この記事では、Windows11パソコンで「PowerShell(パワーシェル)」を管理者として実行するための代表的な3つの方法と、それに関連する便利な情報や注意点を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
実は、情報システム担当者として多くの人をサポートしてきた経験からお話しすると、PowerShellを管理者として実行することは稀で、GUI(マウス操作を中心とした画面)の進化により、一般的なパソコンユーザーがPowerShell(コマンドライン)を使う機会は減っていると思っています。
それでも、特定のソフトウェアのインストールやシステム設定の変更、あるいはトラブル対応のためには、この「管理者としての実行」がどうしても必要になることがあります。
「いざ必要になったけれど、やり方が分からない…」と困ってしまうことのないよう、この記事ではPowerShellを管理者権限で起動する代表的な方法をわかりやすく解説していきます。
この記事では、3つの主要な方法に加え、覚えておくと便利なショートカットの作成方法や、よくあるご質問にもお答えしています。
ぜひ最後までご覧ください。
Windows11でPowerShellを管理者として起動する主要な3つの方法
ここからは、実際にWindows11パソコンでPowerShellを管理者として実行するための、代表的で比較的簡単な3つの方法を、それぞれの手順を追いながら詳しくご紹介していきます。
それぞれの方法には、手軽さやアクセスのしやすさなどにちょっとした違いがあります。
ぜひ、一度すべての方法に目を通していただき、ご自身の作業環境や好みに合わせて、「これが一番使いやすいな」「この場面ではこの方法が便利だな」といったお気に入りの方法を見つけてみてください。
スタートボタン右クリックメニューからPowerShellを管理者として開く方法(Win+X)
Windows 11でPowerShellを管理者として起動する代表的な方法として、まずは最も手軽で多くの方にとって馴染みやすい「スタートボタンの右クリックメニュー」(またはショートカットキー「Windows
キー + X
キー」)を使った手順をご紹介します。
この方法は特別な準備もいらず、Windowsの標準機能としてすぐに利用できるため、最初に覚えるのにおすすめです。
- タスクバーにあるWindowsロゴを右クリックして「ターミナル(管理者)」をクリック
- 「ユーザーアカウント制御」の画面で「はい」をクリック
- 左上に「管理者: Windows PowerShell」と表示されていることを確認する
ここからは、スタートボタン右クリックメニューからPowerShellを管理者として開く方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
まず、画面左下にある「Windows」ボタン(スタートボタン)をマウスで右クリックしてください。 (または、キーボードの「Windows
」キーを押しながら「X
」キーを押してください。)
次に、表示されたメニューの中から、「ターミナル(管理者)」をクリックしてください。

「ターミナル(管理者)」をクリックすると、「ユーザーアカウント制御」の画面が表示され、「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と確認を求められます。
プログラム名が「ターミナル」(または「Windows PowerShell」)であることを確認し、「はい」をクリックしてください。

「ユーザーアカウント制御」の画面で「はい」をクリックすると、PowerShellのウィンドウが起動します。
ウィンドウの左上に「管理者: Windows PowerShell」と表示されていれば、無事に管理者権限で起動できています。この表示を確認してください。

Windows検索を利用してPowerShellを管理者権限で実行する方法
Windows 11のタスクバーにある検索機能(またはスタートメニュー内の検索ボックス)を使っても、PowerShellを管理者として実行することができます。
キーボード入力で素早く目的のアプリを探したい場合や、メニューを辿るのが少し手間に感じる時に便利な方法です。
- 「Windows」ボタン(スタートボタン)をクリック
- 検索バーに「powershell」とキーボードで入力し、「管理者として実行する」をクリック
- 「ユーザーアカウント制御」の画面で「はい」をクリック
- 左上に「管理者: Windows PowerShell」と表示されていることを確認する
ここからは、Windows検索を利用してPowerShellを管理者権限で実行する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。
まず、タスクバーにある「Windows」ボタン(スタートボタン)をクリックしてスタートメニューを開いてください。

スタートメニュー上部にある検索バーに「powershell」とキーボードで入力してください。
検索結果に「Windows PowerShell」が表示されます。右側に表示されるオプションの中から「管理者として実行する」をクリックしてください。

