PCの動作が急に遅い、頻繁にフリーズする、あるいは突然ブルースクリーンエラー が表示される…。
そんな深刻な不調の原因がメモリにあるかを、Windows11標準の「Windowsメモリ診断ツール」でチェックする方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。
以下の症状が一つでも当てはまる場合、ぜひ診断を試してください。
- PCが突然遅くなることが多い
- フリーズや画面停止が頻繁に発生する
- ブルースクリーンが度々表示される
- アプリやOSが予期せず強制終了する
この記事を読めば、Windowsメモリ診断ツールの使い方から、わかりにくい診断結果の確認方法、さらにエラーが見つかった場合の具体的な対処法まで一連の流れを理解できます。
「PCを買い替える前にメモリをチェックしたい」と考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
メモリ診断ツールとは?エラー発見時のメリット
「Windowsメモリ診断ツール」とは、PCの重要部品であるメモリ(RAM)に物理的なエラーがないかをテストするための、Windows標準搭載の機能です。
PCがフリーズしたり、ブルースクリーンが表示されたりといった不調の原因を切り分けるのに役立ちます。
この診断でメモリに問題が見つかれば、「原因はメモリ故障だ」と特定でき、メモリ交換だけで修理が済む可能性が高まります。
逆にメモリに異常がなければ、「原因はメモリではない」という切り分けができ、他のハードウェア(ストレージやCPUなど)や、ソフトウェアの問題へと調査の的を絞れるというメリットがあります。
ただし、あくまでこのツールは問題を「診断」するだけで、「修復」はしない点を理解しておいてください。
Windowsメモリ診断ツールでエラーが検出された場合の具体的な対処法
もしWindowsメモリ診断ツールでエラーが検出された場合、それは「PCの買い替え」ではなく「部品の交換」で解決できる、という朗報でもあります。
メモリだけの交換であれば、8GBなら数千円、16GBでも1万円以下で購入できるケースがほとんどです。
PCの買い替えに比べて出費を大幅に抑えることができます。
ただし、メモリにはマザーボード(PCの基盤)との相性や規格(DDR4, DDR5など)があるため、購入前に必ずご自身のPCの仕様を確認しましょう。詳しい手順は、以下の記事で解説しています。
Windows11のメモリ診断ツールを起動する3つの方法
それでは、実際にWindowsメモリ診断ツールを起動する、具体的な3つの方法を解説します。
「Windowsツール」から開く初心者向けの方法から、コマンドで素早く起動する中〜上級者向けの方法まで、どの手順でも同じツールを起動できます。ご自身のPCスキルや状況に合わせて、最適なものをお選びください。
- Windowsメモリ診断ツールを「Windowsツール」から開く方法(初心者向け)
- Windowsメモリ診断ツールを「ファイル名を指定して実行」ウィンドウから起動する方法(初心者向け)
- Windowsメモリ診断ツールを「コマンドプロンプト」から起動する方法(上級者向け)
メモリ診断の実行には、PCの再起動が必須です。
また、診断自体もメモリ容量によっては5分~30分以上かかる場合があります。事前に作業中のファイルをすべて保存・終了し、時間に余裕をもって操作を始めてください。
診断の正確性を高めるため、あらかじめWindowsアップデートを実施してWindowsを最新の状態にしておくことを強く推奨します。
Windowsメモリ診断ツールを「Windowsツール」から開く方法(初心者向け)
まずはWindowsツールからWindowsメモリ診断ツールを起動する方法です。
最も手順が多い方法ですが、以下のマウス操作だけでWindowsメモリ診断ツールを簡単に起動することができます。
- スタートボタンをクリックし、右上の「すべて」ボタンをクリック
- アプリ一覧をスクロールし、「Windowsツール」を探してクリックする
- 「Windowsツール」内にある「Windowsメモリ診断」をクリックする
ここからは、Windowsメモリ診断ツールを「Windowsツール」から開く方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
まず、タスクバーにあるスタートボタン(Windowsロゴ)をクリックし、スタートメニューを開いてください。
次に、メニュー右上にある「すべて」ボタンをクリックしてください。

「すべて」をクリックすると、PCにインストールされているアプリの一覧がアルファベット順・あいうえお順で表示されます。
この画面を一番下までスクロールし、「W」の項目にある「Windowsツール」をクリックしてください。

「Windowsツール」をクリックすると、「Windowsツール」が開きます。
その中にある「Windowsメモリ診断」をクリックしてください。

「Windowsメモリ診断」をクリックすると、「コンピューターにメモリの問題があるか確認します」と大きく書かれたウィンドウが立ち上がります。
「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」をクリックしてください。

