【Windows11】更新プログラムをアンインストール・削除する方法

この記事では、Windows 11で「更新プログラムをアンインストール(削除)する方法」について、実際の画面に沿ってわかりやすく解説します。

ただし、原則として更新プログラムのアンインストールはおすすめしません。

Windows Updateは、PCを日々進化するセキュリティの脅威から守り、システムを安定させるために不可欠なものです。安易に削除すると、ご自身のPCがウイルス感染などの重大な危険にさらされる可能性があります。

しかし、「特定のアップデート(KB~)を適用してからプリンターが動かなくなった」「PCの動作が急に不安定になった」など、明らかにアップデートが原因で重大な不具合が発生し、他のどの対処法(ドライバーの更新など)を試しても解決しない…。そのような「致し方ない」場合の最後の手段として、問題の更新プログラムを一時的に削除する方法が存在するのも事実です。

そこでこの記事では、PCへのリスクを十分にご理解いただいた上で、やむを得ず更新プログラムを削除する「設定」アプリからの安全な手順と、それが「アンインストールできない」場合の対処法(PowerShellやシステムの復元)もあわせて詳しく解説します。

目次

更新プログラムをアンインストールする手順

Windows Updateで適用された更新プログラム(KBパッチ)が原因でPCの動作が不安定になった場合、その更新プログラムを個別にアンインストール(削除)することで、問題が解決する可能性があります。

ここでは、Windows11の「設定」アプリから安全に更新プログラムをアンインストールする、最も標準的な手順を解説します。所要時間は約3〜5分(再起動を含む)です。手順の全体像は以下の通りです。

  1. 「設定」アプリから「Windows Update」を開く
  2. 「更新の履歴」をクリックする
  3. 「更新プログラムをアンインストールする」をクリックする
  4. リストから削除したい更新プログラム(KB番号)を探し、「アンインストール」をクリックする
  5. 確認画面で「アンインストール」をクリックし、PCを再起動する

それでは、各手順を実際の画像と共に詳しく解説していきます。

この手順でアンインストールできない更新プログラムもあります。
これは不具合ではなく、Windowsの動作に不可欠な更新プログラムはアンインストールできないようになっているためです。
この手順は、主にプリンターの不具合などを引き起こした「品質更新プログラム(KB~)」を削除するためのものです。アンインストールが許可されているものだけを操作してください。

STEP
キーボードのWindowsキーを押し、歯車のアイコンの「設定」をクリック

キーボードのWindowsキーを押すか、タスクバーにあるWindowsロゴをクリックしてください。

キーボードのWindowsキーを押すとスタートメニューが表示されます。

その中にある歯車のアイコンの「設定」をクリックしてください。

Windows11のスタートメニューから設定アプリを開く画面
Windowsキーを押してスタートメニューから「設定」をクリック
STEP
「Windows Update」をクリック

「設定」をクリックすると、「ホーム」と大きく書かれたWindowsの設定アプリが開きます。

キーボードのWindowsキー+Iキーを押すことでも、Windowsの設定アプリを開くことができます。
また、Windowsの設定アプリを開くショートカットをデスクトップに作成すると便利です。

左側にある「Windows Update」をクリックしてください。

Windows11の設定アプリのホーム画面で左側メニューの「Windows Update」をクリックしている画面
設定アプリで「Windows Update」をクリック
STEP
「更新の履歴」をクリック

「Windows Update」をクリックすると「Windows Update」と書かれた画面に移動します。

その中にある「更新の履歴」をクリックしてください。

Windows11のWindows Update画面で「更新の履歴」をクリックしている画面
「更新の履歴」をクリック
STEP
「更新プログラムをアンインストールする」をクリック

「更新の履歴」をクリックすると「Windows Update > 更新の履歴」と書かれた画面に移動します。

この画面は、Windows+Rを押して「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開き、その中にms-settings:windowsupdate-historyと入力してEnterを押すことで直接開けます。
その他「ファイル名を指定して実行」で使用できるコマンドは「ファイル名を指定して実行で使えるコマンド一覧 - Windows 11」で詳しく解説しています。

