘・追記のご要望・記事のご感想は、記事のコメント欄またはこちらのお問い合わせフォームからお寄せください。個人の方向けには、トラブルの切り分けや設定アドバイスも実施します。

※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 25H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • PowerPoint:Microsoft 365 MSO (バージョン 2509 ビルド 16.0.19231.20138) 64 ビット
  • 最終検証日:2025年10月16日
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

情シスの自由帳管理人のアバター 情シスの自由帳管理人 情シスの自由帳管理人

社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

コメント

コメントする

目次