【Word】PDF変換時に画像の劣化を防ぐ設定方法

【Word】PDF変換時に画像の劣化を防ぐ設定方法

こんな人にオススメの記事です

  • Wordに貼り付けた画像がPDFにすると荒くなって困っている人
  • 画像を劣化させずにPDFに変換したい人

Word文書をPDFに変換したとき、画像が劣化してしまった経験はありませんか。

実は、Wordには既定で画像を圧縮する仕組みがあり、この設定を見直さないとPDF化した際に画質が落ちてしまうことがあります。

この記事では、Wordの設定やPDF保存時の注意点をわかりやすく解説し、画像の劣化を最小限に抑える方法を実際の画面を使いながらわかりやすく解説しています。

目次

WordからPDFに変換る際に起こりがちな画像の劣化を防ぐための設定方法

WordでPDFを作成するときに起こりがちな画像の劣化を防ぐには、Wordの画像圧縮設定PDFの保存方法の2つのポイントを見直すだけで、画質の低下を大幅に抑えられます。

Wordの画像圧縮設定|自動圧縮機能を無効にして劣化を防ぐ

Wordの初期設定では、文書内の画像は220ppiに自動的に圧縮されるため、そのままPDF化すると画像が劣化することがあります。

220ppiとは、Wordの初期設定で文書内の画像を圧縮するときに使われる解像度のことです。
画質とファイルサイズのバランスが良く、一般的なインクジェットプリンターやパソコン画面でも十分にきれいに見えます。
そのため、家庭やオフィスでの文書作成には最適ですが、高精細な写真や商業印刷などでは、より高い解像度が必要な場合があります。

まずは、以下の手順でWordの自動圧縮(画像を低解像度に変更する機能)を無効にして、PDF化した際の劣化を防ぐ準備をしましょう。
この設定を見直すだけで、PDF化した際の画像品質が大きく向上します。

STEP
「ファイル」タブをクリック

Wordを開き、左上にある「ファイル」タブをクリックしてください。

Wordの画像圧縮設定|自動圧縮機能を無効にして劣化を防ぐ Step1 「ファイル」タブをクリック
Wordの画像圧縮設定|自動圧縮機能を無効にして劣化を防ぐ Step1 「ファイル」タブをクリック
STEP
「オプション」をクリック

「ファイル」タブをクリックすると、Wordのホーム画面が開きます。

その中にある「オプション」をクリックしてください。

Wordのウィンドウが縮小されている場合は、「その他...」→「オプション」の順にクリックしてください。

Wordの画像圧縮設定|自動圧縮機能を無効にして劣化を防ぐ Step2 「オプション」をクリック
Wordの画像圧縮設定|自動圧縮機能を無効にして劣化を防ぐ Step2 「オプション」をクリック
STEP
「Wordのオプション」で「詳細設定」をクリック

「オプション」をクリックすると、「Wordのオプション」と書かれたウィンドウが開きます。

左側にある「詳細設定」をクリックしてください。

Wordの画像圧縮設定|自動圧縮機能を無効にして劣化を防ぐ Step3 「Wordのオプション」で「詳細設定」をクリック
Wordの画像圧縮設定|自動圧縮機能を無効にして劣化を防ぐ Step3 「Wordのオプション」で「詳細設定」をクリック
STEP
「ファイル内のイメージを圧縮しない(N)」にチェックを入れて「OK」をクリック

次に、詳細設定画面を下へスクロールし、「ファイル内のイメージを圧縮しない(N)」にチェックを入れてください。

最後に、画面右下の「OK」をクリックすると、Wordが文書内の画像を自動で圧縮しなくなります。

こうすることで文書内の画像の劣化を防ぎ、PDF化したときの画質を大幅に保てます。

Wordの画像圧縮設定|自動圧縮機能を無効にして劣化を防ぐ Step4 「ファイル内のイメージを圧縮しない(N)」にチェックを入れて「OK」をクリック
Wordの画像圧縮設定|自動圧縮機能を無効にして劣化を防ぐ Step4 「ファイル内のイメージを圧縮しない(N)」にチェックを入れて「OK」をクリック

PDFへの変換方法|画像の劣化を防ぐならMicrosoft Print to PDFがオススメ

次に、WordファイルをPDFに変換します。

WordファイルをPDFに変換するときは、一般的な「名前を付けて保存」よりも、Windows標準の仮想プリンター機能(※実際の紙には印刷せず、データとして出力する仕組み)である「Microsoft Print to PDF」を使うと、画像の劣化を抑えやすくなります。

