Microsoft PowerPoint(パワポ)を使っていて、「PowerPointが起動しない」「作業中に頻繁に固まる(フリーズする)、応答なしになる」「スライドの切り替えやアニメーションが異常に遅い」「特定のエラーメッセージが表示される」……。 こうした予期せぬトラブルに見舞われ、原因も分からず困っていませんか?
そんな時に、ぜひ試していただきたいのが、PowerPointを「セーフモード」で起動するという方法です。
セーフモードとは、PowerPointの動作に影響を与えている可能性のあるアドイン(拡張機能)やユーザー設定、一部の機能を一時的に無効化し、必要最低限の構成(診断用のモード)でPowerPointを立ち上げる、トラブルシューティングの基本的な手法です。
もし、セーフモードでPowerPointを起動した際に問題が発生しなければ、普段PowerPointと一緒に読み込まれているアドインなどが不具合の原因である可能性が高い、という原因の切り分け(特定)に繋がります。
この記事では、「PowerPointのセーフモードってどうやるの?」「具体的な起動手順を知りたい」という方に向けて、PowerPointをセーフモードで起動するための代表的な方法を2つ、初心者の方にも分かりやすく、手順を追って解説していきます。難しい操作ではありませんので、ぜひ参考にしてみてください。
Microsoft PowerPoint(パワポ)をセーフモードで起動する具体的な方法
ここからは、実際にMicrosoft PowerPoint(パワポ)をセーフモードで起動するための具体的な手順を解説します。
セーフモードでの起動は、PowerPoint(パワポ)の不具合に関する原因切り分けに有効で、操作自体も難しくありません。
今回は、特別なIT知識やツールがなくても誰でも簡単に試せる、以下の代表的な2つの起動方法をご紹介します。
- 方法1: キーボード操作で起動する方法 (
Ctrl
キーを使った簡単な方法です) - 方法2: 「ファイル名を指定して実行」から起動する方法 (簡単なコマンドを使います)
どちらの方法も、手順に従えばすぐに実行できます。
Ctrlキーを押しながらPowerPointをセーフモードで起動する
まずご紹介する一つ目の方法は、以下のキーボードのCtrl
キーを使った、非常に簡単で直感的なセーフモードの起動方法です。
- PowerPointのショートカット(アイコン)を探す
- キーボードの「Ctrl」キーを押し続ける
- 「Ctrl」キーを押しながらPowerPointのショートカット(アイコン)をダブルクリックして起動する
- 表示されたメッセージで「はい」をクリック
- セーフモードで起動したことを確認する
特別なコマンドを覚えたり入力したりする必要がなく、普段PowerPointを起動する際の操作に一手間加えるだけですので、どなたでも手軽に試すことができます。「まずは試してみよう」という場合に、特にお勧めの手順です。
まず、PowerPointを起動するためのショートカット(アイコン)を探してください。
Windowsのスタートメニュー、タスクバー(画面下部のアイコンが並んでいるところ)、あるいはデスクトップ上のショートカットアイコンなど、普段PowerPointを起動する際に使っているアイコンで構いません。

次に、キーボードの左下または右下あたりにあるCtrl
キー(コントロールキー)を見つけて、指で押さえたままにします。
この後、メッセージが表示されるまで押し続けるのがポイントです。

「Ctrl」キーを押さえたままの状態で、Step1で見つけたPowerPointのショートカット(アイコン)をダブルクリック、またはクリックしてPowerPointを起動してください。(スタートメニューから検索して起動する場合は、Enter
キーを押す瞬間もCtrl
キーを押したままにします。)

WPowerPointのショートカット(アイコン)をダブルクリック(またはEnter
キーを押)した後も、焦らず、画面に確認メッセージが表示されるまで「Ctrl
」キーは押さえたままにしてください。
パソコンの状況によっては、メッセージが表示されるまで少し時間がかかることもあります。
「Ctrl キーが押されたままになっています。PowerPointをセーフ モードで起動しますか?」といった主旨の確認メッセージが表示されたら、ここで初めて「Ctrl
」キーから指を離して大丈夫です。
メッセージの内容を確認し、「はい(Y)」ボタンをクリックしてください。

PowerPointが起動したら、ウィンドウの一番上にあるタイトルバーを確認してください。
通常、「Microsoft PowerPoint」と表示される部分に、「Microsoft PowerPoint (セーフモード)」のように、カッコ書きで「セーフモード」という文字が表示されていれば成功です。

「ファイル名を指定して実行」からpowerpnt /safeを使ってPowerPointをセーフモードで起動する
二つ目の方法は、Windowsの「ファイル名を指定して実行」という機能から、powerpnt /safe
というコマンド(命令文)を入力してセーフモードを起動するやり方です。
前述したCtrlキーを押し続ける方法とは異なり、決まった文字を正確に入力する必要がありますが、キーを押すタイミングなどを気にする必要はありません。こちらも簡単な手順ですので、一緒に確認していきましょう。
キーボードの左下あたりにあるWindows
キーを押しながら、アルファベットのR
キーを押して「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開いてください。
表示された「ファイル名を指定して実行」の「名前(O):」と書かれた入力欄に、半角で powerpnt /safe
と正確に入力してください。
ここで注意が必要なのは、powerpnt
と /safe
の間に必ず半角スペースを一つ入れることです。スペースを忘れるとうまく起動しません。
コマンドを正しく入力できたら、「OK」ボタンをクリックするか、キーボードのEnter
キーを押して実行します。

「OK」ボタンをクリックするとPowerPointがセーフモードで起動します。
Ctrlキーを使った方法と同じように、起動したPowerPointウィンドウの一番上にあるタイトルバーを見てください。
「Microsoft PowerPoint - セーフモード」のように「セーフモード」という文字が表示されていれば、無事に起動成功です。

セーフモードで問題が解決した場合の次のステップ
PowerPointをセーフモードで起動した結果、「起動しない」「頻繁に固まる」「エラーが出る」といった不具合が再現しなくなったのであれば、PowerPoint本体のプログラムではなく、通常起動時に読み込まれる「アドイン」(拡張機能)などが不具合の原因である可能性が非常に高いことが想定されます。
したがって、次に行うべきは、問題を引き起こしている特定のアドインを見つけ出し、それを無効化または適切に管理することです。
一つ一つアドインを有効/無効にしながら、どのタイミングで不具合が再発するかを確認していく地道な作業になりますが、これが最も確実な方法です。
具体的なアドインの種類(PowerPointアドイン、COMアドインなど)の見分け方や、それぞれの無効化・管理手順については、別記事「【PowerPoint】アドインを無効にする方法|PowerPointアドイン・COMアドインなどの管理」で画面を交えながら詳しく解説しています。ぜひ、そちらを参照して対処を進めてください。
PowerPointがセーフモードでも起動出来ない場合の対処法
もし、上記記事を参考にすべてのアドインを無効化しても症状が改善しない、あるいはセーフモードでも問題が再現してしまう場合は、PowerPointの不調はアドインが直接の原因ではない可能性が高いです。
その際は、PowerPointの基本設定の破損、Officeプログラム自体の問題、あるいは他のソフトウェアとの競合など、より広範な要因を疑い、Officeの修復インストールといった別の対処法を検討する必要があります。
PowerPointをセーフモードで起動する方法に関するよくある質問と答え
PowerPointのセーフモードについて、よくある疑問点とその回答を簡潔にまとめました。トラブル解決の際の情報としてお役立てください。
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その他PowerPointに関する記事はこちらです。ぜひご覧ください。
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