【Microsoft Edge】IEモードボタンを復活させる方法

Microsoft Edgeの最近のアップデートにより、IEモードへの切り替えボタンがツールバーから削除され、IEモードを頻繁に利用する方にとって不便な状況になっています。

この記事では、レジストリを編集してIEモードボタンを強制的に再表示させる方法を解説します。ただし、この方法はMicrosoftが公式に推奨する手順ではなく、今後のEdgeアップデートで使えなくなる可能性があります。あくまで暫定的な対処法として、自己責任での実施をお願いします。

また、レジストリの誤編集はWindowsが起動しなくなるリスクがあるため、必ずバックアップを取ってから作業を進めてください。この記事では、情シスとして企業PCの運用経験に基づき、安全で確実な手順を詳しく解説します。

目次

Microsoft EdgeのIEモードをレジストリを修正して復活させる方法

Microsoft EdgeのIEモードは、古いInternet Explorerでしか動作しないWebサイトやシステムをEdge上で利用するための機能です。従来はツールバーにIEモードボタンが表示されていましたが、最近のEdgeアップデートでこのボタンが削除され、IEモードへの切り替えが不便になりました。

しかし、レジストリを編集することでIEモードボタンを強制的に再表示させることができます。この方法は、業務で頻繁にIEモードを使用する方や、XMLサイトリストを運用している企業のシステム管理者にとっては有用です。

ただし、レジストリの編集は慎重に行う必要があります。誤った編集を行うとWindowsが起動しなくなる可能性があるため、必ず以下の準備を完了してから作業を進めてください。

IEモードボタンを復活させる手順は以下のとおりです。

  1. Microsoft Edgeを完全に終了する
  2. レジストリのバックアップを取る
  3. PowerShellを管理者として起動する
  4. レジストリ編集コマンドを実行する
  5. IEモードボタンが表示されていることを確認する

所要時間は約5分です。それでは、実際の手順を詳しく解説していきます。

STEP
Microsoft Edgeを完全に終了する

レジストリ編集を行う前に、Microsoft Edgeを完全に終了する必要があります。Edgeは「×」ボタンで閉じてもバックグラウンドで動作し続けることがあるため、タスクマネージャーからすべてのプロセスを終了してください。

タスクマネージャーの詳しい使い方は「【Windows11】タスクマネージャーを起動する方法」、アプリの強制終了方法は「【Windows11】アプリを強制終了する方法」をご覧ください。

STEP
レジストリのバックアップ

レジストリの編集を行う前に、必ずレジストリのバックアップを取ってください。レジストリを誤って編集するとWindowsが起動しなくなる可能性があるため、バックアップは必須です。

レジストリエディタの詳しい使い方やバックアップ・復元方法は「【Windows11】レジストリエディタの開き方とバックアップ・復元方法」をご覧ください。

STEP
PowerShellを管理者として起動する

レジストリ編集コマンドを実行するには、PowerShellを管理者権限で起動する必要があります。管理者権限がないとレジストリの変更が反映されないため、必ず以下の手順で起動してください。

  1. スタートメニューで「PowerShell」と検索
  2. 「Windows PowerShell」を右クリック
  3. 「管理者として実行」をクリック
  4. ユーザーアカウント制御(UAC)で「はい」をクリック

PowerShellの詳しい起動方法や管理者権限の確認方法は「【Windows11】PowerShellを管理者として実行する方法」をご覧ください。

STEP
PowerShellで以下のコマンドを実行する

PowerShellに以下のコマンドを貼り付けて実行してください。

コマンドを貼り付けた時に「警告」が表示される場合があります。その場合は「強制的に貼り付け」をクリックしてください。

# ターゲットとなるレジストリパスを変数に設定
$path = "HKLM:\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge"

# Edge のポリシーキーが存在しない場合でもエラーを出さずに作成
if (!(Test-Path $path)) {
    New-Item -Path "HKLM:\SOFTWARE\Policies\Microsoft" -Name "Edge" -ErrorAction SilentlyContinue | Out-Null
}