その中にある「更新プログラムをアンインストールする」をクリックしてください。

Windows11の更新の履歴画面で「更新プログラムをアンインストールする」をクリックしている画面
「更新プログラムをアンインストールする」をクリック
STEP
アンインストール(削除)したい更新プログラムを探し、右側にある「アンインストール」をクリック

「更新プログラムをアンインストールする」をクリックすると「Windows Update > 更新の履歴 > 更新プログラムをアンインストールする」と書かれた画面に移動します。

その中からアンインストール(削除)したい更新プログラムを探し、右側にある「アンインストール」をクリックしてください。

Windows11の更新プログラム一覧画面でアンインストールしたいKB番号を選択し、右側の「アンインストール」ボタンをクリックしている画面
削除したい更新プログラム右側の「アンインストール」をクリック
STEP
「アンインストール」をクリック

「アンインストール」をクリックすると「この更新プログラムをアンインストールする」と書かれた確認メッセージが表示されます。

アンインストールして問題なければ「アンインストール」をクリックしてください。

Windows11で更新プログラムのアンインストール確認ダイアログが表示され、「アンインストール」ボタンをクリックしている画面
確認画面で「アンインストール」をクリック
STEP
「今すぐ再起動する」をクリックしてPCを再起動

「アンインストール」をクリックすると「更新プログラムのアンインストールを完了するには、再起動する必要があります。」と表示されます。

「今すぐ再起動する」をクリックしてPCを再起動してください。

これで更新プログラムのアンインストールは完了です。
アンインストール中にメッセージが表示されてアンインストールが完了できない場合は次の「更新プログラムをアンインストールできない場合の対処法」に進んでください。

Windows11で更新プログラムのアンインストール完了後に「今すぐ再起動する」ボタンをクリックしてPCを再起動する画面
「今すぐ再起動する」をクリックしてPCを再起動

更新プログラムをアンインストールできない場合の対処法

「設定」アプリで「アンインストール」ボタンがグレーアウトしていて押せない、またはクリックしてもエラーが出て削除が完了しない場合があります。

これは、Windowsの動作に不可欠な更新プログラムであるか、通常の(設定アプリからの)削除がブロックされているためです。

ここでは、そのような場合に試すことができる、より高度な2つの対処法を順番に解説します。

  1. PowerShellコマンドで更新プログラムをアンインストールする(上級者向けの強制削除)
  2. システムの復元でWindowsを以前の状態に戻す(更新プログラム適用前の状態に戻す最終手段)

まずは、PowerShellを使ったコマンドでの削除方法から解説します。

PowerShellコマンドで更新プログラムをアンインストールする

「設定」アプリからアンインストールができなかった(ボタンが押せない、エラーが出るなど)場合、PowerShellから強制的に削除を試みることができます。

この方法はPCの操作に少し慣れが必要ですが、「設定」アプリでは削除できない更新プログラムも削除できる可能性があります。所要時間は約5~10分(再起動を含む)です。手順の全体像は以下の通りです。

  1. 「Windows PowerShell」を「管理者として実行」する
  2. Get-HotFixコマンドでPCにインストールされている更新プログラムの一覧(HotFixID)を表示する
  3. アンインストール用のコマンド(wusa /uninstall /kb:XXXXXXX)を入力し、実行する
  4. PCを再起動する

この手順は、Windowsのシステムファイルに直接命令するものです。削除するKB番号を間違えると、システムが不安定になるリスクもあります。細心の注意を払って実行してください。

それでは、各手順を実際の画像と共に詳しく解説していきます。

STEP
PowerShellを管理者として起動

まずはPowerShellを管理者として起動してください。

  1. タスクバーにあるWindowsロゴを右クリックして「ターミナル(管理者)」をクリック
  2. 「ユーザーアカウント制御」の画面で「はい」をクリック
  3. 左上に「管理者: Windows PowerShell」と表示されていることを確認する

最新のPowerShellにアップデートしたい場合は「PowerShellの最新バージョンをインストールする方法」をご覧ください。

STEP
Get-HotFixコマンドを実行

PowerShellで以下のコマンドを実行してください。

Get-HotFix
Windows PowerShellで「Get-HotFix」コマンドを実行して更新プログラムの一覧を表示している画面
PowerShellで「Get-HotFix」コマンドを実行
STEP
アンインストールしたい更新プログラムの「HotFixID」を確認

