【Windows11】メモリの型番・枚数を確認する方法 - 増設・交換前に

この記事では、Windows11でメモリの型番・枚数を確認する方法を解説します。

メモリを増設・交換する際、現在搭載されているメモリの型番や枚数、空きスロット数を事前に調べる必要があります。タスクマネージャーでは容量や速度は表示されますが、購入に必要な型番(PartNumber)までは確認できません。

この記事では、PowerShellコマンドでメモリの詳細情報を取得する方法と、タスクマネージャーで空きスロットを調べる方法を解説します。所要時間は合計で約4分です。

目次

メモリの型番・枚数をPowerShellで確認する方法

Windows11では、PowerShellのコマンドでメモリの型番や枚数を詳しく確認できます。

この方法では、メモリの型番(PartNumber)、容量、速度、製造元、シリアル番号など、増設や交換に必要な情報を一度に取得できます。タスクマネージャーやシステム情報(msinfo32)では確認できない詳細な情報まで表示されるため、メモリ購入前の情報収集に最適です。

手順は以下の通りです。

  1. Windows PowerShellを起動する
  2. メモリの情報を確認するコマンドを実行
  3. 実行結果を確認する

所要時間は約3分です。それでは、実際の画面を見ながら詳しい手順を解説していきます。

STEP
Windows PowerShellを起動する

Windowsロゴを右クリックし、メニューから「ターミナル」を選択してください。

PowerShellを管理者権限で起動する必要はありません。

Windowsロゴを右クリックしてターミナルを選択する画面
Windowsロゴを右クリックし、「ターミナル」を選択
STEP
メモリの情報を確認するコマンドを実行

「ターミナル」を選択すると、Windows PowerShellが開きます。以下のコマンドを貼り付けてEnterを押してください。

Get-CimInstance Win32_PhysicalMemory

最新のPowerShellをインストールする方法は「PowerShellの最新バージョンをインストールする方法」で詳しく解説しています。

PowerShellでGet-CimInstance Win32_PhysicalMemoryコマンドを入力する画面
コマンドを貼り付けてEnterキーを押す
STEP
実行結果を確認する

Enterを押すと以下のような出力結果が表示されます。出力結果の詳しい見方は「コマンドの出力結果の見方」で解説しています。

PowerShellでメモリ情報の出力結果が表示された画面
メモリの型番や容量などの詳細情報が表示される

コマンドの出力結果の見方

PowerShellでGet-CimInstance Win32_PhysicalMemoryコマンドを実行すると、以下のような出力結果が表示されます。

出力結果には多くの項目が表示されますが、メモリの増設や交換で特に重要なのは「PartNumber(型番)」「Capacity(容量)」「Speed(速度)」「Manufacturer(製造元)」の4つです。以下の出力例では、重要な項目に注釈を付けて解説しています。

この例では、Samsung製の16GB(DDR5-4800)が2枚搭載されていることがわかります。

PS C:\Users\XXXXXX> Get-CimInstance Win32_PhysicalMemory

Caption              : 物理メモリ
Description          : 物理メモリ
InstallDate          :
Name                 : 物理メモリ
Status               :
CreationClassName    : Win32_PhysicalMemory
Manufacturer         : Samsung                    ← メモリの製造元
Model                :
OtherIdentifyingInfo :
PartNumber           : M425R2GA3BB0-CQKOL         ← メモリの型番(重要)
PoweredOn            :
SerialNumber         : 4XXXXXX1                   ← シリアル番号
SKU                  :
Tag                  : Physical Memory 0          ← 1枚目のメモリ
Version              :
HotSwappable         :
Removable            :
Replaceable          :
FormFactor           : 12                         ←ノートPC用のSO-DIMMメモリ。デスクトップPCは8。
BankLabel            : BANK 0
Capacity             : 17179869184                ← 容量(バイト単位。16GBのこと)
DataWidth            : 64
InterleavePosition   : 1
MemoryType           : 0
PositionInRow        :
Speed                : 4800                       ← メモリの速度(MHz)
TotalWidth           : 64
Attributes           : 1
ConfiguredClockSpeed : 4800                       ← 実際に動作している速度(MHz)
ConfiguredVoltage    : 1100
DeviceLocator        : Controller0-ChannelA-DIMM0 ← 装着されているスロット位置
InterleaveDataDepth  : 1
MaxVoltage           : 0
MinVoltage           : 0
SMBIOSMemoryType     : 34                         ← DDR5を示す
TypeDetail           : 128
PSComputerName       :