# --- 以下の3つの値を設定します ---

# 1. IEモード統合のマスターレベルを設定 (DWORD = 1)
Set-ItemProperty -Path $path -Name "InternetExplorerIntegrationLevel" -Value 1 -Type DWORD -ErrorAction SilentlyContinue

# 2. IEモードでの再読み込み機能(機能自体)を許可 (DWORD = 1)
Set-ItemProperty -Path $path -Name "InternetExplorerIntegrationReloadInIEModeAllowed" -Value 1 -Type DWORD -ErrorAction SilentlyContinue

# 3. IEモードのツールバーボタン(ボタンの表示)を強制的に有効化 (DWORD = 1)
Set-ItemProperty -Path $path -Name "InternetExplorerModeToolbarButtonEnabled" -Value 1 -Type DWORD -ErrorAction SilentlyContinue

Write-Host "IEモードの強制有効化設定が完了しました。"
Write-Host "開いているすべてのMicrosoft Edgeウィンドウを閉じ、再度Edgeを起動して確認してください。"
STEP
IEモードボタンが表示されていることを確認する

PowerShellでレジストリ編集コマンドを実行した後、Microsoft Edgeを起動してIEモードボタンが正しく表示されているか確認してください。

IEモードボタンが表示されていれば、レジストリ編集は成功です。ボタンをクリックすることで、現在のページをIEモードで再読み込みできるようになります。

Microsoft EdgeのツールバーにIEモードボタンが表示されている画面
Microsoft EdgeのツールバーにIEモードボタンが表示されている画面

IEモードの強制表示を無効にする方法

Microsoft EdgeのIEモードが不要になった場合は、以下のコマンドでIEモードの強制表示を無効にしてください。

Microsoft EdgeのIEモードをレジストリを修正して復活させる方法」と同様にPowerShellを「管理者として実行」して、以下のコマンドを貼り付けて実行してください。

$path = "HKLM:\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge"

# ポリシーキーが存在するかどうかをチェック
if (Test-Path $path) {
    Write-Host "レジストリパス $path が見つかりました。設定を削除します..."
    
    # --- 以下の3つの値を削除します ---

    # 1. マスター機能の設定を削除
    Remove-ItemProperty -Path $path -Name "InternetExplorerIntegrationLevel" -ErrorAction SilentlyContinue

    # 2. 再読み込み機能の許可を削除
    Remove-ItemProperty -Path $path -Name "InternetExplorerIntegrationReloadInIEModeAllowed" -ErrorAction SilentlyContinue

    # 3. ツールバーボタンの強制表示を削除
    Remove-ItemProperty -Path $path -Name "InternetExplorerModeToolbarButtonEnabled" -ErrorAction SilentlyContinue

    Write-Host "IEモードの強制設定を削除しました。"
    Write-Host "開いているすべてのMicrosoft Edgeウィンドウを閉じ、再度Edgeを起動してください。"
    
} else {
    Write-Host "レジストリパス $path が見つかりません。"
    Write-Host "削除対象の設定は存在しないようです。"
}

Microsoft EdgeにIEモードボタンを復活させる方法に関するよくある質問と答え

最後に、Microsoft EdgeにIEモードボタンを復活させる方法に関するよくある質問と答えをまとめました。

この方法はMicrosoftが公式に推奨する手順ですか?

いいえ、この方法はMicrosoftが公式に推奨する手順ではありません。レジストリを直接編集してIEモードボタンを強制表示させる非公式の方法です。

Microsoftが公式に推奨している手順はどれですか?

Microsoftが公式に推奨している方法はXMLサイトリスト方式です。XMLサイトリスト方式は、IEモードで開くWebサイトをXMLファイルにあらかじめ登録しておき、そのファイルをレジストリやグループポリシーで読み込ませることで、指定したサイトに自動的にIEモードを適用する方法です。詳しくは「Microsoft Edge のエンタープライズ サイト リスト マネージャー」をご覧ください。

今後のEdgeアップデートでこの方法は使えなくなりますか?