「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」をクリックすると、パソコンが再起動し、再起動後に以下のようなメモリ診断ツールが始まります。
メモリ容量によっては5分~30分以上かかる場合があります。
メモリ診断の診断結果の見方は、記事下部の「メモリ診断の結果をイベントビューアーから確認する方法」をご覧ください。

Windowsメモリ診断ツールをファイル名を指定して実行ウィンドウから起動する方法
次にファイル名を指定して実行ウィンドウからWindowsメモリ診断ツールを起動する方法です。
コマンドを知っていれば、メニューを辿らずにWindowsメモリ診断ツールを一瞬で呼び出せます。これが最も速い方法で、PC操作に慣れた方におすすめです。
Windows
+R
キーで「ファイル名を指定して実行」を開くmdsched.exe
と入力して「OK」をクリックする- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」をクリック
ここからは、Windowsメモリ診断ツールをファイル名を指定して実行ウィンドウから起動する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
まず、キーボードのWindows
+ R
キーを同時に押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開いてください。

表示された入力欄にmdsched.exe
と入力し、「OK」ボタンをクリックするかEnter
キーを押してください。

コマンドが実行されると、「コンピューターにメモリの問題があるか確認します」と大きく書かれたウィンドウが立ち上がります。
「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」をクリックしてください。

「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」をクリックすると、パソコンが再起動し、再起動後に以下のようなメモリ診断ツールが始まります。
メモリ容量によっては5分~30分以上かかる場合があります。
メモリ診断の診断結果の見方は、記事下部の「メモリ診断の結果をイベントビューアーから確認する方法」をご覧ください。

Windowsメモリ診断ツールをコマンドプロンプトから起動する方法
最後に、コマンドプロンプトからmdsched
コマンドを直接実行して、Windowsメモリ診断ツールを起動する方法を解説します。
これは、PC操作に慣れた上級者向けの方法で、マウスを使わずにキーボードだけで操作を完結させたい場合に便利です。
まず、キーボードのWindows
+ R
キーを同時に押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開いてください。

表示された入力欄にcmd
と入力し、「OK」ボタンをクリックするかEnter
キーを押してください。

「OK」をクリックすると黒い画面に白い文字が書かれているコマンドプロンプトが立ち上がります。
mdsched
と入力して Enter
キーを押してください。

コマンドが実行されると、「コンピューターにメモリの問題があるか確認します」と大きく書かれたウィンドウが立ち上がります。
「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」をクリックしてください。

「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」をクリックすると、パソコンが再起動し、再起動後に以下のようなメモリ診断が始まります。
メモリ容量によっては5分~30分以上かかる場合があります。
メモリ診断の診断結果の見方は、記事下部の「メモリ診断の結果をイベントビューアーから確認する方法」をご覧ください。

Windowsメモリ診断ツールのオプション機能と使い方
Windowsメモリ診断ツールには、より精密なテストを行うためのオプション(拡張機能)が用意されています。
標準のテストで問題が見つからなかったものの、依然としてメモリ不調が疑われる場合に試す価値があります。
診断の青い画面が表示されている間にF10
キーを押すと、オプション設定画面に切り替わります。

Tab
キーで項目を移動し、主に以下の3つの設定を変更できます。
- テストの組み合わせ(Test Mix)
Basic
(基本)、Standard
(標準)、Extended
(拡張)からテストの精度を選べます。
「Extended」は十数種類の詳細なテストを行うため、時間はかかりますが、最も精密な診断が可能です。 - キャッシュ(Cache)
CPUのキャッシュを診断に利用するかを設定します。
キャッシュ設定を無効にすると、メモリそのものをより正確にテストできますが、診断速度は遅くなります。
通常は「既定(Default)」で問題ありません。 - パスの回数(Pass Count)
同じテストを何回繰り返すかを指定します。
数値を増やすほど、偶発的なエラーを検出しやすくなりますが、その分だけ診断時間も長くなります。
変更せずに前の画面に戻るにはESC
キーを使います。選択後、変更するにはF10
キーを押します。
特にこだわりがなければ、すべての項目を標準設定のままWindowsメモリ診断を実行するのがおすすめです。
メモリ診断の結果をイベントビューアーから確認する方法
メモリ診断の結果が見当たらない場合や、誤って診断結果の書かれたウィンドウを閉じてしまって、診断結果を見ることが出来なくなった場合は、以下の手順でイベントビューアーから再度診断結果を見ることができます。
- 「ファイル名を指定して実行」で
eventvwr
と入力し、イベントビューアーを起動する - 左側メニューから「Windows ログ」>「システム」を開く
- 右側メニューの「現在のログをフィルター」を使い、ログを絞り込む(任意)
- メモリ診断結果を確認する
ここからはメモリ診断の結果を確認する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
キーボードのWindows
+ R
キーで「ファイル名を指定して実行」を開き、eventvwr
と入力してEnter
キーを押してください。