Get-HotFixを実行すると、更新プログラムの一覧が表示されます。

ここに表示されるのはアンインストール(削除)が可能な更新プログラムです。Windows全ての更新プログラムが表示されるわけではありません。

アンインストールしたい更新プログラムの「HotFixID」を確認してください。

Windows PowerShellのGet-HotFixコマンド実行結果で更新プログラムの一覧とHotFixID(KB番号)が表示されている画面
アンインストールしたい更新プログラムの「HotFixID」を確認
STEP
wusa.exe /uninstallコマンドを実行しPCを再起動

次に、以下のコマンドを実行してください。
※XXXXXの中には「HotFixID」にかかれている数字を入力してください。

wusa.exe /uninstall /kb:XXXXXXX /quiet /norestart

このコマンドは実行後すぐにアンインストールが始まります。「HotFixID」に間違いがないか実行前に確認してください。

コマンドが終了しても特にメッセージは表示されません。実行後はPCを再起動してください。

Windows PowerShellで「wusa.exe /uninstall /kb:XXXXXXX /quiet /norestart」コマンドを実行して更新プログラムを強制アンインストールしている画面
wusa.exeコマンドで更新プログラムをアンインストール

システムの復元でWindowsを以前の状態に戻す

上記の手順(設定アプリやPowerShell)でも更新プログラムの削除に失敗した場合、またはどの更新プログラムが不具合の原因か特定できない場合の最終手段として、「システムの復元」を実行する方法があります。

これは、問題の更新プログラムがインストールされる「前」の、PCが正常に動作していた時点の状態に、システム全体を巻き戻す機能です。

「システムの復元」を実行するには、あらかじめ「復元ポイント」が作成されている必要があります。もし復元ポイントを有効にしていない(作成していない)場合は、この方法は使用できません。

システムの復元を実行する手順の概要は以下の通りです。

  1. Windowsキー+Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開く
  2. rstrui.exeと入力してEnterキーを押す
  3. 「システムの復元」画面で「次へ」をクリックする
  4. 更新プログラム適用前の復元ポイントを選択し、「次へ」をクリックする
  5. 確認画面で「完了」をクリックし、PCを再起動する

システムの復元を実行すると、復元ポイント作成後にインストールしたアプリやドライバーは削除されます。ただし、個人ファイル(ドキュメント、写真など)は影響を受けません。

「復元ポイント」の作成・有効化の方法については、以下の記事で画像付きで詳しく解説しています。

更新プログラムのアンインストールに関するよくある質問と答え

最後に、更新プログラムのアンインストールに関するよくある質問と答えをまとめました。

なぜ更新プログラムのアンインストールは「非推奨」なのですか?

Windows Updateには、ウイルスやハッキングからPCを守るための重要なセキュリティ修正が含まれているためです。不具合が起きていない更新プログラムを安易に削除すると、PCが重大なセキュリティリスクにさらされることになり、非常に危険です。アンインストールは、この記事のリード文で触れたような「やむを得ない不具合」が発生した場合の、最後の手段としてのみ検討してください。

アンインストールした更新プログラムが勝手に再インストールされるのを防ぐ方法はありますか?

Windows Updateは既定で自動更新が有効になっているため、一度アンインストールした更新プログラムも再びインストールされます。自動更新を一時的に停止したい場合は、「【Windows11】Windows Updateの自動更新を停止・無効化する方法」を参考に設定を変更してください。

更新プログラムのアンインストールボタンがグレーアウトして押せない場合は?

アンインストールボタンがグレーアウトしている場合、その更新プログラムはWindowsの動作に不可欠なため削除できません。どうしても削除したい場合は、PowerShellのwusa.exeコマンドで強制削除を試すか、「システムの復元」で更新プログラム適用前の状態に戻してください。ただし、システムに不可欠な更新(累積更新など)は強制削除も不可能な場合があります。

PowerShellで「wusa アクセスが拒否されました」エラーが出る場合の対処法は?

