Outlookでメールを送信したにもかかわらず、「送信済みアイテム」フォルダーに見当たらない、あるいは一部の送信済みメールだけが表示されない、といった状況は非常に厄介です。
この問題が発生する原因は一つではなく、いくつかの可能性が考えられます。
この記事では、「送信済みアイテム」が表示されない場合に特に多く見られる、または影響が大きい考えられる主な原因をご紹介します。
- 送信したメールを保存する設定がオフになっている
送信したメールを保存する設定がオフになっている可能性があります。「送信済みアイテムにコピーを保存する」設定を確認しましょう。 - 仕分けルールで別のフォルダーに移動している
「仕分けルール」という機能で、送信メールが別のフォルダーに振り分けられていることがあります。一度ルールの設定を見直してみてください。 - Outlookのデータファイルに問題がある
Outlookのデータ(PSTやOSTファイル)が壊れていると、メールが表示されないことがあります。データファイルの修復が必要かもしれません。 - 表示設定で見えなくなっている
ビュー(表示設定)でメールが非表示になっている可能性があります。フィルターがかかっていないか確認してみてください。 - 自動アーカイブや削除してしまった
送信したメールが誤って削除されたり、古いメールとして自動的に別のフォルダーに移動されている場合があります。ゴミ箱やアーカイブをチェックしましょう。
これらの原因を念頭に、次で解説する基本的な確認事項や対処法を順に進めていくことで、問題の解決に繋がる可能性が高まります。
「送信済みアイテム」が表示されない場合の基本的なチェックと簡単な対処法
Outlookで送信済みアイテムが見当たらない原因には、設定ミスやデータの問題など様々なものが考えられます。
専門的なトラブルシューティングに進む前に、まずは誰でも簡単にできる基本的なチェックや操作を試してみることが非常に重要です。
実はこれらの簡単なステップだけで問題が解決することも少なくありません。
ここでは、「送信済みアイテム」が表示されない問題に直面した際に、まず最初に行っていただきたい基本的なチェックと簡単な対処法をご紹介します。
上から順に確認・実行してみてください。
パソコンの再起動
Outlook の一時的な不具合や、関連するシステムプロセスに問題が発生している場合、「送信済みアイテム」が正しく表示されないことがあります。
このような、ソフトウェアやシステムの軽微なトラブルは、パソコン全体を再起動することで状態がリフレッシュされ、解消されることが少なくありません。
まずは、お使いのパソコンをシャットダウンし、数秒待ってから再度電源を入れて起動してみてください。
ビュー(表示設定)のリセット
Outlookの「送信済みアイテム」フォルダー自体はOutlookのフォルダーリストに表示されているのに、そのフォルダーを開いても中のメールが見当たらない、あるいは一部のメールだけが表示されている、という場合、フォルダーに適用されている「ビュー」(表示設定)に問題がある可能性があります。
Outlookでは、メールの並べ替え順序、グループ化の方法、そして特定の条件(例えば、特定のキーワードを含むものだけを表示するなど)を満たすアイテムだけを表示・非表示にする「フィルター」機能など、フォルダー内の表示方法を非常に細かくカスタマイズできます。
知らないうちにフィルター設定などが有効になっていると、送信済みアイテムがフォルダー内に確かに存在していても、画面上には表示されないという状況が発生することがあります。
このようなビューの設定が原因であるかを切り分ける、または解消するための、非常に簡単で効果的な対処法が「ビューのリセット」です。
以下の手順でビューをリセットすると、そのフォルダーの表示設定がOutlookの標準設定に戻ります。
- Outlookのフォルダーリストから問題が発生している「送信済みアイテム」フォルダーをクリックして選択します。
- Outlook画面上部のメニューから「表示」タブをクリックします。
- 表示タブのリボンメニューの中央あたりにある「現在のビュー」グループ内から、「ビューをリセット」ボタンをクリックします。
- 「このビュー”XXXX”を元のビューに戻してもよろしいですか?」といった確認のメッセージが表示されたら、「はい」を選択します。
ビューのリセット後、再度「送信済みアイテム」フォルダーを開き、メールが表示されるようになったか確認してください。
Outlookのフォルダーリストから問題が発生している「送信済みアイテム」フォルダーをクリックして選択してください。
次に、Outlook画面上部のメニューから「表示」タブをクリックしてください。

表示タブのリボンメニューの中央あたりにある「現在のビュー」グループ内から、「ビューをリセット」ボタンをクリックしてください。
『ビューのリセット』ボタンがグレーアウトしてクリックできない場合、それは現在そのフォルダーのビューが既に『デフォルト』の状態であることを示しています。
その場合は、ビュー設定以外の箇所に原因がある可能性が高いため、次の「「送信済みアイテム」が表示されない場合に確認する設定 」に進んでください。

「ビューをリセット」ボタンをクリックすると、「このビュー”XXXX”を元のビューに戻してもよろしいですか?」といった確認のメッセージが表示されます。
「はい」を選択してください。

