Microsoft Print to PDFが消えた・表示されない時の復旧方法

この記事では、Microsoft Print to PDFが消えた・表示されない・見つからない場合の復旧方法を実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。

PDF印刷をしようとしたら、Microsoft Print to PDFが見当たらないというトラブルは、Windows10以降に標準搭載された仮想プリンター機能が無効化されることで発生します。

システム更新やWindowsの機能設定によりMicrosoft Print to PDFが突然消えてしまうことがありますが、多くは簡単な手順で復旧できます。

この記事では、Microsoft Print to PDFの復旧手順を操作画面付きで解説します。

Windows11のバージョン24H2環境で、特定の更新プログラム(KB5058411)を適用後、「Windowsの機能」からMicrosoft Print to PDFを有効化しようとすると、エラーコード0x800F0922が出て失敗する問題が広く報告されています。
この問題に遭遇した場合、後述するPowerShellを使ったドライバーの再インストールや、問題となっている更新プログラムのアンインストールが有効な回避策となります。

目次

Microsoft Print to PDFを有効化する方法 - 「Windowsの機能」から簡単設定

Microsoft Print to PDFが消えた・表示されない場合、まずはWindowsの機能設定から有効化を試してください。

多くの場合、「Windowsの機能」からの基本的な有効化操作だけでMicrosoft Print to PDFを復旧できます。

以下の手順で、「Windowsの機能」画面からMicrosoft PDF印刷機能を有効化します。操作は5分程度で完了し、特別な知識は必要ありません。

  1. 「ファイル名を指定して実行」(Windowsキー+R)でoptionalfeatures.exeと入力して「Windowsの機能」を開く
  2. 一覧から「Microsoft PDF印刷」を見つけてチェックを入れ、右下の「OK」をクリック
  3. 「Microsoft Print to PDF」のインストール完了まで待機
  4. 「閉じる」ボタンをクリックして設定完了
STEP
「ファイル名を指定して実行」から「Windowsの機能」を開く

Windowsキー+Rキーを同時に押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開いてください。

入力欄に以下のコマンドをコピー&ペーストし、「OK」ボタンをクリックするかEnterキーを押してください。

optionalfeatures.exe

その他「ファイル名を指定して実行」で使用できるコマンドについては、別記事「ファイル名を指定して実行で使えるコマンド一覧 - Windows 11」で詳しく解説しています。興味のある方はぜひご覧ください。

Microsoft Print to PDFを有効化する方法 Step1:「ファイル名を指定して実行」から「Windowsの機能」を開く
Microsoft Print to PDFを有効化する方法 Step1
STEP
「Microsoft PDF印刷」にチェックを入れ、右下の「OK」をクリック

Enterキーを押すと、「Windowsの機能」が開きます。

「Windowsの機能」はコントロールパネルからも開くことができます。「Windowsの機能」を開くその他の方法は「【Windows11】Windowsの機能(Windowsの機能の有効化または無効化)を開く3つの方法」をご覧ください。

その中にある「Microsoft PDF印刷」にチェックを入れて、右下にある「OK」をクリックしてください。

※既にチェックが入っている場合は、一度チェックを外して「OK」をクリックし、PC再起動後に改めてチェックを入れてください。

Microsoft Print to PDFを有効化する方法 Step2:「Microsoft PDF印刷」にチェックを入れ、右下の「OK」をクリック
Microsoft Print to PDFを有効化する方法 Step2
STEP
「Microsoft Print to PDF」のインストール完了まで待機

「OK」をクリックすると「必要なファイルを検索しています」と表示されます。

このままMicrosoft Print to PDFインストールの完了まで待機してください。

Microsoft Print to PDFを有効化する方法 Step3:「Microsoft Print to PDF」のインストール完了まで待機
Microsoft Print to PDFを有効化する方法 Step3
STEP
「閉じる」ボタンをクリックして設定完了

Microsoft PDF印刷(Microsoft Print to PDF)の追加が完了すると「必要な変更が完了しました。」と表示されます。

最後に、右下にある「閉じる」ボタンをクリックしてウィンドウを閉じてください。

Microsoft Print to PDFの追加後、いつものように任意のドキュメントから印刷を試してください。プリンター一覧に「Microsoft Print to PDF」が表示され、実際にPDF出力ができれば復旧完了です。

Microsoft Print to PDFを有効化する方法 Step4:「閉じる」ボタンをクリックして設定完了
Microsoft Print to PDFを有効化する方法 Step4

Microsoft Print to PDFを有効化しても表示されない場合の対処法

Windowsの機能からMicrosoft PDF印刷を有効化したのに、プリンター一覧にMicrosoft Print to PDFが表示されない場合があります。

Windowsの機能からMicrosoft PDF印刷を有効化してもプリンター一覧にMicrosoft Print to PDFが表示されない場合は、以下の追加対処法を上から順番に試してください。