「アクセスが拒否されました」エラーが出る場合、PowerShellを管理者権限で実行していない可能性があります。タスクバーのWindowsロゴを右クリックして「ターミナル(管理者)」を選択し、管理者権限でPowerShellを起動してください。「PowerShellを管理者として起動する方法」を参考にしてください。それでもエラーが出る場合は、その更新プログラムが削除不可能なシステム更新です。

KB番号の確認方法を教えてください

KB番号は「Windowsキー」→「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」で確認できます。各更新プログラムの名前に「KB」で始まる7桁の数字(例:KB5012345)が記載されています。PowerShellで確認する場合は「Get-HotFix」コマンドを実行すると、HotFixID列にKB番号が表示されます。

Get-HotFixコマンドで更新プログラムが表示されないのはなぜですか?

Get-HotFixコマンドは、アンインストール可能な更新プログラムのみを表示します。累積更新プログラムや機能更新プログラムなど、削除できない更新は表示されません。すべての更新プログラムを確認したい場合は、「Windowsキー」→「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」を開いてください。

wusa.exeコマンドの「/quiet」と「/norestart」オプションは何ですか?

/quiet」は確認ダイアログを非表示にし、「/norestart」は自動再起動を抑制します。両方を指定すると、確認なしでサイレント削除され、手動で再起動できます。KB番号を間違えると即座に削除されるため、実行前に必ず確認してください。

更新プログラムをアンインストールした後、PCの動作がおかしくなりました

アンインストールした更新プログラムに、システムの安定性に必要な修正が含まれていた可能性があります。すぐに「Windowsキー」→「設定」→「Windows Update」→「更新プログラムのチェック」をクリックし、最新の更新プログラムを再インストールしてください。「Windows11のWindows Updateを手動で実行する方法」を参考に、すべての利用可能な更新を適用してください。

システムの復元で更新プログラムだけを削除できますか?

いいえ、システムの復元は更新プログラムだけでなく、復元ポイント作成後にインストールしたすべてのアプリやドライバーも削除します。ただし、ドキュメント、写真、動画などの個人ファイルは削除されません。更新プログラムだけを削除したい場合は、「設定」アプリまたはPowerShellのwusa.exeコマンドを使用してください。

累積更新プログラムと品質更新プログラムの違いは何ですか?

累積更新プログラムは、過去のすべての更新を含む大型パッケージで、通常は削除できません。品質更新プログラムは、月次で配信される個別のバグ修正やセキュリティパッチで、単独でアンインストールできる場合があります。「設定」アプリやGet-HotFixコマンドでアンインストールできるのは、主に品質更新プログラムです。

どの更新プログラムが不具合の原因か分からない場合はどうすればいいですか?

Windowsキー」→「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」で、不具合発生日の直前にインストールされた更新プログラムを確認してください。KB番号をWeb検索すると、同じ不具合の報告が見つかることがあります。原因が特定できない場合は、「システムの復元」で問題発生前の復元ポイントに戻すことを検討してください。

更新プログラムをアンインストールすると、どのくらいディスク容量が空きますか?

更新プログラム1つあたりは数十MB~数百MB程度で、大幅な容量削減は期待できません。ディスク容量不足が理由であれば、「ディスククリーンアップで不要ファイルを削除する方法」や「一時ファイルの削除」「不要なアプリのアンインストール」など、「ディスクの空き容量をWindows標準機能でガッツリ増やす方法」を参考にしてください。

更新プログラムをアンインストールすると、Windowsのライセンス認証に影響しますか?

いいえ、影響しません。更新プログラムのアンインストールは、Windowsのライセンス認証状態やプロダクトキーには一切影響しません。ライセンス認証はWindows本体のインストール情報に紐づいており、更新プログラムの有無とは無関係です。

更新プログラムのアンインストール中にエラーコードが表示されました

エラーコードの内容によって対処法が異なります。「0x80070005」はアクセス拒否エラー(管理者権限が必要)、「0x80070002」はファイルが見つからないエラー、「0x80070643」はインストール失敗エラーです。PowerShellを管理者権限で実行しているか確認し、それでも解決しない場合は「システムの復元」を検討してください。エラーコードでMicrosoft公式サイトを検索すると、詳しい対処法が見つかることがあります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 25H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • 最終検証日:2025年12月9日
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この記事を書いた人

情シスの自由帳管理人のアバター 情シスの自由帳管理人 情シスの自由帳管理人

社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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