Microsoft Print to PDFは、Windowsに標準搭載されている仮想プリンタードライバー(実際の紙ではなくPDFファイルとして出力する仕組み)です。
通常のプリンターを使う感覚で、WordなどのドキュメントをPDFとして保存できます。
追加のソフトウェアをインストールする必要がなく、無料で利用できるのが大きなメリットです。

パソコンの環境によっては差が出る場合もありますが、画質にこだわる場合は「Microsoft Print to PDF」や「Adobe PDF」などの仮想プリンター機能も含めて検討してみてください。

「名前を付けて保存」と「Microsoft Print to PDF」の比較

以下の画像は、同じ画像を同じ設定でPDF化した際の比較例です。
「Microsoft Print to PDF」を利用することで、画像の劣化が抑えられていることがわかります。

「名前を付けて保存」と「Microsoft Print to PDF」の画質比較実験
「名前を付けて保存」と「Microsoft Print to PDF」の画質比較実験
STEP
「ファイル」タブをクリック

Wordを開き、左上にある「ファイル」タブをクリックしてください。

PDFへの変換方法|画像の劣化を防ぐならMicrosoft Print to PDFがオススメ Step1 「ファイル」タブをクリック
PDFへの変換方法|画像の劣化を防ぐならMicrosoft Print to PDFがオススメ Step1 「ファイル」タブをクリック
STEP
「印刷」をクリック

「ファイル」タブをクリックすると、Wordのホーム画面が開きます。

左側のメニューにある「印刷」をクリックしてください。

PDFへの変換方法|画像の劣化を防ぐならMicrosoft Print to PDFがオススメ Step2 「印刷」をクリック
PDFへの変換方法|画像の劣化を防ぐならMicrosoft Print to PDFがオススメ Step2 「印刷」をクリック
STEP
「Microsoft Print to PDF」を選択し、「印刷」をクリック

「印刷」をクリックすると、Wordの印刷画面が表示されます。

キーボードのWindowsPでも印刷画面を開くことができます。

プリンターで「Microsoft Print to PDF」を選択し、「印刷」をクリックしてください。

Microsoft Print to PDFが表示されなくなったり、PDF印刷時にフリーズが起こったりする場合は、必ず「Microsoft Print to PDFの再インストール方法」を確認してみてください。
高品質なPDFを作成し、画像の劣化を抑えるためにも重要な機能なので、トラブルが発生したらまずは再インストールをお試しください。

PDFへの変換方法|画像の劣化を防ぐならMicrosoft Print to PDFがオススメ Step3 「Microsoft Print to PDF」を選択し、「印刷」をクリック
PDFへの変換方法|画像の劣化を防ぐならMicrosoft Print to PDFがオススメ Step3 「Microsoft Print to PDF」を選択し、「印刷」をクリック
STEP
保存先、ファイル名を指定して「保存(S)」をクリック

「印刷」をクリックすると、「印刷結果を名前を付けて保存」と書かれたウィンドウが開きます。

保存先、ファイル名を指定して「保存(S)」をクリックしてください。

これで画質の劣化を抑えた高画質のPDFが完成します。

PDFへの変換方法|画像の劣化を防ぐならMicrosoft Print to PDFがオススメ Step4 保存先、ファイル名を指定して「保存(S)」をクリック
PDFへの変換方法|画像の劣化を防ぐならMicrosoft Print to PDFがオススメ Step4 保存先、ファイル名を指定して「保存(S)」をクリック

WordをPDF変換するときの画像劣化を防ぐ設定に関するよくある質問と答え

WordをPDF変換するときの画像劣化を防ぐ設定に関するよくある質問と答えをまとめました、

WordとPDFの基本

Wordで作成した文書をPDFに変換すると、画像が粗くなってしまいます。どうすれば防げますか?

Wordには画像を圧縮する設定があるため、PDF変換時に画質が低下することがあります。とくに元の解像度が高い写真を使う場合は、Wordのオプションで圧縮設定を見直してからPDFを作成すると、画質を保ちやすくなります。

Wordの標準解像度220ppiという数値は、どんな印刷用途に向いていますか?