使えなくなる可能性があります。Microsoftが将来のEdgeアップデートでレジストリ設定の仕様を変更した場合、この方法が無効になることがあります。あくまで暫定的な対処法として利用してください。

レジストリ編集は危険ですか?元に戻せますか?

レジストリ編集には一定のリスクがあります。誤った編集を行うとWindowsが起動しなくなる可能性があるため、必ず事前にレジストリのバックアップを取ってください。バックアップがあれば、問題が発生した場合でも元の状態に復元できます。この記事で紹介している手順に従えば、安全に設定できます。

企業のグループポリシーでIEモードが制限されている場合でも使えますか?

企業のグループポリシーが優先される場合があります。システム管理者がグループポリシーでIEモードを明示的に無効化している場合、この方法でも有効化できないことがあります。企業PCで実施する場合は、必ずシステム管理者に確認してください。

IEモードボタンを表示させると、Edgeの動作が重くなりますか?

いいえ、IEモードボタンを表示させるだけでは、Edgeの動作速度に影響はありません。実際にIEモードでページを表示している場合のみ、Internet Explorerエンジンが動作します。ボタンの表示自体はリソースをほとんど消費しません。

Windows 10でもこの方法は使えますか?

はい、Windows 10のMicrosoft Edgeでも同じ方法で設定できます。レジストリのパスやPowerShellコマンドはWindows 11と同じです。

コマンドを実行してもIEモードボタンが表示されない場合、どこを確認すればよいですか?

まずEdgeを完全に再起動してください。タスクマネージャーですべてのEdgeプロセスが終了していることを確認し、再度Edgeを起動します。それでも表示されない場合は、PCを再起動してください。レジストリエディタで設定値が正しく書き込まれているかも確認してください。

この設定を行うと、すべてのユーザーアカウントでIEモードボタンが表示されますか?

はい、HKEY_LOCAL_MACHINE(HKLM)に設定を書き込むため、PC上のすべてのユーザーアカウントでIEモードボタンが表示されます。特定のユーザーのみに適用したい場合は、HKEY_CURRENT_USER(HKCU)に設定する必要があります。

IEモードボタンはどこに表示されますか?

IEモードボタンは、Edgeのツールバー(アドレスバーの右側)に表示されます。拡張機能アイコンの近くに配置され、クリックするとIEモードのメニューが表示されます。ボタンのアイコンはInternet Explorerのロゴマークです。

XMLファイルもこの方法で復活させたIEモードボタンで開けますか?

はい、問題なく開けます。ただし今後のアップデートで突然使えなくなる場合もあるので「XMLファイルをブラウザで開く・表示するツール」をお気に入りに入れておいてください。

この設定はEdgeの「設定の同期」で他のPCにも反映されますか?

いいえ、レジストリ設定はローカルPCのみに適用され、Edgeの「設定の同期」では他のPCに反映されません。複数のPCで同じ設定を行いたい場合は、各PCで個別にレジストリ編集を実行する必要があります。

PowerShellでコマンド実行時に「このシステムではスクリプトの実行が無効になっているため〜」というエラーが表示されます

実行ポリシーの制限によるエラーです。PowerShellを管理者として起動し、Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope Processを実行してから、再度IEモード設定コマンドを実行してください。この設定はPowerShellを閉じるまで有効です

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
環境によって結果が異なる場合がありますので、参考のうえご利用ください。

誤りのご指摘・追記のご要望・記事のご感想は、記事のコメント欄またはこちらのお問い合わせフォームからお寄せください。個人の方向けには、トラブルの切り分けや設定アドバイスも実施します。

※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 25H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • Microsoft Edge:バージョン 142.0.3595.53 (公式ビルド) (64 ビット)
  • 最終検証日:2025年11月4日
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この記事を書いた人

情シスの自由帳管理人のアバター 情シスの自由帳管理人 情シスの自由帳管理人

社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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