「マクロの実行がブロックされました」とエクセルに表示された場合の対処法

インターネット上にあるエクセルの雛形や申請様式には、ファイル内にマクロが入っており、ダウンロードして開くと「セキュリティリスク このファイルのソースが信頼できないため、Microsoftによりマクロの実行がブロックされました。」と表示され、エクセルファイルが正常に機能しない場合があります。

マクロは非常に便利ですが、一方で悪意を持ってパソコンを攻撃する手段にもなります。
Microsoftはセキュリティの観点から、インターネット経由（メールの添付ファイル、Webサイトからのダウンロード、OneDriveやGoogleDriveからダウンロード等）で入手したファイルの中に入っているマクロを自動でブロックし、「セキュリティリスク このファイルのソースが信頼できないため、Microsoftによりマクロの実行がブロックされました。」とメッセージを出すようになりました。

インターネット経由で入手したファイルのマクロを有効にするには大きく分けて３通りの方法があります。

マクロを許可したいエクセルファイルのプロパティ画面からマクロを許可する

メールで１個のマクロ付きエクセルファイルが送られてきた場合や、たまたまダウンロードしたエクセルファイルにマクロが入っている場合などはこの方法で十分です。

ダウンロード元のサイトを信頼済みサイトに追加する

特定のサイトから頻繁にマクロ付きのエクセルファイルをダウンロードする場合や、会社のファイルサーバー内にあるエクセルファイル全てのマクロを有効にしたい場合などに有効な手順です。

信頼できる場所（フォルダー）を指定する

常日頃色々なところからマクロ付きエクセルファイルを入手する場合に有効です。

この記事では、インターネット経由で入手したファイルのマクロを有効にする方法を詳しく解説していきます。

１つのファイルのマクロのブロックを解除する方法

１つのファイルのマクロのブロックを解除するには以下の手順で行います。

1. マクロのブロックを解除したいエクセルファイルを閉じる
2. マクロのブロックを解除したいエクセルファイルを右クリックして[プロパティ]をクリック
3. [許可する]にチェックを入れて[OK]をクリック
4. エクセルファイルのマクロのブロックが解除されていることを確認する

マクロのブロックを解除するファイルが多い場合や、頻繁にインターネット経由でマクロ付きのファイルを入手する場合はこの操作は不向きです。

ここからは、「セキュリティリスク このファイルのソースが信頼できないため、Microsoftによりマクロの実行がブロックされました。」と表示されたファイルのマクロのブロックを解除する方法を詳しく解説していきます。

STEP

マクロのブロックを解除したいエクセルファイルを閉じる

まずはマクロのブロックを解除したいエクセルファイルを[✕]で閉じてください。

STEP

マクロのブロックを解除したいエクセルファイルを右クリックして[プロパティ]をクリック

マクロのブロックを解除したいエクセルファイルを閉じたら、次はそのエクセルファイルを右クリックしてください。

エクセルファイルを右クリックすると下に向かってメニューが展開されます。

その中にある[プロパティ]をクリックしてください。

Windows11では、ファイルやフォルダーを右クリックした時に表示されるメニューが簡素化されてスッキリしました。
Windows11の右クリックメニューを以前（Windows10より前）の状態に戻したい場合はこちらの「Windows11の右クリックメニューを以前の形に戻す方法」を是非ご覧ください。

STEP

[許可する]にチェックを入れて[OK]をクリック

[プロパティ]をクリックすると、エクセルファイルのプロパティウィンドウが立ち上がります。

「全般」タブの一番下にある[許可する(K)]にチェックを入れ、[OK]をクリックしてください。

[許可する(K)]にチェックを入れることで、例外的にこのファイルのマクロを許可します。

「適用はクリックしなくていいの？」と思ったかたはこちらの「OKボタンと適用ボタンの違いについて」を是非ご覧ください。

STEP

エクセルファイルのマクロのブロックが解除されていることを確認する

[OK]をクリックするとプロパティウィンドウが閉じられるので、再度マクロのブロックを解除したいエクセルファイルを開き、マクロのブロックが解除されていることを確認してください。

特定のWebサイトからダウンロードしたファイルのマクロを常に許可する

次に、特定のWebサイトを信頼済みサイトに登録し、ダウンロードしたエクセルファイルのマクロを常に許可するための設定です。

マクロ付きのファイルをダウンロードするWebサイトを「信頼済み」に登録しておくことで、マクロがブロックされないようにします。

この設定は、特定のWebサイトから頻繁にマクロが入ったエクセルファイルをダウンロードする場合に有効です。
例）厚生労働省のWebサイト公開されているツール様式（時間外・休日労働、就業規則共通　一括届出事業場一覧）.xlsmなどの雛形を頻繁に使う場合

