【Windows】レガシーBIOSモードからUEFIに変更する方法 - 起動モードの切り替え手順

この記事では、レガシーBIOSモードからUEFIに変更する方法を画像付きで詳しく解説します。

Windows11はUEFI環境での起動が必須要件です。Windows10からWindows11にアップグレードしようとして「このPCはWindows11の要件を満たしていません」というエラーが表示された場合、レガシーBIOSモードで動作していることが原因の可能性があります。

レガシーBIOSモードからUEFIに変更するには、Windows10の状態でBIOS設定画面からBoot ModeをLegacyからUEFIに切り替え、Secure Bootを有効化する必要があります。変更後、Windows11へのアップグレードが可能になります。この作業には約15分かかります。

2015年以降のPCであれば、ほとんどがUEFI対応BIOSを搭載しています。2010年以前の古いPCの場合、UEFI非対応の可能性があるため、事前にPCの製造年を確認してください。

ここからは、変更前の準備と確認、BIOS設定での変更手順、トラブルシューティングまで、実際の画面を使ってわかりやすく解説します。

目次

レガシーBIOSからUEFIに変更する前の準備と確認

レガシーBIOSからUEFIへの変更作業を始める前に、必ず以下の準備と確認を行ってください。

準備を怠ると、変更作業中にWindowsが起動しなくなったり、データが失われたりする可能性があります。特にデータのバックアップは必須です。

確認・準備項目は以下のとおりです。

  1. 現在のBIOSモードを確認する
  2. Windowsアップデートで最新の状態に更新してPCを再起動
  3. ディスク形式を確認する(MBR/GPT)
  4. 重要なデータをバックアップする(必須)
  5. BIOS起動方法をメーカーサイトで確認する(推奨)

所要時間は約30分です。それでは、順番に詳しく解説していきます。

現在のBIOSモードを確認する

まず、使用しているPCが現在レガシーBIOSモードで動作しているのか、それともすでにUEFIモードで動作しているのかを確認します。すでにUEFIモードの場合は、変更作業は不要です。

BIOSモードの確認方法は、キーボードのWindowsキー+Rキーを同時押しして「ファイル名を指定して実行」を開き、msinfo32と入力してシステム情報を起動します。

システム情報画面の「BIOSモード」欄を確認してください。

BIOSモード(「レガシーBIOS」か「UEFI」)を「システム情報」ウィンドウから確認する方法
BIOSモード(「レガシーBIOS」か「UEFI」)を「システム情報」ウィンドウから確認する方法

「レガシー」と表示されている場合は変更作業が必要です。次の手順に進んでください。
「UEFI」と表示されている場合は、すでにUEFIモードで動作しているため、変更作業は不要です。

BIOSモードの詳しい確認方法は「【Windows11】BIOSバージョンを確認する方法 - UEFI/レガシーBIOSの確認も解説」で画像付きで解説しています。

Windowsアップデートで最新の状態に更新してPCを再起動する

BIOSモードがレガシーだった場合、次にWindowsを最新の状態にアップデートしてPCを再起動します。レガシーBIOSからUEFIへの変更作業を行う前に、必ずWindowsを最新の状態にアップデートしてください。

古いバージョンのWindowsでは、MBR2GPTコマンドが使用できなかったり、UEFI環境への切り替え後に起動しない不具合が発生する場合があります。

Windowsアップデートを実行し、すべての更新プログラムをインストールしたら、必ずPCを再起動してクリーンな状態にしてください。

Windowsアップデートの詳しい手順は「【Windows11】Windowsアップデートを手動で実行する方法」で画像付きで解説しています。

ディスク形式を確認する(MBR/GPT)

次に、使用しているディスクの形式がMBRかGPTかを確認します。

UEFIで起動するにはディスク形式がGPTである必要があります。現在MBR形式の場合は、GPTに変換する必要があります。

MBR(マスターブートレコード)とGPT(GUIDパーティションテーブル)とは

MBRとGPTは、ハードディスクやSSDのパーティション情報を管理する方式です。
- MBR:古い方式。レガシーBIOSで使用。2TB以上のディスクに非対応。
- GPT:新しい方式。UEFIで使用。2TB以上のディスクに対応。

