この記事では、Windows11のエクスプローラーのナビゲーションウィンドウに表示される「ホーム」と「ギャラリー」を、PowerShellコマンドを使って安全に非表示にする手順を、IT担当者の視点から分かりやすく解説します。
エクスプローラーを開くたびに表示されるこれらの項目は、利用しないユーザーにとっては表示領域を占有し、よく使うフォルダーへのアクセスを妨げる一因となります。これらを非表示にすることで、エクスプローラーのナビゲーションをスッキリさせ、作業効率の向上が期待できます。
この記事では、PowerShellコマンドを使った方法に加え、非表示にした「ホーム」と「ギャラリー」を元に戻す手順も解説します。
ただし、操作にはレジストリの編集を伴います。作業前にバックアップを取得してください。バックアップさえあれば、最悪の場合でも戻せます。
レジストリのバックアップ方法はこちらの「【Windows11】レジストリをバックアップ・復元する方法(エクスポート/インポート)」で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
「ホーム」「ギャラリー」をPowerShellコマンドで非表示にする手順
ここからは、PowerShellコマンドを使ってエクスプローラーの「ホーム」と「ギャラリー」を一括で非表示にする具体的な手順を解説します。
まず、コマンドを実行するためにPowerShellを管理者権限で起動してください。
スタートボタンを右クリック →「ターミナル(管理者)」で開くと確実です。
「自分が管理者かどうか分からない」「管理者として起動する方法が分からない」という方は、まず以下の関連記事をお読みください。この記事では、既にPowerShellが管理者として起動できていることを前提に、話を進めます。
管理者としてPowerShellを起動したら、以下の2つのコマンドを順番にコピーして貼り付け、それぞれEnter
キーを押して実行してください。
Remove-Item -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace\{f874310e-b6b7-47dc-bc84-b9e6b38f5903}" -Force
- Remove-Item: このコマンドは指定されたアイテム(ここではレジストリキー)を削除します。
- -Path: 削除するレジストリキーのパスを指定します。
- -Force: アクセス許可が必要な場合でも強制的に削除を実行するオプションです。
Remove-Item -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace\{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}" -Force
- Remove-Item: ギャラリーフォルダの表示を管理するレジストリキーを削除します。
- -Path: 削除するレジストリキーのパスを指定します。
- -Force: 強制的に削除を実行するオプションです。

コマンドを実行しただけでは変更は反映されません。下のコマンドでエクスプローラーを再起動してください。
※エクスプローラーを強制終了するとコピー中のファイル操作が中断されます。進行中の処理がないことを確認してから実行してください。
Stop-Process -Name explorer -Force; Start-Process explorer.exe
- Stop-Process: 指定したプロセス(ここでは
explorer
)を終了します。 - -Name: 終了するプロセスの名前を指定します。
- -Force: 強制的にプロセスを終了するオプションです。
- Start-Process: 指定したプロセスを起動します(
explorer.exe
を再起動)。
エクスプローラーの再起動コマンド実行すると、タスクバーなどが一瞬消えてから再表示されます。
その後、エクスプローラーを開き、「ホーム」と「ギャラリー」が非表示になっていることを確認してください。

非表示にした「ホーム」「ギャラリー」を元に戻す(再表示する)手順
一度非表示にした「ホーム」と「ギャラリー」は、以下のPowerShellコマンドを実行することで、いつでも簡単に元に戻す(再表示する)ことができます。
まず、コマンドを実行するためにPowerShellを管理者権限で起動してください。
スタートボタンを右クリック →「ターミナル(管理者)」で開くと確実です。
「自分が管理者かどうか分からない」「管理者として起動する方法が分からない」という方は、まず以下の関連記事をお読みください。この記事では、既にPowerShellが管理者として起動できていることを前提に、話を進めます。
管理者としてPowerShellを起動したら、以下のコマンドを順番にコピーして貼り付け、それぞれEnter
キーを押して実行してください。
このコマンドは、先ほど削除したレジストリキーを、正しい設定値と共に再作成します。
New-Item -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace" -Name "{f874310e-b6b7-47dc-bc84-b9e6b38f5903}" -Force
New-ItemProperty -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace\{f874310e-b6b7-47dc-bc84-b9e6b38f5903}" -Name "(Default)" -PropertyType String -Value "ホーム" -Force
- New-Item: 新しいレジストリキーを作成します。
- -Path: 新しいキーを作成する場所(パス)を指定します。
- -Name: 作成するキーの名前を指定します。
- New-ItemProperty: 作成したキーに新しいプロパティを追加します。
- -PropertyType: プロパティの種類を指定します(ここでは
String
