この記事では、Excelシートに挿入した図形を左右上下に「反転」させたり「回転」させたりするための方法とコツを、実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。
Excelは標準機能だけで、上下反転、左右反転、90度回転、さらには3D回転まで、様々な図形の操作が可能です。
私は、社内の情報システム担当として日々Excelの操作に関するご相談を受けますが、特に手順書やマニュアルを作成されている方から「この図形、左右反転できませんか?」あるいは「吹き出しを完全に左右対称にしたいのですが…」といったお声をよくいただきます。
資料の見栄えや分かりやすさを追求する上で、図形の向きを正確に調整したいというニーズは高いと実感しています。
この記事では、そうした悩みを解決するため、Excelに搭載されている機能を活用した具体的な手順をわかりやすく説明します。
さらに、これらの反転・回転操作をより上手に使いこなすためのコツや注意点、そしてよくあるご質問(FAQ)にもお答えしていますので、ぜひ最後までご覧ください。
【手順解説】Excelで図形を「左右反転」させる方法
Excelで作成した図形を左右対称にしたり、向きを調整したりしたい場合に便利なのが「左右反転」機能です。以下の手順で簡単に図形を左右反転させることができます。
- 左右反転させたい図形を選択し、「図形の書式」タブを開く
- 「回転」オプションから「左右反転」を選択する
- 図形が左右反転されたことを確認する
ここからは、図形を簡単に左右反転させる手順を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。
まず、左右反転させたい図形をクリックして選択してください。
図形をクリックすると、「図形の書式」タブが表示されるので、これをクリックしてください。

「図形の書式」タブが表示されたら、その中にある「配置」グループの「回転」ボタンをクリックしてください。
「回転」ボタンをクリックすると回転オプションの一覧が表示されるので、その中から「左右反転(H)」を選択してください。

「左右反転(H)」をクリックすると、選択した図形が左右に反転します。

【手順解説】Excelで図形を「上下反転」させる方法
Excelの図形を上下対称にしたり、縦方向の向きを調整したりする際に役立つのが「上下反転」機能です。以下の手順で操作できます。
- 上下反転させたい図形を選択し、「図形の書式」タブを開く
- 「回転」オプションから「上下反転(V)」を選択する
- 図形が上下反転されたことを確認する
ここからは、図形を上下反転させる具体的な手順を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
まず、上下反転させたい図形をクリックして選択してください。
図形をクリックすると、「図形の書式」タブが表示されるので、これをクリックしてください。

「図形の書式」タブが表示されたら、その中にある「配置」グループの「回転」ボタンをクリックしてください。
「回転」ボタンをクリックすると回転オプションの一覧が表示されるので、その中から「上下反転(V)」を選択してください。

「上下反転(V)」をクリックすると、選択した図形が上下に反転します。

【手順解説】Excelで図形を「左右90度回転」させる方法
図形の向きを直角に変えたい場合、Excelの「右へ90度回転」または「左へ90度回転」機能が便利です。以下の手順で図形を90度回転させましょう。
- 90度回転させたい図形を選択し、「図形の書式」タブを開く
- 「回転」オプションから「右へ90度回転(R)」または「左へ90度回転(L)」を選択する
ここからは、これらの90度回転機能の使い方を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
まず、90度回転させたい図形をクリックして選択してください。
図形をクリックすると、「図形の書式」タブが表示されるので、これをクリックしてください。

「図形の書式」タブが表示されたら、その中にある「配置」グループの「回転」ボタンをクリックしてください。
「回転」ボタンをクリックすると回転オプションの一覧が表示されるので、その中から「右へ90度回転(R)」または「左へ90度回転(L)」をクリックしてください。
これで選択した図形が指定した方向に90度回転します。

【手順解説】Excelで図形を「3D回転」させる方法
Excelの図形に奥行きや立体感を与えたいなら、「3D回転」機能を活用しましょう。詳細な角度設定も可能です。手順は以下の通りです。
- 3D回転させたい図形を選択し、「図形の書式」タブを開く
- 「回転」オプションから「その他の回転オプション」を選択する
- 五角形の「効果」アイコンをクリック
- 「3-D書式」をクリックして展開
- 「X方向に回転」「Y方向に回転」「Z方向に回転」に任意の回転角度(数値)を入力
ここからは、図形を3D回転させるための具体的な手順を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
Excelの3D回転は、平面的な図形(2次元の図形)に対して、あたかも立体的な奥行きや傾きがあるかのように見せるための回転機能です。
この機能では、主に3つの基準軸(X軸、Y軸、Z軸)を使って図形を操作します。
- X軸回転: 図形を水平な軸(X軸)の周りに回転させます。
これにより、図形の上部を手前や奥に倒したり、下部を手前や奥に持ち上げたりするような、前後の傾きを表現できます。 - Y軸回転: 図形を垂直な軸(Y軸)の周りに回転させます。
これにより、図形の左側や右側を軸として、まるで本やドアが開閉するように左右に回転させ、側面を見せるような表現が可能です。 - Z軸回転: 図形を画面に対して垂直な軸(Z軸、奥行きの軸)の周りに回転させます。
これは、図形が画面上で時計回りや反時計回りに回転する動きで、平面的な2D回転と同様の効果ですが、X軸やY軸の回転と組み合わせることで複雑な立体感を演出します。
これらの3D回転を適用することで、単純な図形に遠近感を加えたり、特定の面を強調したりすることができ、資料に視覚的な印象を与える効果があります。
まず、3D回転させたい図形をクリックして選択してください。
図形をクリックすると、「図形の書式」タブが表示されるので、これをクリックしてください。

