こんな人にオススメの記事です
- 自分が開いているBox内のファイルを他の人が開いた場合に、読み取り専用にしたい人
- Box内のファイルがファイルの競合コピーだらけになって困っている人
クラウドストレージのBoxは、初期設定の状態では複数人が同一ファイルを上書き保存(ファイルの競合コピーを作成)することができてしまい、結果としてどのファイルが最終的に正しいか分からなくなってしまう場合があります。
このような状況を回避するために、Boxでは「ファイルのロック機能」を用意しています。
この記事では、Boxで開いたファイルをロックして、ファイルを読み取り専用にすることで、他の人が上書き保存できない状態にするための設定方法を詳しく解説していきます。
「ファイルのロック機能」が使える環境
「ファイルのロック機能」を使うためには以下の環境が必要です。
- v2.21以降のBox Driveを使っていること
- パソコンのOSがWindows10以上であること
- パソコンがオンラインであること
- Microsoft Word、Excel、PowerPoint 2010以降を使っていること
目次
Box内のファイルを都度ロックして、ファイルを読み取り専用にする方法
まずはBox内のファイルを都度ロックして、そのファイルを読み取り専用にする方法です。
ファイルを開く前にそのファイルを「ロック」することで、他のコラボレーターがそのファイルを上書き保存できない状態にします。
ファイルの使用が終わった後、手動でファイルのロックを解除する必要があります。
この記事ではエクスプローラーを使った解説をしていますが、ブラウザー版でも基本的には同じ動作になります。
STEP
ロックして読み取り専用にしたいファイルを[右クリック]→[その他のオプションを確認]をクリック
ロックして読み取り専用にしたいファイルを[右クリック]してください。
[右クリック]すると下に向かってメニューが展開されます。
展開されたメニューの中の一番下にある[その他のオプションを確認]をクリックしてください。
Windows11からは右クリックメニューがかなりスリムになりした。
Windows10以前の右クリックメニューに表示を変更したい場合はこちらの「Windows11の右クリックメニューを以前の形に戻す方法」を御覧ください。
STEP
[ファイルをロック]をクリック
[その他のオプションを確認]をクリックすると、更に詳細なメニューが展開されます。
その中にある[ファイルをロック]をクリックしてください。
STEP
パソコンの画面右下にBoxからの通知が表示されることを確認する
[ファイルをロック]をクリックすると、パソコンの画面右下に「ファイルがロックされました」とBoxからの通知が表示されます。
この通知が表示されればファイルのロックは完了です。
これで他の人はこのファイルを開くことはできますが、上書き保存はできない状態になります。
STEP
エクスプローラー上の表示を確認する
ファイルのロックが正常に行われると、エクスプローラー上にあるファイルにも赤い鍵のアイコンが付きます。
Box内のファイルのロックを解除したい場合は該当ファイルを右クリック→[その他のオプションを確認]→[ファイルのロック解除]をクリックしてください。
Boxで開いたファイルを自動的にロックして、ファイルを読み取り専用にする方法
ファイルを開く都度ロックをするのが面倒な場合は、Windowsのレジストリを編集することで自動的にファイルをロックするように設定を変更してみましょう。
この方法は管理者権限を使ってレジストリの書き換えを行います。
レジストリはWindowsを正常に起動するために重要なファイルが多く存在しているため、作業前にバックアップをとっておくことをオススメしています。
レジストリのバックアップ方法はこちらの「レジストリをバックアップ及び復元する方法 Windows11」で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
ここからは、Boxで開いたファイルを自動的にロックして、ファイルを読み取り専用にする方法を詳しく解説していきます。
STEP
Windows+Rでファイル名を指定して実行ウィンドウを起動する
キーボードのWindows+Rを押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを立ち上げてください。
STEP
「ファイル名を指定して実行」ウィンドウにregeditと入力して[OK]をクリック
「ファイル名を指定して実行」ウィンドウの中に[regedit]と入力して[OK]をクリックしてください。
