【Excel】同じファイルを2つのウィンドウで開く方法

この記事では、Excelで同じファイルを2つの別ウィンドウで開き、異なるシートを同時に表示しながら作業する方法をIT担当者の視点からわかりやすく解説します。

「売上シートを見ながら集計シートに関数を入力したい」「昨年と今年のデータを比較したい」といった場面で、シートを何度も切り替えるのは非効率です。

Excelの「新しいウィンドウを開く」機能を使えば、1つのファイルを複数の独立したウィンドウで表示できます。異なるシートや離れたセル範囲を左右に並べて比較・編集でき、Excelでの作業効率が向上します。

目次

同じExcelファイルを2つのウィンドウで開く手順

Excelで同じファイルを2つのウィンドウで開くには、「表示」タブの「新しいウィンドウを開く」機能を利用します。クリック1つで現在のファイルと全く同じ内容のウィンドウを瞬時に作成できます。

  1. Excelファイルを開き、「表示」タブをクリックする
  2. 「ウィンドウ」グループにある「新しいウィンドウを開く」をクリックする
  3. ファイル名の末尾に「- 1」と「- 2」が付いたウィンドウが開いたことを確認する
STEP
「表示」タブをクリック

2つのウィンドウで開きたいExcelファイルを開き、リボンにある「表示」タブをクリックしてください。

同じExcelファイルを2つのウィンドウで開く手順 Step1:「表示」タブをクリック
同じExcelファイルを2つのウィンドウで開く手順 Step1
STEP
「新しいウィンドウを開く」をクリック

表示タブの「新しいウィンドウを開く」をクリックしてください。

Excelのリボンが折りたたまれている場合は、「【Excel】リボン(メニューバー)を常に表示する方法|デスクトップ版・Web版対応」を参考に設定を変更してください。

同じExcelファイルを2つのウィンドウで開く手順 Step2:「新しいウィンドウを開く」をクリック
同じExcelファイルを2つのウィンドウで開く手順 Step2
STEP
同一のExcelファイルが2つ開いていることを確認する

「新しいウィンドウを開く」をクリックすると、見た目は全く同じウィンドウがもう1つ作成されます。

これはファイルのコピーではなく、同じファイルを見るための「窓」が2つになった状態です。

2つのウィンドウを区別するため、Excelは自動的にタイトルバーのファイル名に番号を付けます。元のウィンドウは「ファイル名 - 1」、新しいウィンドウは「ファイル名 - 2」と表示されます。

同じExcelファイルを2つのウィンドウで開く手順 Step3:同一のExcelファイルが2つ開いていることを確認する
同じExcelファイルを2つのウィンドウで開く手順 Step3

2つのウィンドウを左右に並べて作業効率を上げる方法

2つのウィンドウを左右に並べるには、Windowsのスナップ機能を使うのが最も効率的です。主な方法は以下の3つです。

なお、この自動的にウィンドウが整列されるスナップ機能が、逆に作業の妨げになると感じる場合は、設定から無効化することも可能です。詳しい手順は「【Windows11】ウィンドウのスナップ機能を無効にする方法|吸着を防止する設定手順」で解説しています。

キーボードショートカットを使う方法(最速)

  1. 左右に並べたいExcelウィンドウの1つを選択します(アクティブ化)。
  2. Windowsキー+(左矢印)キーを同時に押します。
  3. ウィンドウが画面の左半分にぴったりと配置されます。
  4. 画面の右半分に残りの開いているウィンドウが一覧表示されるので、矢印キーで並べたいウィンドウを選択し、Enterキーを押します。

右側に配置したい場合は、Windowsキー+(右矢印)キーを使います。慣れるとマウスを使わずに一瞬でウィンドウを整列できるため最もおすすめです。

マウスでドラッグする方法(直感的)

  1. Excelウィンドウ上部のタイトルバーをマウスでドラッグします。
  2. そのままマウスカーソルを画面の左端または右端に突き当たるまで移動させます。
  3. 画面の半分に半透明の枠が表示されたら、マウスのボタンを離します。
  4. もう片方の画面に残りのウィンドウ一覧が表示されるので、並べたいウィンドウをクリックします。

スナップレイアウトを使う方法(Windows 11限定)

  1. Excelウィンドウ右上の最大化ボタンにマウスカーソルを合わせます(クリックしません)。
  2. レイアウトの選択肢が表示されたら、左右2分割のレイアウトをクリックします。
  3. ウィンドウが選択した位置に配置され、残りのスペースに表示するウィンドウを選択できます。

この方法では、左右だけでなく上下や4分割など、複雑なレイアウトも簡単に選択できます。

同じExcelファイルを2つ並べて使う場合の注意点

同じExcelファイルを2つのウィンドウで開く機能は便利ですが、いくつか知っておくべき注意点があります。

編集内容はリアルタイムで同期される

2つのウィンドウは1つのファイルを2つの窓から見ている状態です。

そのため、片方のウィンドウでセルの値を変更すると、もう片方のウィンドウにも瞬時に反映されます。

保存は1回でOK・閉じる時も1回でOK

どちらのウィンドウで保存しても、同じExcelファイルを保存することになります。両方のウィンドウで保存する必要はありません。

また、作業を終了する際は、片方のウィンドウを閉じても、もう片方は開いたままになります。ファイルを完全に閉じるには、すべてのウィンドウを閉じる必要があります。
※ウィンドウを開いたままPCをシャットダウンすると、次回「読み取り専用」や「他のユーザーが編集中」という警告が表示される場合があります。