ビューのリセット後、再度「送信済みアイテム」フォルダーを開き、メールが表示されるようになったか確認してください。

「送信済みアイテム」が表示されない場合に確認する設定
パソコンの再起動やビューのリセットといった基本的なチェックを試しても、依然として「送信済みアイテム」が表示されない場合、Outlookの特定の設定が問題の原因となっている可能性が高まります。
特に、送信したメールが「送信済みアイテム」フォルダーにそもそも適切に保存されるかどうか、そして保存されたメールがその後どのように扱われるか(例えば、自動的に別のフォルダーへ移動されるなど)に関する設定は、「送信済みアイテム」が表示されない問題の主要な原因の一つとして考えられます。
これらの設定は、意図せず変更してしまったり、アカウント設定の際にデフォルトとは異なる状態になっていたりすることがあります。
ここでは、「送信済みアイテム」が表示されない問題に直結する、特に注意深く確認すべき重要な設定項目とそのチェック方法を詳しくご紹介します。ご自身のOutlook設定と照らし合わせながら、一つずつ確認してみてください。
「送信済みアイテム フォルダーにメッセージのコピーを保存する」が有効になっているか確認する
Outlookで送ったメールが「送信済みアイテム」フォルダーに保存されるかどうかは、この「送信済みアイテム フォルダーにメッセージのコピーを保存する」という設定で決まります。
このチェックが外れていると、どれだけメールを送信しても送信済みアイテムは作成されず、当然表示もされません。表示されない最も基本的な原因の一つです。
この設定を確認・変更する手順は以下の通りです。
- Outlookを開き、「ファイル」タブ→ 「オプション」をクリックします。
- 「Outlookのオプション」ウィンドウで、左側のリストから「メール」を選択します。
- 「送信済みアイテム フォルダーにメッセージのコピーを保存する」という項目にチェックが入っているか確認してください。
- もしチェックが入っていない場合は、チェックを入れて有効にし、ウィンドウ下部の「OK」をクリックして設定を保存します。
Outlookを開き、「ファイル」タブをクリックしてください。

「ファイル」タブをクリックすると、Outlookのホーム画面が開きます。
画面左側のメニューから「オプション」を探してクリックしてください。

「オプション」をクリックすると、「Outlookのオプション」と書かれたウィンドウが立ち上がります。
画面左側のメニューから「メール」を探してクリックしてください。

「メール」をクリックすると、「作成及び受信するメッセージの設定を変更します」と書かれた画面に移動します。
「送信済みアイテム フォルダーにメッセージのコピーを保存する(V)」という項目にチェックが入っているか確認してください。
もしチェックが入っていない場合は、チェックを入れて有効にし、ウィンドウ下部の「OK」をクリックして設定を保存します。

仕分けルールで別のフォルダに移動していないか確認する
Outlookには、受信したメールだけでなく、送信するメールに対しても、特定の条件に基づいて自動的にメールを整理・処理する「仕分けルール」機能があります。
この機能はメール管理に役立ちますが、意図しない設定になっていると、「送信済みアイテム」が表示されない原因となることがあります。
具体的には、送信したメッセージに適用されるような条件(例:特定の宛先に送った場合、件名に特定のキーワードが含まれる場合など)を持つルールが設定されており、そのルールのアクションとして、送信したメールが自動的に「送信済みアイテム」フォルダー以外の別のフォルダーへ移動されてしまっているケースです。
この場合、メールは削除されたわけではなく、別の場所に存在しています。
設定されている仕分けルールを確認し、不要なルールがないかチェックする手順は以下の通りです。
- Outlookを起動し、画面左上の「ファイル」タブをクリックします。
- 表示された「アカウント情報」画面にある「仕分けルールと通知の管理」ボタンをクリックします。
- 「仕分けルールと通知」ウィンドウが表示され、現在設定されているルールのリストが表示されます。
- このリストを一つずつ確認し、送信したメッセージに適用されるような条件を持ち、かつ「指定フォルダーへ移動」「コピーを移動」のような処理が設定されているルールがないか探してください。
- もしそのようなルールが見つかった場合、そのルールの左側にあるチェックボックスをオフにして一時的に無効にするか、ダブルクリックしてルールを編集し、設定内容を確認・修正してください。
原因と思われるルールを無効にした後、再度メールを送信してみて、「送信済みアイテム」フォルダーに正しく保存されるか、または過去のメールが表示されるか確認しましょう。これで問題が解決する場合、そのルールが原因だったと考えられます。
ここからは、「仕分けルール」機能を確認する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
Outlookを起動し、画面左上の「ファイル」タブをクリックしてください。

[ファイル]をクリックすると、「アカウント情報」と大きく書かれた画面が開きます。
表示された「アカウント情報」画面にある「仕分けルールと通知の管理」ボタンをクリックします。

