Windows11 Homeで仮想環境(Hyper-V)を作成する方法

Windows11 Homeで仮想環境(Hyper-V)を作成する方法

こんな方にオススメ

  • Windows11 Homeで仮想環境(Hyper-V)を作成したい方
  • Windows11 Homeで仮想環境(Hyper-V)を作成する方法がわからない方
  • Windows11 Homeで仮想環境(Hyper-V)を作成できるか知りたい方

Windows11 Homeで仮想環境(Hyper-V)を作成するには以下の順番で行います。

  1. 仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する
  2. batファイルを管理者として実行する
  3. パソコン再起動
  4. インストールした仮想環境(Hyper-V)を有効にする
  5. パソコン再起動

Hyper-V(ハイパーブイ)は、Windows11で利用できる仮想環境(仮想OS)機能のひとつです。これを活用すると、同じPC上で他のOSを同時に起動できるため、学習や検証に大変便利です。

たとえば、Windows7をゲストOS(仮想環境上で動作させるOS)としてセットアップしたり、UNIX系OS(例:LinuxやBSDなど)を導入してアプリの動作をチェックすることも可能です。

また、Microsoft公式サイトでは、Hyper-Vでサポートされているオペレーティングシステムの一覧が公開されているので、対応OSを確認してから導入を検討すると安心です。

Windows11 Homeエディションでは、標準でHyper-V(仮想環境機能)がインストールされていません。
したがって、まず手動で関連パッケージを導入し、その後に機能を有効化する必要があります。

この記事では、Windows11 Homeエディションを使ってHyper-Vによる仮想環境を構築する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。

Windows11でHyper-Vによる仮想環境を構築する場合は、管理者権限が必要です。
セットアップを始める前に、必ず管理者アカウントでログインしていることを確認しましょう。

目次

Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する

まずはWindows11上で仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのバッチファイル(batファイル)を、以下の手順に沿って作成していきましょう。

バッチファイル(.bat)とは、Windowsのコマンドプロンプト上で実行できる複数の作業をひとまとめにしたテキストファイルです。ファイル名の末尾を「.bat」とするのが特徴です。

STEP

メモ帳を起動し、以下のコードを貼り付ける

Windows11 HomeにHyper-V(仮想環境)をインストールするためのバッチファイルを作成するには、まずメモ帳を起動し、以下のコードを貼り付けてください。

pushd "%~dp0"
dir /b %SystemRoot%\servicing\Packages\*Hyper-V*.mum >hyper-v.txt
for /f %%i in ('findstr /i . hyper-v.txt 2^>nul') do dism /online /norestart /add-package:"%SystemRoot%\servicing\Packages\%%i"
del hyper-v.txt
Dism /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Hyper-V /All /LimitAccess
pause
Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する Step1 メモ帳を起動し、コードを貼り付ける
Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する Step1 メモ帳を起動し、コードを貼り付ける
STEP

[ファイル]→[名前を付けて保存]をクリック

コードを貼り付けたら、メモ帳の左上にある[ファイル]をクリックしてください。

[ファイル]をクリックすると下に向かってメニューが展開されます。

その中にある[名前を付けて保存]をクリックしてください。

Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する Step2 [ファイル]→[名前を付けて保存]をクリック
Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する Step2 [ファイル]→[名前を付けて保存]をクリック
STEP

ファイル名の末尾に.batを付けてファイルを保存する

[名前を付けて保存]をクリックすると、保存先とファイル名を決める画面が表示されます。

ファイルの種類を[すべてのファイル]に変更し、ファイル名の末尾に[.bat]を付けて、右下の[保存(S)]をクリックしてください。

バッチファイルの名前は自由ですが、拡張子を「.bat」にする必要があります。
ここでは例としてhypv.batとしています。

Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する Step3 ファイル名の末尾に.batを付けてファイルを保存する
Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する Step3 ファイル名の末尾に.batを付けてファイルを保存する
STEP

バッチファイルが保存されていることを確認する

[保存(S)]をクリックすると、以下のようなアイコンのバッチファイルが作成されます。

これでWindows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのバッチファイルが作成できました。

ファイルの拡張子を表示させておくとわかりやすくて便利です。
こちらの「ファイルの拡張子と隠しファイルの表示方法」を参考に、ぜひ拡張子を表示する設定を行ってみてください。

Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する Step4 バッチファイルが保存されていることを確認する
Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)をインストールするためのbatファイルを作成する Step4 バッチファイルが保存されていることを確認する

作成したバッチファイルを使ってWindows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入する方法

続いて、先ほどの手順で作成したbat(バッチ)ファイルを使い、Windows11 Home EditionにHyper-V(仮想環境)をインストールしていきましょう。

STEP

作成したバッチファイルを右クリックし、[管理者として実行]をクリック

まず、作成したバッチファイルを右クリックしてメニューを表示します。

次に、メニューから[管理者として実行]を選択してください。

Windows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入するには管理者権限が必須となるため、必ず「管理者として実行」してください。

Windows11からは右クリックメニューがかなりスリムになりした。
Windows10以前の右クリックメニューに表示を変更したい場合はこちらの「Windows11の右クリックメニューを以前の形に戻す方法」を御覧ください。

作成したバッチファイルを使ってWindows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入する方法 Step1 作成したバッチファイルを右クリックし、[管理者として実行]をクリック
作成したバッチファイルを使ってWindows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入する方法 Step1 作成したバッチファイルを右クリックし、[管理者として実行]をクリック
STEP

ユーザーアカウント制御画面で[はい]をクリック

[管理者とし実行]をクリックすると、ユーザーアカウント制御と書かれたウィンドウが表示されます。

[はい]をクリックしてください。

作成したバッチファイルを使ってWindows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入する方法 Step2 ユーザーアカウント制御画面で[はい]をクリック
作成したバッチファイルを使ってWindows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入する方法 Step2 ユーザーアカウント制御画面で[はい]をクリック
STEP

仮想環境(Hyper-V)パッケージのダウンロードとインストール

[はい]をクリックするとコマンドプロンプトが立ち上がり、Windows11に仮想環境(Hyper-V)を導入するためのパッケージが自動的にダウンロード・インストールされます。

バッチファイルを管理者として実行していない場合はエラーが表示されます。

作成したバッチファイルを使ってWindows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入する方法 Step3 仮想環境(Hyper-V)パッケージのダウンロードとインストール
作成したバッチファイルを使ってWindows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入する方法 Step3 仮想環境(Hyper-V)パッケージのダウンロードとインストール
STEP

YキーとEnterを押してパソコンを再起動

ダウンロードとインストールが完了すると、Windows11から「今すぐコンピューターを再起動しますか?(Y/N)」と表示されます。

仮想環境(Hyper-V)のセットアップを反映させるため、キーボードのYEnterを押してパソコンを再起動してください。

作成したバッチファイルを使ってWindows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入する方法 Step4 YキーとEnterを押してパソコンを再起動
作成したバッチファイルを使ってWindows11 HomeにHyper-V(仮想環境)を導入する方法 Step4 YキーとEnterを押してパソコンを再起動

インストールした仮想環境(Hyper-V)を有効にする

パソコンが再起動すると、Windows11に仮想環境(Hyper-V)パッケージが正常にインストールされています。

ここからは、そのHyper-Vを有効化し、実際に利用できる状態にする手順を詳しく解説していきます。

仮想環境(Hyper-V)を有効にしないと仮想環境を使うことはできません。

STEP
「Windowsの機能」ウィンドウを立ち上げる

インストールした仮想環境(Hyper-V)をWindows11で有効にするには、まず「Windowsの機能」を開く必要があります。

手順は簡単で、キーボードの[Windowsキー + R]を押して「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを表示し、[optionalfeatures.exe]と入力してから[OK]をクリックします。

[OK]をクリックすると「Windowsの機能」ウィンドウが立ち上がり、Hyper-Vを含む各種オプションを有効化できます。

その他「ファイル名を指定して実行」で使えるコマンドはこちらの「ファイル名を指定して実行で使えるコマンド一覧 - Windows11」で詳しく解説しているので是非ご覧ください。

インストールした仮想環境(Hyper-V)を有効にする Step1 「Windowsの機能」ウィンドウを立ち上げる
インストールした仮想環境(Hyper-V)を有効にする Step1 「Windowsの機能」ウィンドウを立ち上げる
STEP
3項目にチェックを入れて[OK]をクリック