「管理者として実行する」をクリックすると、「ユーザーアカウント制御」の画面が表示され、「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と確認を求められます。
プログラム名が「Windows PowerShell」であることを確認し、「はい」をクリックしてください。

「ユーザーアカウント制御」の画面で「はい」をクリックすると、PowerShellのウィンドウが起動します。
ウィンドウの左上に「管理者: Windows PowerShell」と表示されていれば、無事に管理者権限で起動できています。この表示を確認してください。

「ファイル名を指定して実行」でPowerShellを管理者として素早く起動する方法
キーボード操作に慣れている方にとっては、「ファイル名を指定して実行」ダイアログからコマンドを入力してPowerShellを管理者として起動する方法も選択肢の一つです。
この方法では、マウスを使わずにほぼキーボードだけで操作を完結できます。
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開き、「powershell」と半角英数で入力
- キーボードの「Ctrl」キーと「Shift」キーを押しながら、Enter
- 「ユーザーアカウント制御」の画面で「はい」をクリック
以下の手順で「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを起動し、PowerShellを管理者として起動してください。
まず、キーボードの「Windows
」キーを押しながら「R
」キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を開いてください。
「ファイル名を指定して実行」ウィンドウの「名前(O):」欄に「powershell
」と半角英数で入力してください。

「powershell」と入力したら、キーボードの「Ctrl
」キーと「Shift
」キーを押しながら、「OK」ボタンをクリックするか、「Enter
」キーを押してください。

「Enter
」キーを押すと、「ユーザーアカウント制御」の画面が表示され、「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と確認を求められます。
プログラム名が「Windows PowerShell」であることを確認し、「はい」をクリックしてください。

「ユーザーアカウント制御」の画面で「はい」をクリックすると、PowerShellのウィンドウが起動します。
ウィンドウの左上に「管理者: Windows PowerShell」と表示されていれば、無事に管理者権限で起動できています。この表示を確認してください。

PowerShellを管理者で起動するための専用ショートカットを作成する方法
毎回PowerShellを管理者として起動するためにいくつかの手順を踏むのが少し手間に感じる方や、より素早く起動したい方には、専用のショートカットを作成する方法がおすすめです。
一度作成してしまえば、デスクトップなどから簡単にPowerShellを管理者権限で起動することが可能になります。
- ショートカットを作成したい場所で右クリックし、「新規作成」から「ショートカット」を選択
- 「項目の場所を入力してください(T):」欄に「
C:\Windows\System32\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe -WindowStyle Hidden -Command "Start-Process wt.exe -ArgumentList '-p \"Windows PowerShell\"' -Verb RunAs"
」を貼り付けて「次へ(N)」ボタンをクリック - 任意の名前を入力し、「完了(F)」ボタンをクリック
以下の手順でショートカットを作成し、実行してください。
デスクトップなど、ショートカットを作成したい場所で右クリックし、表示されたメニューから「新規作成」にマウスポインターを合わせ、「ショートカット」を選択してください。

「ショートカットの作成」ウィンドウが表示されたら、「項目の場所を入力してください(T):」欄に以下のコマンドをコピー&ペースト(貼り付け)し、「次へ(N)」ボタンをクリックしてください。
C:\Windows\System32\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe -WindowStyle Hidden -Command "Start-Process wt.exe -ArgumentList '-p \"Windows PowerShell\"' -Verb RunAs"

「ショートカットの名前を入力してください(T):」と表示されたら、任意の名前(例: (管理者)PowerShell)を入力し、「完了(F)」ボタンをクリックしてください。
これでPowerShellを管理者で起動するための専用ショートカットが作成されます。

