この記事では、Windows11でフリーズしたアプリを強制終了するために、誰でもすぐに試せる基本的な操作から、コマンドプロンプトやPowerShell(特定の命令を実行するツール)を使った少し高度ながらも確実な方法まで、状況やご自身のスキルレベルに応じて使い分けられる厳選した5つの方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
フリーズして応答しなくなったアプリ(ソフト)は、対処法を間違えると、貴重な作業時間を奪うだけでなく、保存前の大切なデータを一瞬にして失うリスクも伴います。
Windows11には、パソコンを再起動するという最終手段に頼る前に、問題のあるアプリ(ソフト)だけを的確に、そしてできる限り安全に強制終了させるための、いくつかの有効な手段が標準で備わっています。
私は、情報システム担当者として、これまで数えきれないほどのパソコンのトラブルに対応してきました。
アプリケーションのフリーズもよく遭遇する深刻な問題の一つです。
そして、「パソコンを再起動したくない、でも問題のアプリだけは今すぐ終了させたい」という切実な状況で、適切な強制終了の方法を知っていることがいかに重要か痛感し、またその知識に幾度となく救われてきました。
すぐに試せる強制終了の基本的な操作から、高度ながらも確実な強制終了の方法まで、幅広くご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
フリーズしたアプリ(ソフト)を強制終了する5つの方法
Windows11で作業中にアプリやソフトがフリーズしてしまい、うんともすんとも言わなくなってしまった…。
そんな時、いくつかの方法でその応答しないアプリを強制的に終了させることができます。
ここでは、すぐに試せる強制終了の基本的な操作から、コマンドラインを使った少し高度ながらも確実なテクニックまで、代表的で効果的な5つの強制終了方法を順番にご紹介していきます。
ご自身の状況や、PCの操作にどの程度慣れているかに合わせて、最適な手段を選んで試してみてください。
【基本操作】Alt + F4 キーでアクティブなウィンドウを閉じる
フリーズしたアプリ(ソフト)を終了させる最初の手段として、キーボードショートカットの Alt + F4
キーは、試まず試してみて欲しい方法です。
例えば、Webサイトを閲覧中にブラウザーが突然反応しなくなってしまったり、作業中のExcelが突然ウンともスンとも言わずに固まってしまったりした場合など、まさに「緊急避難」的に役立つ操作です。
これは、現在選択されているウィンドウ(アクティブなウィンドウ)を閉じる命令を送るもので、比較的軽いフリーズ状態であれば効果が期待できます。
【操作手順】
- まず、強制終了したいフリーズしたアプリのウィンドウが、画面上で選択されている(アクティブになっている)ことを確認します。
- 次に、キーボードの
Alt
キーを押しながら、F4
キーを一度押してください。

