【Word】文書比較機能で2つの文書の違いを確認する方法

この記事では、Wordの文書比較機能で2つの文書を比較する方法を解説します。

文書を複数人で編集したり、異なるバージョンを管理していると、「どこが変更されたのか」を確認するのは大変です。Wordの文書比較機能を使えば、2つの文書の違いを自動検出し、追加・削除・変更箇所を赤い取り消し線や下線で一目で確認できます。

この記事では、文書比較機能の基本的な使い方から比較結果の見方まで、実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。

目次

Wordの文書比較機能の使い方

Wordの文書比較機能を使うと、2つの文書の違いを自動検出し、変更箇所を一目で確認できます。手順は以下の通りです。

  1. Wordを開いて「校閲」タブをクリック
  2. 「比較」をクリックし、「比較(C)...」を選択
  3. 「元の文書(O)」と「変更された文書(R)」を選択
  4. 「OK」ボタンをクリック
  5. 比較結果を確認する

所要時間は約1分です。それでは、実際の画面を見ながら詳しい手順を解説していきます。

STEP
Wordを開いて「校閲」タブをクリック

Wordを開き「校閲」タブをクリックしてください。

比較対象の文書を事前に開いておく必要はありません。

Wordを開いて「校閲」タブをクリックしている画面
Wordを開いて「校閲」タブをクリック
STEP
「比較」をクリックし、「比較(C)...」を選択

次に、校閲タブの「比較」をクリックし、メニューから「比較(C)...」を選択してください。

リボンが折りたたまれていて操作しづらい場合は、「【Word】リボン(メニューバー)を常に表示する方法|デスクトップ版・Web版対応」を参考にリボンを常に表示に切り替えてください。

校閲タブの「比較」をクリックし、メニューから「比較(C)...」を選択している画面
「比較」をクリックし、「比較(C)...」を選択
STEP
「元の文書」と「変更された文書」を選択

「比較(C)...」を選択すると「文書の比較」と書かれたウィンドウが表示されます。

フォルダーのアイコンをクリックし、「元の文書(O)」と「変更された文書(R)」を選択してください。

対応しているファイル形式は「.docx」と「.doc」です。それ以外の形式には対応していません。

「元の文書」と「変更された文書」を選択する画面
「元の文書」と「変更された文書」を選択
STEP
「OK」ボタンをクリック

それぞれのファイルを選択したら、「OK」ボタンをクリックしてください。

「元の文書(O)」と「変更された文書(R)」で同一ファイルを選ぶと、「OK」ボタンはクリックできなくなります。

「元の文書」と「変更された文書」を選択してOKボタンをクリックしている画面
「OK」ボタンをクリック
STEP
比較結果を確認する

「OK」ボタンをクリックすると「結果の比較」が開きます。このファイルは新規の比較結果ファイルとして作成されるため、編集しても元の文書は変更されません。

比較結果は「名前を付けて保存」で任意の場所に保存できます。

「結果の比較」で比較結果を確認している画面
比較結果を確認する

比較結果文書の見方と変更箇所の確認方法

文書比較を実行すると、Wordの画面が複数のウィンドウに分割されて表示されます。最も重要なのが中央に表示される「比較結果文書」です。

比較結果画面の構成

比較実行後、通常は以下の4つのウィンドウが表示されます。

比較結果画面の構成
比較結果画面の構成
表示位置ウィンドウ名役割
中央比較結果文書変更箇所が色付きで表示される最も重要なウィンドウ
左側変更履歴一覧変更箇所を一覧形式で表示。クリックすると該当箇所にジャンプ
右上元の文書変更前の文書(元の文書)
右下変更された文書変更後の文書
比較結果画面の4つの構成

画面が多すぎると感じる場合は、不要なウィンドウの右上にある「×」ボタンをクリックして閉じることができます。比較結果文書だけを表示すると見やすくなります。

変更箇所の表示方法

比較結果文書では、変更履歴機能により変更箇所が色と記号で識別されます。

変更の種類表示方法具体例
削除された内容取り消し線(赤色)削除された文字
追加された内容下線(赤色)追加された文字
書式の変更紫色太字やフォントサイズの変更
移動された内容緑色文章の移動が検出された箇所
比較結果文書で表示される情報

また、変更された行の左端には赤い線またはグレーの線が表示されます。

変更内容の詳細を確認する方法

変更箇所にマウスカーソルを重ねると、吹き出しで以下の詳細情報が表示されます。

  • 変更者の名前
  • 変更日時
  • 変更の種類(追加・削除・書式変更など)