PowerShellを管理者として実行する際の注意点
PowerShellを管理者として実行すると、普段はできないような特別な操作も可能になり、まさに「なんでもできちゃう」ような強力な状態になります。
これは、パソコンの詳細な設定を変更したり、システムの問題を解決したりする際には非常に便利ですが、その一方で、使い方を間違えると意図せずパソコン全体に大きな悪影響を与えてしまう可能性も秘めています。
ここでは、そんな強力なPowerShellを安全に、そして安心して使っていただくための、いくつか大切な注意点をご紹介します。
実行するコマンドは慎重に
管理者として実行したPowerShellは非常に強力です。そのため、実行するコマンドの内容には十分注意してください。
よく理解していないコマンドや、信頼できない情報源(ウェブサイトや他人からの情報など)のコマンドを安易に実行すると、パソコンの設定が意図せず変更されたり、システムに問題が発生したりする危険性があります。
コマンドを実行する前には、必ず以下の点を確認する習慣をつけましょう。
- そのコマンドが何をするものか?
- その情報は本当に信頼できるか?
少しでも疑問に思ったり、よく分からなかったりするコマンドは、むやみに実行しないようにしましょう。
これが、PowerShellを安全に使うための大切な基本です。
管理者権限は必要な時だけ
PowerShell自体は、管理者として実行しなくても、ファイル操作や情報収集など、多くの便利な操作が可能です。
しかし、システムの深い設定変更など、本当に管理者権限が必要な作業のために「管理者として実行」した場合は、そのウィンドウの扱いには特に注意が必要です。
なぜなら、管理者権限で開かれたPowerShellウィンドウは、例えるならそのパソコンに対する「万能の鍵」を持っているようなものだからです。
もし、管理者として実行したままの状態でうっかり席を離れてしまい、その間に第三者に操作されたり、あるいは自分自身が意図しない強力なコマンド(例えば、重要なファイルを消してしまうような命令や、内容をよく確認しないまま実行した悪意のあるスクリプトなど)を実行してしまったりすると、お使いのパソコンが深刻なダメージを受けるだけでなく、場合によっては社内ネットワークを通じて他のパソコンやサーバーにも悪影響を及ぼしてしまう可能性もゼロではありません。
PowerShellを管理者として使うのは、本当にその権限が必要な特定の作業を行う時だけに限定しましょう。
そして、その作業が終わったら、管理者として実行しているPowerShellのウィンドウは、他のアプリケーションのように最小化して残しておくのではなく、すぐに閉じることを強くお勧めします。
「管理者権限は、必要な時だけ、短時間で使う」――これが、お使いのパソコンを安全に保つための大切な心構えです。
システムの変更は慎重に
管理者権限でPowerShellを使うと、パソコンのシステム設定を直接、かつ大きく変更することができます。
非常に便利な機能ですが、その影響範囲も大きいため、一歩間違えるとシステム全体が不安定になったり、最悪の場合、パソコンが起動しなくなったりする可能性もあります。
そうなると、ご自身の業務に支障が出るだけでなく、場合によっては周囲にも迷惑をかけてしまうことになりかねません。
特に、普段あまり触れることのないシステムの設定を変更したり、OSの重要なファイルを操作したりする際には、最大限の注意が必要です。
もし、そのような重要な変更作業を行う場合には、可能であれば事前に以下のことを心がけましょう。
- 変更前のバックアップを検討する: 万が一問題が発生した際にシステムを以前の状態に戻せるように、「Windows11でシステムの復元ポイントを作成しておく」(https://jo-sys.net/system-restore/) ことは非常に有効です。
また、変更対象のファイルや設定のバックアップを別途取っておくことで、元の状態に戻せる可能性を高めます。 - 操作手順とその意味をよく確認する: 行おうとしている操作の手順や、それがシステムにどのような影響を与えるのかを事前にしっかりと理解しましょう。
不明な点があれば、自己判断せずに社内のIT担当者や詳しい同僚に確認することも大切です。
「何かあったときに、安全に元の状態に戻せるか?」を常に意識し、慎重に作業を進めることが、予期せぬトラブルを未然に防ぐための重要な鍵となります。
PowerShellを「管理者として実行」する方法に関するよくある質問と答え
ここでは、Windows PowerShellを管理者として実行する方法について、多くの方が最初に疑問に思う点から、特定の状況での操作方法、さらにはセキュリティ上の懸念事項まで、FAQ形式で幅広くご紹介します。
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Windows11 Home 24H2
64 ビット オペレーティング システム
11th Gen Intel(R) Core(TM) i7-11375H @ 3.30GHz 3.30 GHz
16.0 GB RAM
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