)。 - -Value: プロパティの値を指定します(ここでは「ホーム」)。
New-Item -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace" -Name "{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}" -Force
New-ItemProperty -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace\{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}" -Name "(Default)" -PropertyType String -Value "ギャラリー" -Force
- New-Item: 新しいレジストリキーを作成します。
- -Path: 新しいキーを作成する場所(パス)を指定します。
- -Name: 作成するキーの名前を指定します。
- New-ItemProperty: 作成したキーに新しいプロパティを追加します。
- -PropertyType: プロパティの種類を指定します(ここでは
String
)。 - -Value: プロパティの値を指定します(ここでは「ギャラリー」)。
コマンドを実行しただけでは変更は反映されません。下のコマンドでエクスプローラーを再起動してください。
※エクスプローラーを強制終了するとコピー中のファイル操作が中断されます。進行中の処理がないことを確認してから実行してください。
Stop-Process -Name explorer -Force; Start-Process explorer.exe
- Stop-Process: 指定したプロセス(ここでは
explorer
)を終了します。 - -Name: 終了するプロセスの名前を指定します。
- -Force: 強制的にプロセスを終了するオプションです。
- Start-Process: 指定したプロセスを起動します(
explorer.exe
を再起動)。
エクスプローラーの再起動コマンド実行すると、タスクバーなどが一瞬消えてから再表示されます。
その後、エクスプローラーを開き、「ホーム」と「ギャラリー」が元通り表示されていることを確認してください。
コマンド実行時によくあるエラー
PowerShellコマンドを実行する際に、意図せずエラーメッセージが表示されることがあります。
ここでは、代表的なエラーとその原因、そして解決策を解説します。
- 「要求されたレジストリ アクセスは許可されていません。」(Requested registry access is not allowed.)
-
このエラーは、PowerShellを管理者権限で実行していない場合に表示されます。
レジストリの変更には管理者権限が必須ですので、一度PowerShellを閉じ、再度「管理者として実行」から起動し直してください。関連資料【Windows11】PowerShellを管理者権限で起動する代表的な方法3選 | 情シスの自由帳 この記事では、Windows11パソコンで「PowerShell(パワーシェル)」を管理者として実行するための代表的な3つの方法と、それに関連する便利な情報や注意点を、初心者の方... - 「指定されたパスが見つかりません。」
-
このエラーは、指定したレジストリキーが存在しない場合に表示されます。
すでに削除済みの可能性が高いので、そのままエクスプローラーを再起動してください。
【上級者向け】レジストリエディタで直接編集する方法
PowerShellの利用に抵抗がある方や、GUIでの操作を好む上級者向けに、レジストリエディタを直接編集して「ホーム」と「ギャラリー」を非表示にする手順も紹介します。
ただし、この方法は操作を誤るとシステムに深刻な影響を与える可能性があるため、推奨はしません。
実行する場合は、必ず事前にレジストリのバックアップを取ってください。
非表示にする手順
Windows
+R
キーを押し、「ファイル名を指定して実行」ダイアログにregedit
と入力してレジストリエディタを開きます。- 以下のパスに移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace
NameSpace
キーを展開し、以下の2つのサブキーをそれぞれ右クリックして「削除」を選択します。- ホームを非表示にする場合:
{f874310e-b6b7-47dc-bc84-b9e6b38f5903}
- ギャラリーを非表示にする場合:
{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}
- ホームを非表示にする場合:
元に戻す(再表示する)手順
削除したキーをレジストリエディタで手動で再作成することも理論上は可能ですが、キーの名前が非常に長く複雑なため、入力ミスが発生しやすく操作を推奨しません。
安全かつ確実に戻したい場合は、前述したPowerShellコマンドを利用する方法で実行してください。
エクスプローラーのホームとギャラリーを非表示にする方法に関するよくある質問と答え
最後に、エクスプローラーのホームとギャラリーを非表示にする方法に関するよくある質問と答えをまとめました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。
公式情報・関連資料
- Windows でのエクスプローラー - Microsoftサポート
- PowerShell とは - Microsoft Learn
- reg commands - Microsoft Learn
- レジストリ キーの操作 - Microsoft Learn
実行環境詳細と検証日
- OS:Windows 11 Home 24H2(64bit)
- ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
- 最終検証日:2025年9月1日
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