【Windows11】Windows Updateの自動更新を停止・無効化する方法

この記事では、Windows11のWindows Updateの自動更新を一時停止・完全無効化する方法を、セキュリティリスクや注意点も含めて解説します。

Windows Updateは、セキュリティパッチや機能追加のために重要ですが、作業中に強制的に再起動されたり、不具合のある更新プログラムが配信されたりすることがあります。特に企業環境では、検証前の更新プログラムが自動適用されることで業務に支障が出るケースも少なくありません。情報システム部門への問い合わせでも、「Windowsの自動更新を一時的に止めたい」という要望は非常に多く寄せられます。

Windows11では、Windows Updateを停止する方法として「一時停止(7日間~35日間)」と「完全無効化(Windowsサービス停止)」の2つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、セキュリティリスクも異なるため、目的に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

目次

Windows Updateを停止・無効化するメリットとデメリット

Windows Updateの停止や無効化には、作業効率の向上というメリットがある一方で、セキュリティリスクも伴います。Windows11で自動更新を止める前に、以下のメリットとデメリットを正しく理解してください。

Windows Update停止の主なメリット
  1. 再起動の強制を回避し、重要な作業を中断されずに済む
  2. 更新プログラムの自動ダウンロードが停止し、ディスク容量を節約できる
  3. バックグラウンド処理が減り、システムの動作が軽量化される
  4. 検証環境やテスト環境で意図しないアップデートを防げる
  5. 不具合が報告されている更新プログラムの適用を回避できる
Windows Update停止のデメリット(リスク)
  1. セキュリティパッチが自動適用されず、脆弱性が放置される危険性がある
  2. Windows11の新機能追加やバグ修正が受けられなくなる
  3. Microsoftの公式サポート対象外になる可能性がある
  4. 企業環境ではセキュリティポリシーやコンプライアンス違反のリスクがある
  5. 長期間停止すると、再開時に大量の更新プログラムが一斉に適用される

Windows Updateを完全に止めることは、セキュリティ上のリスクが非常に高いため推奨されません。一時的な作業や検証が目的なら「一時停止(7日間~35日間)」を選び、完全無効化は検証専用端末やオフライン環境など、限られた状況でのみ実施することをおすすめします。

Windows Updateの一時停止(7日間~35日間)

Windows11では、設定アプリから簡単にWindowsの自動更新を一時停止できます。一時停止は最短1週間(7日間)から最長5週間(35日間)まで選択可能で、期間終了後は自動的に更新が再開されます。

特に35日間の一時停止は、不具合のある更新プログラムが配信された場合でも、その間にMicrosoftが修正パッチをリリースする可能性が高いためおすすめです。重要な作業中や検証作業の前に、再起動の強制を避けたい場合にも便利です。

一時停止の手順は以下の通りです。

  1. 設定アプリを開く(Windowsキー → 「設定」)
  2. 「Windows Update」をクリック
  3. 「更新の一時停止」から期間を選択(1週間・2週間・3週間・4週間・5週間)

それでは、各手順を実際の画像と共に詳しく解説していきます。

STEP
キーボードのWindowsキーを押し、歯車のアイコンの「設定」をクリック

キーボードのWindowsキーを押すか、タスクバーにあるWindowsロゴをクリックしてください。

キーボードのWindowsキーを押すとスタートメニューが表示されます。

メニュー内にある歯車アイコンの「設定」をクリックしてください。

Windows11のスタートメニューから設定アプリを開く画面。歯車アイコンの設定ボタンが強調表示されている
Windows Updateの一時停止 手順1:スタートメニューから「設定」をクリック
STEP
「Windows Update」をクリック

「設定」をクリックすると、「ホーム」と大きく書かれたWindowsの設定アプリが開きます。

キーボードのWindowsキー+Iキーを押すことでも、Windowsの設定アプリを開けます。
また、Windowsの設定アプリを開くショートカットをデスクトップに作成すると便利です。

左側のメニュー一覧から「Windows Update」をクリックしてください。

Windows11の設定アプリのホーム画面。左側メニューに「Windows Update」項目が表示されている
Windows Updateの一時停止 手順2:左側の「Windows Update」をクリック
STEP
「更新の一時停止」の右側から一時停止する期間を選択