「図形の書式」タブが表示されたら、その中にある「配置」グループの「回転」ボタンをクリックしてください。
「回転」ボタンをクリックすると回転オプションの一覧が表示されるので、その中から「その他の回転オプション(M)...」をクリックしてください。

「その他の回転オプション(M)...」をクリックすると、画面右側に「図形の書式設定」ウィンドウが表示されます。
このウィンドウの上部にある五角形の「効果」アイコンをクリックしてください。

五角形の「効果」アイコンをクリックすると、そのオプションの中から「3-D書式」という項目が見つかりますので、これをクリックして展開してください。

「3-D書式」を展開すると、「X方向に回転」「Y方向に回転」「Z方向に回転」といった項目が表示されるので、それぞれのボックスに任意の回転角度(数値)を入力してください。
図形は入力に応じてリアルタイムでプレビュー表示されるので、図形を確認しながら角度を調節できます。
以上の手順で、図形に3D回転効果を適用することができます。

図形の反転・回転を使いこなすコツと注意点
Excelでの基本的な図形の反転・回転操作が理解できたら、次はそれらをよりスムーズに、そしてより便利に使いこなすためのコツと、注意点も押さえておきましょう。ここでは、特に重要な3つのポイントをご紹介します。
複数の図形をまとめて反転・回転させる場合は「グループ化」を活用する
複数の図形を一つずつ選択して個別に反転・回転させるのは、とても手間がかかりますよね。
Excelではこれらの図形を効率的にまとめて操作できますが、その際、特にお勧めしたいのが、対象となる複数の図形を「グループ化」 してから反転・回転を行う方法です。
図形をグループ化してから反転・回転させることで、各図形の位置関係を保ったままの状態で仕上がります。
Shift
キーやCtrl
キーを押しながら複数の図形をクリックして選択し、その選択状態のまま反転・回転操作を行うことも可能です。しかし、この方法では、各図形がそれぞれの中心点を基準に動いてしまったり、選択の仕方やExcelのバージョンによっては全体の配置が大きく崩れてしまう場合があります。
確実かつキレイに仕上げるためには、まず関連する図形をしっかり「グループ化」する、この一手間を惜しまないことが、複数の図形を扱う上での重要なコツです。
反転・回転の「基準点」を理解する
Excelで図形を回転させたり反転させたりする際、その操作が「どこを中心に行われるか」という中心(基準点)を意識することが大切です。この点を理解しておくと、よりスムーズで的確な図形操作が可能になります。
例えば、単一の図形を選択し、表示される回転ハンドル(図形上部の円形矢印など)を使って回転させる場合、通常はその図形の中心が回転軸となります。

複数の図形をグループ化してから回転する際も同様に、そのグループ全体としての中心を基準に一体となって回転します。
この「中心(基準点)」は通常、画面上に明示されませんが、「このあたりを中心に図形が動く」と操作前にイメージすることで、反転・回転後の図形の最終的な位置や向きをより正確に予測できます。
反転後に鏡文字にしないための注意点
図形とテキストボックスをグループ化し、グループ全体を反転・回転させたら、中の文字まで一緒に反転してしまった…という経験はありませんか? これはよく起こりうる現象で、多くの方が戸惑うポイントですので、対処法を知っておくことが重要です。
この「文字も一緒に反転してしまう」問題を確実に避けるための最も効果的な方法は、「図形(またはテキストボックスの枠)」と「文字(テキストボックス)」を別々の部品として扱い、図形部分だけに必要な反転操作を加えることです。
グループ化された図形とテキストボックスを反転し、文字が鏡文字など意図しない向きになってしまった場合は、慌てずにまずそのグループ化を解除 してください(グループを右クリック→「グループ化」→「グループ解除」)。
次に、文字が含まれていない図形オブジェクトだけを選択し、目的の反転(または回転)操作を行います。
これで文字が入力されたテキストボックスは反転させず、図形だけが反転・回転します。
反転・回転後の図形にテキストボックスを配置し直し、必要であれば最後に改めてオブジェクト全体をグループ化しましょう。
この一手間で、図形は意図通りに反転し、文字は読みやすい状態を保つことができます。
Excelでの図形反転・回転に関するよくある質問と答え
Excelでの図形反転・回転に関するよくある質問と答えをまとめました。
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