【Windows11】システムロケールをUTF-8に変更する方法と注意点|文字化けを根本から解消

【Windows11】システムロケールをUTF-8に変更する方法と注意点|文字化けを根本から解消

この記事では、Windows11のシステムロケールをUTF-8に変更し、海外製ソフトやMacとのファイル交換で起こる文字化けを根本から解消する方法と、そのメリット・注意点を分かりやすく解説します。

「Macから受け取ったZIPファイルが文字化けする」「海外のアプリで日本語が『????』と表示される…」
情報システム担当の私にも、こうした文字コードの違いが原因のご相談が頻繁に寄せられます。

Windows11にベータ機能(試験段階)として搭載された「システムロケールのUTF-8設定」は、こうした問題を解決する強力な選択肢ですが、一部の古い国産ソフトで副作用が出る可能性もあるため、注意点もあわせて理解することが重要です。

この記事では、システムロケールをUTF-8に変更するメリットと注意点をご紹介したうえで、具体的な設定手順を解説します。ぜひ最後までご覧ください。

目次

システムロケールをUnicode UTF-8に変更するとは?メリットと注意点

ここでは、WindowsのシステムロケールをUTF-8に変更することで、何が起こるのか、そのメリットと、変更前に必ず知っておくべき注意点を詳しく解説します。

システムロケールとは?一言でいうと、どんな設定?

パソコンが文字を扱うときの「基本ルール」を、昔ながらの日本ルールから、世界標準の共通ルール(UTF-8)に切り替える設定です。

  • 従来の日本語ルール (Shift_JISなど)
    日本語の扱いは得意ですが、海外の言語や特殊な記号、絵文字などが混ざると正しく表示できず、文字化けが起こりやすくなります。
  • 世界共通ルール (UTF-8)
    ほぼ全世界の言語や絵文字を、一つのルールでまとめて正しく扱うことができます。

この設定を変更すると、Unicodeに未対応の古いアプリケーションが文字を扱う際の既定のルールが、システム全体でUTF-8に切り替わります。

システムロケールをUnicode UTF-8に変更するメリット

世界標準のルールに合わせる(システムロケールをUnicode UTF-8に変更)ことで、特に「自分と違う環境のPC」とのやり取りが、劇的にスムーズになります。

この機能はまだベータ版(試験段階)です。
今後のWindowsのアップデートで仕様が変わる可能性や、未知の不具合が発生する可能性もゼロではないことを、ご理解の上で設定してください。

1. Macとのファイル交換で“文字化け地獄”から解放される

これが最大のメリットと言っても過言ではありません。
「デザイナーさんや取引先から、Macで作られたZIPファイルを受け取って解凍したら、ファイル名がぐちゃぐちゃに文字化けしていた…」という経験はありませんか?

これは、Macが標準で「世界共通ルール(UTF-8)」を使っているのに対し、Windowsが「昔の日本ルール」を使っているために起こる“すれ違い”が原因です。
システムロケールをUTF-8に変更すれば、Windows側もMacと同じルールになるため、ZIPファイルを解凍してもファイル名が綺麗に表示されます。

MacOSからのZIPファイルの文字化けだけを解消したい場合は、「Macで作成したZIPファイルをWindowsで文字化けさせずに解凍する方法」で紹介しているCubeICEを使う方法もあります。

2. 「髙木」さん、「山﨑」さんの名前が文字化けしにくくなる

名簿や顧客リストを扱う際、「髙(はしごだか)」や「﨑(たつさき)」といった旧字体や特殊な漢字(環境依存文字)が、他の人のPCで開くと「?」や別の漢字に変わってしまうことがあります。
UTF-8は、こうした微妙な漢字の違いも正しく扱えるため、異なるPC間でデータをやり取りしても文字化けが起きにくくなります。