「Windowsの機能」ウィンドウが表示されたら、Windows11の仮想環境(Hyper-V)を有効にするために、以下の3つの項目へチェックマークを入れてください。

  • Hyper-V
  • Windowsハイパーバイザープラットフォーム
  • 仮想マシンとプラットフォーム

チェックを入れ終わったら右下の[OK]をクリックしてください。

インストールした仮想環境(Hyper-V)を有効にする Step2 3項目にチェックを入れて[OK]をクリック
インストールした仮想環境(Hyper-V)を有効にする Step2 3項目にチェックを入れて[OK]をクリック
STEP
[今すぐ再起動(N]をクリックしてパソコンを再起動

[OK]をクリックすると「必要な変更が完了しました」と表示されます。

Windows11で仮想環境(Hyper-V)を反映させるには、右下にある[今すぐ再起動(N)]をクリックしてパソコンを再起動してください。

インストールした仮想環境(Hyper-V)を有効にする Step3 [今すぐ再起動(N]をクリックしてパソコンを再起動
インストールした仮想環境(Hyper-V)を有効にする Step3 [今すぐ再起動(N]をクリックしてパソコンを再起動

Hyper-Vマネージャーを起動する

パソコンの再起動が完了すると、Windows11上でインストールした仮想環境(Hyper-V)が有効になります。

最後に「Hyper-Vマネージャー」を起動し、問題なく動作するかどうかを確認してみましょう。

STEP

Hyper-Vマネージャーを検索してクリック

Windows11で仮想環境(Hyper-V)の管理ツールを起動する場合は、まずタスクバーの[Windowsロゴ]をクリックし、表示される検索バーに「Hyper-V」と入力してください。

すると、「最も一致する検索結果」の欄に[Hyper-Vマネージャー]が表示されますので、それをクリックして起動しましょう。

C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Administrative Toolsにも、仮想環境(Hyper-V)マネージャーのショートカットが用意されているため、そこから直接起動することも可能です。
さらに、[Windowsキー + R]で「ファイル名を指定して実行」を開き、virtmgmt.msc と入力して[OK]をクリックすれば、Hyper-Vマネージャーを起動できます。

Hyper-Vマネージャーを起動する Step1 Hyper-Vマネージャーを検索してクリック
Hyper-Vマネージャーを起動する Step1 Hyper-Vマネージャーを検索してクリック
STEP

Hyper-Vマネージャーが正常に起動したことを確認する

[Hyper-Vマネージャー]をクリックすると、Windows11 Home上で仮想環境(Hyper-V)を管理する画面が表示されます。

これでHyper-Vの導入が完了し、実際に仮想マシンを作成して運用できるようになりました。

Hyper-Vマネージャーを起動する Step2 Hyper-Vマネージャーが正常に起動したことを確認する
Hyper-Vマネージャーを起動する Step2 Hyper-Vマネージャーが正常に起動したことを確認する

Windows11 Homeの仮想環境(Hyper-V)にOSをインストールする

Windows11 Homeに仮想環境(Hyper-V)が作成できたら、次は実際に仮想環境(Hyper-V)にOSをインストールして仮想マシンを作成してみましょう。

Windows11 Homeの仮想環境(Hyper-V)にOSをインストールする方法は以下の記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。

Windows11 Homeで仮想環境(Hyper-V)を作成する方法に関するよくある質問と答え

Windows11 Homeで仮想環境(Hyper-V)を作成する方法に関するよくある質問と答えをまとめました。

仮想環境(Hyper-V)に関する基本的な疑問

Windows11 Homeエディションでも仮想環境(Hyper-V)を使うことは可能でしょうか?

一般的にはWindows11 ProなどでHyper-Vがすぐに利用できるイメージがあるものの、Homeエディションでもこの記事で紹介している追加の手順を踏むことで仮想環境を使えるようになります。

そもそもHyper-Vとはどんな技術なのですか?

Hyper-Vは、簡単に言えば「今使っているWindows11の中に、もう一台のパソコンを仮想的に作るための機能」です。
これを使うと、ひとつのPC上で複数のOSを同時に動かせるようになり、テストや開発、学習目的などで役立ちます。

仮想マシンという言葉をよく見かけるのですが、Hyper-Vと何が違うのでしょう?

