Windows11のタスクバーに、アプリをより手軽に強制終了できる新機能が追加されました。
2023年9月26日に公開されたバージョン「22621.2361(KB5030310)」で利用可能になったこの機能を使えば、固まってしまったアプリをタスクマネージャーを開くことなく、素早く終わらせることができます。
これまではタスクマネージャーを開いて、該当するアプリ(ソフト)を選択して…と煩雑だった強制終了の手順が、タスクバーの右クリックメニューからワンクリックで行えるようになったのです。
私は、社内の情報システム担当者として、これまで数限りなくアプリ(ソフト)を強制終了してきました。
強制終了する場面ではパソコンがしっかりフリーズしていることも多いため、タスクマネージャーを開くまでにも非常に長い時間がかかる場合もあります。途中で画面が真っ黒になって1時間くらい待つこともあります。
そんな私にとって、タスクバーからアプリ(ソフト)を強制終了することができるのは非常に大きなメリットだと感じています。
この記事では、この便利な「タスクを終了する」オプションを表示する方法を、実際の画面を用いて分かりやすく解説します。
タスクバーの右クリックメニューに「タスクを終了する」ボタンを表示する方法
ここからは、Windows11のタスクバー右クリックメニューに「タスクを終了する」ボタンを表示させる方法を解説します。
このアプリ(ソフト)強制終了機能は、最新のWindowsアップデートが適用された環境であれば利用できる可能性が高いですが、初期状態では有効になっていないことがあります。
機能を有効化することで、タスクバー上のアプリを右クリックした際に、「タスクを終了する」という選択が現れます。
ここでは、タスクバーからアプリ(ソフト)を強制終了する機能を有効にし、右クリックメニューに「タスクを終了する」ボタンを表示する手順を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。。
キーボードのWindows
キーを押して(タスクバーにあるWindowsロゴをクリックして)ください。
キーボードのWindows
キーを押すとスタートメニューが表示されます。
その中にある歯車のアイコンの「設定」をクリックしてください。

「設定」をクリックすると、「ホーム」と大きく書かれたWindowsの設定画面が開きます。
左側にある「システム」をクリックしてください。

[システム]をクリックすると、「システム」と大きく書かれた画面に移動します。
その画面を下に向かってスクロールし、「開発者向け」をクリックしてください。

「開発者向け」をクリックすると、「システム > 開発者向け」と書かれた画面に移動します。
その中にある「タスクの終了」をオンに切り替えてください。

「タスクの終了」をオン(有効)に切り替えた後にタスクバーに表示されているアプリなどを右クリックすると、右クリックメニューの中に「タスクを終了する」と書かれた選択肢が表示されます。
「タスクを終了する」をクリックすることで、そのタスク(アプリやソフト)を強制終了することができるようになります。

タスクバーからアプリ(ソフト)を強制終了するメリットと注意点
この新機能の最大のメリットは、アプリ(ソフト)がフリーズした際に、迅速に対応できることです。
タスクマネージャーを開く手間が省けるため、時間の節約にもつながります。
しかし、この機能を使用する際には注意が必要です。
まず、「タスクを終了する」オプションを使用すると、アプリが即座に強制終了されるため、未保存のデータが失われる可能性があります。
たとえば、ExcelやPhotoshopのようなアプリでは、通常「閉じる」ボタンを押すと「保存しますか?」という警告が表示されますが、この機能を使った場合、警告なしに終了されます。
そのため、特にデータ損失のリスクがある状況では、慎重に利用することをお勧めします。
また、アプリがタスクバーに表示される前にフリーズした場合は、このオプションが機能しないこともありますので、その際はタスクマネージャーを使って強制終了する必要があります。
「タスクを終了する」と「ウィンドウを閉じる」の違い
アプリ(ソフト)を終了させるための操作である「タスクを終了する」と「ウィンドウを閉じる」は、その目的と結果において明確な違いがあります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
「タスクを終了する」とは
「タスクを終了する」とは、アプリのプロセスそのものを強制的に停止させる操作です。
これは、アプリがフリーズして反応しない、あるいは通常の方法では閉じることができないといった緊急時に用いられます。
強制終了を実行すると、アプリは保存の確認などの終了処理を一切行わず、即座に終了します。
したがって、この操作を行うと、未保存のデータは問答無用で失われてしまう可能性が非常に高くなります。
通常の終了方法よりも、データ損失のリスクが大きい点を理解しておく必要があります。
特に、メモ帳の自動保存を無効にしている場合や、Excelの自動保存機能を無効にしている場合は注意が必要です。
「ウィンドウを閉じる」とは
一方、「ウィンドウを閉じる」操作は、アプリのウィンドウを通常の手順で閉じることを意味します。
この操作を行うと、アプリは内部で定められた終了処理を実行します。
例えば、編集中のデータを保存するかどうかの確認メッセージが表示されるのが一般的です。
WordやExcelなどのアプリで、まだ保存していない内容がある状態でウィンドウを閉じようとすると、「保存しますか?」というダイアログが表示されるのはそのためです。
違いのまとめ
項目 | タスクを終了する | ウィンドウを閉じる |
---|---|---|
意図と目的 | アプリが正常に動作しない場合の強制的な終了 | アプリの正常な終了 |
データ保護 | 保存確認なし 未保存データの損失リスクが非常に高い | 保存確認あり データ損失のリスクは低い |
動作 | アプリのプロセスを即座に強制停止する | アプリに終了命令を送り、処理を待つ |
このように、「タスクを終了する」は最終手段としての強制的な終了方法であるのに対し、「ウィンドウを閉じる」はアプリに優しい通常の終了方法と言えます。状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
従来のタスクマネージャーとの違い
従来のタスクマネージャーを使ってアプリ(ソフト)を終了させる場合、動作が停止したアプリのプロセスを一覧から探し出し、手動で「タスクの終了」を選択する必要がありました。
この手順は、パソコンの操作に不慣れな方にとっては、どのプロセスが該当するアプリなのかを判断するのに手間取ったり、時間がかかったりすることがありました。
しかし、この新しいタスクバーからの強制終了機能を利用すれば、タスクバーに表示されているアイコンを右クリックするだけで「タスクを終了する」という選択肢が現れます。
これにより、複雑な操作は不要となり、誰でも直感的にアプリを強制終了できます。
さらに、タスクバーに表示されているアプリのみが終了対象となるため、数多くのプロセスの中から該当するものを探し出すという煩わしさからも解放されます。

タスクバーからアプリ(ソフト)を強制終了する方法に関するよくある質問と答え
タスクバーからアプリ(ソフト)を強制終了する方法に関するよくある質問と答えをまとめました。
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