Microsoft Edgeでファイルがダウンロードできない原因と対処法

Microsoft Edgeで「安全にダウンロードすることはできません」というエラーメッセージに困った経験はありませんか?
一見厄介な仕様に思えますが、実はブラウザが安全性を確保するために設けた重要な仕組みです。

「ファイルを安全にダウンロードすることができません」- Microsoft Edge
「ファイルを安全にダウンロードすることができません」- Microsoft Edge

これは、安全性が確認しにくいウェブサイト(httpsに対応していないサイト)や特定のファイル形式(例:.exeや.zip)をMicrosoft Edgeがリスクとして判断してしまうために起こります。
さらに、多くのユーザーから問題が報告されるファイル形式では、この制限が特に強化されています。

この記事では、こうした問題がなぜ起こるのかを分かりやすく解説します。
また、それらのファイルをダウンロードするために必要な設定変更を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。

ファイルのダウンロードは正常に終了しているものの、保存場所がわからない場合は、こちらのMicrosoft Edgeでダウンロードしたファイルの保存先の確認と変更方法をご参照ください。

目次

Microsoft Edgeでファイルダウンロード時にエラーメッセージが出る原因

Microsoft Edgeは、マルウェアなど、危険なファイルのダウンロードを防ぐために、セキュリティ機能を備えています。

以下のような状況で、ダウンロードしようとしているファイルが安全と判断できない場合、エラーメッセージが表示されます。

HTTP接続を使ったサイト

Microsoft Edgeは、暗号化されていないHTTP接続を危険だと判断する場合があります。

HTTP (HyperText Transfer Protocol)
HTTP(URLがhttp://から始まるサイト)は、データを暗号化せずに送受信する通信方式です。
このため、通信内容が第三者に盗聴されるリスクがあります。
また、中間者攻撃(通信内容が途中で改ざんされる攻撃)が発生する可能性も高いです。

HTTPS (HyperText Transfer Protocol Secure)
HTTPS(URLがhttps://から始まるサイト)は、通信内容を暗号化することでセキュリティを強化した方式です。
この方式では、通信内容が盗聴や改ざんされるリスクが大幅に低下します。
また、Webサイトの認証も行われるため、信頼性のあるサイトであることが確認できます。

Microsoft Edgeを含む多くのブラウザはHTTP通信を使ったサイトからのダウンロードに警告を出す傾向があります。

ファイルの拡張子

ダウンロードしようとしているファイルの拡張子も、Microsoft Edgeが警告を表示する大きな要因です。特定の拡張子はリスクが高いと判断されるため、注意が必要です。

  • 実行ファイル (.exe, .msiなど)
    実行可能ファイルは、システムに直接影響を与える可能性があるため、特に警戒されます。
    一度実行すると、ウイルス感染やシステムの動作に悪影響を与えるリスクがあります。
  • アーカイブファイル (.zip, .rarなど)
    圧縮ファイルは、その中にどのようなデータが含まれているか外からは分かりません。
    解凍後に悪意のあるファイルが含まれているケースもあるため、注意が必要です。
  • ドキュメントファイル (.pdfなど)
    最近では、PDFファイルにスクリプトを埋め込み、実行時に不正な動作を行うケースも報告されています。
    これにより、見た目が安全なファイルでもリスクが潜んでいる可能性があります。

その他、Microsoft Edgeが「リスクがある」と判断しているファイルの拡張子については、Microsoft Edgeのヘルプページに記載されています。

Microsoft Edgeでファイルをダウンロードするための解決策

では、どうすればこの問題を解決し、安全にファイルをダウンロードできるようになるのでしょうか?
以下に具体的な手順をご紹介します。

ファイルをダウンロードしようとしているサイトが公式サイトや信頼できるサイトであることを確認してください。
不審なサイトからのダウンロードは避けましょう。
Norton Safe Webなどを活用することで、サイトの安全性を確認できます。

Microsoft Edgeで一時的にファイルのダウンロードを許可する

まずは、一時的にそのサイトからファイルのダウンロードを許可する方法から解説していきます。

Microsoft Edgeのセキュリティ警告(安全にダウンロードできません)が表示された場合でも、ファイルが安全であることを確認したうえで、以下の手順を試してください。

