【Word】コメント・変更履歴を非表示で開く方法 - 自動表示をオフにする設定

この記事では、Wordのコメントや変更履歴を非表示の状態で開く方法を解説します。「変更履歴なし」で保存しても、次回ファイルを開くと自動表示されてしまうのは、Wordの仕様によるものです。

トラストセンターの「プライバシーオプション」で変更履歴・コメントの自動表示をオフにすれば、非表示にして保存した状態が次回以降も維持されます。

変更履歴機能を削除・非表示にする方法については、「Word(ワード)の変更履歴を削除/非表示にする方法」で詳しく解説しています。

目次

Wordを開いた時に表示される変更履歴・コメントを非表示にする方法

Wordファイルを開くたびに、前回非表示にした「変更履歴」や「コメント」が勝手に表示されてしまい、毎回「変更履歴なし」に切り替えるのは面倒ですよね。

Wordの初期設定では、変更履歴やコメントの見落しを防ぐために「ファイルを開く際に強制的に変更履歴やコメントを表示する」仕様になっています。そのため、校閲タブから非表示にして保存するだけでは、次回開いた時に設定がリセットされてしまいます。

そこでこの記事では、次回から変更履歴やコメントを非表示の状態でファイルを開くために必要な、以下の2つの手順を解説します。

  1. Wordの自動表示機能をオフにする(土台作り)
  2. 文書を「変更履歴/コメントなし」の状態で保存する(実行)

手順1(トラストセンターの設定)を行わないと、手順2を実施しても効果がありません。必ず手順1から順番に進めてください。

Wordのトラストセンターの設定を変更する

まず、Word本体の設定を変更して、ファイルを開く際に「非表示にした変更履歴を自動再表示する機能」を無効化します。

設定の流れは以下のとおりです。この設定は一度行えば、以降すべてのWordファイルに適用されます。

  1. 「ファイル」タブ >「オプション」を開く
  2. 「トラストセンター」>「トラストセンターの設定」をクリック
  3. 「プライバシーオプション」を選択
  4. 「ファイルを開くまたは保存するときに、非表示になっている変更履歴/コメントを表示する」のチェックを外す

設定箇所が少し深い階層にありますので、画像付きで順を追って解説します。

STEP
「ファイル」タブをクリック

Wordの左上にある「ファイル」タブをクリックしてください。

Wordの画面左上にある「ファイル」タブをクリックする操作を示す画面
変更履歴の自動表示設定 手順1:Wordの「ファイル」タブをクリック
STEP
画面左下にある「オプション」をクリック

「ファイル」タブをクリックするとWordのホーム画面に移動します。

画面左下にある「オプション」をクリックしてください。

Wordのウィンドウを縮小している場合、「オプション」が隠れている場合があります。その場合はWordのウィンドウを最大化してください。

Wordのホーム画面で、画面左下にある「オプション」ボタンをクリックする操作を示す画面
変更履歴の自動表示設定 手順2:画面左下の「オプション」をクリック
STEP
「トラストセンター」をクリック

「オプション」をクリックすると「Wordのオプション」が表示されます。

キーボードショートカット:AltFTで「Wordのオプション」を素早く開けます。

画面左下にある「トラストセンター」をクリックしてください。

Wordのオプション画面で、左側メニューの下部にある「トラストセンター」項目をクリックする操作を示す画面
変更履歴の自動表示設定 手順3:「トラストセンター」を選択
STEP
「トラストセンターの設定(T)」ボタンをクリック

「トラストセンター」をクリックすると「ドキュメントを安全に守り⋯」と書かれた画面に移動します。

その中にある「トラストセンターの設定(T)」ボタンをクリックしてください。

Wordのトラストセンター画面で、「Microsoft Officeトラストセンター」内の「トラストセンターの設定」ボタンをクリックする操作を示す画面
変更履歴の自動表示設定 手順4:「トラストセンターの設定」ボタンをクリック
STEP
「プライバシーオプション」をクリック

