【Word】ファイルにパスワードを設定・解除する方法|読み取り・書き込み保護

この記事では、Wordのファイルにパスワードを設定・解除する方法を、初心者の方でも迷わないように、実際の画面を使って分かりやすく解説します。

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Word文書のセキュリティでお困りではありませんか?

Wordファイルへのパスワード設定は、情報漏えいを防ぎ、文書の完全性を守るための、最も基本的で強力なセキュリティ対策です。

この記事を最後までご覧いただくと、ファイルを開くこと自体を制限するパスワード「読み取りパスワード」と、編集だけを制限するパスワード「書き込みパスワード」、2種類の保護を使いこなせるようになります。

目次

「読み取りパスワード」と「書き込みパスワード」|Word、Excel、PowerPoint共通

Word、Excel、PowerPointでは2種類のパスワード保護を利用できます。

読み取りパスワードは“開く”行為そのものをロックします。正しいパスワードがない限りファイルは開きません。
一方、書き込みパスワードはファイルを“編集可能”にするためのパスワードです。

読み取りパスワード書き込みパスワード
目的ファイルを開くこと自体を制限ファイルの編集・上書き保存を制限
効果パスワードがないと閲覧も不可パスワードがなくても閲覧は可能
主な用途機密情報・重要文書の保護内容の改ざん防止・共同編集時の保護
2つのパスワードの「目的」と「特徴」|Word、Excel、PowerPoint共通

パスワードを省略すると「読み取り専用」で開けるため、中身を見られたくない場合は必ず読み取りパスワードを併用しましょう。

両方を設定した場合、パスワード入力画面が2回表示されます。2つとも入力すれば編集可能、片方のみなら閲覧限定という仕組みです。

Wordファイルにパスワードを設定・解除する方法

ここからは、実際にWordファイルにパスワードを設定する具体的な手順と、設定したパスワードを解除する手順を、それぞれ分けて解説します。

どちらの操作も、「名前を付けて保存」の画面から行う、というのがポイントです。
まずは、パスワードを設定する方法から見ていきましょう。

Wordファイルにパスワードを設定する方法

Wordファイルにパスワードを設定する手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択し、「参照」をクリックして保存先を選択
  2. 右下の「ツール」→「全般オプション」をクリック
  3. 「読み取りパスワード」または「書き込みパスワード」またはその両方を入力して「OK」をクリック
  4. 「パスワードの確認」が表示されるので設定したパスワードを再入力し「OK」をクリック
  5. ファイルを保存

ここからは、Wordファイルにパスワードを設定する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。

STEP

パスワードを設定したいファイルを開き、左上の「ファイル」タブをクリック

パスワードを設定したいWordファイルを開き、左上の「ファイル」タブをクリックしてください。

パスワードを設定したいファイルを開き、左上の「ファイル」タブをクリック
Wordファイルにパスワードを設定する方法 Step1
STEP

「名前を付けて保存」をクリック

「ファイル」をクリックすると、ホーム画面(情報画面)が開きます。

左側のメニューにある「名前を付けて保存」をクリックしてください。

「名前を付けて保存」をクリック
Wordファイルにパスワードを設定する方法 Step2
STEP

「参照」をクリック

「名前を付けて保存」をクリックすると保存先を選択する画面が開きます。

「参照」をクリックしてください。

「参照」をクリック
Wordファイルにパスワードを設定する方法 Step3
STEP

「ツール(L)」→「全般オプション(G)」をクリック

「参照」をクリックすると、ファイルの保存先を選択するウィンドウが立ち上がります。

キーボードのF12を押すと、「名前を付けて保存」ウィンドウをすぐに開くことができます。
F12キーを押してもウィンドウが開かない 場合は、以下の記事で対処方法をご確認ください。「名前を付けて保存」ができない場合の対処法|Word/EXCEL/PowerPoint

画面右下にある「ツール(L)」 をクリックすると、下方向にメニューが表示されます。
その中にある「全般オプション(G)」 をクリックしてください。

「ツール(L)」→「全般オプション(G)」をクリック
Wordファイルにパスワードを設定する方法 Step4
STEP

「読み取りパスワード」または「書き込みパスワード」またはその両方を入力して「OK」ボタンをクリック

「全般オプション(G)」をクリックすると、「全般オプション」と書かれたウィンドウが開きます。

ここに [読み取りパスワード](ファイルを開くときに必要)、または [書き込みパスワード](編集するときに必要)またはその両方を入力できます。

※「読み取りパスワード」と「書き込みパスワード」はそれぞれ異なるパスワードでも問題ありません。

たとえば、読み取りだけ許可したい相手には「読み取りパスワード」だけを伝え、
編集まで許可したい相手には「読み取り」と「書き込み」の両方のパスワードを伝えるといった運用が可能です。

