特定のネットワーク環境への接続やセキュリティ対策などで必要になる、Microsoft Edgeのプロキシ設定。
Windows11環境でMicrosoft Edgeを使っている場合、「Edge独自の設定画面はどこ?」と探した経験はありませんか?
実は、現在のWindows11上のMicrosoft Edgeでは、ブラウザ固有の設定ではなく、Windowsシステム全体のプロキシ設定が利用(連動)されます。
つまり、Windowsの設定を変更すれば、それがMicrosoft Edgeにも反映される仕組みです。
この記事では、そのWindows11のプロキシ設定画面を開く手順から、自動設定(スクリプト/自動検出)、手動設定(サーバーアドレス/ポート)、そして設定をオフ(無効化)にする方法まで、具体的な操作を分かりやすく解説します。
Windows11でプロキシ設定画面を開く手順
Microsoft Edgeのプロキシ設定はWindowsの設定から行うため、まずはそのWindows11の「プロキシ」設定画面を以下の手順で開く必要があります。
- キーボードのWindowsキーを押し、歯車のアイコンの「設定」をクリック
- 左側にある「ネットワークとインターネット」をクリック
- 右側にある「プロキシ」をクリック
- Windows11のプロキシ設定画面を開く
Windowsの設定アプリ(歯車のアイコン)から数ステップで簡単にたどり着けますので、その具体的な手順を以下に見ていきましょう。
キーボードのWindowsキーを押して(タスクバーにあるWindowsロゴをクリックして)ください。
キーボードのWindowsキーを押すとスタートメニューが表示されます。
その中にある歯車のアイコンの「設定」をクリックしてください。

「設定」をクリックすると、「ホーム」と大きく書かれたWindowsの設定アプリが開きます。
左側にある「Bluetoothとデバイス」をクリックしてください。

次に、右側にある「プロキシ」をクリックしてください。

「プロキシ」をクリックすると、「ネットワークとインターネット > プロキシ」と書かれた画面に移動します。
この画面でWindows11のプロキシを設定します。
・プロキシのセットアップスクリプトを持っている場合は「プロキシを自動で設定する方法(スクリプト/自動検出)」に進んでください。
・セットアップスクリプトが無く、手動で設定する必要がある場合は「プロキシを手動で設定する方法(サーバーアドレス/ポート)」に進んでください。

プロキシを自動で設定する方法(スクリプト/自動検出)
会社や学校などのネットワーク環境によっては、プロキシサーバーのアドレスなどを自分で入力する代わりに、設定を自動的に読み込ませる仕組みが用意されている場合があります。
Windows11のプロキシ設定画面では、主に「設定を自動的に検出する」をオンにする方法と、「セットアップ スクリプトを使う」という2種類の方法で自動設定が可能です。
ここでは、それぞれの設定手順について解説します。
「設定を自動的に検出する」を有効にする場合
ネットワーク環境によっては、プロキシ設定が自動的に検出される仕組み(WPADという技術など)が用意されていることがあります。
この機能を利用するには、Windowsのプロキシ設定画面で「設定を自動的に検出する」の項目を探してください。
見つけたら、その右側にあるトグルスイッチをクリックして「オン」の状態にします。
通常、この設定をオンにするだけで、他に入力や保存操作は必要ありません。有効になると、WindowsやMicrosoft Edgeが必要な設定を自動で探しに行きます。

「セットアップ スクリプトを使う」場合
会社や学校、プロバイダなどから、プロキシ設定用の「セットアップ スクリプト」(PACファイル等と呼ばれる自動設定用ファイル)のアドレス(URL)が提供されている場合は、以下の方法で設定します。
プロキシ設定画面にある「セットアップスクリプトを使う」の右側にある「セットアップ」ボタンをクリックしてください。