「トラストセンターの設定(T)」ボタンをクリックすると「トラストセンター」と書かれたウィンドウが表示されます。

その画面左下にある「プライバシーオプション」をクリックしてください。

トラストセンター設定画面で、左側メニューの下部にある「プライバシーオプション」項目をクリックする操作を示す画面
変更履歴の自動表示設定 手順5:「プライバシーオプション」を選択
STEP
「ファイルを開くまたは保存するときに、非表示になっている変更履歴/コメントを表示する(V)」のチェックを外し、「OK」ボタンをクリック

「プライバシーオプション」をクリックすると「プライバシーオプション」と書かれた画面に移動します。

その中にある「ファイルを開くまたは保存するときに、非表示になっている変更履歴/コメントを表示する(V)」のチェックを外し、「OK」ボタンをクリックしてください。

トラストセンターのプライバシーオプション画面で、「ファイルを開くまたは保存するときに、非表示になっている変更履歴/コメントを表示する」チェックボックスのチェックを外し、OKボタンをクリックする操作を示す画面
変更履歴の自動表示設定 手順6:変更履歴の自動表示をオフにしてOKをクリック
STEP
「OK」ボタンをクリック

「OK」ボタンをクリックすると「Wordのオプション」画面に戻ります。

再度「OK」ボタンをクリックしてください。

これで設定完了です。非表示に設定した変更履歴とコメントは、次回この文書を開いた時も表示されなくなります。

トラストセンター設定後、Wordのオプション画面に戻り、OKボタンをクリックして設定を確定する操作を示す画面
変更履歴の自動表示設定 手順7:Wordのオプション画面でOKをクリックして設定完了

文書を「変更履歴/コメントなし」の状態で保存する

Word側の自動表示機能をオフにできたら、最後に対象の文書ファイル側での保存操作を行います。

土台(トラストセンターの設定)ができても、文書自体が「変更履歴を表示する」状態で保存されていては意味がありません。

ここで明示的に「変更履歴/コメントなし」の状態にして上書き保存することで、次回ファイルを開いた時もその非表示の状態が維持されるようになります。

STEP
変更履歴・コメントを非表示の状態で開きたい文書を開いて「校閲」タブをクリック

変更履歴・コメントを非表示の状態で開きたい文書ファイルを開き、「校閲」タブをクリックしてください。

Word文書を開き、リボンメニューの「校閲」タブをクリックする操作を示す画面。文書には変更履歴とコメントが表示されている状態
変更履歴の非表示保存 手順1:対象文書を開き「校閲」タブをクリック
STEP
「変更履歴/コメントなし」に変更

「校閲」タブの「校正履歴」グループにある「変更内容の表示」を「変更履歴/コメントなし」に変更してください。

Wordのリボンが折りたたまれて操作しにくい場合は、「【Word】リボン(メニューバー)を常に表示する方法|デスクトップ版・Web版対応」を参考にリボンを常に表示に切り替えてください。

Word校閲タブの「変更内容の表示」ドロップダウンメニューで「変更履歴/コメントなし」を選択する操作を示す画面
変更履歴の非表示保存 手順2:「変更内容の表示」を「変更履歴/コメントなし」に変更
STEP
変更履歴やコメントが非表示の状態で上書き保存

「変更履歴/コメントなし」に変更すると、文書から変更履歴やコメントが非表示になります。

変更履歴やコメントは非表示になるだけで削除されません。データは保持されています。

その状態で上書き保存してください。

Wordで変更履歴とコメントが非表示になった状態の文書画面。変更履歴の赤線やコメントが消えてクリーンな表示になっている
変更履歴の非表示保存 手順3:変更履歴が非表示になった状態で上書き保存
STEP
文書を開き直して変更履歴やコメントが表示されないことを確認する

最後に、文書を開き直して変更履歴やコメントが表示されないことを確認してください。

Wordファイルを再度開き直した画面。変更履歴やコメントが非表示のままで開かれていることを確認している状態
変更履歴の非表示保存 手順4:ファイルを開き直して非表示が維持されていることを確認

Wordの変更履歴・コメントの自動表示をオフにする設定に関するよくある質問と答え

最後に、Wordの変更履歴・コメントの自動表示をオフにする設定に関するよくある質問と答えをまとめました。

トラストセンターの設定を変更すると、変更履歴やコメントは削除されてしまいますか?