順番に試していただく理由は、簡単で効果的な方法から始めて時間と手間を最小限に抑え、リスクの低い方法から段階的にアプローチすることで安全性を重視しているためです。
また、実際のトラブル事例に基づいて解決率の高い順序で並べています。

Windows Updateの実行とPCの再起動

Microsoft Print to PDFが表示されない問題の多くは、Windows Updateによるシステムファイルの更新とPCの再起動で解決します。特にWindowsの大型アップデート後や、長期間アップデートを実行していない環境では、印刷関連の機能が正常に動作しなくなる場合があります。

以下の手順でWindows Updateを手動で実行してください。

  1. 設定画面を開く
    • Windowsキー+Iを押すか、スタートメニューから「設定」をクリック
  2. Windows Update画面に移動
    • 「Windows Update」をクリック
  3. 更新プログラムを確認・インストール
    • 「更新プログラムのチェック」ボタンをクリック
    • 利用可能な更新があれば自動的にダウンロード・インストールが開始される
  4. パソコンを再起動
    • 更新完了後、「今すぐ再起動」をクリック
      ※再起動が促されていない場合もPCを再起動することをおすすめします。
    • 再起動後、プリンター一覧でMicrosoft Print to PDFが表示されるか確認

すべての更新プログラムを適用してください。特に「オプションの更新プログラム」にプリンタードライバーの更新が含まれている場合があるため、こちらも確認することをおすすめします。

Windows Updateの詳細な実行手順については、「Windows11でWindowsアップデートを手動で実行する方法」で画面付きで詳しく解説していますので、操作に不安がある方はぜひご参照ください。

Microsoft Print to PDFのプリンタードライバーの再インストール(PowerShell)

Windows Updateで解決しない場合は、PowerShellを使って手動でMicrosoft Print to PDFのプリンタードライバーを追加します。

Microsoft Print to PDFのドライバーがWindowsから完全に削除されている場合、「プリンターに接続できません」というエラーが表示されることがあります。このような状況では、以下の手順でドライバーを手動で追加する必要があります。

STEP
PowerShellを管理者権限で起動

PowerShellを必ず管理者権限で起動してください。管理者権限がないとプリンタードライバーの追加はできません。

PowerShellを管理者権限で起動する方法が分からない場合は、「Windows11でPowerShellを管理者権限で起動する代表的な方法3選」で詳しい手順を解説していますので、先にこちらをご確認ください。

STEP
Microsoft Print to PDFドライバー追加コマンドの実行

PowerShellが起動したら、以下のコマンドを正確に入力してEnterキーを押してください。

Add-Printer -Name "Microsoft Print to PDF" -DriverName "Microsoft Print To PDF" -PortName "PORTPROMPT:"
コマンドの詳細解説
  • Add-Printer:Windowsにプリンターを追加するためのPowerShellコマンド
  • -Name "Microsoft Print to PDF":追加されるプリンターの表示名を指定
  • -DriverName "Microsoft Print To PDF":使用するプリンタードライバーの名前を指定
  • -PortName "PORTPROMPT:":仮想プリンター用のポートを指定(PDF出力用)
STEP
Microsoft Print to PDFが使えることを確認する

コマンド実行後、エラーメッセージが表示されなければ正常に追加されています。印刷を試してプリンター一覧にMicrosoft Print to PDFが表示されることを確認してください。

システムファイルチェッカー(DISM・sfc /scannow)でWindowsを修復する

Microsoft Print to PDFのプリンタードライバーを再インストールしても復旧できない場合、Windowsのシステムファイルが破損している可能性があります。以下の手順でWindows11標準搭載のDISMコマンドとシステムファイルチェッカー(SFC)を実行することで、破損したシステムファイルを修復し、Microsoft Print to PDFの復旧を試します。

  1. コマンドプロンプトを管理者として実行します。
  2. DISMコマンドを実行します。 DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
  3. 完了後、PCを再起動し、Microsoft Print to PDFでのPDF印刷を再度試します。
  4. 解決しない場合は、SFCコマンドを実行します。 sfc /scannow
  5. 完了後、再度PCを再起動し、Microsoft Print to PDFでのPDF印刷を試します。

具体的なコマンドの実行手順や、それぞれのコマンドが持つ意味については、以下の関連記事で詳しく解説しています。

他のPDF作成ツール(Adobe Acrobat、CubePDF等)の利用

ここまでの対処法でMicrosoft Print to PDFが復旧しない場合は、代替のPDF作成ツールの利用を検討してください。Microsoft Print to PDFにこだわらず、PDF出力という目的を達成することを優先しましょう。

CubePDF

株式会社キューブ・ソフト様が公開している日本製の無料PDF作成ソフトで、Microsoft Print to PDFと同様に仮想プリンターとして動作するため操作感もほぼ同じです。

Adobe Acrobat

業界標準のPDFソフトウェアですが有料版です。企業環境では最も信頼性が高く、予算がある場合におすすめします。

企業環境ではIT部門の承認が必要な場合があります。また、機密文書を扱う際は信頼できる開発元のツールを選択してください。

Microsoft Print to PDFのトラブルに関するよくある質問と答え

最後に、Microsoft Print to PDFのトラブルに関するよくある質問と答えをまとめました。

Microsoft Print to PDFが消えた・表示されない場合の直し方は?