【ポイントと注意点】
- この操作でアプリが終了する場合、保存されていない作業内容は失われる可能性が高いです。
- アプリが完全に無反応で、キーボード操作を一切受け付けない深刻なフリーズ状態では、この
Alt + F4
キーが効かないこともあります。 - 操作前には、必ず対象のアプリ(ソフト)がアクティブウィンドウになっているか確認し、誤って他の正常なアプリを閉じてしまわないようにしましょう。
Alt + F4
キーで解決しない場合は、次の方法へ進んでください。
【基本操作】タスクバーから「タスクを終了する」を試す(※事前設定が必要)
Alt + F4
キーでフリーズしたアプリ(ソフト)が終了しない場合に試せるもう一つの基本的な操作が、タスクバー(画面下部でアプリアイコンが並んでいる帯状の領域)を利用する方法です。
タスクバー上のアプリアイコンを右クリックして表示されるメニューから「タスクの終了」を選択することで、応答しないアプリを強制的に閉じることができます。
ただし、このオプション(タスクバーからの強制終了)を追加するために、事前の設定が必要になる場合があります。 この設定を行っておくと、いざという時によりスムーズに強制終了を実行できます。詳しい設定方法については、以下の関連記事で分かりやすく解説されていますので、ぜひご参照ください。
【ポイントと注意点】
- タスクバーからの「タスクの終了」は、比較的軽いフリーズ状態のアプリに対して有効な場合がありますが、アプリの状態によっては反応しないこともあります。
- 保存されていない作業内容は失われる可能性が高いす。
- 「タスクの終了」オプションを利用するためには事前の設定が必要です。
タスクバーからの「タスクの終了」でもアプリが終了しない場合は、次のより強力な方法に進みましょう。
【標準機能で確実】タスクマネージャーからアプリを終了する
ここまでの基本的な操作(Alt + F4
キーやタスクバーからの終了)を試してもフリーズしたアプリ(ソフト)が終了しない場合、次に頼りになるのがWindowsに標準で搭載されている「タスクマネージャー」です。
タスクマネージャーは、PC上で実行中のアプリケーションやバックグラウンドプロセス(裏側で動いているプログラム)の状態を監視し、個別に強制終了させることができる強力なツールです。
フリーズして完全に操作を受け付けなくなったアプリも、タスクマネージャーからなら終了させられる可能性が高まります。
【ポイントと注意点】
- タスクマネージャーからの「タスクの終了」は、比較的強力な強制終了方法ですが、この操作によっても保存されていない作業内容は失われる可能性が高いです。
- 終了させるプロセスを間違えないように注意してください。特にシステム関連の重要なプロセスを誤って終了させてしまうと、パソコンが完全に停止する場合もあります。
基本的には、フリーズしていると確信できるアプリケーションのプロセスのみを終了するようにしましょう。 - 「詳細」タブを開くと、より多くのプロセス情報(PID(プロセス識別番号)など)を確認できますが、情報が多いため上級者向けです。通常は「プロセス」タブで十分対応可能です。
タスクマネージャーを起動するには、いくつかの方法があります。
以下の記事を参考にご自身が操作しやすい方法を選んでください。
タスクマネージャーが起動したら、通常はデフォルトで「プロセス」タブ(実行中のプログラムの一覧が表示される画面)が開かれています。もし別のタブが表示されていたら、「プロセス」タブをクリックしてください。
終了させたいフリーズしたアプリを右クリックして、表示されたメニューから「タスクの終了(E)」をクリックしてください。

【便利なツール活用】Microsoft PC Manager で強制終了する (※別途インストールが必要)
Windowsに標準で備わっている機能以外にも、フリーズしたアプリ(ソフト)の強制終了に役立つ便利なツールがあります。その一つが、Microsoft社が提供している無料のPC最適化ツール「Microsoft PC Manager」です。
このツールは、PCのパフォーマンス向上やストレージ管理、セキュリティ保護といった機能に加え、実行中のプロセス(プログラムの実行単位)を管理し、個別に終了させる機能も備えており、無料なのが驚きの便利ツールです。
Microsoft PC ManagerはWindowsに標準搭載されているわけではないため、利用するには別途インストールが必要です。ツールの詳しい機能やインストール方法については、以下の関連記事で詳しく解説されていますので、ぜひご参照ください。
【ポイントと注意点】
- Microsoft PC Managerを使用すると、タスクマネージャーよりも簡略化された画面で、簡単にフリーズしたアプリを終了できる場合がある。
- 保存されていない作業内容は失われる可能性がある点は、他の強制終了方法と同様。
- Microsoft PC Managerは多機能なツールですが、フリーズしたアプリの強制終了という点においては、タスクマネージャーがより強力な制御を行える場合があります。状況に応じて使い分けると良いでしょう。
Microsoft PC Managerをインストールしたら、デスクトップのショートカットやスタートメニューからMicrosoft PC Managerを起動してください。
Microsoft PC Managerのメイン画面にある「プロセス」をクリックしてください。

「プロセス」をクリックすると、現在実行中のアプリやバックグラウンドプロセスの一覧が表示されます。
この中から、フリーズしていると思われるアプリのプロセス名を探してください。
終了させたいプロセスを見つけたら、そのプロセスの右にある「終了」ボタンをクリックしてください。