特定のWebサイトからダウンロードしたファイルのマクロを常に許可するには以下の手順で行います。

1. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウから「インターネットのプロパティ」を開く
2. 「インターネットのプロパティ」ウィンドウにある[セキュリティ]タブをクリック
3. [信頼済みサイト]→[サイト(S)]をクリック
4. ファイルを頻繁にダウンロードするWebサイトのURLを入力して[追加]をクリック
5. 追加したWebサイトが信頼済みサイトに含まれていることを確認する

ここからは、実際の画面も用いながら特定のWebサイトからダウンロードしたファイルのマクロを常に許可する方法を詳しく解説していきます。

STEP

「ファイル名を指定して実行」ウィンドウから「インターネットのプロパティ」を開く

キーボードのWindowsキー＋Rを押して「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを起動してください。

次に「ファイル名を指定して実行」ウィンドウの中にinetcpl.cplと入力してEnterを押してください。

「ファイル名を指定して実行」はコマンドを使用してアプリケーションの起動や、設定画面を簡単に開くことができる非常に便利な機能です。
「ファイル名を指定して実行」で使えるコマンドはこちらの「ファイル名を指定して実行で使えるコマンド一覧 - Windows11」で詳しく解説しているので、興味がある人は是非ご覧ください。

STEP

「インターネットのプロパティ」ウィンドウにある[セキュリティ]タブをクリック

「ファイル名を指定して実行」ウィンドウの中にinetcpl.cplと入力してEnterを押すと「インターネットのプロパティ」と書かれたウィンドウが開きます。

その中にある[セキュリティ]タブをクリックしてください。

STEP

[信頼済みサイト]→[サイト(S)]をクリック

[セキュリティ]タブをクリックすると「セキュリティ設定を表示または変更するゾーンを選択してください。」と表示されます。

その中にある[信頼済みサイト]をクリックし、[サイト(S)]をクリックしてください。

STEP

ファイルを頻繁にダウンロードするWebサイトのURLを入力して[追加]をクリック

[サイト(S)]をクリックすると、「このゾーンのWebサイトの追加と削除ができます。このゾーンのWebサイトすべてに、ゾーンのセキュリティ設定が適用されます。」と表示された画面に移動します。

その中にマクロが入ったファイルを頻繁にダウンロードするWebサイトのURLを入力し、[追加(A)]をクリックしてください。

WebサイトのURL以外にもファイルサーバをIPアドレスで指定することもできます。
ファイルサーバを指定する場合はfile://XXX.XXX.XXX.XXXと指定してください。

URLがhttps://から始まっていないサイト（場所）を追加する場合は、「このゾーンのサイトにはすべてサーバーの確認（https:）を必要とする(S)」のチェックを外してください。

STEP

追加したWebサイトが信頼済みサイトに含まれていることを確認する

[追加(A)]をクリックすると、入力したWebサイトのURLが「Webサイト(W):」と書かれた枠の中に表示されます。

これで次回以降、このWebサイトからダウンロードしたエクセルファイルのマクロはブロックされなくなります。

指定のフォルダーに保存した全てのファイルのマクロを常に許可する

次に、指定のフォルダーに保存したエクセルファイルのマクロを全て常に許可する方法です。

例えば、ダウンロードフォルダーを指定した場合、ダウンロードフォルダーに保存されたエクセルファイルのマクロは全て許可されるようになります。

指定したフォルダーを「信頼できるフォルダー」として登録することで、マクロのブロックを常に解除します。
マクロのブロックを解除したいエクセルファイルが多数ある場合に有効な設定です。

指定のフォルダーに保存した全てのファイルのマクロを常に許可するには以下の手順で行います。

1. エクセルの左上にある[ファイル]をクリック
2. [その他]→[オプション]をクリック
3. 「Excelのオプション」ウィンドウで[トラストセンター]をクリック
4. [トラストセンターの設定(T)]をクリック
5. [信頼できる場所]→[新しい場所の追加(A)]をクリック
6. [参照(B)]をクリックして信頼できる場所（フォルダー）を指定する
7. 「信頼できる場所（フォルダー）」として指定するフォルダーを選択し[OK]をクリック
8. [サブフォルダーも信頼する]にチェックを入れて[OK]をクリック
9. 「信頼できる場所」に指定したフォルダーが「トラストセンター」に表示されていることを確認して[OK]をクリック

