「Excelが起動しない」「Excelが固まる、フリーズして応答なしになる」「Excelの起動が遅い」「予期せぬエラーが出て困っている」…… もしかして今、こうしたExcelの不調に関する情報を検索して、この記事にたどり着かれたのではないでしょうか? パソコンを再起動しても改善せず、原因も分からないと不安になりますよね。
そんな時に試していただきたいのが、Excelを「セーフモード」で起動するというトラブルシューティング方法です。
なぜセーフモードが有効なのでしょうか?
それは、Excelをアドイン(後から追加された拡張機能)などを一時的に無効にして、最小構成(必要最低限の状態)で起動する特別な方法だからです。
もしセーフモードで起動して問題が発生しなければ、「普段使っている時に起きる不具合の原因は、後から追加したアドインなどにある可能性が高い」と切り分けることができます。
つまり、動作が不安定な原因を突き止めるための、いわば診断モードなのです。
この記事では、「Excel セーフモードの簡単なやり方を知りたい」「すぐ出来る起動手順を教えてほしい」という方に向けて、特別な知識がなくても試せる代表的な2つの方法を、具体的に分かりやすく解説します。
トラブルシューティングは難しく感じるかもしれませんが、この手順は簡単ですので、どうぞ安心して読み進めてください。
Excelをセーフモードで起動する具体的な方法
ここからは、Excelをセーフモードで実際に起動するための具体的な手順を解説していきます。リード文でも触れたように、トラブルの原因を探るために役立つセーフモードですが、起動方法は決して難しくありません。
この記事のタイトル「すぐ出来る2つの方法」の通り、特別な知識やツールがなくても簡単に試せる、代表的な方法を2つご紹介します。
一つはキーボードを使った直感的な方法、もう一つは簡単なコマンドを入力する方法です。
どちらもすぐに実行できますので、ご自身の状況や操作しやすいと感じる手順を選んで、ぜひ試してみてください。
Ctrlキーを押しながらExcelをセーフモードで起動する
まずご紹介する一つ目の方法は、以下のキーボードのCtrl
キーを使った、非常に簡単で直感的なセーフモードの起動方法です。
- Excelのアイコンを探す
- キーボードの「Ctrl」キーを押し続ける
- 「Ctrl」キーを押しながらExcelアイコンをクリックして起動する
- 表示されたメッセージで「はい」をクリックする
- セーフモードで起動したことを確認する
特別なコマンドを覚えたり入力したりする必要がなく、普段Excelを起動する際の操作に一手間加えるだけですので、どなたでも手軽に試すことができます。「まずは試してみよう」という場合に、特にお勧めの手順です。
まず、Excelを起動するためのアイコンを探してください。
Windowsのスタートメニュー、タスクバー(画面下部のアイコンが並んでいるところ)、あるいはデスクトップ上のショートカットアイコンなど、普段Excelを起動する際に使っているアイコンで構いません。

次に、キーボードの左下または右下あたりにあるCtrl
キー(コントロールキー)を見つけて、指で押さえたままにします。
この後、メッセージが表示されるまで押し続けるのがポイントです。

「Ctrl」キーを押さえたままの状態で、Step1で見つけたExcelのアイコンをダブルクリック、またはクリックしてExcelを起動してください。(スタートメニューから検索して起動する場合は、Enter
キーを押す瞬間もCtrlキーを押したままにします。)

Excelアイコンをクリック(またはEnter
キーを押)した後も、焦らず、画面に確認メッセージが表示されるまで「Ctrl
」キーは押さえたままにしてください。
パソコンの状況によっては、メッセージが表示されるまで少し時間がかかることもあります。
「Ctrl キーが押されたままになっています。Excelをセーフ モードで起動しますか?」といった主旨の確認メッセージが表示されたら、ここで初めて「Ctrl
」キーから指を離して大丈夫です。
メッセージの内容を確認し、「はい(Y)」ボタンをクリックしてください。

Excelが起動したら、ウィンドウの一番上にあるタイトルバーを確認してください。
通常、「Microsoft Excel」と表示される部分に、「Microsoft Excel (セーフモード)」のように、カッコ書きで「セーフモード」という文字が表示されていれば成功です。