「セットアップ」ボタンをクリックすると、「セットアップスクリプトを編集」と書かれたウィンドウが立ち上がります。
その中にある「セットアップスクリプトを使う」のスイッチをクリックして「オン」の状態にしてください。
次に、その下に表示される「スクリプトのアドレス」という入力欄(テキストボックス)に、提供されたスクリプトのアドレス(URL、保存されているパス)を正確に入力してください。
最後に「保存」ボタンをクリックして設定を保存してください。

プロキシを手動で設定する方法(サーバーアドレス/ポート)
自動設定ではなく、使用するプロキシサーバーの具体的な情報、つまり「アドレス」(IPアドレスやホスト名)と「ポート番号」がネットワーク管理者などから提供されている場合は、手動で設定を行います。
Windows11のプロキシ設定画面で、「手動プロキシ セットアップ」を探して設定を進めましょう。
Windows11のプロキシ設定画面で「セットアップ」ボタンをクリックしてください。

「セットアップ」ボタンをクリックすると、「プロキシサーバーを編集」と書かれたウィンドウが立ち上がります。
その中で以下の設定を入力してください。
- 「プロキシ サーバーを使う」のスイッチをクリックし、「オン」にします。
これにより、アドレスとポートの入力欄が有効になります。 - 「プロキシIPアドレス」欄に、指定されたプロキシサーバーのIPアドレス(例:
192.168.1.100)またはホスト名(例:proxy.example.com)を正確に入力します。 - 続けて「ポート」欄に、指定されたポート番号(例:
8080)を入力します。 - (任意) 必要に応じて、「次のエントリで始まるアドレス以外にプロキシ サーバーを使います。」欄に例外アドレスを入力したり、「ローカル(イントラネット)のアドレスにはプロキシ サーバーを使わない」にチェックを入れたりします。(通常は管理者からの指示に従います)
- 最後に、必ず「保存」ボタンをクリックして設定内容を保存します。
これで手動プロキシ設定がWindowsに適用され、Microsoft Edgeなどの対応アプリで利用されるようになります。

