Windows11には、コピーしたアイテムを一時的に貯めておくクリップボードと呼ばれる機能があります。
クリップボードとは
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
直感的には、コピー・アンド・ペーストにてデータを移動する際の一時保管所である。クリップボードには、テキストデータ・画像をはじめさまざまなフォーマットのデータを格納することができるが、クリップボードから読み出したデータをどこまで再現できるかはアプリケーションに依存する。例えば、ワープロソフトからクリップボードにコピーした書式付きのデータを、テキストエディタにペーストした場合、文字や改行の情報は再現されるが、フォントの修飾や罫線、画像などの情報は、そぎ落とされる(つまりテキストエディタ側では利用されず、無視される)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89
以下で簡単にクリップボードの仕組みを簡単に図解してみました。

このクリップボードには、以下のアイテムを一時的に保存しておくことができます。
- テキスト
- HTML
- ビットマップ(画像ファイル)
1つのファイルに対する最大容量は4MB(メガバイト)です。
初期設定ではコピーしたアイテムを1つまでしかクリップボードに保存できませんが、クリップボードの履歴を有効にすることで最大25個のアイテムを保存することが可能になります。
また、頻繁に使うアイテムをピン留めして好きな時に呼び出したり、コピーしたアイテムを他のデバイスと自動的に同期することも可能です。
この記事では、Windows11のクリップボード履歴を有効にする方法や、具体的な活用方法を詳しく解説していきます。
クリップボードの履歴を有効にする
まずはクリップボードの履歴を有効にしていきます。

タスクバーにあるWindowsボタンをクリックしてください。タスクバーにWindowsボタンが無い場合は、キーボードのWindowsロゴを押してください。
上に向かってメニューが展開されるので、その中にある[設定]をクリックしてください。

[設定]をクリックすると「システム」と書かれたウィンドウが立ち上がります。
その中の右側にある[クリップボード]をクリックしてください。
[クリップボード]はかなり下の方にあるので、スクロールして下がっていくと見つかります。

[クリップボード]をクリックすると、「システム > クリップボード」と書かれた画面に移動します。
その中にある[クリップボードの履歴]をオンにしてください。
これでクリップボードの履歴が有効になり、最大25個のアイテムをクリップボードに保存することが可能になります。
クリップボードの履歴を使いこなそう
有効にしたクリップボードの履歴を使いこなすための詳しい操作方法を解説していきます。
クリップボードの履歴ウィンドウを表示する方法

まずはクリップボードを表示する方法です。
キーボードのウィンドウズロゴと、[V]を押してください。
上記の画像のようなウィンドウが開けば成功です。
クリップボードから呼び出して貼り付ける方法

保存されているアイテムをクリックすることで貼り付けることができます。
貼り付け先は、クリップボードを開く前にカーソルのあった位置です。
クリップボードを空にする方法(全てのアイテムを一括で削除)

キーボードのウィンドウズロゴと、[V]を押して開かれたクリップボードのウィンドウの中にある[すべてクリア]をクリックすることで、クリップボードの中身を全て削除します。

または、「システム > クリップボード」と書かれた画面(クリップボードの履歴を有効にした画面)の中にある、[クリア]をクリックすることで、クリップボードの中身を全て削除します。
タスクバーのWindowsボタン→[設定]→[クリップボード]でたどり着きます。
いつでも呼び出せるように特定のアイテムをピン留めする

クリップボードには最大25個しかアイテムを保管することができません。
26個以上になると1個目のアイテムが削除される仕組みです。
頻繁に呼び出したいアイテムをピン留めしておくことで削除されないようにします。
クリップボードのウィンドウの中にあるピンのマークをクリックすることで、そのアイテムをクリップボードに残し続けることができます。
クリップボードから個別にアイテムを削除する

余計なアイテムをコピーしてしまった場合は、個別にクリップボードから削除することができます。
削除するには、削除したいアイテムの右上にある[・・・]をクリックし、ごみ箱マークの[削除]をクリックしてください。
クリップボードのアイテムを別のパソコンと共有する
広く知られていない機能ですが、クリップボードは同一のMicrosoftアカウント(もしくは職場アカウント)を使っている場合に限り、異なるパソコン間でも共有することができます。
パソコンAでコピーした画像を、パソコンBに貼り付けることができるというわけです。
※ピン留めしたアイテムも共有されます。
パソコンを2台使っている人にとってはすごく便利な機能の一つなので是非設定してみてください。
ここからはクリップボードのアイテムを別のWindows11と共有するための設定方法を詳しく解説していきます。
認証のためにMicrosoftアカウント登録時の電話番号が必要になります。予めご用意ください。

まずは、クリップボード画面を開き、「デバイス間の共有」の[開始する]をクリックしてください。

「ご本人確認のお願い」と表示され、SMSの送信を促されます。
[XXXXXXXXXXにSMSを送信]をクリックしてください。
※XXXXXは一部伏せ字です。

[XXXXXXXXXXにSMSを送信]をクリックすると、「電話番号を確認する」と書かれた画面に移動します。
「確認コードをXXXXXXXXに送信します。お使いの電話番号であることを確認するために末尾がXXXXである最後の4桁を入力してください。」と表示されます。
Microsoftアカウントを作成した際に登録した電話番号の最後の4桁を入力して、[コードを送信]をクリックしてください。

[コードを送信]をクリックすると、すぐにコードが届きます。
届いたコードを正確に入力し、[確認]をクリックしてください。

コードを入力して[確認]をクリックすると、それまでのウィンドウが消えてクリップボード画面に戻ります。
そこに、先程までは表示されていなかった「コピーしたテキストを自動的に同期する」と「コピーしたテキストを手動で同期する」という項目が表示されています。
手動で毎回コピーするのが面倒な場合は[コピーしたテキストを自動的に同期する]にチェックを入れてください。
これで他のパソコンに同じMicrosoftアカウントでログインして、インターネットに繋がっているとクリップボードを共有することができます。
エクセルやワード、パワーポイントからクリップボードの履歴を復元する方法
クリップボードの履歴が有効になっていない場合でも、エクセルやワード、パワーポイントからクリップボードの履歴を復元することが可能です。
コピーしたデータがあるにも関わらず、もう一度コピーしてしまい最初のデータが上書きされてしまった場合に試してみてください。
エクセルやワード、パワーポイントなどのOFFICE系のソフトを立ち上げている場合に復元が可能です。
クリップボードの履歴が無効になっていて、OFFICE系のソフトを立ち上げていない場合は復元できません。

エクセルでもワードでもパワーポイントでも操作方法は同じになるため、ここではエクセルの画面を使ってクリップボードの履歴を復元する方法を紹介します。
まずは[ホーム]タブをクリックしてください。

[ホーム]タブが開いたら、一番左に「クリップボード」と小さく表示されています。
その右にある[展開記号]をクリックしてください。
[展開記号]をクリックするとそのすぐ下に「クリップボード」と書かれたメニューが表示されます。
ここに表示されているのが現在クリップボードに保存されている情報(文字や画像)です。
Officeに保存されるクリップボードは最大で24個です。

次にその中から復元したい内容を選択し、[貼り付け]をクリックしてください。

[貼り付け]をクリックすると、Office内にその情報が貼り付けられます。
これでクリップボードの履歴が無効になっている場合でもクリップボードの履歴を復元することができます。
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