Caption              : 物理メモリ
Description          : 物理メモリ
InstallDate          :
Name                 : 物理メモリ
Status               :
CreationClassName    : Win32_PhysicalMemory
Manufacturer         : Samsung                    ← メモリの製造元
Model                :
OtherIdentifyingInfo :
PartNumber           : M425R2GA3BB0-CQKOL         ← メモリの型番(1枚目と同じ型番)
PoweredOn            :
SerialNumber         : 4XXXXXX1                   ← シリアル番号(1枚目とは異なる)
SKU                  :
Tag                  : Physical Memory 1          ← 2枚目のメモリ
Version              :
HotSwappable         :
Removable            :
Replaceable          :
FormFactor           : 12                         ←ノートPC用のSO-DIMMメモリ。デスクトップPCは8。
BankLabel            : BANK 0
Capacity             : 17179869184                ← 容量(バイト単位。16GBのこと)
DataWidth            : 64
InterleavePosition   :
MemoryType           : 0
PositionInRow        :
Speed                : 4800                       ← メモリの速度(MHz)
TotalWidth           : 64
Attributes           : 1
ConfiguredClockSpeed : 4800                       ← 実際に動作している速度(MHz)
ConfiguredVoltage    : 1100
DeviceLocator        : Controller1-ChannelA-DIMM0 ← 装着されているスロット位置
InterleaveDataDepth  :
MaxVoltage           : 0
MinVoltage           : 0
SMBIOSMemoryType     : 34                         ← DDR5を示す
TypeDetail           : 128
PSComputerName       :

メモリの空きスロット数をタスクマネージャーで確認する方法

PowerShellでメモリの型番や枚数を確認できましたが、空きスロット数はタスクマネージャーで確認する必要があります。

タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブでは、「スロットの使用」という項目で現在のメモリスロット使用状況が表示されます。「2/4」と表示されている場合は、4つのスロット中2つが使用されており、残り2つが空いていることを意味します。

手順は以下の通りです。

  1. タスクマネージャーを起動する
  2. 「パフォーマンス」をクリック
  3. 「メモリ」をクリック
  4. メモリスロットの使用状況を確認する

所要時間は約1分です。それでは、実際の画面を見ながら詳しい手順を解説していきます。

STEP
タスクマネージャーを起動する

Windowsロゴを右クリックし、メニューから「タスクマネージャー」を選択してください。

その他タスクマネージャーを起動する方法は「【Windows11】タスクマネージャーを開く方法」でご紹介しています。

Windowsロゴを右クリックしてタスクマネージャーを選択する画面
Windowsロゴを右クリックし、「タスクマネージャー」を選択
STEP
「パフォーマンス」をクリック

「タスクマネージャー」を選択すると「タスクマネージャー」が開きます。

左側にある「パフォーマンス」をクリックしてください。

タスクマネージャーでパフォーマンスタブをクリックする画面
左側のメニューから「パフォーマンス」をクリック
STEP
「メモリ」をクリック

次に、「メモリ」をクリックしてください。

タスクマネージャーのパフォーマンスタブでメモリをクリックする画面
パフォーマンスタブで「メモリ」をクリック
STEP
メモリスロットの使用状況を確認する

「メモリ」をクリックするとメモリの詳細画面が表示されます。

タスクマネージャー右下の「スロットの使用」を確認してください。2/2と書かれている場合はスロット数が2個に対して2枚のメモリが搭載されている状態です。1/2や2/4と書かれている場合は空きスロットがあります。

タスクマネージャーでメモリのスロット使用状況が表示された画面
右下の「スロットの使用」で空きスロット数を確認できる

メモリの型番・枚数を確認する方法に関するよくある質問と答え

最後に、メモリの型番・枚数を確認する方法に関するよくある質問と答えをまとめました。

PowerShellでメモリの型番が表示されない場合はどうすればいい?

PowerShellでGet-CimInstance Win32_PhysicalMemoryを実行してもPartNumber(型番)が空白の場合、そのメモリには型番情報が記録されていない可能性があります。この場合、Manufacturer(製造元)とCapacity(容量)、Speed(速度)、SMBIOSMemoryType(DDR4/DDR5)から互換性のあるメモリを探す必要があります。または、PCのカバーを開けてメモリ本体に印字されている型番を直接確認してください。

メモリの型番だけを表示する方法は?

メモリの型番のみを表示したい場合は、Get-CimInstance Win32_PhysicalMemory | Select-Object PartNumberというコマンドを使用してください。このコマンドを実行すると、PartNumber(型番)の項目だけが表示されるため、複数のメモリが搭載されている場合でも型番を素早く確認できます。

メモリの容量だけを確認する方法は?