2020年以降のPCであれば、ほとんどの場合GPTになっています。
BIOSをUEFIで起動するには、ディスク形式がGPTである必要があります。

ディスクの管理画面からディスク形式を確認する

ディスク形式がMBRかGPTかは、Windowsの「ディスクの管理」から確認できます。

確認手順は以下のとおりです。

  1. ファイル名を指定して実行から「ディスクの管理」を開く
  2. 「ディスク0」を右クリックし「プロパティ」を選択
  3. 「ボリューム」タブをクリック
  4. 「パーティションのスタイル」欄を確認

所要時間は約1分です。それでは、実際の画面を見ながら詳しい手順を解説していきます。

STEP
ファイル名を指定し実行から「ディスクの管理」を開く

Windows+Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、「diskmgmt.msc」と入力してEnterを押してください。

ファイル名を指定して実行ダイアログにdiskmgmt.mscと入力してディスクの管理を開く画面
ファイル名を指定して実行から「ディスクの管理」を開く
STEP
「ディスク0」を右クリックし「プロパティ」を選択

Enterを押すと「ディスクの管理」と書かれた画面が表示されます。

その画面の左下にある「ディスク0」を右クリックし、メニューから「プロパティ」を選択してください。

ディスクの管理画面でディスク0を右クリックしてメニューからプロパティを選択する画面
ディスク0を右クリックして「プロパティ」を選択
STEP
「ボリューム」タブをクリック

「プロパティ」を選択するとディスクのプロパティ画面が表示されます。

その中にある「ボリューム」タブをクリックしてください。

ディスク0のプロパティ画面でボリュームタブをクリックする画面
「ボリューム」タブをクリック
STEP
「パーティションのスタイル」欄の末尾に(GPT)と記載があることを確認する

最後に「パーティションのスタイル」欄を確認してください。末尾に(GPT)と表示されていればディスク形式がGPTであることが確認できます。

GPTと表示されていた場合は「重要なデータをバックアップする(必須)」に進んでください。

GPTと表示されていない場合は、次の「MBRディスクをGPTに変換する」に進んでください。

ボリュームタブでパーティションのスタイル欄にGUIDパーティションテーブル(GPT)と表示されている画面
パーティションのスタイルでGPTを確認

MBRディスクをGPTに変換する

MBRディスクの場合は、Microsoftが提供している変換ツールを使うか、以下のコマンドでGPTに変換してください。1行目で検証を行い、エラーがないことを確認してから2行目で変換を実行します。

注意点

この作業を行うディスクは相当古いディスクであることが想定されます。必ず以下の点を守ってください。

作業に不安がある場合はPCに詳しい人と一緒に実施することをおすすめします。

mbr2gpt /validate /allowFullOS
mbr2gpt /convert /allowFullOS
  • /validate:変換可能かどうかを検証(データは変更されない)
  • /convert:実際にMBRからGPTへ変換を実行
  • /allowFullOS:Windows起動中に実行することを許可

処理が進行し、最終的に「Conversion completed successfully」と表示されたら変換は成功です。このメッセージを確認したら、PCを再起動してください。

重要なデータをバックアップする(必須)

レガシーBIOSからUEFIへの変更作業を行う前に、必ず重要なデータをバックアップしてください。BIOS設定の変更やディスク形式の変換に失敗すると、Windowsが起動しなくなる可能性があります。

外付けHDDやUSBメモリ、クラウドストレージなど、任意の方法で重要なファイルをバックアップしてから次の手順に進んでください。

BIOS起動方法をメーカーサイトで確認する(推奨)

BIOS設定画面の起動方法はPCメーカーや機種によって異なります。変更作業を始める前に、使用しているPCのBIOS起動方法をメーカーサイトで確認しておくことを推奨します。

