【Windows11】スクロールバーの幅を太くする方法

この記事では、Windows11のスクロールバーの幅を太く(広く)する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。

情報システム担当として、高解像度ディスプレイの普及やタッチ操作の増加に伴い「デフォルトのスクロールバーは細すぎて掴みにくい」という声を聞く機会は少なくありません。
Windows11の標準設定(アクセシビリティ)ではスクロールバーを常に表示させることはできますが、その幅(太さ)自体を変更する機能はありません。

この記事で紹介するレジストリ設定を行えば、スクロールバーの幅を自分好みの太さにカスタマイズし、操作性を向上させることができます。

これから紹介する手順は、Microsoftが公式に提供しているものではなく、レジストリを直接編集する方法です。Windowsのアップデートなどによって、この設定が元に戻ってしまったり、将来的に利用できなくなったりする可能性があります。
実行する際は、必ず事前にレジストリのバックアップを取った上で、自己責任でお願いいたします。
また、この設定は主にエクスプローラーや従来型(Win32)アプリに反映されます。
アプリが独自UI(例:一部のモダンアプリ、Electron/Chromiumベース)を使う場合は反映されないことがあります。

目次

Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法

Windows11のスクロールバーの幅を太くする具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 「ファイル名を指定して実行」からレジストリエディターを起動する
  2. レジストリ内のコンピューター\HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\WindowMetricsキーに移動する
  3. ScrollWidthの値を変更する
  4. PCを再起動して設定を反映させる

ここからは、上記手順を実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。
※手順自体が長いため、まずは一度最後まで全体をとおして読み、作業の流れをご確認いただくと、より安全かつスムーズに設定を進められます。

レジストリエディターはPCの管理者で使用する必要があります。
「自分が管理者かどうか分からない」「管理者として起動する方法が分からない」という方は、まず自分のアカウントが管理者権限を持っているか確認してください。

STEP
「ファイル名を指定して実行」からレジストリエディターを起動する

まずはレジストリエディターを開きます。

キーボードの Windows+Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、入力欄にregeditと入力して「OK」をクリックしてください。

「ファイル名を指定して実行」はコマンドで様々なアプリや設定画面を素早く開ける便利な機能です。利用できるコマンドの詳細は、別記事「ファイル名を指定して実行で使えるコマンド一覧 - Windows11」で解説しています。

Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step1:「ファイル名を指定して実行」からレジストリエディターを起動する
Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step1
STEP
「ユーザーアカウント制御」の画面が表示されたら「はい」をクリック

「OK」をクリック後、「ユーザーアカウント制御」の画面が表示されたら「はい」をクリックしてください。

また、今後このユーザーアカウント制御を非表示にしたい場合は、「Windows 11のユーザーアカウント制御(UAC)を設定・無効化する方法」を参考にしてください。

Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step2:「ユーザーアカウント制御」の画面が表示されたら「はい」をクリック
Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step2
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「HKEY_CURRENT_USER」をダブルクリックして展開

レジストリエディターが起動したら、左側のパネルにある「HKEY_CURRENT_USER」をダブルクリックして展開してください。

レジストリエディターの操作に慣れていない場合、マウスのみを使って操作することをおすすめします。キーボード操作で誤ってDeleteBack Spaceキーを押すとレジストリが破損する可能性があります。

Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step3:「HKEY_CURRENT_USER」をダブルクリックして展開
Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step3
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「Control Panel」を展開

「HKEY_CURRENT_USER」を展開したら、次は「Control Panel」を同様に展開してください。

Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step4:「Control Panel」を展開
Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step4
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「Desktop」を展開

次に、「Desktop」を展開してください。

Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step5:「Desktop」を展開
Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step5
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「WindowMetrics」をダブルクリック

次に、「WindowMetrics」をダブルクリックしてください。

Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step6:「WindowMetrics」をダブルクリック
Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step6
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「ScrollWidth」をダブルクリック

「WindowMetrics」をダブルクリックすると、ツリーメニューは展開されず、右側にレジストリキーの一覧が表示されます。

その中にある「ScrollWidth」がスクロールバーの幅、「ScrollHeight」がスクロールバーの高さを指定しています。

今回はスクロールバーの幅を広くするため、「ScrollWidth」をダブルクリックしてください。

Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step7:「ScrollWidth」をダブルクリック
Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step7
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「値のデータ(V)」の中にスクロールバーのサイズを入力して「OK」ボタンをクリック

「ScrollWidth」をダブルクリックすると、「文字列の編集」と書かれたウィンドウが立ち上がります。

「値のデータ(V)」の中に「-120」(狭い)から「-1500」(広い)の数値を入力してください。

絶対値が大きい程スクロールバーの幅が広く(太く)なります。

スクロールバーの幅の初期値は-255から-260程度で設定されています。
スクロールバーの幅を広くしたいからといって、極端に-1500を指定すると画面表示がずれてしまう可能性があります。
まずは-300から-400くらいで変化を確認することをおすすめします。

数値を入力したら「OK」ボタンをクリックしてください。

用途/体感 設定例(ScrollWidth)メモ
  • 初期値に近い:-255 付近(既定。細いと感じやすい)
  • やや太く:-300(まずはここから体感チェック)
  • 太めで掴みやすい:-350(高解像度ディスプレイでも使いやすい)
  • かなり太い:-450(視認性重視。ただし表示領域が減る)
Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step8:「値のデータ(V)」の中にスクロールバーのサイズを入力して「OK」ボタンをクリック
Windows11でスクロールバーの幅を太くする方法 Step8
STEP
PCを再起動してスクロールバーの幅が太くなったことを確認