メモリの容量のみを確認したい場合は、Get-CimInstance Win32_PhysicalMemory | Select-Object Capacityというコマンドを使用してください。ただし、容量はバイト単位で表示されるため、GB単位で表示したい場合はGet-CimInstance Win32_PhysicalMemory | Select-Object @{Name="CapacityGB";Expression={$_.Capacity/1GB}}を使用すると分かりやすくなります。

DDR4とDDR5の見分け方は?

PowerShellの出力結果でSMBIOSMemoryTypeの値を確認してください。
SMBIOSMemoryTypeが26の場合はDDR4、34の場合はDDR5です。メモリを増設・交換する際は、必ず同じ規格(DDR4またはDDR5)のメモリを選んでください。規格が異なるメモリは物理的に装着できません。

メモリの速度(MHz)はどこで確認できる?

メモリの速度は、PowerShellの出力結果のSpeedまたはConfiguredClockSpeedで確認できます。どちらも同じMHz単位で表示されます。たとえば、4800と表示されている場合はDDR5-4800メモリです。メモリを増設する際は、現在のメモリと同じ速度か、それ以上の速度のメモリを選ぶことを推奨します。

メモリの製造元を確認する方法は?

メモリの製造元は、PowerShellの出力結果のManufacturerで確認できます。Samsung、Micron、SK Hynix、Crucialなどのメーカー名が表示されます。同一メーカーで揃えると互換性の面で安心ですが、規格と速度が一致していれば異なるメーカーでも基本的に動作します。

タスクマネージャーでスロット数が表示されない場合はどうすればいい?

一部のノートPCやマザーボードでは、タスクマネージャーの「スロットの使用」が正しく表示されない場合があります。この場合、PCの製品仕様書やメーカーの公式サイトで最大メモリスロット数を確認してください。または、PCのカバーを開けて物理的にスロット数を確認する方法もあります。

メモリの総容量を確認する方法は?

メモリの総容量は、タスクマネージャーのパフォーマンスタブでメモリをクリックすると、画面右上に表示されます。たとえば、32GBと表示されている場合、搭載されているメモリの合計容量は32GBです。PowerShellで各メモリの容量を確認して合計することもできます。

メモリを増設する際の注意点は?

メモリを増設する際は、型番・規格(DDR4/DDR5)を必ず確認してください。速度(MHz)は現在のメモリと同じか、それ以上のものを選ぶことを推奨します。空きスロットがない場合は、既存メモリを取り外して交換する必要があります。また、デュアルチャネル動作のために同じ容量・速度のメモリを2枚1組で使用すると、メモリ性能を最大限に引き出せます。

デュアルチャネルとは何ですか?

デュアルチャネルとは、2枚のメモリを同時に動作させることでメモリ帯域幅を2倍にする技術です。同じ容量・速度のメモリを2枚1組で使用すると、自動的にデュアルチャネル動作になります。タスクマネージャーのメモリ画面で、スロットの使用が2/4や4/4と表示され、かつ同じ容量のメモリが複数枚ある場合、デュアルチャネルで動作している可能性が高いです。

PowerShellコマンドは管理者権限が必要?

Get-CimInstance Win32_PhysicalMemoryコマンドは、管理者権限なしでも実行できます。通常のユーザー権限でPowerShellを起動して実行するだけで、メモリの詳細情報を確認できます。ただし、一部のシステム情報を確認するコマンドでは管理者権限が必要になる場合があります。

PowerShellの出力結果でメモリの型番が文字化けする場合はどうすればいい?

PowerShellの出力で型番が文字化けする場合、コマンドプロンプトの文字コードが原因の可能性があります。この場合、PowerShellで[Console]::OutputEncoding = [System.Text.Encoding]::UTF8を実行してから、再度Get-CimInstance Win32_PhysicalMemoryを実行してください。それでも文字化けする場合は、メモリ本体に印字されている型番を直接確認することをおすすめします。

CPU・ストレージ・GPUなどメモリ以外の PC スペックを確認したい場合は?

メモリの型番や容量以外にも、CPUやストレージ、グラフィックカードなどのPCスペック全体を確認したい場合は、Windows11の設定画面やシステム情報から確認できます。
特に、メモリ増設を検討する際は、CPUやマザーボードの対応状況も併せて確認することをおすすめします。詳しいPC全体のスペック確認方法は「【Windows11】自分のPCスペックを確認する方法」で解説しています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
環境によって結果が異なる場合がありますので、参考のうえご利用ください。

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※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 25H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • 最終検証日:2025年11月13日
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この記事を書いた人

情シスの自由帳管理人のアバター 情シスの自由帳管理人 情シスの自由帳管理人

社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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