ウィンドウ番号( - 2、 - 3)に対して数式で参照できない

タイトルバーの「ファイル名 - 2」の番号は、表示上のラベルです。このウィンドウ番号を使ってVLOOKUPなどの数式で別ウィンドウを参照することはできません
数式では通常通りシート名とセル範囲を指定してください。

メモリ使用量が増加する

大きなファイルを扱う場合やPCのメモリが少ない場合は、動作が遅くなる可能性があります。
※Windowsの仮想メモリを増やしたりリソースを割り当てるアプリケーションの優先度を変更することで緩和できる場合もあります。

Excelで同じファイルを2つのウィンドウで開く手順に関するよくある質問と答え

最後に、Excelで同じファイルを2つのウィンドウで開く手順に関するよくある質問と答えをまとめました。

Excelで同じファイルを2つのウィンドウで開く方法は?

Excelファイルを開いた状態で、「表示」タブ → 「新しいウィンドウを開く」をクリックするだけです。瞬時に同じファイルの2つ目のウィンドウが表示されます。

Excelのタイトルバーの「- 2」や「- 1」という表示は何ですか?

同じファイルがいくつのウィンドウで開かれているかを示す管理番号です。これはファイルのコピーではなく、同じファイルを覗くための「窓」が複数ある状態を示しています。

2つのExcelウィンドウを左右に並べて表示するショートカットは?

Windowsの標準機能であるスナップ機能を使います。片方のウィンドウを選択して Windowsキー+ (左矢印)、もう片方を選択してWindowsキー+(右矢印) を押すのが最も速いです。

何もしていないのに、特定のExcelファイルを開くと最初からウィンドウが2つ表示されます。なぜですか?

前回そのファイルを2つのウィンドウで開いたまま上書き保存したのが原因です。Excelはウィンドウの表示状態もファイルに記憶します。
不要なウィンドウ(「ファイル名 - 2」)を「×」ボタンで閉じ、1つだけの状態で上書き保存(Ctrl+S)すれば、次回から1つのウィンドウで開きます。

2つのExcelウィンドウを別々のモニター(デュアルディスプレイ)に表示できますか?

「新しいウィンドウを開く」で作成したウィンドウは独立しているため、ドラッグ&ドロップで簡単に別のモニターへ移動できます。

Excelの「ウィンドウ分割」と「新しいウィンドウを開く」は何が違いますか?

「分割」は1つのウィンドウ内の表示を区切る機能です。一方、「新しいウィンドウを開く」は完全に独立した2つのウィンドウを生成します。別々のモニターに置きたい場合は「新しいウィンドウを開く」一択です。

Excelファイルを2つ起動するのと「新しいウィンドウを開く」は同じですか?

全く違います。Excelファイルを2つ起動すると別々のファイルになります(片方読み取り専用)。一方、「新しいウィンドウを開く」は1つのファイルを2つの視点で見ているだけなので、編集内容は即座に両方に反映されます。

2つのウィンドウで開いた後、保存はどうすればいいですか?

どちらか一方のウィンドウで上書き保存(Ctrl+S)すれば、変更が保存されます。両方で保存する必要はありません。

片方のウィンドウだけを閉じることはできますか?

はい、できます。閉じたいウィンドウ右上の「×」ボタンをクリックすると、そのウィンドウだけが閉じられ、もう一方は開いたまま作業を続けられます。

ウィンドウの番号(- 2)を使って数式で参照できますか?

いいえ、できません。タイトルバーの番号はあくまで表示上のラベルです。VLOOKUPなどの数式では、通常通りシート名とセル範囲(例: Sheet2!A1)で指定してください。

Mac版のExcelでも同じ機能は使えますか?

はい、使えます。Mac版Excelでは、上部メニューバーの「ウィンドウ」から「新しいウィンドウを開く」を選択することで、同様の操作が可能です。

古いバージョンのExcel(2010, 2013など)でも利用できますか?

はい、利用できます。「新しいウィンドウを開く」はExcel 2007以降のバージョンに標準で搭載されている、古くからある便利な機能です。

3つ以上のウィンドウを同時に開くこともできますか?

はい、「新しいウィンドウを開く」をクリックするたびに、「- 3」「- 4」とウィンドウを増やすことができます。3画面や4画面での同時比較も可能です。

Web版のExcel(Excel for the web)でも同じことができますか?

はい、Web版のExcel(Excel for the web)も同様に「表示」タブにある「新しいウィンドウを開く」で同じファイルを2つのウィンドウで表示することが可能です。

情シスとして、この機能を社員に教える際の最も重要なポイントは?

Excelの「新しいウィンドウを開く」機能と、Windowsの「スナップ機能」(Windowsキー+矢印キー)を必ずセットで伝えることです。Excelのウィンドウを増やす方法だけ教えても、それを効率的に並べる方法を知らなければ効果は半減します。スナップ機能は多くのアプリで使えるため、PC作業全体の生産性向上に繋がります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 24H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • Excel: Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO (バージョン 2508 ビルド 16.0.19127.20192) 64 ビット
  • 最終検証日:2025年9月27日
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この記事を書いた人

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社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
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【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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