すぐにファイルをダウンロードしたい場合に役立ちます。

STEP
表示される警告メッセージの右側にある[…](三点リーダ)をクリック

ダウンロードリンクをクリックし、表示された警告メッセージ(安全にダウンロードできません)の右側にある[…](三点リーダ)をクリックしてください。

[…](三点リーダ)などの、よく見かけるけど読み方のわからない記号はこちらで色々ご紹介しています。興味のある方はぜひご覧ください。

一時的にファイルのダウンロードを許可する
一時的にファイルのダウンロードを許可する
STEP
[保存]をクリックしてダウンロード

警告メッセージ(安全にダウンロードできません)の右側にある[…](三点リーダ)をクリックすると、下に向かってメニューが展開されます。

その中にある[保存]をクリックしてください。

これで必要なファイルをダウンロードすることができます。

一時的にファイルのダウンロードを許可する
一時的にファイルのダウンロードを許可する

Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す

Microsoft Edgeのセキュリティ設定を変更することで、特定のサイトからのダウンロードで警告が表示されなくなり、スムーズにダウンロードすることができるようになります。

STEP
Microsoft Edgeの右上にある[…](三点リーダ)→[設定]をクリック

Microsoft Edgeを起動し、右上にある[…](三点リーダ)をクリックしてください。

[…](三点リーダ)をクリックすると、下に向かってメニューが展開されます。

その中にある[設定]をクリックしてください。

[…](三点リーダ)などの、よく見かけるけど読み方のわからない記号はこちらで色々ご紹介しています。興味のある方はぜひご覧ください。

Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step1 Microsoft Edgeの右上にある[…](三点リーダ)→[設定]をクリック
Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step1 Microsoft Edgeの右上にある[…](三点リーダ)→[設定]をクリック
STEP
[Cookieとサイトのアクセス許可]をクリック

[設定]をクリックすると、左上に「設定」と大きく書かれたMicrosoft Edgeの設定画面が開きます。

その中にある[Cookieとサイトのアクセス許可]をクリックしてください。

Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step2 [Cookieとサイトのアクセス許可]をクリック
Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step2 [Cookieとサイトのアクセス許可]をクリック
STEP
[セキュリティで保護されていないコンテンツ]をクリック

次に、[セキュリティで保護されていないコンテンツ]をクリックしてください。

Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step3 [セキュリティで保護されていないコンテンツ]をクリック
Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step3 [セキュリティで保護されていないコンテンツ]をクリック
STEP
[追加]をクリック

[セキュリティで保護されていないコンテンツ]をクリックすると、「サイトのアクセス許可 / セキュリティで保護されていないコンテンツ」と大きく書かれた画面に移動します。

その中にある[追加]をクリックしてください。

Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step4 [追加]をクリック
Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step4 [追加]をクリック
STEP
ダウンロードを許可したいサイトのURLを正しく入力し、[追加]をクリック

[追加]をクリックすると「サイトの追加」と書かれたウィンドウがポップアップします。

その中にダウンロードを許可したいサイトのURLを正しく入力し、[追加]をクリックしてください。

URLは完全な形式で入力してください。
例えば、「https://example.com」のように、プロトコル部分(https://)を含む完全なURLを指定する必要があります。「example.com」だけでは設定が正しく機能しない場合があります。
また、「https://example.com」を許可した場合、「https://sub.example.com」は許可されません。サブドメインも含めて許可したい場合は、それぞれ個別に追加する必要があります。

Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step5 ダウンロードを許可したいサイトのURLを正しく入力し、[追加]をクリック
Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step5 ダウンロードを許可したいサイトのURLを正しく入力し、[追加]をクリック
STEP
「許可」と書かれた欄に追加したサイトが表示されていることを確認

[追加]をクリックすると、一つ前の画面に戻ります。

「許可」と書かれた欄に追加したサイトが表示されていることを確認してください。

Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step6 「許可」と書かれた欄に追加したサイトが表示されていることを確認
Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step6 「許可」と書かれた欄に追加したサイトが表示されていることを確認
STEP
ダウンロード時の警告メッセージが消えていることを確認する

