Windows11で「誰が・いつ・どのUSBデバイスを接続したか」を確認する方法を、初心者の方でも実践できるよう、実際の画面を使いながらわかりやすく解説します。
たとえば――
・「自分のPCに、知らないUSBメモリが接続された形跡がないか確認したい」
・「会社のPCで、誰がいつUSBを使ってデータを持ち出したか追跡したい」
情報システム担当として、USBデバイスの管理は、情報漏洩対策やセキュリティ監査の観点から非常に重要です。
しかし、Windows11は初期設定のままでは、USBの抜き差し履歴は一切記録されていません。
この記事では、USBの接続履歴(ログ)を記録するための設定方法から、イベントビューアーでのログの確認手順、さらに不要になった履歴の削除や無効化の方法まで、USBのログ管理に必要な操作を網羅的にご紹介します。
USBを抜き差しした時のログ(接続履歴)の保存を有効にする方法
Windows11でUSBデバイスの接続履歴を確認するには、まず、そのログを記録する機能を「有効」にする必要があります。
残念ながら、Windowsの初期設定では、セキュリティ上の理由からUSBの抜き差しログは記録されていません。
そのため、最初に一度だけ、以下の手順でイベントビューアーで設定を変更し、ログが保存されるようにしなくてはなりません。
- イベントビューアーを開く
- アプリケーションとサービスログ>Microsoft>Windows>DriverFrameworks-UserMode>Operationalを順に開く
- 右側にある「ログの有効化」をクリック
ここからは、USBを抜き差しした時のログ(接続履歴)の保存を有効にする方法を、実際の画面も使いながらわかりやすく解説していきます。
Windows
キー + R
キーを同時に押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開いてください。
次に、入力欄に以下のコマンドをコピー&ペーストし、「OK」ボタンをクリックするかEnter
キーを押してください。
eventvwr

以下のような画面が開けたら成功です。
ウィンドウ左上に「イベントビューアー」と表示されていれば成功です。

ここからはUSBを抜き差しした時のログが保存される場所まで移動します。
左側にある「アプリケーションとサービスログ」から以下の順番に進んでください。
Microsoft>Windows>DriverFrameworks-UserMode>Operational





Operationalまで進んだら、右側にある「ログの有効化」をクリックしてください。

「ログの有効化」をクリック後、画面表示が以下のように変わっていれば、設定は正常に完了しています。
- 確認ポイント①: 中央ペイン上部のログ名から「(無効)」の文字が消える
- 確認ポイント②: 右側「操作」パネルの項目が「ログの有効化」から「ログの無効化」に変わる
これで、この瞬間から、このPCでのUSBデバイスの抜き差しが、すべてイベントログとして記録されるようになります。

USBを抜き差しした時のログ(接続履歴)を確認する方法
ログの有効化が完了したら、いよいよ実際にUSBデバイスの接続履歴を確認します。
USBを抜き差しした時のログは、イベントビューアーの以下の場所に保存されています。 アプリケーションとサービス ログ > Microsoft > Windows > DriverFrameworks-UserMode > Operational
また、イベントビューアーを介さず、直接ログファイルを開きたい場合は、エクスプローラーのアドレスバーに以下のパスを貼り付けてEnter
キーを押すことでもアクセス可能です。
C:\Windows\System32\winevt\Logs\Microsoft-Windows-DriverFrameworks-UserMode%4Operational.evtx
USBをPCに差し込んだ時に記録されるログ
USBデバイスをPCに接続すると、デバイスの認識からドライバーの読み込みまで、内部では多くの処理が実行されます。
そのため、イベントビューアーには一度の接続で十数個のログがまとめて記録されます。
ソース | イベントID | タスクのカテゴリ |
---|---|---|
DriverFrameworks-UserMode | 2003 | Loading drivers to control a newly discovered device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2010 | Loading drivers to control a newly discovered device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2004 | Loading drivers to control a newly discovered device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2006 | Loading drivers to control a newly discovered device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2100 | Pnp or Power Management operation to a particular device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2105 | Pnp or Power Management operation to a particular device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2106 | Pnp or Power Management operation to a particular device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2101 | Pnp or Power Management operation to a particular device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2100 | Pnp or Power Management operation to a particular device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2102 | Pnp or Power Management operation to a particular device. |