「仕分けルールと通知の管理」ボタンをクリックすると、「仕分けルールと通知」ウィンドウが表示され、現在設定されているルールのリストが表示されます。
このリストを一つずつ確認し、送信したメッセージに適用されるような条件を持ち、かつ「指定フォルダーへ移動」「コピーを移動」のような処理が設定されているルールがないか探してください。
もしそのようなルールが見つかった場合、そのルールの左側にあるチェックボックスをオフにして一時的に無効にするか、ダブルクリックしてルールを編集し、設定内容を確認・修正してください。
変更した場合は、最後に右下の「OK」ボタンをクリックして設定を保存してください。

送信済みアイテムが自動アーカイブされていないか確認する
「送信済みアイテム」フォルダーを見ても、特に過去に送信したはずのメールが見当たらない、という場合、Outlookの自動アーカイブ設定によって、それらのメールがメインのフォルダーから別の場所に移動されている可能性が高いです。
自動アーカイブ機能は、設定された期間より古いアイテム(メール、予定など)を、現在使っているOutlookのデータファイルから別のアーカイブ用データファイル(通常 archive.pst など)へ自動的に移動・保管する機能です。
「送信済みアイテム」フォルダーがこの自動アーカイブの対象になっていると、古いメールは次々とアーカイブファイルへ移され、メインの「送信済みアイテム」フォルダーからは見えなくなります。
自動アーカイブが原因であるかを調べるには、お使いのOutlookの自動アーカイブ設定が有効になっているか、また「送信済みアイテム」フォルダーがその対象になっていないかを確認する必要があります。
これらの自動アーカイブ設定の詳しい確認手順や、設定画面の具体的な操作方法については、以下の記事で実際の画面を使いながら、わかりやすく解説しています。是非参考にしてみてください。
ここまで試しても「送信済みアイテム」が表示されない場合
基本的なチェックや設定確認を試しても、残念ながら『送信済みアイテム』が表示されない場合は、原因がOutlookのより深い部分にあると考えられます。
ここからは、Outlookデータファイル、プロファイル、プログラム本体に焦点を当てた、より専門的な対処法をご紹介します。
Outlookデータファイル(PST/OST)を修復する
「送信済みアイテム」を含むOutlookデータはPSTファイルまたはOSTファイルに保存され、これらの破損が問題の原因となることがあります。
PSTファイル(主にPOPアカウントで使用)の破損には、Microsoft提供の受信トレイ修復ツール(scanpst.exe)を使います。
これはPSTファイルのエラーを診断・修復するツールです。ツールの探し方や使い方は以下を参照してください。
OSTファイルは主にExchange/Microsoft 365/IMAPアカウントで使用されるサーバーデータのキャッシュファイルです。
PSTファイル用のscanpst.exeツールはOSTファイルには使用できません。
OSTファイルに問題がある場合の主な対処法は、Outlookプロファイルの再作成、またはOSTファイルを一度削除してOutlookを再起動する(OSTファイルの再構築)ことで、サーバーからデータを再ダウンロードさせることです。
Outlookをセーフモードで起動して原因を切り分ける
Outlookをセーフモードで起動すると、通常起動時のアドインや拡張機能、一部のカスタマイズ設定などを一時的に無効にできます。
これにより、普段は問題なく動いているOutlookが、後から追加したアドインや特定のカスタマイズが悪さをしているために不具合が起きているのかどうかを切り分ける(原因を特定する)のに役立ちます。
セーフモードで起動した後、『送信済みアイテム』が表示されるか確認してください。
- もしセーフモードで正常に『送信済みアイテム』が表示される場合
問題の原因は、インストールされているアドインや拡張機能、またはOutlookのカスタマイズ設定などにある可能性が高いです。これらの不要なアドインを無効にするなどの対応を検討します。 - セーフモードでも『送信済みアイテム』が表示されない場合
アドインなどが原因ではないため、Outlookのデータファイル(PST/OST)、プロファイル、またはプログラム本体そのものに問題がある可能性が高いと考えられます。(これまでのデータファイル修復などを再確認するか、次の「Outlook(Microsoft Office)を修復インストールする」に進んでください)
セーフモードでの詳しい起動方法や、そこからの原因特定手順については、以下の記事を御覧ください。
Outlook(Microsoft Office)を修復インストールする
基本的な対処法やデータファイル、セーフモードでの切り分けで解決しない場合、原因はOutlookを含むOfficeプログラム本体の不具合かもしれません。
このようなプログラムの問題には、Officeの修復インストールが有効です。これはOfficeのインストール状態を診断し、プログラムファイルを修正する機能です。
修復には「クイック修復」と「オンライン修復」があり、詳細は環境によって異なります。
具体的な手順は以下の記事をご確認ください。
Outlookで送信済みアイテムが表示されない場合の対処法に関するよくある質問と答え
Outlookで送信済みアイテムが表示されない場合の対処法に関するよくある質問と答えをまとめました。
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