3. 海外製の専門ソフトやフリーソフトがきちんと動く

研究で使う海外の分析ソフトや、趣味で使う動画編集ツールなどをインストールした際、メニューやメッセージが文字化けして使えなかった、という問題が解消されます。

システムロケールをUnicode UTF-8に変更する場合の注意点

便利な反面、このルール変更に対応できない「昔ながらの日本のソフト」たちが、予期せぬ動作をすることがあります。

1. 「官公庁の電子申請システム」や「業務用のソフト」が動かなくなる

これが最も注意すべき点です。
現在、多くの主要な行政システムはUTF-8に対応が進んでいますが、会社で長年使われている独自の業務ソフトや、一部の官公庁・金融機関の古い電子申請システムなど、従来の日本語ルール(Shift_JIS)を前提としたソフトウェアがまだ残っています。

こうした環境では、設定変更によりアプリが起動しなくなったり、データが正しく表示されなくなったりする危険性があります。

2. 仕事で使う「CSVファイル」が読めなくなる

業務システムから出力される「売上データ」などのCSVファイルは、従来の日本ルール(Shift_JIS)で作成されていることが多く、システムロケールをUnicode UTF-8に変更したPCのExcelでそのまま開くと、中身が文字化けしてしまうことがあります。

この場合、Excelの「データ」タブから「テキストまたはCSVから」をクリックし、データのインポートウィザードで元の文字コードとして「Shift_JIS」を指定することで、正しく読み込むことが可能です。
または、インポート前にCSVファイルをメモ帳で開き、文字コードをUTF-8に変換してから取り込んでもOKです。

3. 昔のPCゲームや同人ソフトが遊べなくなる

昔のPCゲームや、個人が作ったフリーの同人ソフトなどは、システムロケールをUnicode UTF-8に変更することによって動かなくなる可能性が非常に高いです。

システムロケールをUnicode UTF-8に変更するべきか?

システムロケールをUnicode UTF-8に変更するべきか否かはPCの使い方によっても変わってきます。
以下の例を参考に考えてみてください。

システムロケールをUnicode UTF-8に変更した方が良い人

  • Macユーザー(デザイナー、動画編集者など)と頻繁にファイルをやり取りする人
  • 仕事で海外製の専門ツールを使ったり、海外の取引先とデータを交換したりする人
  • 名簿などで旧字体や特殊な漢字を扱う機会が多い人

システムロケールをUnicode UTF-8に変更しない方が良い人

  • 会社のPCで、指定された業務ソフト以外は使わない人
  • 日本の官公庁や金融機関のシステムをよく利用する人
  • PCの安定動作が何よりも大事で、トラブルは避けたい人

もしあなたが「よくわからないな…」と感じたなら、システムロケールをUnicode UTF-8に変更にする必要はありません。
今、特に文字化けで困っていないなら、今のままにしておくのが最も安全で確実です。

Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順

Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更するには以下の手順で設定を変更します。

  1. キーボードのWindowsキーを押し、歯車のアイコンの「設定」をクリック
  2. 左側にある「時刻と言語」をクリック
  3. 右側のメニューにある「言語と地域」→「管理用の言語の設定」の順にクリック
  4. 「システム ロケールの変更(C)...」ボタンをクリック
  5. 「ベータ:ワールドワイド言語サポートでUnicode UTF-8を使用(U)」にチェックを入れ、「OK」をクリック
  6. 「今する再起動」ボタンをクリックしてPCを再起動

ここからは、Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。

システムロケールの設定を変更するにはPCの管理者権限(Administrator権限)が必要になります。
また、設定変更後はPCの再起動が必要になるため、作業中のファイルがあれば、あらかじめ保存しておいてください。

STEP
キーボードのWindowsキーを押し、歯車のアイコンの「設定」をクリック

キーボードのWindowsキーを押すか、タスクバーの左端にあるWindowsロゴをクリックしてスタートメニューを開いてください。

その中にある歯車のアイコンの「設定」をクリックしてください。

キーボードのWindowsキーを押し、歯車のアイコンの「設定」をクリック
Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順 Step1
STEP
左側にある「時刻と言語」をクリック