一般的なBIOS起動キーは以下のとおりですが、機種によって異なる場合があります。

メーカー一般的な起動キーサポートページ
DellF2Dellサポート
HPF10 / EscHPサポート
LenovoF1 / F2Lenovoサポート
ASUSF2 / DelASUSサポート
MSIDelMSIサポート
主要メーカーのBIOS起動キー

レガシーBIOSからUEFIに変更する手順

準備が完了したら、実際にレガシーBIOSからUEFIに変更します。この手順では、BIOS設定画面での操作が必要です。

変更手順は以下のとおりです。

  1. PCを再起動してBIOS設定画面を起動する
  2. Boot ModeをLegacyからUEFIに変更する
  3. Secure Bootを有効化する
  4. 設定を保存して終了する
  5. Windowsが起動することを確認する

所要時間は約5分です。それでは、実際の画面を見ながら詳しい手順を解説していきます。

BIOS設定を間違えるとWindowsが起動しなくなる可能性があります。手順をよく確認しながら慎重に操作してください。不安な場合は、事前にバックアップを取ることを強く推奨します。

この記事で使用している画像はBIOS設定画面のイメージです。実際の画面はPCメーカーや機種によって異なります。

STEP
PCを再起動してBIOS設定画面を起動する

まずはPCを再起動して、BIOS設定画面を起動します。

BIOS設定画面の起動方法はPCメーカーによって異なりますが、一般的にはPC起動直後(メーカーロゴ表示中)に特定のキーを連打します。
BIOS起動方法をメーカーサイトで確認する(推奨)」で確認したメーカーの起動キー(Dell: F2、HP: F10、Lenovo: F1など)を、PC起動直後に連打してください。

タイミングがシビアな場合があるため、メーカーロゴが表示されたらすぐにキーを連打し始めることをおすすめします。

BIOS設定画面のメインメニュー。Main、Boot、Security、Advancedのタブが上部に表示され、システム情報が表示されている
BIOS設定画面のメインメニュー
STEP
矢印キーで「Boot」タブを選択してEnterキーを押す

BIOS設定画面が起動したら、キーボードの矢印キーを使って「Boot」タブを選択してEnterキーを押してください。

BIOS設定画面ではマウス操作はできないことがほとんどです。キーボードで操作してください。

BIOS設定画面の上部タブでBootタブが選択されハイライト表示されている画面
矢印キーで「Boot」タブを選択
STEP
「Boot Mode」をEnterキーで開いて「UEFI」を選択

「Boot」タブを開くと、「Boot Mode」という項目があります。

矢印キーで「Boot Mode」を選択してEnterキーを押すと、「UEFI」と「Legacy」の選択肢が表示されます。

その中にある「UEFI」を選択してEnterキーを押してください。

Boot設定画面でBoot ModeにUEFIとLegacyの選択肢が表示され、Legacyが選択されている状態からUEFIに変更する画面
Boot ModeでUEFIを選択
STEP
「Security」タブに移動し、「Secure Boot」を「Enabled」に変更

次に、キーボードの矢印キーを使って「Security」タブに移動し、「Secure Boot」という項目を「Enabled」に変更してください。

Security設定画面でSecure BootがEnabledに設定され、TPM DeviceがAvailableと表示されている画面
Secure BootをEnabledに設定
STEP
F10キー(Save&Exit)を押して「YES」を選択

すべての設定が完了したら、F10キー(Save&Exit)を押してください。

最後に「設定を保存しますか?」のようなメッセージが表示されたら「YES」を選択してください。これでBIOSモードがUEFIに切り替わります。

再度msinfo32でBIOSモードが「UEFI」に変わったことを確認してください。
BIOSモードの詳しい確認方法は「【Windows11】BIOSバージョンを確認する方法 - UEFI/レガシーBIOSの確認も解説」で画像付きで解説しています。

BIOS設定の保存確認ダイアログでSave configuration changes and exit?と表示され、YesとNoのボタンがありYesが選択されている画面
設定を保存して終了

レガシーBIOSモードからUEFIに変更する方法に関するよくある質問と答え

最後にレガシーBIOSモードからUEFIに変更する方法に関するよくある質問と答えをまとめました。

レガシーBIOSからUEFIに変更するとデータは消えますか?