Hyper-Vは仮想化のための「土台」として働き、その上に実際のパソコンのように動く仮想マシンを作り出します。
仮想マシンはHyper-Vの管理下で動作する“別のコンピューター”のような存在で、OSやソフトを自由にインストールできます。

Windows11 Homeで仮想環境を導入するメリットはありますか?

別のOSを試したいときに、物理マシンを増やす必要がない点が大きなメリットです。
Linuxや古いWindowsなどを試す場合、仮想マシンならメインの環境を汚すリスクが低く、安全に実験できます。
不要になったら削除するだけで元に戻せるので、気軽に使いやすいのがポイントです。

Windows11 HomeでもHyper-Vを導入する際に気をつけたい点は何でしょう?

HomeエディションはProやEnterpriseと比べて公式サポートがないため、万一トラブルが起こっても自己責任で解決しなければなりません。
誤ったコマンドを入力しないよう十分に注意し、事前に重要なデータのバックアップを取っておくと安心です。

導入・セットアップに関する疑問

Windows11 HomeでHyper-Vを有効化する手順をざっくり教えてもらえますか?

まずはバッチファイルを作り、そのファイルを管理者権限で実行して、必要なパッケージを追加・有効化する流れが一般的です。
途中でパソコンを再起動する必要がありますが、それを行うことで仮想環境(Hyper-V)が使える状態に切り替わります。

バッチファイルを作るときに一番大切なポイントは何ですか?

ファイル名の拡張子を「.bat」に正しく設定することと、記述するコマンドが正確であることが何より重要です。
少しでもタイプミスがあるとHyper-Vのインストールに失敗したり、Windows11の動作に影響が出る可能性があるので、手順を丁寧に確認しましょう。

インストールが完了しない場合、どんな原因が考えられますか?

管理者権限で実行していない、セキュリティソフトがブロックしている、あるいはWindows Updateが最新状態ではないといったことがよくあります。
事前にWindowsを最新版にアップデートしてから試すと成功率が高まります。

再起動のタイミングがわからない場合はどうすればいいでしょう?

バッチファイルの実行後、コマンドプロンプトが必要なパッケージをダウンロード・インストールしてから再起動を促すメッセージを表示します。
そのときにキーボードの「Y」を押すなどの指示に従えば、スムーズに再起動できます。

操作・利用方法に関する疑問

Hyper-Vマネージャーはどこから起動するのが手軽でしょうか?

スタートメニューの検索バーに「Hyper-V」と入力すると、最も簡単に見つかります。見つからない場合は、ファイル名を指定して実行の画面で「virtmgmt.msc」と打ち込んでも起動できます。
Windows11は検索機能が充実しているので、そちらを活用するのが手っ取り早いです。

仮想マシンを作るときに準備するものはありますか?

ゲストOSとして使いたいシステムのインストールイメージファイル(ISOファイルなど)を用意しておきましょう。Hyper-Vマネージャーのウィザードに従って仮想マシンを作成するとき、どのOSを入れるのかを尋ねられるので、事前にイメージをダウンロードし用意しておく必要があります。
詳しくはWindows11 Homeの仮想環境(Hyper-V)にOSをインストールする方法をご覧ください。

Hyper-Vマネージャーがうまく起動しないときに考えられる原因は?

Windows11のアップデート不足や、Hyper-V自体が正しくインストールされていない可能性があります。
インストールが中断されたり、再起動をスキップしてしまったことも原因になるので、一度機能をオフにして再度オンにする手順を試してみると改善するケースが多いです。

Windows11をアップグレードしたら、急にHyper-Vが使えなくなりました。どうすればいいですか?

大規模アップグレード後、Hyper-Vの設定が変わってしまうケースが報告されています。
もう一度「Windowsの機能」画面でHyper-Vにチェックが入っているかを確かめ、必要なら一度無効化して再度有効にしてください。
バッチファイルを再び実行する必要がある場合もあるので、以前の導入手順を見返してみると解決しやすいです。

その他Windows11に関する記事

その他Windows11に関する記事はこちらです。ぜひご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
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実行環境
Windows11 Home 24H2
64 ビット オペレーティング システム
11th Gen Intel(R) Core(TM) i7-11375H @ 3.30GHz 3.30 GHz
16.0 GB RAM
Microsoft 365

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