「ファイル名を指定して実行」からexcel /safeを使ってExcelをセーフモードで起動する
二つ目の方法は、Windowsの「ファイル名を指定して実行」という機能から、excel /safe
というコマンド(命令文)を入力してセーフモードを起動するやり方です。
先ほどのCtrl
キーを押し続ける方法とは異なり、決まった文字を正確に入力する必要がありますが、キーを押すタイミングなどを気にする必要はありません。こちらも簡単な手順ですので、一緒に確認していきましょう。
キーボードの左下あたりにあるWindows
キーを押しながら、アルファベットのR
キーを押して「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開いてください。
表示された「ファイル名を指定して実行」の「名前(O):」と書かれた入力欄に、半角で excel /safe
と正確に入力してください。
ここで注意が必要なのは、excel
と /safe
の間に必ず半角スペースを一つ入れることです。スペースを忘れるとうまく起動しません。
コマンドを正しく入力できたら、「OK」ボタンをクリックするか、キーボードのEnter
キーを押して実行します。

「OK」ボタンをクリックするとExcelが起動します。
Ctrlキーを使った方法と同じように、起動したExcelウィンドウの一番上にあるタイトルバーを見てください。
「Microsoft Excel (セーフモード)」のように「セーフモード」という文字が表示されていれば、無事に起動成功です。

セーフモードで問題が解決した場合の次のステップ
セーフモードでExcelを起動してみたら、これまで困っていた問題(例えば、起動が遅い、フリーズする、エラーが出るなど)が発生しなかった場合、その不具合の原因がExcel本体のプログラムではなく、普段Excelを起動する際に一緒に読み込まれている何らかの「追加要素」にある可能性が非常に高いです。
セーフモードでは、Excelの動作を不安定にするかもしれない様々な要素が意図的に読み込まれません。具体的には、以下のようなものが代表例です。
- COMアドイン: ソフトウェアメーカーなどが提供する比較的高度な追加機能。
- Excelアドイン: VBAマクロやカスタム関数などを含む、ファイル形式の追加機能(.xlamファイルなど)。
- XLSTARTフォルダ内のファイル: Excel起動時に自動で開かれるように設定されたファイル(ここにマクロが含まれていることもあります)。
- ユーザー設定のツールバー/リボン: 個別にカスタマイズしたボタン配置など。
これらのうちのどれか、特に「COMアドイン」または「Excelアドイン」が原因であるケースが非常に多いと考えられます。
そこで、原因を特定するための次のステップは、一度Excelを通常通り終了させてから、通常モードでExcelを起動し直し、セーフモードで読み込まれなかったこれらの要素(特にアドイン)を一つずつ、あるいはグループごとに有効に戻してみて、どのアドインを有効にしたタイミングで問題が再発するかを突き止める作業になります。
具体的なアドインの特定方法、つまりCOMアドインとExcelアドインをそれぞれ見つけ出し、一つずつ有効/無効を切り替えて原因を絞り込んでいく詳しい手順については、以下の記事で詳細に解説しています。
セーフモードで問題が解決した方は、次にぜひこちらの記事を参考にして、トラブルの根本原因となっているアドインを特定し、適切な対処(無効化を続ける、アップデートを探す、削除するなど)を行ってください。
Excelがセーフモードでも起動出来ない場合の対処法
セーフモードでの起動を試してもExcelが立ち上がらない、あるいは起動しようとするとすぐにエラーが表示されてしまう…これは、問題がアドインのような追加機能だけではなく、Excelのプログラム自体や、Officeアプリケーション全体のインストール状態に何らかの不具合を抱えている可能性が高い、という深刻な状況を示しています。
「セーフモードでも起動できないなんて、もう打つ手がないのでは…」と心配になられるかもしれませんが、このような場合のために、Officeにはインストールされたプログラムの状態をチェックし、破損したファイルなどを修復するための機能が用意されています。
こちらの記事で紹介している「Officeの修復」は、まさにこのようなケースで試すべき、有効な対処法です。
ExcelやOfficeのプログラムを健全な状態に戻すことで、起動に関する問題が解決する可能性があります。
以下のページで紹介している手順に沿って、Excelの修復を試してみましょう。
Excelをセーフモードで起動する方法に関するよくある質問と答え
Excelのセーフモードについて、よくある疑問点とその回答を簡潔にまとめました。トラブル解決の際の情報としてお役立てください。
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