USBを差し込んだ事実を示すログで、最も重要となるのがイベントID 2003
です。
これは、新しく接続されたデバイスを制御するためのドライバー読み込みが、まさに「開始」されたことを示す最初のログだからです。
イベントID 2003
のログ詳細を確認することで、「いつ」「誰が」「どのUSBデバイスを」PCに接続したのか、具体的な情報を読み解くことができます。
以下は、実際にバッファロー製のUSBメモリを差し込んだ際に作成されたログのサンプルです。
ログの名前: Microsoft-Windows-DriverFrameworks-UserMode/Operational
ソース: Microsoft-Windows-DriverFrameworks-UserMode
日付: 2022/12/08 12:03:53
イベント ID: 2003
タスクのカテゴリ: Loading drivers to control a newly discovered device.
レベル: 情報
キーワード:
ユーザー: LOCAL SERVICE
コンピューター: MSI
説明:
UMDF ホスト プロセス ({9e63ab53-0e3a-4b2a-95a7-0084b48740e4}) は、デバイス SWD\WPDBUSENUM\_??_USBSTOR#DISK&VEN_BUFFALO&PROD_USB_FLASH_DISK&REV_1.00#0916100000CC11227B00000288&0#{53F56307-B6BF-11D0-94F2-00A0C91EFB8B} のドライバーを読み込むよう要求されました。
USBをPCから抜いた時に記録されるログ
USBデバイスをPCから抜いた際にも、接続時と同様に、ドライバーの終了処理などのために複数のログが記録されます。
これらのログの中から、USBが「切断された」タイミングを正確に特定するには、イベントID 1008
に注目するのが最も確実です。
ソース | イベントID | タスクのカテゴリ |
---|---|---|
DriverFrameworks-UserMode | 1008 | Shutdown of a driver host process. |
DriverFrameworks-UserMode | 2901 | Shutdown of a driver host process. |
DriverFrameworks-UserMode | 2900 | Shutdown of a driver host process. |
DriverFrameworks-UserMode | 1006 | Shutdown of a driver host process. |
DriverFrameworks-UserMode | 2102 | Pnp or Power Management operation to a particular device. |
DriverFrameworks-UserMode | 2100 | Pnp or Power Management operation to a particular device. |

イベントID 1008
は、そのUSBデバイスのために動いていたホストプロセスが、正常にシャットダウンされたことを示すログです。つまり、これが一連の切断プロセスの「完了」を意味する最後の記録となります。
以下は実際にバッファロー製のUSBメモリを抜いた時に作成されたログです。
ログの名前: Microsoft-Windows-DriverFrameworks-UserMode/Operational
ソース: Microsoft-Windows-DriverFrameworks-UserMode
日付: 2022/12/08 12:14:15
イベント ID: 1008
タスクのカテゴリ: Shutdown of a driver host process.
レベル: 情報
キーワード:
ユーザー: SYSTEM
コンピューター: MSI
説明:
ホスト プロセス ({9e63ab53-0e3a-4b2a-95a7-0084b48740e4}) はシャットダウンされました。
USBを抜き差しした時のログ(接続履歴)の保存期間を変更する方法
企業の監査対応や、家庭での長期的なセキュリティチェックのために、USBの接続履歴を長期間保存しておきたい場合もあるでしょう。
しかし、Windowsの初期設定では、ログの最大サイズはわずか1,028KB(約1MB)しかなく、容量が一杯になると古いログから自動的に上書き削除されてしまいます。これでは、数週間前のログすら残っていない可能性があります。
ここでは、ログの保存容量を増やし、上書きされずに記録を残し続けるための設定変更を解説します。
設定の大まかな流れは、以下の通りです。
- イベントビューアーを開く
- アプリケーションとサービスログ>Microsoft>Windows>DriverFrameworks-UserModeを順に開く
- DriverFrameworks-UserMode内のOperationalを右クリックし、「プロパティ」をクリック
- 「最大ログサイズ」と「ログ容量が上限に達した際の動作」を選択して「OK」をクリックする
ここからは、USBを抜き差しした時のログ(接続履歴)の保存量と、期間を変更する方法を実際の画面も用いながら詳しく解説していきます。
USBを抜き差しした時のログはOperational内に保存されるため、Operationalの設定を変更する必要があります。
Operationalを右クリックし、「プロパティ」をクリックしてください。

