こんな人にオススメの記事です
- hostsファイルの保存場所を確認したい方
- hostsファイルを編集して設定を変更したい方
- hostsファイルの変更が反映されなくて困っている人
この記事では、Windows11でhostsファイルを安全に編集する方法と、編集後に設定変更が反映されない場合の対処法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。
hostsファイルとは、パソコンがインターネット上のドメイン名をIPアドレスに変換する際に最初に参照するファイルです。
主に以下のような用途で使用されます。
- ネットワーク内での名前解決(ドメイン名の変換)
- 開発やテスト環境におけるローカルルーティング
- 特定のウェブサイトのアクセスブロックやリダイレクト設定
正しく設定すれば、DNSを介さず柔軟なネットワーク構成を実現できる便利な機能です。
hostsファイルの保存場所
Windows11のhostsファイルは、通常以下の場所に保存されています。
C:\Windows\System32\drivers\etc

hostsファイルは通常、隠しファイルとして扱われているため、初期設定では表示されません。
そのため、hostsファイルを編集・確認したい場合は、あらかじめ隠しファイルを表示できるように設定しておく必要があります。
隠しファイルの表示方法については、以下の記事でわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
管理者権限を使ってhostsファイルを編集する方法
hostsファイルは、通常のメモ帳を使って編集することが可能です。
ただし、ファイルの場所がシステム保護フォルダー内にあるため、編集するにはパソコンの管理者(Administrator)権限が必要です。
そのため、以下の手順でメモ帳を「管理者として実行」して開く必要があります。
まず、画面左下のタスクバーにある「スタートボタン(Windowsロゴ)」をクリックしてください。
メニューが上に向かって表示されるので、その中にある「メモ帳」を探しましょう。
見つけたら、メモ帳の上で右クリックしてください。
さらに表示されるメニューの中にある「管理者として実行」をクリックします。

メモ帳を管理者として開いたら、左上にある「ファイル(F)」をクリックしてください。
メニューが下に表示されるので、「開く(O)」を選択します。

次に、以下の文字列をエクスプローラーのアドレスバーに貼り付けて、hostsファイルが保存されているフォルダーに移動してください。
%WinDir%\System32\Drivers\Etc
ただし、この「etc」フォルダーを開いても、ファイルが表示されない場合があります。
これは、表示の初期設定が「テキスト文書(*.txt)」になっているためです。
その場合は、ファイル選択ウィンドウの右下にある「テキスト文書(.txt)」と書かれた部分をクリックして、「すべてのファイル(.*)」を選択してください。
これで、hostsファイルが表示されるようになります。

※事前に、隠しファイルが表示される設定になっている必要があります。
まだ設定していない場合は、隠しファイルの表示方法をこちらで紹介していますので、あわせてご確認ください。
ファイル一覧に「hosts」と書かれたファイルが表示されたら、それを選択し、画面右下にある「開く(O)」ボタンをクリックしてください。
これで、hostsファイルがメモ帳で開かれます。