「ファイル名を指定して実行」はコマンドを使用してアプリケーションの起動や、設定画面を簡単に開くことができる非常に便利な機能です。
「ファイル名を指定して実行」で使えるコマンドはこちらの「ファイル名を指定して実行で使えるコマンド一覧 - Windows11」で詳しく解説しているので、興味がある人は是非ご覧ください。
STEP
ユーザーアカウント制御ウィンドウで[はい]をクリック
[OK]をクリックすると「ユーザーアカウント制御」と書かれたウィンドウが立ち上がります。
[はい]をクリックしてください。
STEP
Boxに関するレジストリフォルダを開く
[はい]をクリックすると以下のようなレジストリエディターが立ち上がります。
レジストリエディター上部のアドレスバーのような部分に以下の文字を貼り付けてEnterを押してください。
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Box\Box
左側のツリーをHKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Box>Boxと進んでも問題ありません。
STEP
新規のDWORD(32)ビット値を作成する
Enterを押すと、Boxに関するレジストリフォルダは開かれます。
左側の空白箇所を右クリックして、[新規]→[DWORD(32)ビット値]の順番にクリックしてください。
STEP
作成したDWORD(32)ビット値の名前をAutoLockUnlockに変更する
次に、作成した作成したDWORD(32)ビット値の名前をAutoLockUnlockに変更してください。
STEP
AutoLockUnlockを右クリックして[修正]をクリック
次にAutoLockUnlockの値を変更するために、AutoLockUnlockを右クリックして[修正]をクリックしてください。
STEP
「値のデータ(V)」を0から1に変更して[OK]をクリック
[修正]をクリックすると「DWORD(32)ビット値の編集」と書かれたウィンドウが立ち上がります。
その中にある「値のデータ(V)」を0から1に変更してください。
変更したら右下にある[OK]をクリックしてください。
STEP
レジストリが作成できたことを確認してパソコンを再起動
[OK]をクリックすると「DWORD(32)ビット値の編集」と書かれたウィンドウが閉じられ、レジストリエディターのウィンドウに戻ります。
以下の画像で赤枠で囲ったようなレジストリが追加されていることを確認してください。
名前 | 種類 | データ |
---|
AutoLockUnlock | REG_DWORD | 0x000000001(1) |
Boxで開いたファイルを自動的にロックするためのレジストリ
問題なく作成されていることを確認したら、パソコンを再起動してください。
タスクマネージャーなどからBox Driveを終了し、再開する手順で問題なさそうですが、個人的にはパソコンの再起動をオススメします。
STEP
Box内のワードやエクセルファイルを開いた時に自動的にロックされ、閉じた時には自動でロックが解除されることを確認する
パソコンの再起動が終わり、Box Driveが起動したらBox内のワードやエクセルファイルを開いてください。
パソコンの画面右下に以下のような「ファイルがロックされました」と表示され、閉じた時に「ファイルのロックを解除しました」と表示されれば成功です。
複数台のパソコンに対して、Boxで開いたファイルを自動的にロックして、ファイルを読み取り専用にするレジストリを設定する方法
Boxを複数のパソコンで使用している場合、それぞれのパソコンでレジストリ設定をするのは手間がかかります。
そこで、ここではレジストリファイルを使ってBoxで開いたファイルを自動的にロックして、ファイルを読み取り専用にする方法を詳しく解説していきます。
この方法は管理者権限を使ってレジストリの書き換えを行います。
レジストリはWindowsを正常に起動するために重要なファイルが多く存在しているため、作業前にバックアップをとっておくことをオススメしています。
レジストリのバックアップ方法はこちらの「レジストリをバックアップ及び復元する方法 Windows11」で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
STEP
メモ帳を開く
まずはメモ帳を立ち上げてください。
※メモ帳以外のテキストエディタでも問題ありません。
STEP
レジストリの内容をメモ帳に貼り付ける
メモ帳を開いたら、Boxで開いたファイルを自動的にロックして、ファイルを読み取り専用にするためのレジストリの内容を、以下からコピーしてメモ帳に貼り付けてください。
