この記事では、Windows11で「復元ポイントを作成する方法」と、その前提となる「システムの復元を有効化する」手順を実際の画面に沿ってわかりやすく解説します。
情報システム担当者として日々PCのトラブル相談を受けますが、最も切実なのが「Windows Updateを適用したらPCが起動しなくなった」「ドライバーを更新したら画面が真っ暗になった」といったご相談です。
このような「万が一」の事態に備える最強の機能が「システムの復元」ですが、Windows11ではこの機能は初期設定(デフォルト)で「無効」になっています。
そこでこの記事では、「システムの復元」を①有効化し、安全な状態の最初の「復元ポイント」を②作成し、それが正常に作成されたか③確認するまでの全手順を、画像付きで詳しく解説します。
Windows11で復元ポイントを作成する全手順
Windows11で万が一の事態に備える「復元ポイント」を作成するには、まず機能を「有効」にする必要があります。なぜなら、この機能はPC購入時の初期設定(デフォルト)では「無効」になっているためです。
ここからは、
- システムの復元を有効にする
- 手動で復元ポイントを作成する
- 作成されたことを確認する
という3つのステップで、復元ポイントを正しく作成し、安心できるまでの全手順を詳しく解説します。
それでは、最初のステップ「システムの復元を有効にする」手順から進めていきましょう。
システムの復元(システムの保護)を有効にする
復元ポイントを作成するための大前提となる「システムの保護」機能を有効化します。
Windows11の初期設定(デフォルト)ではこの機能が「無効」になっているため、まず「有効」に変更します。所要時間は約1〜2分です。手順の全体像は以下の通りです。
- 「ファイル名を指定して実行」で
SystemPropertiesProtection.exeを実行する - (C:)ドライブを選択し、「構成」ボタンをクリック
- 「システムの保護を有効にする」にチェックを入れる
- 「OK」ボタンで画面を閉じ、「保護」が「有効」になったことを確認する
それでは、各手順を実際の画像と共に詳しく解説していきます。
「Windows」キー+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開いてください。
その中に「SystemPropertiesProtection.exe」と入力し、Enterキーを押してください。

Enterキーを押すと「システムのプロパティ」と書かれた画面の「システムの保護」タブが表示されます。
復元ポイントを作成したいドライブ(基本的にはCドライブ)を選択し、「構成(O)」をクリックしてください。

「構成(O)」をクリックすると「システムの保護対象」と書かれた画面に移動します。
「システムの保護を有効にする」にチェックを入れて「OK」ボタンをクリックしてください。

「OK」ボタンをクリックすると一つ前の画面に戻り、Cドライブの保護が有効になっていることを確認してください。
これでシステムの復元(システムの保護)が有効になりました。続いて復元ポイントの作成に進んでください。

手動で復元ポイントを作成する
「システムの復元」機能が正常に有効化されました。続いて、今この瞬間(安全な状態)の復元ポイントを手動で作成していきます。所要時間は約1分です。
- (先ほどと同じ「システムの保護」画面で)「作成(C)...」ボタンをクリック
- 分かりやすい名前(例:「ドライバ更新前」など)を入力し、「作成」をクリック
- 「正常に作成されました」というメッセージが表示されたら、「閉じる」をクリック
それでは、各手順を実際の画像と共に詳しく解説していきます。
システムの復元(システムの保護)を有効にしたら、その画面右下にある「作成(C)」をクリックしてください。

「作成(C)」をクリックすると「復元ポイントの作成」と書かれた画面が表示されます。
復元ポイントの名前を入力して「作成(C)」をクリックしてください。

「作成(C)」をクリックすると復元ポイントの作成が始まり、完了すると「復元ポイントは正常に作成されました。」と表示されます。
「閉じる」ボタンをクリックしてメッセージを閉じてください。
これで復元ポイントの作成は完了です。次回以降はシステムに重要な変更があったときや、システムの復元実行直前に自動で復元ポイントが作成されます。

復元ポイントが正常に作成されたことを確認する
復元ポイントの作成は完了しましたが、最後に「本当に今の手順で作成されたか」を確認しておくと安心です。
万が一の際に「作成したはずなのに、リストにない」という事態を防ぐため、この確認作業まで必ず実行してください。所要時間は約30秒です。手順の全体像は以下の通りです。
- (先ほどと同じ「システムの保護」画面で)「システムの復元(S)...」ボタンをクリックする
- 「システムファイルと設定の復元」画面で「次へ(N)」をクリックする
- 復元ポイントの一覧に、先ほど作成した名前のポイントが表示されているか確認する
- 確認できたら「キャンセル」をクリックして画面を閉じる
それでは、各手順を実際の画像と共に詳しく解説していきます。
復元ポイントの作成が完了したら、「システムのプロパティ」にある「システムの復元(S)」をクリックしてください。