最後にPCを再起動するか、サインアウト→再サインインしてスクロールバーの幅が太くなったことを確認してください。

スクロールバーの高さを調整したい場合はStep7に戻って「ScrollHeight」の値を同様に変更してください。

左側が初期状態のスクロールバーの太さ、右側がScrollWidth-350にした場合のスクロールバーの太さ
左側が初期状態、右側がScrollWidth-350

スクロールバーの幅の太さをデフォルト(初期値)に戻す方法

設定したスクロールバーの幅をWindows11の初期値に戻したい場合は、再度レジストリエディターを起動し、Step7までと同じ手順ScrollWidthの編集画面を開いてください。

「値のデータ(V)」の中に、初期値である-255を入力して「OK」をクリックしてください。ScrollHeightも同様に-255に戻します。

私の環境では初期値は-257でしたが、-2の差は気にならない程度の誤差です。

最後にPCを再起動するか、サインアウト→再サインインすると、スクロールバーの幅が元の太さに戻ります。

Window11でスクロールバーの幅の太さを変更する方法に関するよくある質問と答え

最後に、Window11でスクロールバーの幅の太さを変更する方法に関するよくある質問と答えをまとめました。

なぜWindows11のスクロールバーはこんなに細いのですか?

Microsoftが採用したFluent Designという設計思想に基づいているためです。
タッチ操作を優先し、見た目をすっきりさせるデザインの結果、マウス利用者には細すぎると感じられることがあります。

レジストリを編集せずに幅を太くする方法はありますか?

基本的に、Windows11の標準機能でスクロールバーの幅(太さ)を変更するには、レジストリを編集する方法しかありません。
しかし、スクロールバーを常に表示することで、スクロールバーが常にアクティブな状態になり、マウスを合わせる前からスクロールバーの位置を把握しやすくなります。

レジストリの編集作業は安全ですか?

レジストリはWindowsの動作に直結する設定領域です。操作を誤ると起動不能や不安定化を招く可能性があります。作業前に必ずバックアップを取得し、手順をよく確認のうえ自己責任で実施してください。
私自身も、レジストリ編集の際は細心の注意を払っています。

「ScrollWidth」のおすすめの設定値を教えてください。

初めて変更する場合は -300 をおすすめします。
標準より少し太くなるので掴みやすく、違和感が少ないからです。さらに見やすさを重視するなら -350 が人気の値です。

「ScrollWidth」の初期値はいくつですか?

Windows11のスクロールバーの幅を管理する「ScrollWidth」の初期値は、一般的に -255前後 です。
環境によっては-257など微妙に異なることがありますが、体感ではほぼ同じ細さです。

「ScrollWidth」を-1500に設定したらどうなりますか?

極端に大きい値(-1500など)を設定すると、画面レイアウトが崩れるなどの不具合が起こる可能性があります。おすすめは -300〜-400 の範囲での調整です。

「ScrollWidth」の値を変更しましたが、スクロールバーの太さが変わりません。

レジストリの変更をシステムに反映させるには、「OK」ボタンをクリックし、PCの再起動またはサインアウトして再サインインする作業が必須です。この操作を行ったか、再度ご確認ください。

すべてのアプリケーションでスクロールバーは太くなりますか?

いいえ。この設定はエクスプローラーやメモ帳などWindows標準のUIに準拠したアプリにのみ適用されます。独自のUIを持つアプリでは反映されません。

Windows Updateで設定が元に戻ることはありますか?

はい、特に大型の機能アップデートで個人設定が初期化され、元に戻ってしまう可能性があります。その際は再度設定を行ってください。

この設定はWindows10でも使えますか?

はい、Windows10でも同じレジストリキー (HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\WindowMetrics) を変更することで、スクロールバーの幅を調整可能です。

会社や学校のPCでレジストリを編集しても大丈夫ですか?

組織のポリシーによってはレジストリの編集が禁止されている場合があります。事前に情報システム部門やPC管理者に確認することをおすすめします。

レジストリのパスを簡単に見つける方法はありますか?

レジストリエディター上部のアドレスバーにHKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\WindowMetrics を直接コピー&ペーストしてEnterキーを押すと、一瞬で移動できます。

情シス担当として、スクロールバーの幅を太くすることを依頼されることはありますか?

はい、「スクロールバーが細くて使いにくい」という相談は、Windows11移行後の典型的な問い合わせの一つです。Window10のサポートが終了する今だからこそ覚えておいてほしい手順です。

スクロールバーを太くすると、マウスホイールのスクロール量も変わりますか?

スクロールバーの幅は「見た目」に関する表示設定であり、マウスホイールのスクロール量は「動作」に関する入力設定です。両者は完全に独立しています。マウスホイールで一度にスクロールする行数を変更したい場合は「マウスの速度とスクロールする量を変更する方法」を参考にしてください。

万が一、レジストリを誤って修正・削除してしまったら、どうすればいいですか?

絶対に再起動をせずに即作業を中断してください。※レジストリは再起動後に反映される場合が殆どです。
この記事の冒頭で推奨しているバックアップから復元するのが、最も安全で確実な方法です。
今回のScrollWidthの値だけを間違えたのであれば、初期値の-255に修正すれば問題ありません。
しかし、別のキーを消してしまった場合などは、安易に触らず上記の方法で復旧してください。だからこそ、作業前のバックアップが非常に重要になります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
環境によって結果が異なる場合がありますので、参考のうえご利用ください。

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※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 24H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • 最終検証日:2025年9月2日
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