通常、BIOS設定でBoot ModeをLegacyからUEFIに変更するだけでは、データは消えません。
ただし、ディスク形式をMBRからGPTに変換する際に失敗すると、データが失われる可能性があります。必ず事前にバックアップを取ってから作業してください。

Windows10からWindows11にアップグレードできないのはレガシーBIOSが原因ですか?

はい、レガシーBIOS(Legacy BIOS)が原因でWindows11へのアップグレードができない可能性は十分にあります。Windows11のシステム要件には、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とSecure Bootの有効化が含まれており、これがレガシーBIOS環境では満たされないことが多いです。

UEFIとレガシーBIOSの違いは何ですか?

UEFIは新しいファームウェア規格で、レガシーBIOSは古い規格です。UEFIは起動速度が速く、2TB以上のディスクに対応し、Secure Bootなどのセキュリティ機能を備えています。Windows11ではUEFIが必須要件となっています。

2010年以前の古いPCでもレガシーからUEFIに変更できますか?

できない場合があります。2010年以前のPCは、BIOSがそもそもUEFI非対応の可能性があります。2015年以降のPCであれば、ほとんどがUEFI対応BIOSを搭載しています。

MBRとGPTの違いは何ですか?

MBRとGPTは、ディスクのパーティション情報を管理する方式です。MBRは古い方式でレガシーBIOSで使用され、2TB以上のディスクに非対応です。GPTは新しい方式でUEFIで使用され、2TB以上のディスクに対応しています。UEFIで起動するにはGPT形式が必要です。

レガシーからUEFIに変更したらWindowsが起動しなくなりました

ディスク形式がMBRのままでUEFIに切り替えた可能性があります。BIOS設定画面を再度開き、Boot ModeをLegacyに戻してWindowsを起動してください。その後、MBR2GPTコマンドでディスクをGPTに変換してから、再度UEFIに切り替えてください。

Secure Bootを有効化する必要はありますか?

はい、Windows11ではSecure Bootの有効化が必須要件です。レガシーからUEFIに変更する際は、Boot ModeをUEFIに変更するだけでなく、Security設定でSecure BootもEnabledに設定してください。

MBR2GPTコマンドで「ディスクレイアウトの検証に失敗しました」と表示されます

BitLockerやデバイスの暗号化が有効になっている可能性があります。まずBitLockerを無効化してから、MBR2GPTコマンドを実行してください。それでも失敗する場合は、OSのクリーンインストールを推奨します。

レガシーからUEFIに変更後、再度レガシーに戻せますか?

BIOS設定で変更しただけであれば、いつでもレガシーに戻せます。ただし、MBRをGPTに変換した後は、GPTからMBRへの変換にはデータの完全消去が必要です。変更前に必ずバックアップを取ってください。

BIOS設定を間違えてPCが起動しなくなった場合の対処法は?

まずPCの電源を切り、BIOS設定画面を再度開いてください。変更した設定を元に戻すか、「Load Default Settings(初期設定に戻す)」を選択してください。それでも起動しない場合は、マザーボードのCMOSクリア(BIOS設定のリセット)を実行するか、PCメーカーのサポートに問い合わせてください。

PC初心者ですがこの手順は複雑そうです。実行すべきですか?

BIOS設定の変更は、手順を間違えるとWindowsが起動しなくなるリスクがあるため、PC初心者にはおすすめしません。
どうしても自分で実行する場合は、必ず重要なデータをバックアップし、手順を一つ一つ確認しながら慎重に進めてください。不安な場合は、PCメーカーのサポートや、PCに詳しい知人に相談することをおすすめします。また、PCショップの有料サポートサービスを利用するのも一つの方法です。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 24H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • 最終検証日:2025年10月8日
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この記事を書いた人

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社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

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