まず「Windowsの機能」からMicrosoft Print to PDF(Microsoft PDF印刷)の有効化を試してください。「ファイル名を指定して実行」 (Windows+R) で optionalfeatures.exe を起動し、「Microsoft PDF印刷」にチェックを入れて「OK」をクリックください。

なぜMicrosoft Print to PDFは突然消えるのですか?

Windows Updateの適用や、他のソフトウェアとの競合、PC利用者による意図しない無効化が主な原因です。システムファイルの問題で発生することもありますが、通常は簡単な手順で復旧できます。

「Microsoft PDF印刷」のチェックは既に入っているのに表示されません。

一度Microsoft Print to PDF(Microsoft PDF印刷)をリフレッシュする必要があります。まず「Microsoft PDF印刷」のチェックを外して「OK」を押し、PCを再起動してください。その後、再度「Windowsの機能」を開き、改めて「Microsoft PDF印刷」にチェックを入れて有効化してください。

PowerShellでAdd-Printerコマンドを実行するとエラーが出ます。

PowerShellを「管理者として実行」していないことが原因である可能性が非常に高いです。PowerShellを「管理者として実行」してください。

Microsoft Print to PDFの名前を変更できますか?

はい、「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」から「Microsoft Print to PDF」を選択し、「プリンターのプロパティ」画面で表示名を自由に変更することが可能です。詳しくは別記事「プリンター(複合機)の名前を変更する方法 - Windows11」をご覧ください。

Microsoft Print to PDFとAdobe PDFの違いは何ですか?

Microsoft Print to PDFはWindows標準の基本的なPDF作成機能です。一方、Adobe PDFは高機能なPDF編集ソフトAcrobatに含まれる機能で、より高度な品質やセキュリティ設定が可能です。

CubePDFとMicrosoft Print to PDFはどちらが良いですか?

単純なPDF化だけであれば、標準搭載のMicrosoft Print to PDFで十分です。パスワード設定やファイルの結合・分割、解像度設定など、より高度な機能を使いたい場合は、無料のCubePDFがおすすめです。

Windows10でも同じ手順でMicrosoft Print to PDFを復活できますか?

はい、この記事で紹介している「Windowsの機能からの有効化」やPowerShellコマンドは、Windows10でも全く同じ手順で利用できます。

Microsoft Print to PDF(Microsoft PDF印刷)を有効化してもすぐにまた消えてしまいます。

PCに常駐しているセキュリティソフトや、システムの管理ツールが、会社のポリシーに基づいて機能を自動的に無効化している可能性があります。会社のPCであれば、まず情報システム部門に相談することをおすすめします。

情シスとして、Microsoft Print to PDFは社内PCで使えるようにしておくべきですか?

はい。特別な理由がない限り、情シスとしては全PCで有効化しておくことを強くおすすめします。
これにより、ユーザーがPDF作成のためにフリーソフトを個人で導入するのを防ぎ、Adobe Acrobatのような高価なライセンス費用を節約できます。全PCで使える標準機能と位置づけることで、利用者への案内が統一され、PDF作成に関する問い合わせ対応の手間を削減できる点も大きなメリットです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
環境によって結果が異なる場合がありますので、参考のうえご利用ください。

誤りのご指摘・追記のご要望・記事のご感想は、記事のコメント欄またはこちらのお問い合わせフォームからお寄せください。個人の方向けには、トラブルの切り分けや設定アドバイスも実施します。

※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

公式情報・関連資料と検証環境
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
  • OS:Windows 11 Home 24H2(64bit)
    ※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。
  • ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
  • 最終検証日:2025年9月27日
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この記事を書いた人

情シスの自由帳管理人のアバター 情シスの自由帳管理人 情シスの自由帳管理人

社内SE歴15年以上。現在も社内のPC管理・ネットワーク・サーバー運用から、日常的なトラブル対応、プログラム開発まで幅広く従事しています。
「情シスの自由帳」では、パソコンが苦手な方や新人の社内SEの方、テレワーク中に困りごとがある方に向けて、実務経験に基づいた再現性の高い解説を心がけています。

【基本検証環境】
Windows 11 Home(64bit)/Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H(1.40GHz)/32GB RAM

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