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Box\Box]
"AutoLockUnlock"=dword:00000001
STEP
[ファイル]→[名前を付けて保存]をクリック
レジストリの内容を貼り付けたら、メモ帳の左上にある[ファイル]をクリックしてください。
[ファイル]をクリックすると下に向かってメニューが展開されます。
展開されたメニューの中にある[名前を付けて保存]をクリックしてください。
STEP
.regファイルとして保存する
[名前を付けて保存]をクリック以下のようなウィンドウが立ち上がります。
ファイルの種類(T)のプルダウンメニューの中から[すべてのファイル(*.*)]を選択してください。
次にファイル名を入力してください。(ここではBox.regとします。)
ファイル名の末尾は必ず.regにしてください。
最後に右下にある[保存(S)]をクリックしてください。
STEP
作成した.regファイルをダブルクリック
次に、作成した.regファイル(ここではBox.reg)をダブルクリックしてください。
.regファイルのアイコン画像を変更したい場合は、こちらの「Windows11でショートカットやフォルダーのアイコン画像を変更する方法」を是非御覧ください。
作成した.regファイル(ここではBox.reg)をUBSメモリーなどで他のパソコンにコピーして使うことで、複数台のパソコンのレジストリを簡単に修正することが出来ます。
STEP
ユーザーアカウント制御ウィンドウで[はい]をクリック
作成した.regファイル(ここではBox.reg)をダブルクリックすると、「ユーザーアカウント制御」と書かれたウィンドウが立ち上がります。
[はい]をクリックしてください。
STEP
レジストリエディターからのメッセージを確認して[はい]をクリック
ユーザーアカウント制御ウィンドウで[はい]をクリックすると、レジストリエディターから「情報を追加すると、値が変更または削除されてしまい、コンポーネントが正常に動作しなくなることがあります。」とメッセージが表示されます。
メッセージの内容を確認して[はい(Y)]をクリックしてください。
STEP
[OK]をクリック
[はい(Y)]をクリックするとレジストリが追加されます。
最後に右下の[OK]をクリックしてウィンドウを閉じてください。
STEP
パソコンを再起動する
レジストリを追加したら、パソコンを再起動してください。
タスクマネージャーなどからBox Driveを終了し、再開する手順で問題なさそうですが、個人的にはパソコンの再起動をオススメします。
STEP
Box内のワードやエクセルファイルを開いた時に自動的にロックされ、閉じた時には自動でロックが解除されることを確認する
パソコンの再起動が終わり、Box Driveが起動したらBox内のワードやエクセルファイルを開いてください。
パソコンの画面右下に以下のような「ファイルがロックされました」と表示され、閉じた時に「ファイルのロックを解除しました」と表示されれば成功です。
よくある質問
- 自動でロック/ロックの解除が出来るファイルの種類は限られていますか。
-
Boxが2023年10月時点で自動でのロック/ロックの解除に対応しているのはワード、エクセル、パワーポイントです。
- Box内のPDFファイルをロックすることはできませんか?
-
ワード、エクセル、パワーポイント以外のPDFファイルなどは、該当ファイルを右クリック→[その他のオプションを確認]→[ファイルのロック]でロックすることができます。
- パソコンはオンラインなのに「オフラインのためロックできませんでした」とメッセージが表示されます。
-
Box Driveの起動に若干時間がかかることがあるので、5分程度待ってから試してみてください。
- Box内のファイルを自動でロック/ロックの解除の利用をやめたいです。
-
レジストリエディターでコンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Box\Box内に作成したAutoLockUnlockを削除してパソコンを再起動してください。
- レジストリを修正する以外に自動ロック/ロック解除の機能を有効にする方法はありませんか。
-
2023年10月時点ではありません。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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