プロキシ設定をオフ(無効化)にする手順
プロキシサーバーの使用が不要になった場合や、インターネット接続のトラブルシューティング(問題解決の切り分け)などで一時的にプロキシを無効にしたい場合は、設定を「オフ」に変更します。
現在有効になっている設定(自動または手動)に応じて、以下の操作を行ってください。
- 「自動プロキシ セットアップ」を確認します。
「設定を自動的に検出する」がオンになっている場合は、その右側にあるスイッチをクリックして「オフ」にします。 - 「自動プロキシ セットアップ」で、「セットアップ スクリプトを使う」の右にある「セットアップ」をクリックし、「セットアップ スクリプトを使う」がオンになっている場合、スイッチをクリックして「オフ」にします。
次に「保存」ボタンをクリックして設定を保存してください。 - 次に、「手動プロキシ セットアップ」を確認します。「プロキシ サーバーを使う」の右にある「セットアップ」をクリックし、「プロキシ サーバーを使う」がオンになっている場合は、これもスイッチをクリックして「オフ」にします。
次に「保存」ボタンをクリックして設定を保存してください。
現在有効になっているプロキシ設定(自動または手動、あるいはその両方)をすべて「オフ」にすれば、プロキシは無効化されます。
設定変更後、Microsoft Edgeを開いてWebサイトへ問題なく直接アクセスできるかなどを確認してください。
プロキシ設定が正常に反映されない場合の基本的な対処法
プロキシ設定が正常に反映されない場合の基本的な対処法をご紹介します。
プロキシ設定反映トラブルの基本的な対処法
設定したはずのプロキシがうまく機能しない、Microsoft Edgeでインターネットに繋がらない、といった場合、まずは基本的な設定箇所を見直してみましょう。
意外と簡単な見落としや、一時的な不具合が原因であることも少なくありません。
- 設定内容の再確認
Windowsの「プロキシ」設定画面を再度開き、入力したアドレス、ポート番号、スクリプトアドレス等に誤り(スペルミス、数字間違い等)がないか確認してください。 - 設定有効化の確認
利用したい設定(例: 「プロキシ サーバーを使う」や「セットアップ スクリプトを使う」)のスイッチが、正しく「オン」になっているか確認してください。 - 競合設定の確認
自動検出・スクリプト・手動設定など、本来は同時に使用しない設定が両方「オン」になっていないか確認し、不要な設定は「オフ」にします。 - 「保存」の確認(手動/スクリプト設定時)
アドレスやポートなどを入力・変更した場合、画面下部にある「保存」ボタンを確実にクリックしたか確認してください。 - パソコンの再起動
パソコン自体を再起動することで、一時的な不具合が解消されることがあります。
これらの基本手順で解決しない場合は、次のステップ(Windowsアップデートなど)に進んでください。
Windowsアップデートを実行して最新の状態にする
基本的な設定項目を確認してもプロキシ設定が反映されない場合、Windows自体やネットワーク関連のシステムが最新でないことが、予期せぬ動作の原因となっている可能性も考えられます。
Windows Updateを実行し、パソコンを最新の状態に保つことで、問題が解決することがあります。
Windows Updateを確認・実行するには、通常、Windowsの「設定」画面(Win+Iキー等で開けます)を開き、左側のメニューから「Windows Update」へ進みます。
「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックし、利用可能な更新プログラムがあれば、画面の指示に従ってすべてダウンロードし、インストールしてください。
詳しいWindowsアップデートの操作手順については、こちらの記事も参考になります。
更新プログラムのインストールには時間がかかったり、途中でPCの再起動が必要になったりする場合があります。
すべての更新が完了し、必要であればPCが再起動した後、再度Microsoft Edgeを開いてプロキシ設定が正しく機能するかどうか確認してみてください。
Microsoft Edgeを修復インストールする
Windowsアップデートを実行してもプロキシ設定の問題が解決しない場合、Microsoft Edgeのプログラムファイル自体に何らかの不具合が発生している可能性も考えられます。
プログラムのファイルが部分的に破損しているなどの理由で、設定が正しく読み込まれない、あるいは反映されないというケースです。
このような状況では、Microsoft Edgeに用意されている「修復」機能を試す価値があります。
これは、Microsoft Edgeの動作に必要なプログラムファイルをチェックし、問題があれば修復する機能です。
通常、この操作を行っても、あなたのお気に入り、閲覧履歴、パスワードなどの個人データが消えることはありません。
Microsoft Edgeの修復インストールの詳しい手順については、こちらの記事でわかりやすく解説していますので、こちらを参考にしてください。
修復プロセス中は画面の指示に従ってください(インターネット接続が必要になる場合があります)。
修復が完了したら、念のためPCを再起動することをお勧めします。その後、改めてMicrosoft Edgeを開き、プロキシ設定が意図した通りに機能するかどうかを確認してみましょう。
Windowsのネットワーク設定をリセットする
これまでの対処法で解決しない場合の最終手段として、Windowsの「ネットワークのリセット」機能があります。
これはWindowsのネットワーク関連の設定を初期状態に戻すことで、複雑な問題を解消できる場合があります。
「ネットワークのリセット」機能は、Windows「設定」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの詳細設定」内にあります。
「ネットワークのリセット」を選択し、「今すぐリセット」を実行してください。
詳しい手順と影響は、こちらの記事で必ず確認してから実行することをお勧めします。
リセット完了後は、ネットワークへの再接続、プロキシの再設定を行い、問題が解決したか確認してください。
プロキシ設定に関するよくある質問と答え
Microsoft Edgeのプロキシ設定について、多くの方が疑問に思う点や知っておくと役立つ情報をQ&A形式でまとめました。基本的な内容から順に確認できますので、気になる項目からご覧ください。
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その他Microsoft Edgeに関する記事はこちらです。ぜひご覧ください。
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