「プロパティ」をクリックすると「ログのプロパティ - Operational」ウィンドウが開きます。
ここで、ログの保存容量と、容量が一杯になった際の挙動を設定します。
- ログが最大ログサイズに達したときの動作: 3つの選択肢から、ログの保存方針を選びます。
- 必要に応じてイベントを上書きする
容量が一杯になると、古いログから自動で削除されます。(初期設定) - イベントを上書きしないでログをアーカイブする
監査目的の場合はこれを選択することをおすすめします。
容量が一杯になると、現在のログは自動で別のファイルに保存(アーカイブ)され、新しいログの記録が始まります。ログが消えることはありません。 - イベントを上書きしない(ログは手動で消去)
容量が一杯になると、ログの記録が停止します。
手動でログを消去するまで、新しいイベントは記録されません。
- 必要に応じてイベントを上書きする
すべての設定を終えたら、「OK」ボタンをクリックしてウィンドウを閉じてください。 これで、USBの接続履歴を、指定した容量まで、上書きせずに長期間保存する設定が完了です。
![最大ログサイズとログが最大ログサイズに達した時の挙動を選択して[OK]をクリックする](https://jo-sys.net/wp-content/uploads/2022/12/jo-sys2-1024x576.png)
USBを抜き差しした時のログ(履歴)を全て削除し、今後は保存しないようにする方法
一度有効にしたUSBの接続履歴の保存ですが、プライバシーの観点や、ログファイルの肥大化を防ぐために、記録を停止し、これまでのログも消去したい場合もあるでしょう。
ここでは、「①これまでに記録されたログの完全消去」と「②今後のログ記録の停止(無効化)」という2つの操作を、順番に解説していきます。
USBを抜き差しした時のログ(履歴)はMicrosoft>Windows>DriverFrameworks-UserMode>Operational内に保存されるため、Operationalの中身を削除する必要があります。
イベントビューアーを起動してMicrosoft>Windows>DriverFrameworks-UserMode>Operationalに移動し、右側にある「ログの消去」をクリックしてください。

「ログの消去」をクリックすると「このログの内容を消去する前に保存できます。」と書かれたウィンドウが立ち上がります。
保存したい場合は「保存と消去(S)」をクリックし、保存せずに削除する場合は「消去(C)」をクリックしてください。

「消去」をクリックするとOperationalに入っていたログが全て削除されます。
これまでに記録されたログをすべて消去したら、次に、今後のUSB接続に関するログが保存されないように、設定を無効化します。
イベントビューアーの画面右側にある「操作」パネルから、「ログの無効化」をクリックしてください。

「ログの無効化」をクリック後、画面の表示が以下のように変わっていれば、無効化は正常に完了しています。
- 確認ポイント①: 右側「操作」パネルの項目が「ログの無効化」から「ログの有効化」に変わる
- 確認ポイント②: 中央ペイン上部のログ名に「(無効)」と表示される
これで、USBの抜き差しを記録しない、Windowsの初期設定状態に戻りました。

USBを抜き差しした時のログ(接続履歴)に関するよくある質問と答え
USBを抜き差しした時のログ(接続履歴)に関するよくある質問と答えをまとめました。
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