ここからは、実際の画面も用いながら、指定のフォルダーに保存した全てのファイルのマクロを常に許可する方法を詳しく解説していきます。

STEP

エクセルの左上にある[ファイル]をクリック

エクセルを起動し、左上にある[ファイル]をクリックしてください。

立ち上げるエクセルは空のファイルでも問題ありません。

STEP

[その他]→[オプション]をクリック

[ファイル]をクリックすると、エクセルのホーム画面が開きます。

その中の左側にある[その他]をクリックし、次に[オプション]をクリックしてください。

STEP

「Excelのオプション」ウィンドウで[トラストセンター]をクリック

[オプション]をクリックすると「Excelのオプション」と表示されたウィンドウが立ち上がります。

その中の左側メニューにある[トラストセンター]をクリックしてください。

STEP

[トラストセンターの設定(T)]をクリック

[トラストセンター]をクリックすると「ドキュメントを安全に守り、コンピューターを正常で安全な状態に保ちます。」と書かれた画面に移動します。

その中にある[トラストセンターの設定(T)]をクリックしてください。

STEP

[信頼できる場所]→[新しい場所の追加(A)]をクリック

[トラストセンターの設定(T)]をクリックすると「トラストセンター」と書かれたウィンドウが立ち上がります。

左側のメニューにある[信頼できる場所]をクリックし、その中にある[新しい場所の追加(A)]をクリックしてください。

STEP

[参照(B)]をクリックして信頼できる場所（フォルダー）を指定する

[新しい場所の追加(A)]をクリックすると「Microsoft Officeの信頼できる場所」と書かれたウィンドウが立ち上がります。

その中にある[参照(B)]をクリックして信頼できる場所（フォルダー）を指定していきます。

STEP

「信頼できる場所（フォルダー）」として指定するフォルダーを選択し[OK]をクリック

[参照(B)]をクリックをクリックすると、参照ウィンドウが立ち上がります。

そこで「信頼できる場所（フォルダー）」として指定するフォルダーを選択して[OK]をクリックしてください。
※ここでは例としてダウンロードフォルダーを指定しています。

「信頼できる場所（フォルダー）」の中に保存されたエクセルは、インターネット経由で入手したファイルであっても常にマクロが有効になります。

STEP

[サブフォルダーも信頼する]にチェックを入れて[OK]をクリック

[OK]をクリックすると「Microsoft Officeの信頼できる場所」と書かれたウィンドウに戻ります。

「パス(P):」に指定したフォルダーが表示されていることを確認し、[この場所のサブフォルダーも信頼する(S)]にチェックを入れてください。

[この場所のサブフォルダーも信頼する(S)]にチェックを入れることで、ダウンロード内にあるフォルダーの中にあるエクセルのマクロも常に有効になります。

最後に右下にある[OK]をクリックしてください。

STEP

「信頼できる場所」に指定したフォルダーが「トラストセンター」に表示されていることを確認して[OK]をクリック

[OK]をクリックすると「トラストセンター」と書かれたウィンドウに戻ります。

「信頼できる場所」の中に追加したフォルダー（ここではダウンロード）があることを確認し、[OK]をクリックしてください。

これで今後ダウンロードフォルダー内に保存したエクセルファイルのマクロは、インターネット経由で入手した場合でも常に有効になります。

よくある質問

マクロがブロックされたと表示された場合、まず何をすればよいですか？

まずは、ファイルのソースが信頼できるかどうか確認してください。信頼できる場合は、ファイルを右クリックし、[プロパティ] を選択して、[ブロックの解除] ボタンをクリックしてください。その後、ファイルを再度開いてマクロを有効にしてください。

「ブロックの解除」ボタンが表示されない場合はどうすればいいですか？

「ブロックの解除」ボタンが表示されない場合、Excelの設定からマクロのセキュリティレベルを変更する必要があります。Excelを開き、[ファイル] > [オプション] > [セキュリティセンター] > [セキュリティセンターの設定] に移動し、[マクロの設定] で適切なオプションを選択してください。

グループポリシーを使ってマクロを有効にする方法は？

組織での一括管理には、グループポリシーを使用してマクロの設定を管理することができます。1.グループポリシー管理コンソールを開く。2.「ユーザーの構成」 > 「管理用テンプレート」 > 「Microsoft Excel」 > 「Excelオプション」 > 「セキュリティ」 > 「マクロ設定」に移動。3.適切なポリシー（例：署名付きマクロのみを許可）を設定

マクロのセキュリティ設定を変更するときに注意すべき点は何ですか？

1.安易に「全てのマクロを有効にする」設定にしない。2.マクロの実行が必要な場合のみ設定を変更する。3.変更後は、設定を元に戻すことを忘れない。4.信頼できる発行者からのマクロのみを許可する。

マクロがブロックされる原因は何ですか？

マクロがブロックされる主な原因は、セキュリティ設定によってマクロの実行が制限されていることです。これは、マクロが悪意のあるコードを含む可能性があるため、Excelが自動的にマクロを無効化してユーザーを保護するための措置です。特に、インターネットからダウンロードしたファイルや信頼できないソースからのファイルでは、このようなブロックが発生することが多いです。

マクロが悪意のあるものであるか確認する方法はありますか？

マクロが悪意のあるものでないか確認するには、ウイルス対策ソフトでファイルをスキャンします。また、マクロの内容を確認し、不審なコードや意図しない動作がないかチェックします。発行者が信頼できるか、デジタル署名があるかも確認し、疑わしい場合は実行を避けます。

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