「設定」をクリックすると、「ホーム」と大きく書かれたWindowsの設定アプリが開きます。

キーボードのWindowsIを押すことでも、Windowsの設定アプリを開くことができます。
また、Windowsの設定アプリを開くショートカットをデスクトップに作成すると便利です。

左側にある「時刻と言語」をクリックしてください。

左側にある「時刻と言語」をクリック
Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順 Step2
STEP
右側のメニューにある「言語と地域」をクリック

次に、右側のメニューにある「言語と地域」をクリックしてください。

右側のメニューにある「言語と地域」をクリック
Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順 Step3
STEP
「管理用の言語の設定」をクリック

次に、「管理用の言語の設定」をクリックしてください。

「管理用の言語の設定」をクリック
Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順 Step4
STEP
「システム ロケールの変更(C)...」ボタンをクリック

「管理用の言語の設定」をクリックすると、「地域」と書かれた画面が開きます。

この画面は、Windows+R を押して「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開き、その中にcontrol intl.cpl,,1と入力してEnterを押すことで開くことができます。
「ファイル名を指定して実行」で使用できるコマンドについては、こちらの「ファイル名を指定して実行で使えるコマンド一覧 - Windows 11」で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

その中にある「システム ロケールの変更(C)...」ボタンをクリックしてください。

「システム ロケールの変更(C)...」ボタンをクリック
Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順 Step5
STEP
「ベータ:ワールドワイド言語サポートでUnicode UTF-8を使用(U)」にチェックを入れて、「OK」ボタンをクリック

「システム ロケールの変更(C)...」ボタンをクリックすると、「地域の設定」と書かれたウィンドウが開きます。

その中にある「ベータ:ワールドワイド言語サポートでUnicode UTF-8を使用(U)」にチェックを入れて、「OK」ボタンをクリックしてください。

「ベータ:ワールドワイド言語サポートでUnicode UTF-8を使用(U)」にチェックを入れて、「OK」ボタンをクリック
Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順 Step6
STEP
「今すぐ再起動」ボタンをクリックしてPCを再起動

「OK」ボタンをクリックすると、「システム ロケールの変更は、Windowsを再起動するまではすべて有効になりません。」と表示されます。

「今すぐ再起動」ボタンをクリックしてPCを再起動してください。

これで、PCのシステム ロケール(パソコンが文字を扱うときの「基本ルール」)がUnicode UTF-8に変更されます。

「今すぐ再起動」ボタンをクリックしてPCを再起動
Windows11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順 Step7

システムロケールが変更できない場合の対処法

最後に、システムロケールが変更できない場合の対処法をいくつかご紹介します。
ここで紹介する対処法は、比較的簡単なものから順に並んでいます。
まずは上から順番に試してみてください。

PCを再起動する

システムロケールが変更できない場合に、まず試すべき最も簡単な対処法はPCの再起動です。

再起動すると、システム全体がリフレッシュされ、一時的な不具合やソフトウェアの問題が解消されることがよくあります。

これが原因だった場合、再起動だけで削除できるようになります。

パソコンの再起動前にWindowsの高速スタートアップを無効すると、改善の確率が高まります。
高速スタートアップを無効にする方法は、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
高速スタートアップを無効にする方法 - Windows11

再起動が完了したら、システムロケールの変更を試してみてください。

Windowsを最新の状態にアップデートする

PCの再起動で解決しない場合、Windows自体に問題がある可能性を考え、Windows Updateを実行してください。

OSのバグ修正やデバイスドライバーの更新はWindows Updateを通じて配信されるため、適用することで問題が解消されるケースは少なくありません。

「時間がかかるし面倒…」と感じるかもしれませんが、システムの根本的な問題を解決し、安定性を確保するためには不可欠な手順です。

sfc / scannowとDISMコマンドでWindowsを修復する


Windowsアップデートを試してもシステムロケールが変更できない場合、システムファイルチェッカー(sfc /scannow)と展開イメージのサービスと管理(DISM)コマンドを実行して問題が解決するか試してみてください。

システムファイルチェッカー(sfc /scannow)とは、Windows のシステムファイルに破損や改ざんがないかチェックし、問題があれば修復を試みるツールです。

展開イメージのサービスと管理(DISM)とは、Windows イメージ(Windowsのインストールに使用されるファイル)を修復したり、変更したりするためのツールです。
sfc /scannow で修復できない問題に対処できる場合があります。

sfc / scannowとDISMコマンドでWindowsを修復する方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
是非ご覧ください。

Windows 11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順に関するよくある質問と答え

Windows 11でシステムロケールをUnicode UTF-8に変更する手順に関するよくある質問と答えをまとめました。

「システムロケール」とは、一言でいうと何ですか?