「終了」ボタンをクリックすると、「このプロセスを終了しますか?」と確認メッセージが表示されます。
問題なければ、再度「終了」ボタンをクリックしてください。

【上級者向け・最終手段】コマンドプロンプトやPowerShellで強制終了する
これまでに紹介した方法(Alt+F4、タスクバー、タスクマネージャー、Microsoft PC Manager)でもフリーズしたアプリ(ソフト)を終了できない場合、最終手段でコマンドラインツールを使った強制終了を試みることができます。Windowsには、コマンドプロンプトと、より高機能なPowerShellという2つの主要なコマンドライン環境があり、それぞれ専用のコマンドを使って応答しないプロセス(実行中のプログラムの単位)を強制的に停止させることが可能です。
【コマンド操作全体のポイントと注意点】
- 正確な入力が必須: コマンド、スイッチ/パラメータ、プロセス名やIDは、大文字・小文字(特にPowerShellのコマンドレット名やパラメータ名は大文字・小文字を区別しませんが、値は区別する場合があります)、スペースを含めて正確に入力する必要があります。少しでも間違うと、コマンドが正常に動作しません。
- 管理者権限の重要性: 他のユーザーのプロセスや一部のシステム関連プロセスを終了させるには、コマンドプロンプトやPowerShellを必ず「管理者として実行」してください。
- 影響範囲の認識: 誤ったプロセスを強制終了してしまうと、システム全体の動作が不安定になったり、他の正常に動作しているアプリケーションに予期せぬ影響が出たりする可能性があります。
- 未保存データの損失: これまでの方法と同様に、コマンドによる強制終了でも、フリーズしたアプリの保存されていない作業内容は失われます。
- 最終手段として: これらのコマンド操作は非常に強力ですが、それでもアプリが終了しない、あるいはシステム全体が応答しないような場合は、いよいよPCの再起動(電源ボタン長押しによる強制シャットダウンも含む)を検討する段階かもしれません。
コマンドプロンプトで「taskkill」コマンドを使用する
コマンドプロンプトでは、「taskkill
」というコマンドを使ってプロセスを終了させます。
このコマンドは多機能で、様々な条件を指定して目的のプロセスを的確に終了させることができます。
コマンドの実行にはコマンドプロンプトを管理者として起動する必要があります。
アプリの実行ファイル名やプロセスIDの確認方法
フリーズしているアプリの実行ファイル名(イメージ名、例: notepad.exe)やプロセスID (PID:実行中プロセス固有の識別番号)、実行ユーザー名などはタスクマネージャーの「詳細」タブで事前に確認できます。

taskkill /pid プロセスID /f
taskkill /im イメージ名 /f
taskkill /fi "STATUS eq NOT RESPONDING" /f
taskkill /fi "USERNAME eq ユーザー名" /f
コマンドが成功すると、「成功: プロセス…は強制終了されました。」といったメッセージが表示されます。
エラー時は入力や権限を確認してください。
PowerShellで「Stop-Process」コマンドレットを使用する
PowerShell(より高機能なコマンド入力・スクリプト実行環境)では、「Stop-Process
」というコマンドレット(PowerShellで使われるコマンドのような機能)を使ってプロセスを終了させます。
コマンドの実行にはPowerShellを管理者として起動する必要があります。
アプリの実行ファイル名やプロセスIDの確認方法
フリーズしているアプリの実行ファイル名(イメージ名、例: notepad.exe)やプロセスID (PID:実行中プロセス固有の識別番号)、実行ユーザー名などはタスクマネージャーの「詳細」タブで事前に確認できます。

Stop-Process -Name "プロセス名" -Force
Stop-Process -Id プロセスID -Force
コマンドが正常に実行されれば、特にメッセージが表示されずに次の行にプロンプトが戻ることが多いです。
エラーメッセージが表示された場合は、プロセス名やIDの指定が正しいか、管理者権限で実行しているかなどを確認してください。
強制終了に関するよくある質問と答え
このFAQでは、Windows11でフリーズしたアプリ(ソフト)を強制終了する際に多くの方が抱える疑問や不安を解消します。
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