いいえ、削除されません。「画面上で見えないように隠している(非表示)」だけです。データは残っているため、設定を戻せば再び表示されます。変更履歴やコメントを消去したい場合は、「変更の承諾」や「コメントの削除」を行う必要があります。

Wordのトラストセンター設定は、ExcelやPowerPointなど他のOfficeアプリにも連動しますか?

いいえ、連動しません。今回解説した「非表示の変更履歴を表示する」という設定項目は、Word固有の機能に対するものです。ExcelやPowerPointのトラストセンター設定は独立して管理されており、それぞれのアプリで個別に設定を確認する必要があります。

この設定をした状態でファイルを保存し、メールで他人に送ったら、相手も非表示の状態で見られますか?

いいえ、相手の環境には適用されません。この設定(トラストセンター)は「あなたのパソコンのWord」に対する設定です。相手がこの設定をしていない場合、ファイルを開いた瞬間に変更履歴が表示される可能性があります。

「変更履歴/コメントなし」にしても、また開くと勝手に表示されるのはなぜですか?

Wordには「変更箇所の見落としを防ぐため、ファイルを開く際に強制的に変更履歴を表示する」という安全機能があるためです。これを無効化するには、トラストセンターの「プライバシーオプション」変更が必須です。

共有フォルダにあるファイルを編集する時も、この設定は有効ですか?

はい、有効です。ただし、他の人がそのファイルを開いた場合は、その人のWord設定(トラストセンターの設定)に依存して表示・非表示が決まります。

トラストセンターの設定項目がグレーアウトして押せない場合は?

組織のポリシー(グループポリシー)によって、管理者側で設定変更が禁止されている可能性があります。情シスへ問い合わせてください。

パスワードで保護されたファイルでも、この設定は効きますか?

ファイルを開く権限があれば、開いた後の表示設定はご自身のトラストセンターの設定に従います。ただし、文書に「編集の制限」がかけられている場合、履歴の非表示自体が操作できないことがあります。

読み取り専用で開いたファイルでも、変更履歴を非表示状態で保存できますか?

いいえ、できません。 Word全体のトラストセンター設定(手順1)は変更できますが、肝心の「変更履歴を非表示にした状態」をファイルに上書き保存(手順2)することができないため、次回開いた時に設定が維持されません。
この設定を適用して保存するためには、まず文書の読み取り専用を解除して編集可能な状態にする必要があります。

Web版のWordでもこの設定は必要ですか?

Web版のWord(Microsoft Word for the Web)はデスクトップ版と仕様が異なり、トラストセンターの詳細な設定はありません。表示モード(閲覧・校閲・編集)の切り替えで見え方が変わります。デスクトップ版で行った設定はWeb版には引き継がれません。

過去に作成した大量のファイルも含めて、すべてのファイルを一括で「変更履歴非表示」の状態にできませんか?

残念ながらできません。「非表示状態で保存する」という処理は、ファイルごとに1つずつ開いて上書き保存する必要があります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
環境によって結果が異なる場合がありますので、参考のうえご利用ください。

誤りのご指摘・追記のご要望・記事のご感想は、記事のコメント欄またはこちらのお問い合わせフォームからお寄せください。個人の方向けには、トラブルの切り分けや設定アドバイスも実施します。

※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 25H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • Word:Word for Microsoft 365 MSO (バージョン 2510 ビルド 16.0.19328.20190) 64 ビット
  • 最終検証日:2025年11月24日
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この記事を書いた人

情シスの自由帳管理人のアバター 情シスの自由帳管理人 情シスの自由帳管理人

社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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