220ppiなら家庭やオフィスで使用する一般的なプリンターと相性がよく、多くの文書や資料を問題なく印刷できます。
写真やイラストが多いPDFでも、よほど細部を拡大しない限り実用的な画質を維持できます。
ただし、ポスターやパンフレットなど高精細な印刷が必要な場面では、もう少し高い解像度に設定するほうが安心です。

画像を高画質のまま保存したいなら、Wordより別のソフトを使うべきなのでしょうか?

Wordは文書作成がメインのソフトですが、適切な設定を行えば画像を極端に劣化させずにPDFへ変換できます。
専用のデザインソフトほど自由度は高くありませんが、画像圧縮をオフにして適切な解像度を選べば、多くの用途に対して十分きれいな印刷物を作れます。

WordとPDF作成時の設定に関する疑問

Wordの自動圧縮機能を切り替える方法がわかりません。どこを操作すればいいでしょうか?

Wordの上部メニューにある「ファイル」から「オプション」を開き、「詳細設定」をクリックすると、画像に関する設定項目が見つかります。
そこで「ファイル内のイメージを圧縮しない」にチェックを入れれば、Wordが自動的に画像を低解像度に変えてしまうのを防げます。

「名前を付けて保存」でPDFを作るのと、「Microsoft Print to PDF」を使う方法はどう違いますか?

「名前を付けて保存」はWordの内部機能でPDFを作るため、バージョンやオプション設定によっては画像が思いのほか劣化することがあります。
一方、「Microsoft Print to PDF」はWindowsの仮想プリンター機能を使う仕組みなので、印刷データとしてPDFに変換される分、余計な自動処理がかかりにくい利点があります。

Adobeの仮想プリンターを利用すると、本当に画像がきれいなままPDFにできるのですか?

Adobe PDF PrinterやAcrobatを使うと、解像度の設定を細かくコントロールできます。
そのため、Word文書の画像を高品質で残したままPDFを作成することが可能です。
ただし、最終的な仕上がりは設定次第なので、高画質を重視するなら圧縮率や解像度の項目を調整してみてください。

大量の画像を含むWordファイルをPDFにしたら、ファイルサイズがとても大きくなりました。どうすればいいでしょうか?

高精細の画像をそのまま使うと、PDFファイルが大きくなるのは自然なことです。
必要に応じて画像の解像度を適度に下げるほか、JPEG形式で圧縮率を少し高めに設定するなどの工夫で容量を抑えることができます。
画質とのバランスを考えながら最適な数値を探すのがコツです。

Microsoft Print to PDFに関する疑問

Windows10を使っていますが、Microsoft Print to PDFが表示されません。どうすればいいでしょうか?

Windowsの機能としてインストールされていないか、無効になっている可能性があります。
Microsoft Print to PDFの再インストール方法」を参考にMicrosoft Print to PDFを再インストールしてみてください。

「名前を付けて保存」のPDF機能に比べて、Microsoft Print to PDFが優れている点は何でしょうか?

こちらは仮想プリンターとして動作するため、Wordの機能による圧縮やレイアウト変更の影響を受けにくいことが挙げられます。
結果として画像が劣化しにくく、思ったとおりのレイアウトでPDFを作れるケースが多いです。

その他の質問

Wordで作成した文書をPDF化するとフォントが変わったり文字化けしたりします。これは画像の劣化と同じ問題なのですか?

フォントが変わったり文字化けするのは画像の劣化とは全く関係ありません。
【Word】PDF変換時にフォントが変わってしまう原因と解決法を参考に「フォントの埋め込み」を試してみてください。

画像の多い資料をPDF化したら開くのに時間がかかるようになりました。これは普通のことですか?

高精細の画像を多数使っていると、PDFのファイルサイズが大きくなるため、読み込みに時間がかかるのは自然な現象です。
もし不便を感じるなら、画質を少し下げたり画像を軽量化したりして、ファイル容量を抑える工夫をすると改善できる場合があります。

色々試しても画像が粗いままです。他に何か方法はありますか?

JPEGなどのラスタ形式の画像は拡大縮小で画質が落ちやすいですが、ベクター形式(SVG・EPS・AIなど)は拡大しても劣化しません。
Word 2016以降ならSVGを扱いやすく、PDF化しても画質を保ちやすい利点があります。

その他Wordに関する記事

その他Wordに関する記事はこちらです。ぜひご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
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