「Windows Update」をクリックするとWindows Updateの設定画面に移動します。

この画面は、Windows+Rを押して「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開き、その中にms-settings:windowsupdateと入力してEnterを押すことで直接開けます。
その他「ファイル名を指定して実行」で使用できるコマンドは「ファイル名を指定して実行で使えるコマンド一覧 - Windows 11」で詳しく解説しています。

「更新の一時停止」欄にある右側のプルダウンメニューを開き、一時停止する期間を選択してください。

Windows11のWindows Update設定画面。「更新の一時停止」プルダウンメニューで1週間から5週間までの期間を選択できる画面
Windows Updateの一時停止 手順3:「更新の一時停止」から期間を選択
STEP
Windows Updateが一時停止されたことを確認する

期間を選択するとWindows Updateが一時停止され「更新プログラムは、XXXX/XX/XXまで一時停止しています」と表示されます。

Windows Updateを再開したい場合は「更新の再開」ボタンをクリックしてください。

Windows Updateの一時停止が完了した画面。「更新プログラムは、○年○月○日まで一時停止しています」と表示されている
Windows Updateの一時停止 手順4:一時停止が完了したことを確認

Windows Updateの完全無効化(Windowsサービス停止)

Windows Updateを完全に無効化するには、Windowsサービスの「Windows Update」を停止します。この方法は一時停止と異なり、手動で再開するまで更新プログラムが適用されなくなります。

ただし、Windows11では設定が無視されて強制的にアップデートがかかる可能性があります。また、一度Windows Updateを実行すると、サービスが自動的に再起動され、設定が元に戻ってしまう場合もあるため注意が必要です。

セキュリティリスクが非常に高いため、検証専用端末やオフライン環境など、用途が限定された環境でのみ実施してください。通常の環境では、システムへの影響が最小限で済む「一時停止(35日間)」の使用を強くおすすめします。

完全無効化の手順は以下の通りです。

  • 「ファイル名を指定して実行」(WindowsR)でservices.mscを実行
  • 「Windows Update」サービスをダブルクリック
  • 「スタートアップの種類」を「無効」に変更
  • 「OK」をクリックして設定を保存

それでは、各手順を実際の画像と共に詳しく解説していきます。

STEP
「ファイル名を指定して実行」で「services.msc」を実行

Windows」キー+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開いてください。

入力欄にservices.msc」と入力し、Enterキーを押してください。

その他「ファイル名を指定して実行」で使用できるコマンドは「ファイル名を指定して実行で使えるコマンド一覧 - Windows 11」で詳しく解説しています。

ファイル名を指定して実行ウィンドウに「services.msc」と入力している画面
Windows Updateの完全無効化 手順1:「services.msc」を実行
STEP
「Windows Update」をダブルクリックする

Enterキーを押すと「サービス」と書かれた画面が表示されます。

「サービス」はコントロールパネルを開き、「システムとセキュリティ」→「Windows ツール」→「サービス」の順にクリックしても開けます。

表示されたリストの中から「Windows Update」を探し、ダブルクリックしてください。

Windowsのサービス管理画面。一覧から「Windows Update」サービスを選択している画面
Windows Updateの完全無効化 手順2:「Windows Update」をダブルクリック
STEP
「スタートアップの種類(E)」を「無効」にして「OK」をクリック

「Windows Update」をダブルクリックすると「Windows Updateのプロパティ」と書かれた画面が表示されます。

「スタートアップの種類(E)」を「無効」にし、最後に「OK」ボタンをクリックして確定させてください。

「適用はクリックしなくていいの?」と思った方は「OKボタンと適用ボタンの違いについて」をご覧ください。

Windows Updateのプロパティ画面。「スタートアップの種類」を「無効」に変更している画面
Windows Updateの完全無効化 手順3:「スタートアップの種類」を「無効」に変更
STEP
「Windows Update」の「スタートアップの種類」が「無効」になったことを確認

「OK」ボタンをクリックすると「Windows Updateのプロパティ」と書かれた画面が閉じられ、「サービス」と書かれた画面に戻ります。

最後に、一覧画面で「Windows Update」の「スタートアップの種類」が「無効」に変わっていることを確認してください。

これで手動でWindows Updateを開始しない限り更新プログラムが適用されなくなります。

サービス管理画面でWindows Updateの「スタートアップの種類」が「無効」になっている状態を確認している画面
Windows Updateの完全無効化 手順4:無効化されたことを確認

Windows Update停止に関するよくある質問と答え

最後に、Windows Update停止に関するよくある質問と答えをまとめました。

Windows Updateを停止すると危険ですか?