最後に、再度そのサイトからファイルをダウンロードし、「安全にダウンロードすることができません」という警告メッセージが表示されないことを確認してください。

これで、そのサイトからのファイルを通常通りダウンロードできるようになります。

Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step7 ダウンロード時の警告メッセージが消えていることを確認する
Microsoft Edgeのセキュリティ設定を見直す Step7 ダウンロード時の警告メッセージが消えていることを確認する

Microsoft Edgeのバージョンは常に最新の状態に

Microsoft Edgeのアップデートは、セキュリティ機能を最新に保つための基本です。
アップデートには次のようなメリットがあります。

  • セキュリティ脆弱性の修正
    古いバージョンでは、既知の脆弱性を狙った攻撃を受けるリスクがあります。
  • 新しい機能の追加
    最新版ではセキュリティ機能や使いやすさが向上しています。

Microsoft Edgeを常に最新版にしておくことで、安心して利用できるようになります。

よくある質問と答え

Microsoft Edgeでファイルがダウンロードできない原因と対処法に関するよくある質問と答えをまとめました。

「安全にダウンロードすることはできません」と表示されたのですが、どういう意味ですか?

このメッセージは、Microsoft Edgeがダウンロードしようとしているファイルを安全でないと判断した場合に表示されます。
特に、暗号化されていないHTTP接続を使用しているサイト(URLがhttp://から始まるサイト)や、危険性が高いとされるファイル形式(.exeや.zipなど)をダウンロードしようとした際に警告されます。

HTTPとHTTPSの違いを教えてください。

HTTPは通信内容が暗号化されていないため、データの盗聴や改ざんのリスクがあります。
HTTPSは通信が暗号化され、安全性が高いのが特徴です。このため、HTTPSを利用したサイトはEdgeでも信頼されやすく、警告が少ない傾向があります。

Microsoft Edgeでダウンロードがブロックされるファイル形式は何ですか?

Microsoft Edgeは実行ファイル(.exe, .msi)、圧縮ファイル(.zip, .rar)、一部のPDF(.pdf)などを危険な形式とみなし、警告を表示することがあります。
これらのファイル形式には、不正プログラムが含まれるリスクがあるためです。

ダウンロードを一時的に許可する方法を教えてください。

警告が表示された際に「…」アイコンをクリックし、「保持する」を選択することで一時的にダウンロードを許可できます。ただし、ファイルの安全性を確認してから実行するようにしましょう。

特定のサイトからのダウンロードをスムーズにする設定方法はありますか?

Microsoft Edgeの設定を調整することで可能です。「設定」→「Cookieとサイトのアクセス許可」→「セキュリティで保護されていないコンテンツ」を開き、信頼できるサイトのURLを入力して追加してください。

HTTPSサイトからのダウンロードでも警告が出るのはなぜですか?

ファイル自体がMicrosoft Edgeのセキュリティ基準を満たしていないと判断される場合に警告が表示されます。特に、潜在的に危険な拡張子を持つファイルではこの現象が起こりやすいです。

短縮URLからダウンロードする際の注意点はありますか?

短縮URLは、元のリンク先が不明なため注意が必要です。短縮URL展開ツールを使用して元のURLを確認し、Norton Safe Webなどを活用することで、サイトの安全性を確認できます。

Microsoft Edgeのセキュリティ警告を無効化できますか?

完全に無効化することは推奨されません。ただし、信頼できるサイトを許可リストに追加することで特定の警告を回避できます。

ウイルス対策ソフトを使っているので、危険なファイルでもダウンロードして大丈夫ですか?

ウイルス対策ソフトは有効な防御手段ですが、全ての脅威を完全に防げるわけではありません。最新のマルウェアやウイルスは、セキュリティソフトをすり抜ける可能性があります。そのため、危険なファイルはダウンロードしないことが最も安全な選択です。

その他Microsoft Edgeに関する記事

その他Microsoft Edgeに関する記事はこちらです。ぜひご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
環境によって結果が異なる場合がありますので、参考のうえご利用ください。

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この記事を書いた人

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社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
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