例えば、「10時に開始」が「9時に開始」に修正された場合、「10」に取り消し線、「9」に下線が引かれます。

検出される変更内容

文書比較機能は、以下のような細かな変更も検出します。

  • 文字の追加・削除・変更
  • 段落全体の追加・削除・移動
  • 改行位置の変更
  • 図表の追加・削除・移動
  • スペースの追加・削除
  • 句読点の修正
  • 数字の変更(例:「10」→「100」)

表示方法を切り替える

比較結果をより見やすくするために、表示方法を切り替えることができます。

「校閲」タブの「変更内容の表示」から「すべての変更履歴/コメント」を選択すると、変更箇所が詳細に表示されます。この状態で、赤字は追加、取り消し線は削除された文字として表示されます。

また、「比較元の文書を表示しない」を選択すると、元の文書に変更履歴が入った状態でシンプルに表示されます。

Wordの文書比較機能に関するよくある質問と答え

最後に、Wordの文書比較機能に関するよくある質問と答えをまとめました。

Wordで2つの文書を比較する方法は?

Wordを開いて「校閲」タブをクリックし、「比較」→「比較(C)...」を選択してください。「元の文書」と「変更された文書」を選択して「OK」をクリックすると、2つの文書の違いが色付きで表示されます。

Wordの文書比較機能で同じファイルを2回選択するとどうなる?

「元の文書」と「変更された文書」で同じファイルを選択すると、「OK」ボタンがクリックできなくなります。異なる2つのファイルを選択する必要があります。

文書比較の結果は元のファイルに上書きされる?

いいえ、上書きされません。比較結果は「結果の比較」という新規ファイルとして作成されるため、元のファイルは変更されません。比較結果を保存したい場合は、別名で保存できます。

「OK」ボタンをクリックしても比較結果が表示されない場合の対処法は?

文書のサイズが大きい場合、比較処理に時間がかかることがあります。数分待っても表示されない場合は、タスクマネージャーを開いて、「Microsoft Word」を選択して「タスクの終了」をクリックしてください。その後、Wordを再起動し、文書のサイズを縮小してから再度比較を試してください。

「この文書を比較できません」というエラーが表示される場合の対処法は?

比較する文書が保護されている、またはパスワードで暗号化されている可能性があります。文書の保護を解除してから比較を実行してください。
また、文書が破損している場合もこのエラーが表示されます。その場合はWordの修復機能でファイルを修復してください。

文書比較の結果が想定していたものと違います。どうしたらいいですか?

「元の文書」と「変更された文書」の選択が逆になっていないか確認し、必要に応じて入れ替えて再度比較してください。また、「文書の比較」ウィンドウの「オプション(M)」ボタンをクリックし、比較オプションを確認してください。書式の変更、コメント、ヘッダー・フッターなど、どの要素を比較対象にするか選択できます。

文書比較で削除された文字はどう表示される?

削除された文字は既定では赤の取り消し線で表示されます。

文書比較で追加された文字はどう表示される?

追加された文字は既定では赤の下線で表示されます。

文書比較の画面が4分割されて見づらい場合の対処法は?

不要なウィンドウの右上にある「×」ボタンをクリックして閉じてください。中央の「比較結果文書」だけを表示すると見やすくなります。

Wordの文書比較機能で書式の変更も検出される?

はい、検出されます。太字、フォントサイズ、色などの書式変更は紫色で表示され、どの部分の書式が変更されたのかを確認できます。

スペースや改行の変更も検出される?

はい、検出されます。スペースの追加・削除、改行位置の変更、句読点の修正など、細かな変更も検出されます。

Wordの文書比較で数字の変更も検出される?

はい、検出されます。例えば「10」が「100」に変更された場合、「10」に取り消し線、「100」に下線が引かれて表示されます。

比較結果文書で変更者の名前を確認する方法は?

変更箇所にマウスカーソルを重ねると、吹き出しで変更者の名前、変更日時、変更の種類が表示されます。

Wordで比較できる文書の形式は?

Wordの比較機能で対応している文書形式は主に「.docx」形式ですが、「.doc」形式も一部対応しています。「.docx形式」と「.doc形式」の文書を比較することも可能ですが、両方の文書を「.docx形式」に変換してから比較するのがベストです。

オンライン版のWordでも文書比較機能は使える?

いいえ、Microsoft Word Onlineでは「文書の比較」機能は利用できません。文書比較はデスクトップ版のMicrosoft Word(Word for Windows/Mac)でのみ提供されています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 24H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • Word:Word for Microsoft 365 MSO (バージョン 2510 ビルド 16.0.19328.20144) 64 ビット
  • 最終検証日:2025年11月7日
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この記事を書いた人

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社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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