Unicodeに未対応の古いアプリが文字を扱う際の「基本ルール」を決めるWindowsの設定です。
ここが日本語設定(Shift_JIS)だと、MacOSや海外の文字などで文字化けが起こります。

なぜシステムロケールを「UTF-8」に変更すると、文字化けが解消されるのですか?

UTF-8がほぼ全世界の言語や絵文字を扱える「世界共通ルール」だからです。文字化けが根本から解消されやすくなります。

「Unicode」と「UTF-8」は違うものですか?

Unicodeは「どの文字にどの番号を割り当てるか」という国際的なルールブックそのものです。
UTF-8は、そのルールブックに書かれた番号を、PCが実際にデータとして扱うための具体的な形式(符号化方式)の一つです。

この設定は「ベータ版」とありますが、利用しても安全ですか?

「ベータ版」とは試験段階の機能という意味です。
多くのアプリは問題なく動作しますが、一部の古いソフトで予期せぬ不具合が起きる可能性はゼロではありません。そのため、記事内の注意点をよく理解した上での設定が推奨されます。

Macから送られたZIPファイルが文字化けするのは、システムロケールが原因ですか?

はい、その通りです。Macが標準でUTF-8を使っているため、従来のWindowsではファイル名が文字化けします。システムロケールをUTF-8に変更するか、文字化けに強い圧縮・解凍ソフトCubeICEを使うことで解決します。

「髙」や「﨑」といった旧字体・特殊文字が「?」になるのも直りますか?

はい、改善されます。
UTF-8はこうした環境依存文字も正しく扱えるため、名簿などのデータを異なるPC間でやり取りしても文字化けが起きにくくなります。

海外製のゲームや専門ソフトの文字化けにも効果がありますか?

非常に効果的です。特に海外製のソフトはUTF-8を前提に作られていることが多く、インストール時や使用中の文字化け問題の多くが、この設定変更によって解消されます。

システムロケールをUTF-8に変更するデメリットや、一番の注意点は何ですか?

一番の注意点は、日本の古い業務用ソフトや官公庁のシステムなど、UTF-8に対応していない一部のアプリが正常に動かなくなるリスクがあることです。

この設定が原因でトラブルが起きた場合、元に戻せますか?

はい、いつでも元に戻せます。記事で解説したのと同じ手順で設定画面を開き、「ベータ:ワールドワイド言語サポートでUnicode UTF-8を使用」のチェックを外してPCを再起動すれば、元の設定に戻ります。

設定変更後にPCの再起動は必須ですか?

はい、必須です。システム全体の基本ルールを変更するため、PCを再起動するまで設定は有効になりません。

設定を変更しましたが、既に文字化けしているファイル名は直りません。

この設定は、あくまで「これから開くファイルやアプリ」の文字の解釈ルールを変更するものです。
残念ながら、既に文字化けして保存されてしまったファイル名を修復することはできません。

「ワールドワイド言語サポートでUnicode UTF-8を使用」とは、どういう意味ですか?

「世界中の言語をサポートするために、文字の基本ルールとしてUnicode(UTF-8)を使います」という意味です。これにより、PCの対応言語範囲が格段に広がります。

この設定は、PCのパフォーマンスに影響しますか?

いいえ、体感できるようなパフォーマンスへの影響(速度の向上・低下)は、ほとんどありません。

その他Windows11に関する記事

その他Windows11に関する記事はこちちらです。ぜひご覧ください。

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