hostsファイルの編集が完了したら、必ず上書き保存を行ってください。
画面左上の「ファイル」メニューをクリックし、「保存」を選べば、編集内容が反映されます。

hostsファイルの中身
ここからは簡単にhostsファイルの中身について解説していきます。
# Copyright (c) 1993-2009 Microsoft Corp.
#
# This is a sample HOSTS file used by Microsoft TCP/IP for Windows.
#
# This file contains the mappings of IP addresses to host names. Each
# entry should be kept on an individual line. The IP address should
# be placed in the first column followed by the corresponding host name.
# The IP address and the host name should be separated by at least one
# space.
#
# Additionally, comments (such as these) may be inserted on individual
# lines or following the machine name denoted by a '#' symbol.
#
# For example:
#
# 102.54.94.97 rhino.acme.com # source server
# 38.25.63.10 x.acme.com # x client host
# localhost name resolution is handled within DNS itself.
# 127.0.0.1 localhost
# ::1 localhost
Windowsには「hosts」という名前のファイルが複数の場所に存在する場合もありますが、
実際に名前解決で参照されるのは C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
にあるファイルだけです。
このhostsファイルでは、IPアドレスとドメイン名の対応を手動で指定することができます。
書き方は非常にシンプルで、1行に以下のように記述します。
192.168.11.1 google.com
このように設定して保存すると、ブラウザーで「google.com」にアクセスしたとき、実際には「192.168.11.1」に接続されます。
たとえば、社内のファイルサーバーや社内Webシステムの名前解決がDNSでうまく動作しない場合など、
このhostsファイルを活用することで、直接IPアドレスを指定できるため、トラブル回避や開発用途で非常に便利です。
また、行の先頭に #
を付けると、その行はコメントとして扱われ、無効化されます。
hostsファイルを保存したのに反映されない原因と対処法
hostsファイルを上書き保存しても、変更した内容がブラウザーなどに反映されない場合、主な原因は次の2つに分けられます。
- 管理者権限でhostsファイルを編集・保存していない
- DNSキャッシュの影響で、古い名前解決情報が残っている
ここからは、これらの原因に対する具体的な対処方法を詳しく解説していきます。
なお、この記事ではhostsファイルの記述内容自体に誤りがないことを前提にしています。
パソコンを再起動してhostsファイルの編集が保存されているか確認する
まずは一度パソコンを再起動し、編集したhostsファイルの内容が正しく保存されているか確認してください。
hostsファイルは管理者権限がなくても開いて編集・保存することは可能ですが、管理者として開いていない場合、実際には内容が保存されていないことがあります。
見た目上「保存したように見えても」、変更が反映されていなければ上書き保存に失敗している可能性が高いです。
再起動後にも編集内容が反映されていない場合は、もう一度「管理者権限を利用してhostsファイルを編集する」の手順を確認し、
メモ帳を必ず「管理者として実行」してから、hostsファイルを再度編集・保存してください。
DNSキャッシュを削除してhostsファイルの変更を反映させる
Windowsは、一度名前解決した情報を「DNSキャッシュ」としてPC内に一時的に保存し、次回以降のアクセスを高速化しています。
しかし、このキャッシュが古い情報のまま残っていると、hostsファイルを変更してもその内容が参照されず、設定が反映されない原因になります。
そんなときは、以下のコマンドを使ってDNSキャッシュを強制的に削除してみてください。
ipconfig /flushdns
以下の画像のように「DNSリゾルバー キャッシュは正常にフラッシュされました。」と表示されれば、DNSキャッシュのクリアが完了し、hostsファイルの内容がすぐに反映されるようになります。

セキュリティソフトがhostsファイルの変更をブロックしている可能性も
メモ帳を「管理者として実行」してhostsファイルを編集・保存しても反映されない場合、
またはDNSキャッシュをクリアしても効果がない場合、インストールされているセキュリティソフトが原因になっている可能性があります。
一部のウイルス対策ソフトやセキュリティソフトは、hostsファイルへの変更を自動で検知し、ブロックする機能を備えています。
このような場合は、セキュリティソフトを一時的に無効化してから、hostsファイルの変更を試してみてください。
hostsファイルを初期化する(デフォルトに戻す)方法
hostsファイルを元の状態に戻したい場合は、手動で初期化する必要があります。
Windowsには設定画面などから自動で初期化する機能は用意されていません。
そのため、以下の手順で管理者権限でhostsファイルを開き、内容を貼り替えて保存してください。
- メモ帳を「管理者として実行」で起動
C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
ファイルを開く- 中身をすべて削除し、以下の内容に置き換える
- 「ファイル」→「保存」で上書きする
以下がWindowsの初期状態におけるhostsファイルの内容です。
# Copyright (c) 1993-2009 Microsoft Corp.
#
# This is a sample HOSTS file used by Microsoft TCP/IP for Windows.
#
# This file contains the mappings of IP addresses to host names. Each
# entry should be kept on an individual line. The IP address should
# be placed in the first column followed by the corresponding host name.
# The IP address and the host name should be separated by at least one
# space.
#
# Additionally, comments (such as these) may be inserted on individual
# lines or following the machine name denoted by a '#' symbol.
#
# For example:
#
# 102.54.94.97 rhino.acme.com # source server
# 38.25.63.10 x.acme.com # x client host
# localhost name resolution is handled within DNS itself.
# 127.0.0.1 localhost
# ::1 localhost
この状態に戻すことで、不要な設定や誤った記述によるトラブルを防ぐことができます。
hostsファイルの編集に関するよくある質問と答え
hostsファイルの編集に関するよくある質問と答えをまとめました。
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その他Windows11に関する記事はこちらです。ぜひご覧ください。
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