パスワードの入力が完了したら、右下の「OK」ボタンをクリックしてください。

「読み取りパスワード」または「書き込みパスワード」またはその両方を入力して「OK」ボタンをクリック
Wordファイルにパスワードを設定する方法 Step5
STEP

確認用パスワードを入力して右下の「OK」ボタンをクリック

「全般オプション」でパスワードを設定して「OK」ボタンをクリックすると、確認のためにもう一度同じパスワードを入力する画面が開きます。

設定した 「読み取りパスワード」または「書き込みパスワード」 を、それぞれ正しく再入力してください。

両方のパスワードを設定している場合は、2回確認画面が表示されます。
1つずつ、間違いのないように入力してください。

すべての入力が終わったら、右下の「OK」ボタンをクリックしてください。

確認用パスワードを入力して右下の「OK」ボタンをクリック
Wordファイルにパスワードを設定する方法 Step6
STEP

「保存(S)」ボタン をクリックしてファイルを保存

パスワードの確認が終わって「OK」ボタンをクリックすると、「名前を付けて保存」ウィンドウに戻ります。

ここで ファイル名などを変更して「保存(S)」ボタン をクリックして、ファイルを保存してください。
この操作を行わないと、設定したパスワードは反映されません。

これで、Word文書に対してパスワード保護が正しく適用されました。

忘れずに保存することが、パスワード設定を有効にする最後のステップです。

「保存(S)」ボタン をクリックしてファイルを保存
Wordファイルにパスワードを設定する方法 Step7

Wordファイルに設定した「読み取りパスワード」や「書き込みパスワード」を解除する方法

Wordファイルのパスワードを解除(削除)する手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択し、「参照」をクリックして保存先を選択
  2. 右下の「ツール」→「全般オプション」をクリック
  3. 「読み取りパスワード」または「書き込みパスワード」またはその両方を削除して「OK」をクリック
  4. ファイルを保存

ここからは、Wordファイルに設定したパスワードを解除(削除)する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。

STEP

パスワードを解除したいファイルを開き、左上の「ファイル」タブをクリック

「読み取りパスワード」や「書き込みパスワード」を解除したいWordファイルを開き、左上の「ファイル」タブをクリックしてください。

パスワードを解除したいファイルを開き、左上の「ファイル」タブをクリック
Wordファイルに設定した「読み取りパスワード」や「書き込みパスワード」を解除する方法 Step1
STEP

「名前を付けて保存」をクリック

「ファイル」をクリックすると、ホーム画面(情報画面)が開きます。

左側のメニューにある「名前を付けて保存」をクリックしてください。

「名前を付けて保存」をクリック
Wordファイルに設定した「読み取りパスワード」や「書き込みパスワード」を解除する方法 Step2
STEP

「参照」をクリック

「名前を付けて保存」をクリックすると保存先を選択する画面が開きます。

「参照」をクリックしてください。

「参照」をクリック
Wordファイルに設定した「読み取りパスワード」や「書き込みパスワード」を解除する方法 Step3
STEP

「ツール(L)」→「全般オプション(G)」をクリック

「参照」をクリックすると、ファイルの保存先を選択するウィンドウが立ち上がります。

キーボードのF12を押すと、「名前を付けて保存」ウィンドウをすぐに開くことができます。
F12キーを押してもウィンドウが開かない 場合は、以下の記事で対処方法をご確認ください。「名前を付けて保存」ができない場合の対処法|Word/EXCEL/PowerPoint 

画面右下にある「ツール(L)」 をクリックすると、下方向にメニューが表示されます。
その中にある「全般オプション(G)」 をクリックしてください。

「ツール(L)」→「全般オプション(G)」をクリック
Wordファイルに設定した「読み取りパスワード」や「書き込みパスワード」を解除する方法 Step4
STEP

「読み取りパスワード」または「書き込みパスワード」またはその両方を削除して「OK」ボタンをクリック

「全般オプション(G)」をクリックすると、「全般オプション」と書かれたウィンドウが開きます。

その中に [読み取りパスワード](文書を開くときに必要)、または [書き込みパスワード](編集するときに必要)またはその両方が入力されています。

パスワードの文字列は表示されておらず「****」(アスタリスク)で表示されます。

削除したいパスワード欄に入力されている「****」(アスタリスク)を削除してください。

パスワードの削除が完了したら、右下の「OK」ボタンをクリックしてください。

「読み取りパスワード」または「書き込みパスワード」またはその両方を削除して「OK」ボタンをクリック
Wordファイルに設定した「読み取りパスワード」や「書き込みパスワード」を解除する方法 Step5
STEP

「保存(S)」をクリックしてファイルを保存

パスワードの確認が終わって「OK」ボタンをクリックすると、「名前を付けて保存」ウィンドウに戻ります。

ここで ファイル名などを変更して「保存(S)」ボタン をクリックして、ファイルを保存してください。
この操作を行わないと、設定したパスワードが解除(削除)されません。

忘れずに保存することが、パスワード設定を解除する最後のステップです。

「保存(S)」をクリックしてファイルを保存
Wordファイルに設定した「読み取りパスワード」や「書き込みパスワード」を解除する方法 Step6

Wordファイルにパスワードを設定・解除する方法に関するよくある質問と答え

Wordファイルにパスワードを設定・解除する方法に関するよくある質問と答えをまとめました。

Wordで設定したパスワードを忘れてしまいました。解除する方法はありますか?