一時停止(最大35日間)は、通常利用であれば比較的リスクを抑えつつ様子見ができる設定です。ただし、完全無効化は非常に危険です。
一時停止中は新しいセキュリティパッチが適用されないため、35日間を超えて停止し続けるのは避けてください。不具合のある更新プログラムを避けたい場合でも35日間あればMicrosoftが修正パッチをリリースする可能性が高いため、一時停止は有効な選択肢です。

一時停止の期間は延長できますか?

はい、できます。期間終了前に再度「更新の一時停止」から選択すれば延長可能です。

Windows Updateを停止しても自動再起動されませんか?

一時停止中は、Windows Updateによる自動再起動は発生しません。ただし期間終了後は自動的に更新が再開され、再起動が求められます。
再起動のタイミングをコントロールしたい場合は、「Windowsアップデート後にPCを再起動させない方法」で解説している「アクティブ時間」の設定も併用してください。

企業のPCでWindows Updateを停止しても問題ない?

IT部門に必ず確認してください。多くの企業ではセキュリティポリシー上、完全無効化は禁止されています。一時停止も検証作業など限定的な状況でのみ許可される場合が多いです。

グループポリシーで管理されている場合は使えない?

基本的には使えません。企業のドメイン環境でグループポリシー管理されている場合、個別PCでの設定変更は上書きされます。企業PCの場合は必ずIT部門に相談してください。

Windowsの自動更新を止めるとOfficeやドライバーも更新されない?

はい、されません。Windowsの自動更新を停止すると、Microsoft Office、デバイスドライバー、.NET Frameworkなどの更新も停止されます。

一時停止と完全無効化、どちらを選ぶべき?

一時停止(35日間)を強く推奨します。完全無効化はセキュリティリスクが非常に高く、設定が勝手に戻る可能性もあります。検証専用端末やオフライン環境以外では使わないでください。

特定の更新プログラムだけ止めることはできる?

いいえ、Windows11の標準機能ではできません。すべて停止するか、すべて適用するかの二択です。
特定の更新プログラムを削除したい場合は「【Windows11】更新プログラムをアンインストール方法」をご覧ください。

品質更新と機能更新の両方が止まる?

はい、両方止まります。一時停止も完全無効化も、品質更新プログラム(月次パッチ)と機能更新プログラム(年次大型アップデート)の両方が停止されます。

PowerShellでWindows Updateを止める方法は?

PowerShellを管理者権限で開きSet-Service -Name wuauserv -StartupType Disabled」を実行すればWindows Updateサービスを無効化できます。再開は「Set-Service -Name wuauserv -StartupType Automatic」です。ただし完全無効化と同じリスクがあります。

一時停止期間が終わると自動で更新が始まる?

はい、自動的に再開され、更新プログラムがダウンロード・インストールされます。

一時停止中なのに更新がダウンロードされるのはなぜ?

一時停止を有効にすると、通常の更新プログラムのダウンロードとインストールの両方が停止します。ただし、Microsoft Defender など一部のセキュリティ関連は例外的に更新されることがあり、まれに重要なセキュリティ更新が優先的に適用される場合もあります。

Windows Updateを長期間止め続けるとどうなる?

セキュリティリスクが著しく高まります。マルウェア感染、ランサムウェア攻撃、個人情報漏洩の危険性が増大します。新しいアプリやハードウェアとの互換性問題も発生する可能性があります。検証作業が終わったら速やかに再開してください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 25H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • 最終検証日:2025年11月20日
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この記事を書いた人

情シスの自由帳管理人のアバター 情シスの自由帳管理人 情シスの自由帳管理人

社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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