Enter
キーを押すと、イベントビューアーと書かれたウィンドウが立ち上がります。
左側のツリーメニューから「Windows ログ」を展開し、その中にある「システム」をクリックしてください。

上記画像の緑色の枠をキーボードの矢印を押して下がっていくと、ソース(S)と書かれた部分に「MemoryDiagnostics-Results」と表示されたログがあります。
イベントビューアーには多数のログが記録されているため、少し探すのに苦労するかもしれません。
メモリ診断が終わって再起動した時の時間を中心にログを確認してみてください。
そのログの中にメモリ診断の結果が表示されます。
- エラーなしの場合
「Windowsメモリ診断によりコンピューターのメモリがテストされましたが、エラーは検出されませんでした。」と表示されます。 - エラーありの場合
「ハードウェアの問題が検出されました。」といった内容が表示されます。

Windowsメモリ診断ツールに関するよくある質問と答え
メモリ診断に関するよくある質問と答えをまとめました。
その他Windows11に関する記事
その他Windows11に関する記事はこちらです。ぜひご覧ください。
-
【Windows11】自分のPCスペックを確認する方法|CPU・メモリ・グラボ
「このアプリ、今のPCスペックで動くかな?」「PCスペックって、どこを見ればいいの?」――新しいアプリやゲームを導入するときに、性能が分からず困った経験はありませ... -
PCを起動した日時とシャットダウンした日時を確認する方法 Windows11
こんな人にオススメの記事です パソコンの起動/終了のログ(履歴)を確認したい人 パソコンを最後に起動した日時を確認したい人 イベントビューアーの便利な使い方を知... -
Windows11でIE(インターネットエクスプローラー)を起動する方法
こんな人にオススメの記事です IE(インターネットエクスプローラー)を使う必要がある人 Windows11でIE(インターネットエクスプローラー)を起動する方法を知りたい人... -
【Windows11】デスクトップのアイコンが勝手に移動する原因と解決策をわかりやすく解説
Windows11でデスクトップのアイコンが勝手に移動してしまい、「せっかく整理したのにまたバラバラ…」と悩んでいませんか? 実は、このトラブルの多くは「アイコンの自動... -
ディスクの空き容量をWindows標準機能でガッツリ増やす方法10選
この記事では、Windowsの標準機能のみを使ってディスクの空き容量をガッツリ増やす方法をご紹介します。 Windowsにとって非常に重要なCドライブがいっぱいになってしま... -
【Windows11】Windowsツールの開き方|実はスタートメニューにあります
Windows11にアップグレードしたら、「Windowsツール」がどこにあるか分からなくなった――。 この記事では、そんな悩みを解決するため、「Windowsツール」を簡単に見つけ... -
Windows11 24H2を今すぐダウンロードしてアップデートする方法
こんな人にオススメの記事です Windowsアップデートを待たずにWindows11 24H2をインストールしたい人 今すぐWindows11 24H2にアップデートしたい人 手動でWindows11 24H... -
【Windows11】スタートアップ設定でアプリを自動起動
こんな人にオススメの記事です 毎日同じソフト(アプリ)やエクセルファイルなどを立ち上げる必要がある人 PC起動時に必ず立ち上がってほしいアプリ(ソフト)がある人 ... -
Windows11で複数のファイルをまとめて印刷する方法
こんな人にオススメの記事です 複数種類のファイル(PDFやWordなど)をまとめて印刷したい人 一種類のファイルをまとめて印刷したい方 大量のファイルを一括で印刷した...
最後までご覧いただきありがとうございました。
このサイトは情シスマンが半径3m以内のITに関する情報を掲載してるサイトです。
Windows系を主として、ソフトや周辺機器の操作や設定について画像も用いながらわかりやすく解説しています。
解説している内容に誤りがあった場合や、補足が必要な場合、もっと知りたい場合はこちらのお問い合わせフォームからご連絡ください。
個人の方を限定にサポートさせていただきます。
実行環境
Windows11 Home 24H2
64 ビット オペレーティング システム
11th Gen Intel(R) Core(TM) i7-11375H @ 3.30GHz 3.30 GHz
16.0 GB RAM
Microsoft 365
コメント