残念ながら、Microsoftが提供する公式な解除方法や、パスワードを教えてくれる仕組みは一切ありません。
忘れてしまうと、基本的には二度とファイルを開けなくなります。パスワードは絶対に忘れないよう、厳重に管理してください。
ただし、予めDocRecryptを設定している場合は解除が可能です。詳しくはMicrosoft公式サイトをご覧ください。

読み取りパスワードと書き込みパスワード、どちらを設定すべきですか?

内容を完全に保護したい場合は「読み取りパスワード」が必須です。
一方、「中身は見られてもいいが、勝手に編集されたくない」という場合は「書き込みパスワード」だけでも構いません。両方を設定するのが最も安全です。

Wordファイルを開くだけで、パスワードを要求されるようにしたい。

その場合は、「読み取りパスワード」を設定してください。
このパスワードを知らない限り、ファイルの内容を一切見ることはできなくなります。

Wordファイルを閲覧は許可するが、編集を禁止するパスワードはありますか?

はい、「書き込みパスワード」がその役割を果たします。
書き込みパスワードを知らない人は、ファイルを「読み取り専用」でしか開けなくなるため、内容の閲覧はできますが、編集や上書き保存はできなくなります。

Wordで使えるパスワードの文字数や、使える文字に制限はありますか?

アルファベット(大文字・小文字)、数字、記号をすべて使用できます。
現在のWord(.docx形式)では、最大255文字まで設定可能です。
ただし、非常に古い「Word 97-2003 形式(.doc)」でファイルを保存する場合にのみ、パスワードが最大15文字に制限されます。古いWord(.doc)を使っている場合は、新しいWord(.docx形式)に変換することをおすすめします。

Mac版のWordでも同じ手順でパスワードを設定できますか?

いいえ、手順が異なります。
Mac版Wordの場合は、「校閲」タブにある「文書の保護」からパスワードを設定します。
詳しい手順はMicrosoft公式サイトをご覧ください。

Wordのオンライン版(Web版)でもパスワードは設定できますか?

Web版Word(Word for the web)ではパスワードの設定はできません。
パスワードの設定・解除は、デスクトップ版のWordでのみ可能な機能です。デスクトップ版のWordでパスワードを設定してください。

ファイルのパスワードを解除しようとしても、うまく解除できません。

「全般オプション」でパスワードの入力欄を空にするだけでなく、一度BackspaceキーやDeleteキーで入力欄の「****」を完全に消去してから「OK」を押し、最後に必ずファイルを「上書き保存」してください。
保存しないと解除は反映されません。

パスワードは合っているはずなのに「パスワードが違います」と表示されます。

大文字と小文字が区別されますので、CapsLockキーがオンになっていないか確認してください。
また、全角と半角の間違いもないか、もう一度確認してみてください。

パスワードを設定した覚えがないのに、パスワードを要求されます。

他の人が作成したファイルであるか、あるいはテンプレートファイル(.dotx)自体にパスワードが設定されている可能性があります。

Wordのファイル名を変えて保存した場合、パスワードは引き継がれますか?

はい、引き継がれます。「名前を付けて保存」で別の名前で保存しても、パスワードを解除(削除)しない限りパスワード設定はそのまま維持されます。

読み取りと書き込み、両方のパスワードを同じにしてもいいですか?

はい、設定上は可能です。
ただし、その場合、両方のパスワードを知っている人は編集でき、片方(読み取りパスワード)しか知らない人はいない、という状況になるため、書き込みパスワードを設定する意味がなくなってしまいます。

パスワードで保護されたファイルは、エクスプローラーなどで検索の対象になりますか?

ファイル名やプロパティ(作成者など)は検索対象になりますが、ファイルの中身のテキストは、暗号化されているため、Windowsの検索機能ではヒットしません。

古いバージョンのWord(2010など)で設定したパスワードは、最新版でも有効ですか?

はい、有効です。
古いバージョンで設定したパスワードは、最新のWordでファイルを開く際にも同様に求められます。
逆も同様で、最新版で設定したパスワードは、古いバージョンで開く際にも有効です。

ここで紹介されている手順以外でWordファイルにパスワードを設定する方法はありませんか?

最新のWordでは「ファイル」→「情報」→「文書の保護」→「パスワードを使用して暗号化(E)」からでもパスワードの設定が可能です。この操作でパスワードを設定した場合「読み取り専用」パスワードが設定されます。

最後までご覧いただきありがとうございました。
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