「システムの復元(S)」をクリックすると「システムファイルと設定の復元」と書かれた画面が表示されます。
右下にある「次へ(N)」をクリックしてください。

「次へ(N)」をクリックすると、PC内の復元ポイントが表示されます。
「手動で復元ポイントを作成する」で作成した復元ポイントが表示されていれば問題ありません。右下の「キャンセル」をクリックして終了してください。

復元ポイントが正常に作成されない場合の対処法
前の手順で「手動で復元ポイントを作成する」を実行した際にエラーが表示されたり、「復元ポイントが正常に作成されたことを確認する」のステップで、作成したはずのポイントが一覧に表示されなかったりする場合があります。
これは珍しいことではなく、多くの場合、設定の見直しや簡単なメンテナンスで解決できます。
ここでは、復元ポイントが正常に作成されない場合に試すべき対処法を、原因として最も可能性が高く、確認が簡単なものから順に解説していきます。
ディスク領域の割り当て(最大使用量)を確認する
復元ポイントの作成に失敗する最も一般的で、最初に見直すべき原因が「ディスク領域の割り当て不足」です。
「システムの復元を有効にする」ステップで設定した「最大使用量」のスライダーが0%のままだったり、割り当てた領域がすでに古い復元ポイントで一杯になっていたりすると、新しい復元ポイントは作成されません。以下の手順で設定を再確認してください。
Windowsキー+Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開くSystemPropertiesProtection.exeと入力してEnterキーを押す- 「システムの保護」タブで、(C:)ドライブ(保護が「有効」になっているドライブ)を選択し、「構成(O)...」ボタンをクリック
- 「ディスク領域の使用量」の項目にある「現在の使用量」と「最大使用量」のスライダーを確認する
ここで「現在の使用量」が「最大使用量」とほぼ同じになっている場合、古い復元ポイントが溜まって空き容量がありません。また、「最大使用量」のスライダーが0%や1%など極端に低い位置にある場合も、新しいポイントを保存するスペースがありません。
スライダーを右に動かして「最大使用量」を増やし(例:5%~10%程度)、「適用」→「OK」をクリックしてください。容量を増やすと、古い復元ポイントから自動的に削除され、新しい復元ポイントを作成できるスペースが確保されます。設定変更後、再度「手動で復元ポイントを作成する」手順を試してください。
Windows Updateを実行してPCを再起動する
Windowsのバージョンが古い場合、システムの復元・復元ポイントに関する既知の不具合が含まれている可能性があります。Windows Updateを実行してOSを最新の状態に更新することで、問題が解決する場合があります。
以下の手順でWindows Updateを実行してください。
- 「
Windows」キーを押して「設定」をクリック - 「Windows Update」をクリック
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- 利用可能な更新プログラムがあればインストール
- 更新後、Windowsを再起動する
システムファイルをスキャン・修復する
上記の方法で解決しない場合、Windowsのシステムファイルが破損している可能性があります。SFC(System File Checker)とDISM(Deployment Image Servicing and Management)コマンドを使用してシステムファイルをスキャン・修復することで、Windowsのシステムエラーが解消される可能性があります。
以下の手順でシステムファイルをスキャン・修復してください。
- コマンドプロンプトを管理者として起動する
sfc /scannowと入力してEnterキーを押す- スキャンが完了するまで待つ(10~30分程度)
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthと入力してEnterキーを押す- 修復完了後、Windowsを再起動する
Windows11の復元ポイントに関するよくある質問と答え
最後に、Windows11の復元ポイントに関するよくある質問と答えをまとめました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
記事の内容は独自検証に基づくものであり、MicrosoftやAdobeなど各ベンダーの公式見解ではありません。
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※Microsoft、Windows、Adobe、Acrobat、Creative Cloud、Google Chromeほか記載の製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。
公式情報・関連資料
実行環境詳細と検証日
- OS:Windows 11 Home 25H2(64bit)
※本記事の手順は Windows11 Home / Pro / Enterpriseで共通です(ポリシーで制限された環境を除く)。 - ハードウェア:Intel(R) Core(TM) Ultra 7 155H (1.40 GHz) / 32GB RAM
- 最終検証日:2025年11月19日

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