【Word】ページ罫線・枠線・境界線の付け方と削除手順

この記事では、Word文書のページ全体を線で囲む「ページ罫線」（枠線・境界線）の付け方と消し方について、IT担当者の視点から分かりやすく解説します。

Wordのページ罫線は、レポートの表紙や案内状のデザイン性を高めたい場合や、複数ページを1枚に集約印刷した際の区切り線として使いたい場面など、実務で役立つケースが多くあります。しかし意図せず設定してしまい「この枠線が消せない」と悩む方も少なくありません。

この記事を読めば、基本的なページ罫線の設定・削除手順から、線の種類や太さをカスタマイズする応用方法まで習得できます。

Wordのページ罫線（境界線）とは｜ページを囲む枠線の基本

Wordのページ罫線とは文書の各ページ周囲を線で囲む機能です。レポートの表紙を装飾したり、案内状にフォーマルな印象を与えたりと、文書全体のデザイン性向上に利用します。

この機能が特に役立つのが複数ページを1枚の紙に印刷する場面です。例えば異なるページを1枚にまとめて用紙を節約する「集約印刷」や同じページを1枚に複数並べる印刷を行うと、各ページの境界が曖昧になりがちです。

あらかじめページ罫線を設定しておくことで、縮小印刷された各ページの境界線が明確になり、資料が格段に見やすくなります。

Wordでページ罫線・枠線・境界線を付ける方法

Windows版Wordでページ罫線を設定する手順を、画像付きで詳しく解説します。デザインタブから簡単に設定でき、線の種類や色もカスタマイズ可能です。

1. Wordの「デザイン」タブをクリックする
2. リボンメニューの右側にある「ページ罫線」をクリックする
3. 「罫線と網かけ」画面で、「種類」から「囲む」を選択する
4. 「OK」ボタンをクリックして設定を完了する

ページに付けた罫線・枠線・境界線の色や太さをカスタマイズする方法

「罫線と網かけ」画面では、ページ罫線のデザインを細かくカスタマイズできます。「種類(Y)」で二重線や点線、「色(C)」で任意の色、「線の太さ(W)」で線の太さをそれぞれ変更可能です。また「絵柄(R)」を使えばビジネス文書で使えるシンプルなものから、イラスト調の飾り枠まで様々なデザインを適用できます。

更に「オプション」の中には、罫線の位置をページの端から何mm内側にするかといった余白を上下左右で個別に設定する項目もあります。これにより、ヘッダーやフッターとの重なりをより細かく調整できます。

Wordでページ罫線・枠線・境界線を削除する方法

間違って設定してしまったページ罫線や、不要になったページ罫線を完全に削除する手順を解説します。「罫線なし」を選択するだけで簡単に削除できます。

1. Wordの「デザイン」タブをクリックする
2. リボンメニューの右側にある「ページ罫線」をクリックする
3. 「罫線と網かけ」画面で、「種類」から「罫線なし」を選択する
4. 「OK」ボタンをクリックして設定を完了する

Wordのページ罫線に関するよくある質問と答え

最後に、Wordのページ罫線に関するよくある質問と答えをまとめました。

Wordのページ全体に付いた枠線が消せません。どうすればいいですか？

この記事で解説している「ページ罫線」の可能性が高いです。「デザイン」タブ → 「ページ罫線」→ 「種類：」で「罫線なし」を選択して「OK」をクリックしてください。キーボード操作ではAlt→G→P→B→N→Enterで削除できます。

ページ罫線を表紙（1ページ目）だけに設定するには？

「罫線と網かけ」画面の右下にある「設定対象(L):」という項目を「このセクション - 1ページ目のみ」に変更してください。これで表紙だけにページ罫線を設定できます。

ページ罫線が印刷するとずれたり、一部が切れたりします。

「罫線と網かけ」画面の「オプション(O)...」ボタンを押し、「基準(M):」を「ページの端」から「本文」に変更してください。これにより、罫線がプリンターの印刷可能領域内に描画され、問題が解決する場合があります。

ページ罫線の基準「ページの端」と「本文」の違いは何ですか？

「ページの端」は用紙の物理的な端を基準にするため、プリンターによっては枠線が切れることがあります。「本文」は文字を入力する余白の内側を基準にするため、印刷が切れる心配がありません。ビジネス文書では「本文」基準を推奨します。

ページ罫線を付けるショートカットキーはありますか？

一発で設定する専用ショートカットキーはありません。ただし、キーボード操作で Alt→G→P→B→X→Enterと順に押すことで、ページ罫線（囲む）を設定できます。

Wordのページ罫線では線以外のイラストや絵柄は使えますか？

はい、使えます。「罫線と網かけ」画面にある「絵柄(R):」のドロップダウンメニューから、リンゴや星、ハートといった様々なイラスト調の飾り枠を選択できます。

ページ罫線とヘッダーやフッターの文字が重なってしまいます。

「罫線と網かけ」画面の「オプション(O)...」を開き、基準を「本文」に設定するか、「余白」の数値を調整して罫線を内側へ移動させてください。これで重なりを回避できます。

Web版のWordでもページ罫線は使えますか？

いいえ、2025年9月現在、Web版のWord（Word for the web）でページ罫線機能は使えません。この機能はデスクトップ版のWordでのみ利用可能です。

ページ罫線はPDFとして保存しても表示されますか？

はい、表示されます。ページ罫線は文書の書式の一部として扱われるため、PDFにエクスポートしたり印刷したりしても、そのまま反映されます。

ページ罫線は、具体的にどのような場面で使うのが効果的ですか？

この機能が特に役立つのが複数ページを1枚の紙に印刷する場面です。例えば異なるページを1枚にまとめて用紙を節約する「集約印刷」や同じページを1枚に複数並べる印刷を行う場合にページ罫線を付けておくと各ページの区切りが明確になり、資料が見やすくなります。

Wordの古い形式（.doc）でもページ罫線は使えますか？

はい、使えます。古い.doc形式のファイルを開くと、Wordは「互換モード」で動作しますが、ページ罫線の基本的な設定・削除機能は問題なく利用できます。ただし、一部の新しい「絵柄」などは、表示が崩れる可能性があります。特別な理由がない限りは最新の.docx形式に変換してからの利用をおすすめします。

ページ罫線を設定したのに、文書の一部のページにしか付きません。なぜですか？

文書の途中に「セクション区切り」が入っているのが原因です。ページ罫線はセクション単位で適用されるため、「デザイン」タブの「ページ罫線」画面を開き、右下の「設定対象(L):」を「文書全体」に変更してください。

複数段組みの文書でページ罫線を使う時の注意点は？

複数段組みのレイアウトでは左右の文字がページ罫線に近くなりすぎて、窮屈な印象になることがあります。この場合は「罫線と網かけ」画面の「オプション」を開き、本文と罫線の間の余白を通常より広く設定するとバランスが整います。

縦書き文書でもページ罫線は使えますか？

はい、縦書き文書でもページ罫線は問題なく利用できます。ただし複数段組みと同様に、文字と罫線の間隔が適切になるよう「罫線と網かけ」画面の「オプション」で余白を調整して、全体のバランスを確認することをおすすめします。